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開学20周年記念『ブータンの風に吹かれて』刊行!

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めでたい年度末

 3月晦日、ぎりぎりのスケジュールで科研中間報告書が納品されました。おかげさまで、今日は「飯がうまいね」「ほんとそうですね」という会話で盛り上がりました。爆笑の渦は江戸にまで波紋をひろげ、歓喜の一句を生み落としております。

  桜散る 瀬川も枯れて 笑い飯

 中間報告書の書誌情報は以下のとおりです。入手希望の方はご一報ください。

1.書名: ASALAB報告書 第40輯【開学20周年記念号】
      ブータンの風に吹かれて-中後期密教空間の比較文化
      Blowin' in The Wind of Bhutan
      - Comparative study on the space of the middle and later esoteric Buddhism -

2.編集: 浅川(編集補助:玉田・東・鄭)
3.ロゴデザイン: 岡垣&ルサマシャ・バコバコ *下に解説
4.表紙写真(風の谷のルンタ): 谷撮影2018@パロ
5.発行: 公立鳥取環境大学 保存修復スタジオ [email protected]
6.発行年月日: 2022年 3月30日  総頁数:100p.
7.印刷: 西尾印刷所
8.目次: 「続き」に掲載します

表紙・裏表紙・ロゴ解説-風馬旗ルンタと五色の旗
 表紙と裏表紙に表現した二つのロゴは五輪ロゴのパロディである。五輪ロゴは上が3輪、下が2輪だが、本書では上下反転させ、上を2輪、下を3輪とする。また、五輪の色は青・黄・ 黒・緑・赤であり、五大陸を象徴するのに対して、本書ロゴでは、ブータンの五色旗(タルチョ/マニタル)の青・白・赤・緑・黄とする。この五色は自然界の五要素、空(青)・雲(白)・火(赤)・水(緑)・大地(黄)を表す。ボン教時代から使われてきた旗だが、今は仏教の経文を印字する。旗が風になびけば経を唱えたことになる。本書の五輪の輪は菅原遺跡「円堂」の抽象化(表紙)もしくは遺構写し(裏表紙)である
 ブータンでは背の高い経幡タルシンを村の共有地などに群集させている。その特殊な例が風馬旗ルンタであり、風の強い谷筋に立てる。風は人の内にある負の要素を体外に掃き出す力がある。旗には経文に加えて風馬が表現され、軸の先端に転法輪を槍が突き刺す飾りをつける。風馬は仏の教えを運ぶ乗物、車輪と槍は無知や邪霊を切り裂く武器である。裏表紙の写真がルンタの全景であり、表紙と裏表紙の地に経文と風馬のアップを写している。書題の「ブータンの風に吹かれて」は、旗・幡(タル)によって視覚化される「風」を意識しつつ、ボブ・ディランの有名な反戦歌「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」(1963)を引用したものでもある。


記念ロゴ(表)web     記念ロゴ(裏)web

デザイン: (左)Mr.エアポート  (右)ルサマシャ・バコバコ


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シュガー・ナックル・ボクシングジムの卒業

江戸ワイン


ウクライナ支援の餞

 また一人送別のワインを送りました。もちろんウクライナ支援ワインです。残念ながら直接手渡すことができなかったので、ボクシングジムを訪ね、会長(左)に預けておきました。わたしは今から7年前ジムに加わり、女性コーチの指導に鼻の下を伸ばしておりましたが、コロナ禍後、休会届けを出し、ついに昨年末をもって正式に退会しました(会長の温情でグローブとシューズは置いたままにしてもらっています)。学生と授業で接触する立場であり、ジムで感染して学生にウィルスを移したら大変だと思ってジムでの運動を控えてきましたが、結果として東尿英機なんだから、ジムでのトレーニングは続けるべきであったのかもしれません(感染はそれ以上に怖かった)。
 右の若者は本学経営学部忌々ゼミの卒業生であり、よくミットをもってもらいワンツーの練習をしました。江戸時代阿波の人です。蜂須賀家とは無縁とのこと。じつはノビタが最初に就職した職場の後輩にして、我らが寅さん再現プロジェクト初代マドンナの先輩にあたります。残念なことに、ノビタと同様の悩みを抱え、このたび退職して阿波に戻り、再就職するそうです(歴史は繰り返すので但馬にいるマドンナのことを心配しています)。ところが、会長からは強く慰留され、一月に1回は戻ってきてコーチを続けるよう依頼されているそうです。またそれを受けるっていうんだから、若いって素晴らしい。体力あるねぇ。

 こうして毎日のようにウクライナ支援の北条ワインを写真でアップしてきましたが、明日でいったん支援販売は終わります。じつはじつは、昨日マリーナさんご夫妻に電話しました。水面下で動いている支援企画をお話ししたところ、ずいぶん喜ばれました。その企画に時期をあわせるか否かは分かりませんが、いずれ再発売の運びになるのではないかと期待しております。ちなみに我が家の場合、昨夜で赤ワインを飲み干してしまいました(おもに配偶者が)。残りは白のボトル半分のみです。



ドブロやペダルスティールは竪琴系のギターを横琴系のツィターに変えている(戻している)、と考えていいかもね。琴はギターの祖先であり、ツィターを経由して最も進化した楽器がピアノということじゃないのかな?

あめさもまげねで

 『スッタニパータ』の影響が推定される宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を東北弁で読むという試みをメールで受け取りました。秋田方言での朗読音声データがあるのですが、ここにアップすることができません。以下のサイトにアップしましたので、ダウンロードしてお聴きいただければ幸甚です。期限は60日です。

https://59.gigafile.nu/0528-ce5c6923a65f36fedd37ecca9b75d2c3a


あめさもまげねで 
かぜさもまげねで 
ゆぎさもなつのあつぃのさもまげね
じょうぶなからださもってよ 
よぐは ねぐて 
ぜったいおごらねで 
えっつもしずがにしてわらってら 
ひにげんまいよんごと 
みそど さっとのなっぱくってよ 
なんでもかでもわはかんじょさいれねで 
しっかどみぎぎしてわがってよ 
んでわすれねでよ 
のはらのまづばやしのうらの 
ちゃっけかやぶきのこやっこさえで 
ひがしさやめぇのわらしえれば 
えってみでやって 
にしさこえぐなったばんばあれば 
えっていねたばしょってやり 
みなみさしんでしまうんたひとえれば 
えっておっかねがらねくてもえぇとしゃべり 
きたさけんかやさいばんさかげるんたことあればよ 
おもしぇぐねがら やめれとしゃべり 
へでりのどぎにはなみだぁながし 
さんびなぢはおろおろありって 
みながらあんぽたれとえわれで 
ほめられもしねで 
くにもされね 
そんたものに 
わはなりで

