さて、今朝のこと、通勤途中の出来事です。駅に向かって急いでいると、何やら弦楽器のケースのようなものが複数、置いてあるのが目に入りました。近寄ってみると、たしかに楽器ケースです。大1つに小2つと、3つもある。粗大ゴミであることを示す、出した人の名を記した紙が貼られています。
その場でざっとあらためてみます。ケースはどれも使い込んだものですが、きれいな状態。開けてみると、大はAriaのアコースティックギター、小はヴァイオリンでした。あわわ、こんなことが……。
楽器やオーディオや家具を粗大ゴミで拾って手に入れる話は話に聞いたり、本で読んだりはしますが(最近読んだ『賃貸宇宙』にもたくさん出てきます)、自分ではそういう機会にめぐりあったことは一度もありません。いや、正確に言うと、粗大ゴミギター自体は目にしたことがあるのですが、裸だったり状態がひどかったりで、とても通勤途中に持っていけるようなものではなかったのです。
今回も裸ならあきらめていたでしょう。ところが、ちゃんとケースに入っているし(しかも、アコギはRitterのケースで、ぼくの使っているソフトケースよりもいいやつなんです)、ケースにも汚れやほこりの付着もなく、ふつうに使われているのと同じ状態。これは持っていかないわけにはいかんでしょう。そのまま大小1つずつのケース(3つは持てなかったので、小の1つはあきらめたのです)をさりげなく抱えて、ふつうに会社に行きました。
というわけで、くだんの楽器は、会社にあります。弦楽器2台持参で出社する男。あやしいです。なので、ロッカーに隠してありますが、ロッカーの扉がきちんとしまりません。ますますあやしいです。盗品や死体を隠蔽する犯罪者はこのような気分なのかもしれません。会社帰りに用事のない日に、1台ずつ会社から持って帰ってくる予定なので、そうしたらまた写真付きで報告したいと思います。楽しみだなあ。
本にも書店にもまったく関係ない話で恐縮ですが、誰かに言いたくてしかたなかったので、この場で報告させていただきました。
- ギター・マガジン『ビンテージ・ギター・カフェ』(リットーミュージック)
最後に無理矢理、本の話を。『ギター・マガジン』の連載をまとめた、ビンテージ・ギターの写真集。今日は気持ちがギターに向いています。そういう「ギターな気分」のときにぴったりで、よくぱらぱら眺めてます。
◆今日のBGM◆
- ツィンマーマン『パガニーニ:カプリース作品1(全曲) 』
今日は「ヴァイオリンな気分」でもあるので、大好きなこれをあげておきます。いわゆる「24のカプリース」。ヴァイオリンの演奏のなかではこれがいちばん好き。楽譜も持ってて、しょっちゅう眺めたり聴いたりしています。ギター弾きにとっても刺激の多い演奏で、ギターで挑戦する人もクラシックに、ジャズに、ロックにとたくさんいます。うち、村治佳織がデビュー作で披露した「カプリース24番」の初々しい(でも技術的には10代のそれとは思えない)演奏は印象に残るものの1つです。村治版の楽譜も持ってるけど、挑戦しようと思ったことすらありません(No imageか、残念、これ、表紙もいいのに)。