おお、これはまた、ドラム好きなら驚喜必至の、ものすごい本が出たなあ。
- 小原由夫『ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事 レビュー&奏法解説でグルーヴの秘密を探る』(DU BOOKS)
版元の内容紹介によれば、このような本です。《ポーカロの参加作品全505枚を一挙紹介! バンド・TOTO創設メンバーであり、伝説のドラマーの(ほぼ)全セッションの匠の技を1冊に! 時代時代の音楽に要求されたスタイルをパーフェクトにこなし、新しいエッセンスも盛り込むことができた稀有なドラマーの「音」に迫る! 音楽におけるリズム(グルーヴ)の大切さ、ポーカロの素晴らしさを、オーディオ評論家の小原由夫氏が解説》。
版元の内容紹介ページに、「登場ミュージシャン」の一部があがっているんですが、これがすごい。和洋に硬軟にと、世代もジャンルも異なるアーティストがずらり。
《マイケル・ジャクソン、スティーリー・ダン、シェール、シールズ&クロフツ、アル・スチュアート、ボズ・スキャッグス、大村憲司、Char、ダイアナ・ロス、ジェイ・P・モーガン、ジャクソン・ブラウン、ジョン・メイオール、ピンク・フロイド、オリビア・ニュートン・ジョン、ポール・マッカートニー、ジャクソンズ、シカゴ、アレサ・フランクリン、竹内まりや、グレッグ・レイク、ビー・ジーズ、ラリー・カールトン、ドナルド・フェイゲン、クロスビー・スティルズ&ナッシュ、エルトン・ジョン、ハービー・ハンコック、ライオネル・リッチー、ポール・サイモン、エリック・クラプトン、小田和正、アース・ウィンド&ファイア、大貫妙子、渡辺貞夫、マドンナ、セリーヌ・ディオン、レイ・チャールズ、ブルース・スプリングスティーン…etc.》
これが一人のドラマーのセッション歴の一部なんだから、驚くほかないですよね。
全部で6章だてで、TOTOが独立の章で扱われているほかは、時代ごとに参加作品をまとめてあります。参加作品のアルバムガイドとして読めるのはもちろん、参加曲に関する詳細な情報もあり、ドラムプレイに関する解説もありで、とにかく情報量が半端ではありません。読み応えがあります。あり過ぎて、音源を聴きながらだと、なかなか読書が進まないほどです。
これ、ドラム好き、(とくに)70〜80年代の洋楽好き(本書の内容的には、2013年までカバーされています)には感涙ものの1冊ではないかなあ。力作としか言いようがありません。これを片手に、とりあげられているアルバム、ジェフ・ポーカロ参加作品を次々に聞き漁っていくのも楽しそう。
アルバムのジャケ裏や内ジャケ、ライナーノーツなどに記されている、各楽曲の参加メンバーが気になるタイプの音楽好き、そして、何より、ジェフ・ポーカロのドラムを愛する音楽好きには強くおすすめの1冊です。