本の世界のことを描いた児童書は、フィクション、ノンフィクション併せ、いろいろありますが、このようなタイプの本はめずらしいのではないでしょうか。
- 岩貞るみこ『青い鳥文庫ができるまで』(講談社)
内容はこのような感じ。《青い鳥文庫の大人気シリーズが書店に並ぶまでを追いかけた、迫真のノンフィクション。本は、読むのもいいけど、作るのも楽しい! 累計200万部突破目前の、とある大人気シリーズ。子どもたちへのクリスマスプレゼントにしたい!と最新刊・第14巻の12月発売を決めたものの、先生の原稿は遅れに遅れ……。果たして12月発売にまにあうのか? 作家、イラストレーター、編集部、そして、校閲や販売、印刷所、取次、書店などなど、青い鳥文庫が書店に並ぶまでの人々の奮闘を描きます。4ヵ月におよぶ綿密な取材にもとづいた、臨場感あふれる現場の姿。これを読んだら、あなたも本を作りたくなっちゃうかも!※小学中級から大人まで》
しばらく前に、こんな紹介記事も新聞に載りました。「出版ニュース:奮闘描いた「青い鳥文庫ができるまで」」(7/8 毎日新聞)。(直接関係ない話ですが、Webでルビをこのように表示した文章って、本気で読みにくいですよね……。)
これ、児童書なんですが、どう考えても、本好きのお父さんお母さんをねらったものですよね。実際、この本のことを教えてくれたのは知り合いの編集者でした。大人が、というか、出版関係者が読んでも愉しく読める内容でしたよ。「児童書の読み物ってどんなふうにできるの?」という興味をお持ちの方に、広くおすすめです。親子で楽しめますよ。
さて、この本に関連して、こんなイベントもありますよ。
- 「本屋さんで夏休みの自由研究をやろう!」(丸善&ジュンク堂書店公式サイト)
「本屋さんで夏休みの自由研究」って、この文字列だけで、本好きならわくわくしますよね。こんなイベントだそうです。《丸善&ジュンク堂書店では、夏休みの自由研究を応援する企画をたくさんご用意しています。本がだいすき、本をつくるひとになりたい、そんな方はどんどん参加してください! 参加には、チケットと教材をご購入いただく必要があります。子どもの皆さんは、お母さんにお願いしてね! ◎保護者の方のお申し込みはできません。対象年齢:小学中・高学年〜中学生》
イベントは、3種あります。
1.作家さんに、どうやって本を書くのかを聞いてみよう!
2.編集者さんに、本をどうやって作っているかを聞いてみよう!
3.本屋さんを体験しよう!
1と3の会場は、丸善&ジュンク堂書店渋谷店、丸善&ジュンク堂書店梅田店。2は、講談社の編集部です。どれかを選ぶわけで、3つすべてに行けるわけではないですが、書き手、作り手、売り手の3つがカバーされているわけで、なかなかすてきなアイディアではないですか。
ぼくも、うちの子に声をかけて、早速申し込みましたよ。ちなみに、最初は申し込みがWebサイトからのみで、アカウントを持っていない身にはちょっと敷居の高い感じになっていたのですが、いまは、《全コースとも、お申し込みは電話とwebサイトおよび実施店舗で受け付けます!》と、申し込みがしやすくなっているようです。申し込みなどの詳細は、サイトをご覧ください。
イベントのうち、いちばん日程が迫っている「1.作家さんに、どうやって本を書くのかを聞いてみよう!」の東京会場は、今度の日曜日、8/11。知り合いに聞いたところ、まだ人数に余裕があるようなので、迷っている方は、申し込んでみてはいかが? 本好きのお子さんのいるお宅はぜひ。
本に直接関係のないお仕事をされている、本好きのパパママのみなさんにおすすめなのはもちろんなんですが、出版・書店関係者のみなさんにも、このイベント、ぜひおすすめしたいです。というのも、これ、自分たちの仕事を子どもたちに知ってもらう、すごくいい機会だと思うんですよ。自分たちの職場を子どもに見せたり、仕事の話を子どもに聞かせたりって、そういうチャンスはなかなかありませんよね。今回は、それを自分たちのかわりにプロが、書き手、作り手、売り手の立場で、子どもたちに「本を書く・作る・売る仕事とは」を教えてくれるわけですから。すごくいい話ではないですか。というわけで、本のプロのお子さんにも、おすすめです。