 原詩は以下のサイトを参照してください。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html



↑We are the world に比肩する取り組みですね。 東日本大震災十周年セレモニーでも英訳「雨ニモマケズ」が朗読されました。↓ナターシャさんも東日本大震災、チェルノブイリ被爆の両方に係わっておられます。上の東北弁翻訳者はバンドゥーラをバックに朗読したいという少々厚かましい希望をもっておられます。実現するといいですね。

オートハープと日本のフォーク




高田渡と五つの赤い風船
 
 バンドゥーラと無縁ではない楽器を忘れていました。アメリカン・フォークで使われるオートハープです。ドイツに起源があるらしく、簡易ツィターともいうべきか。日本のフォーク界で、オートハープの使い手といえば、高田渡と西岡たかし(五つの赤い風船)が思い起こされます。オートハープの「オート」とは何か。自動的にコードが押さえられるようになっているのです。大正琴をイメージしていただきたい。ピアニカの鍵盤のようなボタンがたくさんあるでしょ。大正琴は単音を押さえてその音を鳴らすのに対して、オートハープはコードのボタンがあり、そのボタンを押すと、コード(和音)に不要な弦がミュートされる仕組になっている。この場合、問題なのは、キーと楽器が1対1の対応をしている点です。たとえば、上の「生活の柄」はGキーであり、下の「遠い世界に」はDキーなので、同じ楽器を使えない。別のオートハープを使わざるをえないということです。また、「遠い世界に」を聴けばわかるように、イントロや間奏においてメロディを弾いているようで、じつはメロディに近いコードを奏でているにすぎない。メロディを弾けないことはないけれども、単音は弾きにくく、コードで代替することになります。それでも、中学生のころ、「遠い世界に」を初めて聴いたときにはひっくりかえって腰が抜けました。バックに聴こえる中川イサトの3フィンガー(ギター)もものすごく安定感があって素晴らしく、オートハープとの相性抜群ですね。


 5:00~オートハープ調律~哀れな草


 高田渡がオートハープを弾きながら「生活の柄」を歌う姿は、バンドゥーラを弾く吟遊詩人コブザーリそのものではありませんか。竪琴を弾き語りする歌旅人。画面に井上陽水が映っていますが、「生活の柄」は陽水のお気に入りの曲だったようです。「遠い世界に」は反戦歌というよりも、反体制の歌ですね。「血まみれの鳩」が反戦歌だ。高校時代、鳥取市民会館で五つの赤い風船のライブを聴きました。もちろんみんなで「遠い世界に」を歌いました。当時の五つの赤い風船はビブラフォンの比重が大きく、ちょっと難解なジャズっぽい匂いの曲が多かったように記憶しています。アコギの名手、中川イサトはそのころすでにバンドを離れていました。音楽性が違う方向にむいていたのは、その後のイサトさんの活動をみれば明らかでしょう。





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スッタニパータ ブッダの言葉

スッタニパータ (光文社古典新訳文庫) ブッダの言葉  日常語訳 新編スッタニパータ ブッダの〈智恵の言葉〉


未来にこだわらず、過去を嘆かず

 『ブッダが説いた幸せな生き方 』(岩波新書・2021)に続く新作『スッタニパータ ブッダの言葉』が早くも完成し、著者よりご贈呈いただいた。書籍情報をまずは示しておく。

書名: スッタニパータ ブッダの言葉
著者: 今枝由郎(翻訳)
出版社 ‏: ‎ 光文社   発売日‏ : ‎ 2022年3月20日
ISBN-10 ‏: ‎ 4334754597  ISBN-13‏ : ‎ 978-4334754594

 『スッタニパータ ブッダの言葉』(↑左)はじつは新刊ではなく、2014年にトランスビューから出版された『日常語訳 新編スッタニパータ ブッダの〈智恵の言葉〉』(↑右)を改訂された上で光文社古典新訳文庫より復刊したものである。
 紀元前5世紀、ネパールに近い北インドのシャーキャ(釈迦)国で誕生した王子ゴータマ・シッダルターは、29歳のとき、裕福な王宮の生活を捨て修行の旅に出る。それから数年後、ブッダ(目覚めた人)となり、残りの生涯を衆生を救う説法に捧げた。生前のブッダの教えは成文化されることはなく、覚えやすい歌訣として伝承されていったが、少しずつ文字に書き写されるようになり、その集積が今に残る経典の原型となる。経典のうち紀元前まで遡りうるのが「ダンマパダ(法句経)」と「スッタニパータ(経集)」である。パーリ語で書かれたこの二つの経典こそがブッダの説法に最も近い内容のものだと言われている。
 対話形式の『スッタニパータ』は中村元翻訳の岩波文庫本(1958)を口語訳風の嚆矢とし、その後も数多の碩学による翻訳が試みられてきたが、一般読者にとっては依然難解であるのに対して、著者は「翻訳にあたっては漢訳仏教用語は極力用いず、平易な日常語にすることを第一に心がけ」られている。内容については、書き写すことすら怖じ気づいてしまうけれども、たとえば以下の二つの偈(げ)を自戒のため引用させていただく。

 846 賢者は、自分の見解や考えを過信することがない。それが彼の人柄である。彼は祭祀や伝統にとらわれることなく、固定観念に執着することがない。
 851 彼(最上の人)は未来にこだわらず、過去を嘆かず、現在も感覚器官の対象に執着せず、偏見に陥ることがない。


