新聞でこんな記事を見かけ、印象に残ったので、紹介します。
- 「In a Mother’s Library, Bound in Spirit and in Print」(5/13 The New York Times)
本を介して強く結びついていた書き手(息子)と母親。母親の死後、残された蔵書、そして、キンドル。平易な英語ですから、ぜひ原文をお読みいただきたいので、ここでこまかに内容を紹介することはしません。自分が死んだら本棚の本はどうなるんだろう、そんなことを一度でも考えたことがある人は読んでみてはいかがでしょうか。
内容紹介はしないと書いたばかりですが、ちょっとだけふれておきます。
癌で自らの死期をさとった書き手のお母さんが、自分の蔵書のなかから大好きな本(『不思議の国のアリス』です)を手にとり、まだ生まれていない、そして、おそらくは会うことがかなわないであろうことが今ではわかっている孫のために、その本の中に何かことばを書きたがったそうです。
そこには、こんな一文が書かれていたそうです。
“May your life be filled with beautiful words. Love Grandma.”
「あなたの人生が、すてきなことばに満ちたものでありますように」。
ぼくが現世を引退することになったら、そのとき、子や孫に本を残したりすることが、はたして「物理的に」可能なのかなあ。そんなことを考えたりしました。