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空犬通信

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アラン・ホールズワースの決定版ムック、増補改訂版が刊行されました

この4月に亡くなってしまったギタリスト、アラン・ホールズワース。関連書籍・雑誌については、以前の記事でまとめて紹介したことがありました。その記事で、ファン必携の1冊としたシンコーミュージック刊の決定版ムックの増補改訂版が、「追悼緊急出版」ということで、先日刊行されていたのを知り、あわてて購入しました。



書影 シンコーAH増補版

↑表紙の写真も変わりました。UKのころかな、ストラトをメインギターにしていた時代の若きアラン・ホールズワース。もともと特定のギターに思い入れはないと公言していたアランは、後に、ギター好きが好むギターらしいギターからは離れていってしまうわけですが、やはりストラトやSGを抱えたアラン・ホールズワースの姿が好きというファンは多いことでしょう。かくいうぼくもその一人。そんなアラン・フリークにはうれしい表紙写真の変更ということになるでしょう。やっぱり、ストラトを抱えたアランがいちばんかっこいいんですよね。


版元の内容紹介の一部を引きます。《本書ではそれほどまでに多くのギタリストに影響を与えたアランの偉大なる功績を、2014年発売のムックをベースに再検証》。


《ヤング・ギター誌に掲載されたアーカイヴ・インタビューや機材紹介、奏法解説はもちろん、本邦初公開となる貴重インタビュー、新採りの楽曲スコア、2014年以降の更新情報を反映したアップデート・コンテンツを多数交え、最期まで孤高の存在であり続けたアランの足跡を改めて振り返ります》。


以前の記事で紹介した旧版は2014年10月刊ですが、今回の増補改訂版では、2014年以降の情報が追加され、138→160と、22ページの増となっています。


異同をすべてチェックして、ここで報告することまではしませんが、ファンならばまずチェックしたいのは、追加されたインタビュー「[UNPUBLISHED INTERVIEWS] 本邦初公開インタビュー×2 Two Pages from Master’s Yesterdays」。過去に関わったバンドやミュージシャンのことや機材のことなどについて、けっこう踏み込んで話をしていますので、2本いずれも読み応えありです。


また、巻頭には、アランの死後に寄せられたアランを敬愛する多くのミュージシャンたちのコメントがまとめられています。報道やツイッターなどで目にしている方も多いでしょうが、こうして邦訳でまとめて読めるのはやはりうれしいもの。ビル・ブラッフォードの《自分のライヴにチケット代を出したいぐらいだったよ》に個人的にぐっときてしまいました。毎晩のように一緒に演奏していた天才ドラマーにこんなふうに思わせていたのが、アラン・ホールズワースというギタリストなんですよね。


ギタースコアも曲が増えています。「In The Dead Of Night」 「Road Games」「How Deep Is The Ocean」が追加され、「Where Is One」はママ、「Tokyo Dream」がはずされました。


と、このように、見た目や内容にいろいろ変更がありますので、旧版を所有しているファンの方もお買いになることを強くおすすめします。亡くなってしまったアーティストのファンにできるのは、こうして関連商品にお金を出していくこと。そのすばらしさを他の人、後の人に伝えていくこと、ですからね。


その意味で、それほど多くは売れるとは決して思えないこのような出版物の増補改訂版を「追悼緊急出版」としていち早く出してくれた版元、シンコー・ミュージックにはいちファンとして心から大感謝です。ありがとうございました。旧版と合わせ、どちらも長く大事に読みたいと思います。


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