北尿ワイン


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小型水車発電と避難住宅




石徹白の取り組み

 福井との県境に近い岐阜県の石徹白(いとしろ)という限界集落が、小型水力発電による村おこしに取り組み、移住・定住者が増えている動画を発見しました(↑)。石徹白と言えば、新海監督のアニメ『君の名は』の糸守のモデルになった村だともっぱら噂されていて、どうしても気になってしまいます。アニメの件はさておき、このたびの東北地震では大変な戸数が停電に見舞われ、政府から節電の要望が繰り返し出されました。こうした事態の反省からも、住宅ごとのソーラー発電や、コミュニティごとの水力発電などの普及補助がもっとなされてしかるべきでしょう。Go to の復活だとか、老人への5,000円支給よりも先にやらなければならないことがある。下の動画はアップしようかどうか迷いました。個別の企業の宣伝になってしまうからです。上のような危機意識から敢えてアップすることにした次第です。





間仕切りと避難住宅

 海外に目をむけても、石徹白が支援しようとしているミャンマーだけでなく、たとえば、「山の教室」の舞台となったブータンの山間部でも小型水力発電機は十分使えるし、ウクライナにだって、終戦後の復興に貢献するかもしれませんよ。いちばん下の動画は、みなさんよくご存じの板茂さんの避難所間仕切りですが、仮設住宅と小型再生エネルギーをセットにして復興を進めるようになるかもしれませんね。板さんが羨ましい・・・



ほんと、良い仕事をされてると思います。 

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マスクは男女で図柄とサイズを変えています。

ツィターとバンドゥーラ

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 昨日、アパラチアン・ダルシマーとハンマー・ダルシマーを紹介した関係上、それらの源流であるツィターのサイトをチェックしたところ、なんだバンドゥーラとそっくりじゃないか、といまごろ気付いたんです。上に両者を並示してみます。左がツィターで、右がバンドゥーラ(要クリック)。いずれも琴とギターがくっついているようにみえますが、いちばん大きな違いは、ギターのネックにあたる部分が琴(胴部)より外に出ているのがバンドゥーラで、出ていないのがツィターですね。しかししかし、もっと本質的な違いがありまして、ツィターはギター部分(5弦?)でメロディを奏で、琴(ハープ)部分は伴奏に使います(↑左)。この伴奏部は1コース3弦のようで、おそらくですが、その3弦はコード(和音)になっているのではないか、と想像されます。


 アントン・カラスの「第3の男」



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朝飯前の一杯

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新旧ワイン評

 ワインの感想が届きました。以前お知らせしたように、フランス在住40年の大家に1本の支援ワインを送ったところ、1ダースのワインを注文していただきました。前者(↓)は横紙ラベルのコルク栓、後者(↑)は縦紙ラベルの金物蓋です。金物蓋をみたとき少々不安な気持ちになり、実際に飲んでみて味の違いをはっきり感じました。美味い不味いはべつにして、恩義ある方の感想を転載しておきます。( )は私の補足です。


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お送りいただいた1本(横紙)が断然ワインらしく、注文して届いた12本(縦紙)はグレープジュース風でした。同封されていたパンフレットから推定すると、12本は standad マスカット・ベリー・A 種で、1本はvintage, sakyu, special selection のいずれか(メルロー、カベルネ・ソヴィニョン、あるいはその混淆)でしょう。前者(縦紙)は日本では好まれるのでしょうが、僕の感覚では、後者(横紙)の方がワインらしいものです。こんな機会に、貴重な経験をしました。
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 くどいようですが、1ダースご注文いただいた方の感想ですから、敢えて掲載しておくのですよ。もちろん支援は続けます。以下はジョークですので。

「散歩、たのしかったけど、ちょっとバテたね、一杯やるか?」
「えっ、朝ごはん前に!? また、叱られるわよ。」
「いや、グレープジュースさ。」
「それならいいけど、、、なんか、これお酒臭くない?」
「気のせいだよ、、、でも、ポカポカしてきたね。」
「ダーリン、それじゃ、ゴミ袋だしてきて。」
「へい、ビフォーブレックファスト!」
「・・・なにそれ?」
「朝飯前さ!」


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Whiskey before breakfast 楽器名はマウンテン・ダルシマー、アパラチアン・ダルシマー、ホグ・フィドルなど地方によって様々。19世紀初、アパラチア山脈のケルト系移民コミュニティに登場したのですが、故郷のアイルランドやスコットランドに類例がありません。材料等の節約のためフィドル(ヴァイオリン)を簡素化した可能性があるようです。ボディは指板の先端まで伸びており、ツィター科のフレット弦楽器に分類されます。 弦の数は3本または4本。上の演奏は3弦で、調弦はDAD。フレットの割付は全音階のみで、半音階の区分がないとか。 アメリカン・トラッドの原型はやはりケルトなんだね。


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最後の春休み

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 月曜日になって領収書を提出するために大学に出校した。駐車場に停まる車は数台。IDカードがないと、校舎に入れない。春分の日だということに気付いた。4階の研究室に上がると、綺麗に掃除されていて、生活の匂いが消えている。熱気のあった研究室がデフォルトしてしまった。みんなの机を眺めながら物思いに耽る。毎年のことである。
 ユーミンの卒業ソングといえば「卒業写真」が有名だが、「最後の春休み」という類似の曲があることを知った。2002年の松任谷由実時代の作品。結婚前の荒井由実時代の匂いがよく残っている。48歳ころの作詞作曲で、こういうセンスがあるのは素晴らしいことですね。毎年これに近い感傷がある職に就いたことを幸運と思わなければいけないかも。

 帰宅後、久しぶりに大路川沿いを散歩した。マガモはまだ百羽ばかりいる。黒い二羽だけが離れて泳いでいた。菜の花はもう咲き始めている。


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学位授与式の後で

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千年の眠り

 3月19日(土)、今年もまたとりぎん文化会館の梨花ホールで卒業式が挙行されました。昨年、鳥大はオンライン、看護大は学内での卒業式でしたから、若干の後ろめたさを感じないではありませんでしたが、今年は前日に鳥大が同じ会場で3年ぶりの対面卒業式を実施しておりました。とはいえ、オミクロンの感染者は依然衰えておらず、今年は人数制限・時間短縮を厳しくし、昨年の半分ぐらいの時間で終わりました。これは良かった。ただ一つ気になったのは、「うつ病」が話題になったことです。学生等にもそういう症状を抱えて苦しんでいる人がいるのに・・・しかも、パソコンやスマホの普及・発達でうつ病が劇的に増えたという因果関係が示されました。本当だろうか。高度産業社会におけるホームレスマインドとか、競争社会における居場所の喪失とか、人権侵害などに関係すると私は思います。


