以前の日記で三鷹の古書店、上々堂を紹介したことがあります。品揃えといい雰囲気といい、なかなかgoodな古本屋さんなのですが、上々堂ができる前は、三鷹の古書店と言えば、げんせん館でした。そのげんせん館が、どうやら閉店してしまったようです。
ふだんなら遅くまでやっている店のはずなのに、この2、3か月ぐらいでしょうか、たまに立ち寄るとシャッターが降りている、というのが続いたので、どうしたのかなあと心配に思っていたのです。で、今日寄った際に、シャッターが降りているだけでなく、テナント募集中の表示が出ているのに気づいた次第なのです。
げんせん館は、洒落た感じの上々堂とは違って、よくある街の古本屋さんという感じでした。マンガもアダルトも置いていましたし、規模も品揃えも突出していたわけではありません。ただ、かたい本、黒っぽい本もそれなりにそろえていましたし、古書展などにもよく出店していて、いい本を出品していました。今、本棚をざっと見渡してみると、『夜想』のボルヘス特集、種村季弘のサイン本、モダン東京の特集雑誌、その他雑多な文庫たち……げんせん館で買った本がいくつも目に入ります。
新宿南口近くにあった支店も閉店してしまったそうですが、この本店が移転ではなく廃業だとしたら古本好きとしてはちょっとさびしい話です。中央線から、また1店、いい古本屋さんがなくなってしまったことになります。
ネットでいろいろ調べてみたのですが、もともと店のサイトもないし、古書関係のサイトをいくつかのぞいてみても、閉店なのか移転なのか、情報が見あたりません。事情をご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
◆今日のBGM◆
- ゴンチチ『無能の人 オリジナル・サウンドトラック』
『ゲンセンカン主人』のサントラでもあればいいのだけれど、ないので代わりにこれを。映画もつげ世界の感じがよく出た佳品でしたが、このサントラがこれまたいい。ゴンチチのウクレレがすばらしい表題曲、それに「ハイキング」の2曲がお気に入り。たった5曲のミニアルバムですが、何度聴いてもあきません。