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空犬通信

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名古屋駅周辺、その他エリアの新刊書店たち……名古屋書店レポート その2

名古屋書店レポートの続きです。今回は、名古屋駅周辺から。


三省堂書店名古屋高島屋店 フロアガイド

↑三省堂書店名古屋高島屋店。デパート内のお店ということで写真が撮れなかったので、代わりにフロアマップを。資料によれば、560坪とのことですが、開放的な造りとにぎわいのせいか、数字よりも大きく見えます。バランスのいい品ぞろえに、ぐるりと店内を1周すれば主要ジャンルが目に入ってくるように工夫された配置の妙。札幌、大阪などもそうですが、三省堂書店は、こういう商業施設内のワンフロア型店舗のお店造りがうまいですね。


続いて、近鉄のファッションビル、近鉄パッセへ。8階には、星野書店近鉄パッセ店が入っています。ワンフロア、300坪。きらきらのお店がぎっしりのビルなので、エスカレータで上にあがっていくだけで、おやじはくじけそうになります……。


お店は、アイドル写真集やコミック、BLなどのジャンルの、品ぞろえや関連イベントの充実で知られるお店だとのことで、たしかに、店内の「色味」が、なんだかきらきら。やはりここでも、おやじはなんとなく落ち着かない(苦笑)。でも、だからこそ、三省堂書店名古屋高島屋店という、全方位にすきのない品揃えの、強力なライバルが徒歩圏にありながらも、この活気このにぎわいを維持できているのでしょう。


同じ駅からすぐの商業施設内のワンフロア店舗ながら、まったく雰囲気の違うお店になっていて、客層もはっきりと分かれていそう。やっぱり得意分野がはっきりしていて、その層のお客さんをがっちりつかまえているお店は強いですからね。その意味で、好みがどうとかそういう問題とは別に、強烈に印象に残るお店です。こちらも、残念ながら、写真はなし。


ジュンク堂書店名古屋店 外観

↑星野書店を見てから訪れると、その落ち着いたたたずまいと静かな店内の雰囲気に癒されます。ジュンク堂書店名古屋店。駅がすぐ見える立地ではあるものの、ちょっと歩かなければならないという微妙な立地。300坪と、ジュンク堂にしては小さめのお店ですが、背の高い什器の林立するお店ですから、在庫点数的には、先の2店を大きく上回っていそうです。


名古屋駅、見事にカラーが異なる3者が駅周辺、それも同じ出口側にそろっているわけですね。おもしろいバランスだな、と思いました。


続いて、それ以外のエリアの書店を。まず、最初は、地下鉄駅でいうと桜通線の高岳(たかおか)、住所でいうと名古屋市東区東片端町にある、正文館書店。


正文館書店 外観1正文館書店 外観2正文館書店 外観3

2フロア、380坪の中規模店。こまかく売場が区切られた、おもしろいフロア構成になっているので、くわしくは、サイトの案内を見てみてください。



駅から少し歩きますし、周りには高速道路が見えたりして、どういう町なのか、よそ者にはよくわからなかったのですが、少なくとも、ふつうの住宅街・オフィス街、という感じではない。そんな立地の割に、学参関連が充実していたり、児童書が独立した部屋のような居心地のいい、しかもそれなりにスペースをとった売場になっていたりなど、学生やファミリーを意識したような品ぞろえになっているのが、意外な感じで、印象に残りました。


ここまで回ってきたお店にも、地元作家や郷土本の棚やコーナーを作っているところはありましたが、ここは力を入れているなあという感じを受けるお店はあまりありませんでした。この正文館書店では、ボードのようなものに、名古屋作家のリストや写真などを貼りだし、その周りに本を配置するといったフェア(もしかしたら常設なのかも)コーナーがあり、地元作家が大きくフィーチャーされているのが目を引きました。碧野圭さんのお名前と本(『書店ガール』!)もありましたよ。


入り口、左側の壁面をかなり大きく使って、「今週の新刊」が並べられています。「MON」「TUE」...と、曜日ごとに新刊をまとめてありました。他のお店でも似た感じのものは目にしたことがありますが、この規模の書店としては、かなり大きく場所をとって展開しているため、店内でかなり目立ちます。日割りなので、当然、いろいろなジャンルの本がまとまって並ぶことになります。この並べ方だと、決まったジャンルの棚しか見ないようなお客さんも、ふだん目にしないジャンルの本を自然に目にすることになりますよね。なかなかおもしろい試みだと思いました。


七五書店 外観

↑地下鉄でいうと桜通線の新瑞橋、住所でいうと名古屋市瑞穂区にある、七五書店。通り沿いの路面店で、店名の通り75坪。駅から少し離れてはいますが、お店のたたずまいは、郊外型ではなく駅前書店の感じです。(写真にあるお隣の「まほろば珈琲」は、建物の入り口は共通で、オーナーも同じですが、別会計で、本の持ち込みもなしだそうです。)


七五書店 文庫フェア七五書店 猫七五 まんきき他

↑入り口を入ってすぐの平台(左)では、ご覧の通り、名古屋文庫本大賞のフェアが展開中。左の壁側には、文芸や人文など、レギュラーの棚が並んでいますが、これが、とても丁寧に本がセレクトされているのがわかる棚になっていて、すばらしい。


しっかりした品ぞろえですが、コアな本好きだけを相手にしているかのような、かちこちの棚にはなっていなくて、本のセレクトはもちろん、本の見せ方にも、お客さんが手を伸ばしやすくなるような工夫がされていました。写真(中)のように、棚に、猫たちがいたりします。この猫たちが並んでいるのは、猫本の棚というわけではないところがすてきです。


七五 漫画から始まる パネル七五 漫画から始まる 棚七五書店 フェアペーパー

↑「ブックマークナゴヤ参加にあわせて企画した」というフェア「漫画から始まる・広がる読書」。《小説や詩、絵本など、特定の作品をストーリーのモチーフとして組婚だ漫画を、その作品ととtもに展開してい》るというもの。言葉にすると簡単ですが、作品を読み込んで、そこに登場したりふれられていたりするものをこまかく拾っていかないと成立しないフェアで、非常に手間のかかったものになっています。実際、棚を見ると、かなりマイナーなものまで入っていて、こまかく拾われていることに驚かされました。


この七五書店、今回初めて訪問するお店だったんですが、個人的に、とても好きなタイプのお店でした。この空犬通信には何度か書いていますが、ぼくは、50坪から150坪ぐらいの、駅前や街中にある書店(この場合は、「本屋さん」と書くほうがしっくりきます)がとても大事だと思っているので、この立地、この規模で、このような品揃えでがんばっているお店に出会えると、ほんとにうれしいです。七五書店のことは、これだけだともったいないので、いつか機会を作って、あらためてくわしく紹介したいなあと思っています。


……ふう。やっと新刊書店はだいたい紹介し終えたかな。次回は、一箱古本市と古書店・専門店などについて、少しふれたいと思います。


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