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 式が終わって、みんなでお茶するなんてありませんでね。そもそも、この学年は3~4年の2年間、オンラインに苦しめられ、調査活動は著しく制限されて、懇親会などもないに等しかった。それ以前のゼミ生たちのように、国内外での長期のフィールドワークや飲み会があれば良かったのですが、コミュニケーションの向上を図る機会がない。正直なところ、崩壊寸前かと思われる時期もありましたけれども、みんなよく踏ん張ってくれました。風聞によれば、いくつかのゼミは本当に崩壊したところもあったようです。ASALABは最後なんとかまとまって、卒論も例年どおりの上級レベルに仕上がりました。みんなに感謝しています。


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ウクライナ支援-北条ワイン(4)

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直売所再訪

 3月18日(金)、北条ワイン醸造所の直売所を再訪しました。義援金ワインはすでにネット上で注文できるようになっているけれども、大学院に進む卒業生に現場をみせたいという思いがあったからです。到着した時間が昼休憩時であり、人影もまばらでしたが、店員さんにうかがうと、来場者はいまだ少なくないそうです。もちろんきっちりワインを買いましたよ。学生は義援金ボックスに寄付しておりました。北条ワインは2016年に鳥取県中部地震で被災し、2000本のワインが粉々になり、徐々に復興されてきていて、このたびはマリーナさんとのご縁でウクライナ支援の義援ワインを販売されました。過疎地域の振興と国際人道支援の両方に係るわけですから、過疎地を前向きにとらえようとする卒論を書いた学生には勉強になるはずです。



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恵比須ビールのシャーベット

 午後3時半ころから印刷所で最後の校正をすることになっていましたが、少々時間が余ったので、久しぶりに関金まで足をのばしてサテンドールでランチしました。お馴染み、ニジマスのムニエルです。北条ワインも一口・・・というわけにはいきません。夜にとっておきましょう。懐かしいデザートがでてきました。恵比須ビールのシャーベット。もちろん酒精は熱で飛ばしています。これは美味ですね。世界の同胞にアピールしたいです。
 生憎の雨で、裏大山の姿を拝めなかったのが残念でした。


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限界集落の風に吹かれて




アヒらいふ からの メッセージ

 昨日のブログの「続き」で取り上げた、へぎ蕎麦を食べるウクライナ妻と旦那様の動画には、もっと重要な回があることに遅まきながら気づきました(↑)。今から2週間前のアップのようです。失礼しました。
 何かできると言い切れるほどの財力も権力もありませんが、サポートしたいという気持ちだけは持ち続けたいと思います。
 どの動画をみても癒やされますが、下のブロッコリー収穫篇は、なんだかウクライナの心象風景のようで、とても勇気づけられました。尊敬すべきご夫婦だと感じ入っております。





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バンドゥーラ・チャリティ・コンサート




チェコ大使館でのライブ配信

 バンドゥーラの奏者、ナターシャ・グジーさんのコンサートが昨夜、配信されました。チェコ大使館でのライブ配信らしいですが、やや時間差もあった模様です。いや、素晴らしい。生まれも育ちも葛飾柴又ではなく・・・ウクライナだって。本当の生まれはチェルノブイリで、6歳のとき被爆されているんですね。詳しくは、公式ホームページを参照してください。
http://www.office-zirka.com/index.html

 綺麗な日本語で、深く日本文化を理解されていますね。そして音楽は最上級のものだと思います。バンドゥーラと琵琶には共通点が多く、とくに盲目の語り部(吟遊詩人)が弾き語りする点には注目したいと思います。盲目の音楽家については、思うところがありますが、いま文字にすると言葉足らずになりそうなので控えます。ぜひグジーさんを招聘したいと思うのですが、相手のあることなので、実現するかどうかはもちろん分かりません。実現するにしても、時期については慎重に考えます。これから長く支援し続けなければならないでしょうから、いろんな人に相談して構想していきますよ。


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盲目の吟遊詩人コブザーリとバンドゥーラ スターリン時代、大勢のコブザーリがウクライナから連れ出され殺害されたという。



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ウクライナ支援-北条ワイン(3)

ウクライナ支援ワイン02 北条ワインsam https://hojyowine.jp/item/1672/


新しい義援金ワイン

 昨晩、仏教学の大家から、ウクライナ支援のワインが届いたというメールを受信した。しかも、「友人を呼んで試飲会を催したいと思いますので、あと1ダース請求書を添えて、小生宛に発送手配していただければ幸いです」と続いている。これには驚き、朝から醸造所に電話したところ、先日購入したワイン(2019年醸造)は赤・白とも完売したので、新たなワイン(2014年醸造・赤のみ)を義援金ワインとして販売中であるとのこと。そのまま電話で注文させていただいた。じつはすでにホームページ上での販売も始まっており(上のサイト)、5本以上購入の場合は送料無料となる。
 あぁそうか、直売所に行かなくても購入できるんだと聞いて、少々拍子抜けした。ただ、一人直売所に連れて行きたい人物がいるので、しばらくしてから再度訪問しようと思う。

 ご支援ありがとうございました!

