3月、4月と、オリオン書房関連のニュースが続きました。
たまたま立川に用事があったので、ノルテの本棚珈琲を、そして国立で途中下車してPAPER WALL nonowa国立店をのぞいてきました。
まずは、オリオン書房ノルテ店内にできたカフェ、本棚珈琲から。
上のフロアガイドにあるとおり、本棚珈琲は、以前のカフェ(ラウンジ)の跡地ではなく(そこにできたクイックガレージはそのままです)、改装前は芸術書があったあたりの一角にできています。サイズは29坪で、55席あるそうです。
↑入り口あたりからの眺め。
↑窓ぎわの席に座ると、目の前、やや上のあたりをモノレールが行き交いするのが見えます。鉄道には特別な興味はないほうだけれど、なんとなく楽しい気分になります。
イベントスペースとしても使われるようで、壁にはイベントと連動したものなのか、展示のポスターや額装された絵(イラスト?)なども飾ってありましたが、お客さんがいたので、近寄って内容を確認することができませんでした。残念。
店内には、閲覧用の本も置いてありましたが、点数はごくわずかでした。精算前の、ノルテ店内の商品の持ち込み可否については、ぼくが座った席の周りにはとくに注意書きのようなものはなく、オリオン書房のサイトにも言及がありませんので、おそらくは不可、ということでしょう。
文化通信の記事(3/20)によれば、《同店は日本出版販売(日販)が(株)クレアなどと提携して開発した日販プロデュースカフェの1号店》だそうです。
ラウンジが閉店になったときは、本の買い物の後で気軽にお茶を飲めるスペースが、また、頻繁に行われていたイベント・フェアのためのスペースが失われたことを嘆く声も多かったように記憶します。ノルテ店を利用する本好きにとっては、今回のカフェ新設はうれしいニュースではないでしょうか。
お隣駅のJR国立駅で途中下車。駅高架下にオープンした商業施設「nonowa国立」内にできたオリオン書房の支店、PAPER WALL nonowa国立店も見てきましたよ。
↑nonowaの入り口は、JR国立駅の改札を出て正面にあります。
↑フロアガイド。このサイズで見えるでしょうか。カフェも本屋スペースも広めにとられているのがわかります。
↑建物側面にも出入り口があります。
PAPER WALLとありますが、ざっとお店を見てみての印象としては、品揃えといい、ディスプレイの感じといい、雑貨と書籍のバランスや雑貨のセレクトといい、グランデュオの中に入っているパピルスに近い感じを受けました。
それにしても。本の棚を端から眺めていて、思わず、よくぞ、駅ビル内の書店でこのセレクトを、と、声にこそ出しませんでしたが、思わず感心してしまいました。感心した、などというと偉そうですが、ちょっとびっくりしてしまったのです。どうすごいかは、実際の棚を見ていただきたいのですが、文庫の棚1本、棚前の平台1つをとっても、単に新刊や話題書を並べただけのスペースは1つもない、といっていいほどで、面や平になっている本のセレクトに、棚を作った人の目や手がしっかりと入っているのがとてもよくわかるものになっています。
まさか、この立地、この規模の新刊書店の文庫棚で冨山房百科文庫の『退屈読本』が面陳になっているとはなあ。しかも、周りはちゃんとそれらしい本で固めてあります。海外文学と詩歌と本の本が並んでいる列があるんですが(というか、駅直結の商業施設のこの規模の新刊書店に、そのような棚が大きくとられていること自体がすごいことなんですが)、いやはや、(いい意味で)よくぞこんなのを並べてくれたものだなあ、というような並びになっていました。とにかく、あちこちに、えー、これが?!という本が並んでいるのです。いやはや。
↑上品なデザインの書皮。
↑フェア「BRANCHART(ブランチャート)」が展開中でした。これ、先日の記事で紹介した、ららぽーと富士見のBOWLでも開催されていました。ウラゲツブログさんの記事によれば、これは《「チャートに沿って質問項目にYES/NOで答えていくと番号の本にたどりつく」というもの》で、もともと《リーディングスタイル、サニー・ボーイ・ブックス、ヌマブックス、ペーパーウォールといった個性派書店が協力して選書したフェア》(チラシには、参加店の店名と、それぞれの店長さんでしょうか、選者の名前も入っています)だそうです。
ですから、あちらでもこちらでも見かけるのは当たり前ですし、展開されているお店は商圏的にまったく別のエリアですから、同じフェアが開催されていても何の問題もないんですが、たまたまあまり日をおかずに続けてみることになったうえに、PAPER WALLの本の品揃えや見せ方自体は、BOWLとも、STORY STORYとも違う独自のものに思えただけに、よそと同じフェア、それも他のセレクトショップと同じフェアが展開されているというのが、なんとなく気になるというか、もったいないというか、うまく言えないのですが、そんな感じもしてしまいました。
とまあ、そんなことは書きましたが、本棚をじっくり見ていけば必ずといっていいぐらい発見のあるお店だと思うので、国立を利用している本好きの方はぜひ寄ってみるといいでしょう。
ところで、国立の新刊書店といえば、南口すぐのところに東西書店があり、並木道を少しいったところに増田書店があります。PAPER WALLは、どちらかというと、増田書店が得意としている分野の一部と競合しそうで、増田書店にとっては強力なライバル、しかも地の利で勝るライバルの出現という感じなのかもしれません。増田書店も大好きで、お店に寄るためだけに国立で降りることもある利用者としては、今後の国立の書店事情、新刊書店の共存関係がどんなふうになっていくのか、とても気になります。
カフェは、本棚珈琲を利用したばかりなので、今回は見るだけにしましたが、午後、ランチとお茶の間ぐらいの時間帯とあって、けっこう席数のあるカフェは8割方埋まっていました。平日は22時まで営業とのことなので、会社帰りに利用するにも良さそうです。