今枝岩波001 アマゾンなどで絶賛発売中。とても読みやすい本です。プーチンでも理解でき・・・ないか。


プーチンがどれほどウクライナを破壊しようとも、ロシアの現体制は早晩崩壊する。
独裁者の思惑とは反対に、帝国が民主化することになるだろう。

ロシアの白虎-ベラルーシ

プレミア


陰陽五行とルーシの地理区分

 ベラルーシという国はアゼルバイジャンとかアルメニアなどに近接する中東寄りの国だと思いこんでいた。だって、かの独裁者の顔はその種の人類学的特徴を示しているでしょう。ところが、実際はウクライナの北側に隣接する内陸国であり、ベラルーシという国名は「白ロシア/白ルーシ」だと知って、あぁ言われてみればそういうことか、と自分の無知を反省した。白ロシア/白ルーシの「白」は肌の色とは関係ない。中国の陰陽五行における白または白虎、すなわち西を意味するという説がある。つまり、ベラルーシとは「西ロシア/西ルーシ」であり、これと相関させるならば、北のモスクワは黒ルーシ(玄武)、南のウクライナは赤ルーシ(朱雀)というわけだ。古代中国の風水をスラブの地理区分にあてはめるなど言語道断にして荒唐無稽、と思われるかもしれないが、この地域の歴史には大モンゴル帝国が介在している。古代中国の陰陽五行的方位観が13~15世紀のモンゴルを媒介にしてスラブ民族に投影しているとすれば、同じ風水観念を共有する極東民族としていっそう東欧に親近感が湧いてきますね(史実として正しいかどうかは分からないが)。
 ちなみにルーシとは、10世紀に起源するキエフ大公国の居住民族の総称であり、ウクライナ・ベラルーシの人民がその後裔にほかならない。キエフ大公国の首都はもちろんキエフ(キーフ)であり、その勢力がモスクワ(黒ルーシ)まで及んでいたということである。モスクワを中心とする現代ロシアの民族観とは真反対の空間認識ではあるけれども、こういうブログで「白ルーシ」と書いても通じないので、「白ロシア」という表現を使わざるをえないという後ろめたさがある。
 ベラルーシの語源と似たような発見をしたことがある。旧ユーゴスラビアを中国語でナスラフ(南斯拉夫)という。今から40年近く前の中国留学時代、ユーゴからの留学生もたくさんいた。清華大学に在籍していた建築の先輩は既婚であるにも係わらず、ナスラフの恋人と学内で同棲しており、東京から奥様が来華されると、部屋中大掃除しナスラフ臭を消していた。あれだけもてればたいしたもの(笑)・・・それはいいとして、ユーゴスラビアは中国語の「南斯拉夫」からあきらかなように「南スラブ」を意味する。おそらくルーマニア方面からスラブ人が南下して築いた国ということであろう。ただし、その中核的民族は首都ベオグラード周辺の現セルビアにほぼ限定される。社会主義連邦を構成したクロアチア、ボスニア、スロヴェニア、マケドニアなどは別の民族/宗教/歴史の地域であり、それが1990年ころから10年以上に及ぶ複雑な内戦を経て多くの国が独立した。言ってみれば、ユーゴは小型のソ連であり、ソ連解体と連動して多くの小国に分かれていったということである。あのときユーゴ軍は連邦諸国に侵攻し、NATOはセルビアを空爆した。NATOの空爆がドラガン・ストイコビッチ来日の引き金となる。



↑ぜひ視聴してください。とても勉強になります。


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ホワイトデー & マンデー

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パイレーツ首位通過、瑞原選手MVP!

 ホワイトデーですね。我が家のマダムは骨董風ラヂオを手にしてご機嫌ですが、鳥取はラヂオ局も少ないね、驚くほど。下は災害対応のソーラー電池充電式、LEDライト付です。憂鬱な月曜日(じつは毎日祝日ですが)、たまには息抜きも必要ですね。溜まっていたmリーグの話をします。
 11日(金)、mリーグのレギュラーシーズンが終了しました。我らがパイレーツは、例年当落ボーダーを浮沈し、結果として敗退することが当たり前のチームでしたが、今年度(2021-22)は1月後半から一気に首位に躍り出て、断続的ではありますが、首位の座をキープしていました。ウクライナ支援ワインを購入した10日の段階では、アベマズが首位に抜け出てしまい、どうなるのだろうか、と不安視されたものの、11日の最終戦は1・2位の連帯を果たし、ダブルクラウンに輝きました。初戦の小林選手がトップ、第2戦の瑞原選手が2位でチーム首位を奪い返すだけでなく、個人獲得ポイントでも瑞原さんが2位の沢崎御大(サクラナイツ)を僅差でかわしてMVPを獲得したのです。
 こういうことあんまりないですよね。自分が応援するチームが首位で、応援する選手がMVPになるなんて。たいてい、あぁぁぁ惜しかったなぁぁぁぁ・・・で終わるもんですが、なんかちょっと運がまわってきたのかもしれません。今年のパイレーツはなんでこんなに強かったのか、というと、答えは簡単でして、年明けからの2~3週間、じつはパイレーツは上記2名だけで戦っていたのです。残りの2名は長期の休養になっておりました。初めは(初ゼミのブログを読んだ?)監督の作戦かとも思ったのですが、しばらくして「体調不良」というメッセージがあり、ちょうどオミクロンのピーク期と重なっていたので、たぶん、おそらくその関係ではないか、と勘ぐっておりました。


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 つまり我らがキング石橋とアサピンが出場しない期間が長かった。このあいだ瑞原さんと小林剛さんが勝利を積み重ねてまたたくまに首位に躍り出てしまったのです。キングとアサピンが復帰した週は不安でしたね。とくに前者は勝てそうな気配がない(姿勢と目つきがよくないぞ)。ラスは当然、3位で終わってくれれば御の字であり、いまや萩原(雷電)と双璧というレベルです。後者も昨年度(2020-21)はメンタルが悪化して不調をきわめました。今年は大トップをとるなど比較的好調でしたが、崩れるととまらなくなります。しかし、二人ともなんとかもちこたえ、首位通過に貢献してくれました。
 問題は、来週から始まるセミファイナルであり、総獲得ポイントが1/2になるので、点差は無いに等しく、ファイナル進出の4位以内に残れる保証はありません。パイレーツの場合、昨年レギュラーシーズンで敗退しているので、ファイナルに上がれないと、最低メンバー1名は交替となります。もう4年も同じメンバーで戦ったのだから、一人ぐらい入れ替えないと新陳代謝しないので、他チームのように新しい血を導入したほうがいいようにも思うけれども、ファイナルに残って欲しいとも思っています。






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ウクライナ支援-北条ワイン(2)

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酒とバラの日々

 倉吉から鳥取に戻って、まずは印刷所に駆け込んだ。10日の成果(ウクライナ支援のワイン)を編集中の報告書の再校に取り入れようと苦心惨憺。社長の意見を聞きながら、いろいろアイデアを考えた。
 その後、お家に帰ってさぁ大変。じつは8日の夜に常呂からサロマ湖の帆立が届いており、すぐに試食したのだが、砂を大量にふくんでいたので、9日からまる1日かけて塩水につけ砂抜きをしていたのである。さすがにこれだけ水晒しすると、効果は目にみえてあらわれる。まず貝の肉が貝柱ごと貝殻から離れていく。その身を水で洗って、さらに緑色のウロを切除する。肝臓のような部分であり、ここに汚物や砂が溜まり、毒性が強い場合もあるそうだ。残りの白身と赤身を、きれいに洗った蓋に戻し、グリルにいれる。味付けは日本酒と出汁醤油。これにバターを加えるかどうかは好みによる。


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 (左)緑のウロだけ除く (右)常呂弁天神社のカーリング・キーホルダー


 魚介類には白ワインさ。さっそくリビングの小テーブルに北条ワインの白と、倉吉で頂戴したバラと、サロマ湖の帆立をレイアウトする。目の前のTVではウクライナ侵攻の報道が繰り返され、手元のスマホにはAbemaのMリーグのライブ(最終日前日)が流れる。まぁ、ワインの味なんて分かりませんよね。何をもって美味いというのか、判断基準を知りません(甘すぎるのだけはイヤ)。食卓にはチリ産のアルパカ(500円)があれば十分満足で、この日はどういうわけか、セブンで仕入れたタヴェルネッロ・ロマーニャという安物のイタリア白ワインもあったのだが、普通の日本人は1本3,000円のワインを飲むなんて普通じゃないよね。


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 帆立は9枚あり、ガスレンジのグリルで2枚ずつ焼いていった。焼くと、貝肉の容積は2/3以下になる。水分は外にでて酒などと融合し絶妙のスープに早変わり。肝心の身の方は、片面焼きか両面焼きか、バターを加えるか否か、で微妙に軟らかさと味覚が異なる。コツはと言えば、貝殻に溜まったスープとよく絡ませることだろう。
 白ワインはタヴェルネッロ・ロマーニャから始めた。あっさり味の辛口で、(おもに配偶者により)すぐに1本が空になった。いざワイン抜きを持参して、ウクライナ支援の北条ワインの栓を抜く。イタリアワインに比して味が濃く、やや酸っぱい。色は黄色をしている。大事に飲みましたよ。白は2本しか買わなかったから、奈良の息子にも飲ませたいしね。まぁ、もう1回買いにいけばいいんだ。東京の娘にも1本送るかな、ホワイトデーにホワイトワイン。


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ウクライナ支援-北条ワイン(1)

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SUPPORT FOR UKRAINE

 3月10日(木)は画期的な、素晴らしい一日となった。午前10時半からの会議を待つ時間にネットのニュースを彷徨っていると、北条町の老舗ワイナリー「北条ワイン醸造所」がウクライナ支援のためのワインを販売し始めたという記事を発見した。なぜ北条ワインかというと、専務の奥様、マリーナ・ピロゴバさんがウクライナ出身であり、今もご両親等親族の多くがロシアに近い東部のカーミヤンシケに暮らしているから。弟さんは一時北条に来られていて、葡萄の収穫や醸造に携わったのだという。その時のワインをこのたび「SUPPORT FOR UKRAINE」として販売されることになった。値段は税込3,000円で、そのうちの1,000円を義援金としてウクライナ大使館に渡すという。


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 これは黙っていられませんね。とりあえず醸造所に電話したところ、いまは直売所でしか販売していないとのことであり、午後から車を飛ばして一路西行、直売所をめざした。天気は快晴、高速道路から青い日本海を望むことができた。すでにモスグリーンの冬の海ではなくなっている。農村地域の路地裏のようなところに直売所はあった。わたしたちが中に入ったときはまだ人が少なかったが、10本注文した後、若干名の知人に送ろうと宛名書きをしていると、続々来客が押し寄せ、みな気前よく数本~10本程度ワインを買っていく。結局、4本の赤を寄贈(郵送)とし、残りの6本は白2本、赤4本で手持ちとした。
 日本の片隅で、これほどの動きがある。ほんとに大げさではなく、訪問者は惜しげもなくワインを爆買され、「頑張って!」とマリーナさんを激励して行かれるのだ。それだけプーチンの残忍な侵攻は世界の人々に衝撃を与え、「許し難い蛮行に巻き込まれたウクライナの力になりたい」と思う人が鳥取のような僻地にも多いのであろう。日本人も捨てたものではないよね。政治家はだらしないのが(与野党とも)少なくないが、一般国民の民度は高いと誇りに思いました。


北条ワインweb

       We must support UKRAINE,
    because this is a crisis of the world ! 



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母の想い出-バンドゥーラの唄

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黄色い花

 川沿いの残雪も消えゆき、散歩の友、マガモたちもまもなく大陸へ飛び立ってしまいます。雪が降り続く日は春が待ち遠しいが、雪があるからこそ春がくるのであり、春の良さは雪のおかげだとも思います。蝋梅は白梅に変わり、梅は桜に変わっていく。まもなく川岸を菜の花が埋め尽くすはずです。ウクライナや東欧諸国では、どんな春の花が咲くのでしょうか。下の「黄色い花」という民謡の弾き語りは10年前の動画です。「黄色い花をみると母のことを思い出す」という内容だとか。
 さて、ギターは弾き語りのための楽器であり、ソロ楽器ではないというのが、わたしの持論ですが、中世起源のバンドゥーラもどうやらそうしたギター系楽器の本質を今も残している。ただし、弦の数は数十本あって弾き難く、歌い手はオペラ歌手のような歌唱力を要求される。美貌のほうもご覧のとおりでして、宮廷音楽の匂いがぷんぷんしますね。芸能寄りではなく、芸術性の高い音楽に向いているように思います。それで弾き語りなんだから、いわば一人オペラのような音楽世界を構築している。見事なものです。下の方は在日十数年に及び、さきほどTV出演されていましたが、ポーランドに避難しているママを迎えにいく、と仰ってました。

 今後、ウクライナはアフガン化する可能性が高い、と言われています。実際にはもっと複雑であり、少なくとも以下の3パターンぐらいを想定しておくべきでしょう。

1)アフガン型: 全土でゲリラ的に対抗。政権も烏国内に潜伏。
2)パレスチナ型: 首都キエフが陥落して傀儡政権が樹立された場合、反露集団の中枢をNATOに近い烏国西部に集め「真ウクライナ政権」の自治区として対抗。
3)チベット型: 烏政権が西側諸国に待避して亡命政権を樹立し、国内のゲリラ集団と共同で傀儡政権に対抗。

 この順番通り、1)→2)→3)と推移するのか、全然違った道筋を辿るのか、さっぱり分かりませんが、どんな形であろうと、抗戦できている間に対露経済制裁を奏功させたい。言い換えるならば、ロシア内部の痛みと亀裂に楔を打ち込んで修復不能な状態に陥れることができるか、にかかっているように思います。コロナで社会が分断されたように、ウクライナ侵攻の余波でロシア国内を分断できればしめたもの。そこに至るまでの時間をできるだけ短くしたい。叶うならば、1)で食い止めたい。それが勝利の前提条件かもしれません。





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在日ロシア人の嘆き

 自分はウクライナのためにいったい何ができるのか、と思い悩み、所詮は寄付ぐらいか、と諦めている日本人も多いことでしょう。寄付と言っても、どこに送金すればいいのか。送金先を誤ると、おかしな組織の資金になったりするかもしれないしね・・・そうそう、自衛隊の防弾チョッキを日本政府が提供しようとしたところ、ある政党が憲法違反だとして反対しました。信じられない。また選挙で票を減らしますよ。
 そんなこんなで毎日、ウクライナ動乱のニュースをできるだけ視たり、読んだりしていますが、下の対談動画は凄いレベルのものです。在日ロシア人3名とモスクワ在住の日本人ジャーナリストが、口に出しにくいことを、プーチンを刺激しすぎないよう、うまく表現してくれています。若干1名の有名人が会話に入り込めなくて浮いてますけどね。論破王に「居場所」はなかった。視聴率とりたいから人気者を出演させても、似合う番組とそうでない番組があるから。投獄や暗殺と紙一重のところで生きている人たちと同席させるなら、毎日テレビに出ている広瀬先生あたりが無難でしょうね。ファッションも渋くてよい感じです。
 ABEMA TVの平石アナのまわしとブレーキが見事の一言。ABEMAと言えば、mリーグとメジャーリーグ以外視ないんだけど、こういう素晴らしい報道番組を制作していることを知って、おおいに再評価しました。月々千円の視聴料を払っている価値は十分ある。mリーグだけじゃなく、ABEMA自体、サイバーエージェントの藤田晋社長が半ば道楽で経営しているメディアだと思っていたので、少々反省してます。決して解約しませんので。

  ABEMA- TV for the future




ABEMAニュース【公式】
◆この放送のノーカット版はアベマで公開中!
続きを視聴する▷https://abe.ma/3IRvfHN
【複雑】「帰国したら逮捕される」 「母はネット情報を信じない」ロシア人はウクライナ侵攻をどう見る?家族で分断も?プーチンのメディア戦略|#アベプラ《アベマで放送中》
ABEMA Prime3/4放送 平日よる9時~アベマで生放送!

《卒論》日本海側過疎地の活性動態を探る-北陸の地域振興例と因幡・但馬へのフィードバック

東スライド1枚目 スライド1


 諸般の事情から大変遅くなりましたが、2月9日(水)のオンライン卒業研究発表会の内容を報告させていただきます。卒業研究にご協力いただいたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。(滅私)


題目: 日本海側過疎地の活性動態を探る-北陸の地域振興例と因幡・但馬へのフィードバック
Investigate the active change of the depopulated areas along the Sea of Japan
-Examples of regional development in Hokuriku and feedback to Inaba and Tajima districts ー

中間報告2


研究の背景と目的

 2019年以来、昭和49年刊行の報告書『鳥取県の民家』の追跡調査に研究室全体で取り組み、指定解除や撤去など衝撃的な事実に驚かされた。過疎地の民家集落が持続可能な状態にあるとは到底考えられず、自治体そのものが「終活」の時代を迎えつつあるとの思いを強くしている。ところがあるとき、山間部に店を構える蕎麦屋が繁盛し、客を集めている事実に気付いた。2020年度から「山中の蕎麦屋はなぜ繁盛(持続)しているのか」という問題について考察した結果、古民家再生型の蕎麦屋は、市街地から通うミニツアーの対象としては人気があるものの、その場所に「住みたい」わけではないことを知った。結局、集落としての持続は不可能かと思っていたところ、新潟の限界集落「竹所」に25年以上住みながら古民家を再生し、人口を倍増させている建築家の存在を知った。その人物は旧東ドイツ出身のカール・ベンクスさんである。昨年秋の北陸調査では、カールさんが拠点とする新潟県十日町市や、「ごちゃまぜのまちづくり」を実践する社会福祉法人佛子園などを訪問した。
 本研究は、同じ日本海側の過疎地にあって、活力ある取り組みをしている石川、新潟、長野の例に学びながら、大学近隣の因幡・但馬地域へのフィードバックを提言しようとする試みである。


東スライド2枚目 カールベンクス再生古民家マップ(東)
スライド2+追加1枚


ベンクス氏の古民家再生手法
 
 新潟県竹所に住みながら画期的な古民家再生に取り組んでいるカールベンクスさんの仕事を紹介する。カールさんは父の影響で小さいころから日本文化に関心があり、最初は空手や柔道を学ぶため来日した。そこで、日本の木造建築と職人技術の素晴らしさを知り、日本建築をヨーロッパに移築する仕事などを手掛けていた。51歳の時、竹所で撤去間際の古民家を買い取って再生し、「双鶴庵」と命名する。現在も新潟周辺で古民家を再生しながら、奥さんのティーナさんと竹所に暮らしている。私は、NHKの番組「カールさんとティーナさんの古民家村便り」を視聴してからカールさんの存在を知った。
 ベンクス氏の古民家再生手法は、文化財修復型とはまったく異なる。和風の小屋組・軸組は古材を再利用するが、内装には積極的に西洋風のインテリアをとりいれ、ときに民家の外観までカラフルなハーフティンバー式に改変するところに特徴がある。壁には厚さ10㎝の断熱材を入れ、ドイツ製のペアガラスを窓に嵌め込み、床暖房を施しているので、寒さ対策も万全である。「新旧融合・和洋折衷の暮らしやすいデザイン」をモットーとした再生古民家は移住者を呼び込む役割を果たしており、内閣総理大臣賞を受賞している。現在カールさんは竹所で古民家など10軒を再生し、12世帯25人が暮らしている(近隣地域も含めると60軒以上再生済)。決して多いとは言えないが、数年前には、村では18年ぶりとなる赤ちゃんも誕生し、これからも移住者が増えることが期待されている。


東スライド3枚目
古民家カフェ「澁い-SHIBUI-」カウンター(東) 松代ほくほく通りマップ(東)スライド3+追加2枚


カールさんをめざして

 竹所から車で20分ほどのところにある松代ほくほく通りには、明治後半の旅館を改装した「まつだいカールベンクスハウス」がある。1階をフレンチ料理のカフェレストラン、2階を設計事務所として再生したものである。1階の古民家カフェ「澁い-SHIBUI-」は、大胆に欧風の家具や骨董が取り入れられており、日本にいるとは思えない居心地の良い空間であった。2階はけやき材を多用する明治の古風な構法をあらわにした開放的なアトリエに変貌している。カールさんご自身に案内していただいた時間はとても貴重なものとなった。松代ほくほく通り商店街はかつて宿場町として栄えていたが、町並みが乱れ始めている。そこでカールさんが一枚の修景パースを描き、これをきっかけに商店街の再生事業として十日町市に景観再生の助成制度ができた。現在、ベンクス氏が外装をデザインし、修景・塗装するプロジェクトが進んでいる(スライド3追加図)。


東スライド4枚目
行善寺やぶそばの風景(東) 輪島KABULETマップ(東)スライド4+追加2枚


ごちゃまぜのまちづくり

 次に佛子園とJOCAによる地域創生事業を紹介する。研究室では2012年からブータンの調査活動を継続しており、2020年より佛子園ブータン事務所長、中島さんと情報をやりとりしている。社会福祉法人「佛子園」は石川県白山市に本部を置き、ブータン高地寒冷地域の貧農支援のため、ソバの実を輸入し、その製粉・製麺を障がい者を雇用して国内でおこなっている。
 佛子園では、速水代表による講義を受け、「ごちゃまぜ」というコンセプトを学んだ。ごちゃまぜは「障害の有無、性別、年齢、国籍、文化、人種や宗教、性的指向などあらゆる人が認め合い、つながること」を意味する。ここでは、特殊な人々を排除しない「ごちゃまぜのまちづくり」が実践されている。そんな「ごちゃまぜ」を具体的に実践しているのが、佛子園本部にある「B‘s・行善寺」である。B’s・行善寺には、保育園や介護サービス、ジムやプールなど様々な施設があり、全体の中央にはブータン蕎麦を主要メニューにした蕎麦屋「行善寺やぶそば」がある。蕎麦だけでなく、お酒や丼・総菜なども提供しており、仕事終わりに一杯、蕎麦を食べながら昼から一杯やれる。昼から呑むことで、とくに年配者のコミュニケーションが高まるとのことだ。そんな「行善寺やぶそば」は、子供からお年寄りまであらゆる人が集まるため、佛子園のごちゃまぜを象徴する場所となっている。
 また、B‘s・行善寺以外にも佛子園の施設が複数あり、その一つとして、能登半島先端の輪島KABLET(カブレ)も紹介しておく。これは輪島市中心部に点在する空き家や空き地を、カフェ、ジム、身障者向けの施設などにリノベーションする再生事業計画である。この再生事業計画は佛子園とJOCAの連携により進められている。


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3度目のワクチン

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芹のしゃぶしゃぶ

 3回めのファイザーを接種した。打った直後から体に異変があり、椅子を立つときくらっときたのを看護師さんにみられてしまい、15分休憩を30分に延長しましょうと言われた。実際には40分近く控室で待機していたが、いつまで待ってもお呼びがかからないので、自らカウンターに行き、接種証明書(仮)を受け取り医院を出た。家に戻っても、ふらふらはとまらないので、ソファに横たわり、しばらくして眠りに落ちた。目がさめると、熱が引いていて、まもなく東北から芹が届いた。


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 2月末昼過ぎからのNHK総合 【うまいッ!】で、秋田県湯沢市三関のセリが特集された。私たち夫婦は、幼いころ野生のセリを白和えなどにして食べた経験はあるが、画面に映る秋田のセリは、豪雪に埋もれたビニールハウスの中で水耕栽培されたものであり、「きりたんぽ」鍋に欠かせない野菜であるという。MCの天野ひろゆきや塚原愛アナは、鶏肉・鶏ミンチ団子以外は具材のない鍋で美味しそうにセリのしゃぶしゃぶを試食している。とくに長くて白い根っこが甘くてうまいんだとか(塚原アナの食レポ上手です)。さっそく秋田に電話して、テレビをみるよう伝えた。西日本ではセリの栽培がほぼなく、スーパーにも並ばない食材だと聞き、「信じられない」を連発して、ただちに搬送するという。燻製鮭のときと同じように、「頼むからやめてくれ(お返しが面倒くさい)」と嘆願したのだが、よりによって3度目のワクチンの夕刻に芹が届いたのだ。三関産ではなくて、神宮寺産であり、前者に比べると、白髭(根っこ)はやや短い。
 しゃぶしゃぶスープの濃さ・甘さ・油加減などは微妙だが、最初は少し薄めにして、後から醤油と味醂とダイエット・シュガーを加えていった。その後、芹の葉・茎・根を瞬時ゆがいてポン酢と七味のおつゆにつけて食べる。ただむしゃむしゃ食べた。かくして送られてきた10袋のうちの5袋が消えてしまった。残りは別のメニューを考えようか。地元からの情報によると、「セリの油揚げ炒め」「セリ炒めの卵とじ」「セリの天婦羅」などが美味いという。こういうシンプルな料理こそが難しいんですよね。


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↑出汁は濃くて甘いほうがいいみたいです。鶏肉は皮付きの親鳥にして、油の膜ができるほどにすると芹に絡んでうまい。ごま油を垂らすのもよし。


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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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