最後のプロ研-お寿司と魚食のフードスケープ(13)
長野の万年寿司
長野県の万年寿司(県選定無形民俗文化財)
木曽郡王滝村の万年寿司は、海のない信州の山の中ならではの食材、岩魚を使ったナレズシである。西日本稲作地帯の文化であるナレズシが古くに伝播し定着したものと考えられるが、正月料理・行事食として発達した王滝村独自のすし文化になっている。昔は各家庭でつくられていたが、今はそれを継承する家庭は多くない。また、古くは岩魚を使っていたが、近年は漁獲が少なく、生物保護の観点から養殖のニジマスを使うことが多い。文化伝承活動としては、地域のイベントでスシ漬け体験などしているようだ。
《レシピ》 岩魚(他の川魚でも可)の内臓をとり、多量の塩で漬け込み、食べる1ヶ月前に塩出し冷ました米飯を詰め、樽の中に重ね並べ重石を置いて発酵させる。
《提供店》 ネットでは確認できなかった。旭館という旅館で食べたなどのブログがあったが、投稿が古く、現在も食べられるかは不明。(1年環境KI)
河原の鮎で万年寿司の再現に挑む
《万年寿司を漬けるまで》 万年寿司の材料としては、イワナもしくはニジマスが望ましいが、鳥取では入手し難い。幸いなことに、河原の料亭「ことぶき」より冷凍の落ち鮎を3尾提供されており、この高価な落ち鮎で代用した。プロ研の事前準備として、万年寿司の班は玄米三合を一晩漬けて水を吸収させ炊き、三尾の鮎は塩漬けにした(塩多め)。当日は、プロ研開始前からスタジオに集合し、玄米を水洗いし、粘りを取る。次に水洗いした玄米を容器の底に敷き、鮎のおなかに玄米を詰める。鮎のおなかに玄米を詰めたら最初に敷いていた玄米のうえに鮎三尾をのせ、残った玄米でサンドする。最後に重石をのせ、水抜きを開始したら万年寿司班の活動は終わり。
左から①鮎の腹に玄米を詰める、②鮎の腹は玄米で一杯、③鮎を玄米でサンドする
《なれずし料理試食会》 ①鹿鮓のお好み焼き: 鹿肉とパンガシウスの味はあまりしなかった。もう少し多めのほうがおいしいかもしれない。白髪ネギの風味が強くてもったいないと感じた。秘伝のタレがおいしい。生地は山芋とろろベースで水を含んでないため心配だったが、焼き上がりもきれいで生地もしっかりしてておいしかった。
②熊鮓のカナッペ: 前回のよりナレズシ米飯が濃い、辛い。前の柔らかい風味のほうが好み。
③すし炊きもの: 海鮮系はナマズとネギ、海老が入ってる匂いがすこしあり、優しい味わい。ナマズの香りと苦みがする。肉系は猪鮓にタマリンドのような酸味を感じた。フィリピンのスープ(シニガン)みたい。スープもくどくなく私は好き。
④すもじ: ちらし寿司そのもの。上に若桜の鯖鮓をのせる。甘みのつよいナレズシだった。ちらし寿司特有の甘酸っぱい酢の感じはなかった。(1年環境KT)
重石
長野県の万年寿司(県選定無形民俗文化財)
木曽郡王滝村の万年寿司は、海のない信州の山の中ならではの食材、岩魚を使ったナレズシである。西日本稲作地帯の文化であるナレズシが古くに伝播し定着したものと考えられるが、正月料理・行事食として発達した王滝村独自のすし文化になっている。昔は各家庭でつくられていたが、今はそれを継承する家庭は多くない。また、古くは岩魚を使っていたが、近年は漁獲が少なく、生物保護の観点から養殖のニジマスを使うことが多い。文化伝承活動としては、地域のイベントでスシ漬け体験などしているようだ。
《レシピ》 岩魚(他の川魚でも可)の内臓をとり、多量の塩で漬け込み、食べる1ヶ月前に塩出し冷ました米飯を詰め、樽の中に重ね並べ重石を置いて発酵させる。
《提供店》 ネットでは確認できなかった。旭館という旅館で食べたなどのブログがあったが、投稿が古く、現在も食べられるかは不明。(1年環境KI)
河原の鮎で万年寿司の再現に挑む
《万年寿司を漬けるまで》 万年寿司の材料としては、イワナもしくはニジマスが望ましいが、鳥取では入手し難い。幸いなことに、河原の料亭「ことぶき」より冷凍の落ち鮎を3尾提供されており、この高価な落ち鮎で代用した。プロ研の事前準備として、万年寿司の班は玄米三合を一晩漬けて水を吸収させ炊き、三尾の鮎は塩漬けにした(塩多め)。当日は、プロ研開始前からスタジオに集合し、玄米を水洗いし、粘りを取る。次に水洗いした玄米を容器の底に敷き、鮎のおなかに玄米を詰める。鮎のおなかに玄米を詰めたら最初に敷いていた玄米のうえに鮎三尾をのせ、残った玄米でサンドする。最後に重石をのせ、水抜きを開始したら万年寿司班の活動は終わり。
左から①鮎の腹に玄米を詰める、②鮎の腹は玄米で一杯、③鮎を玄米でサンドする
《なれずし料理試食会》 ①鹿鮓のお好み焼き: 鹿肉とパンガシウスの味はあまりしなかった。もう少し多めのほうがおいしいかもしれない。白髪ネギの風味が強くてもったいないと感じた。秘伝のタレがおいしい。生地は山芋とろろベースで水を含んでないため心配だったが、焼き上がりもきれいで生地もしっかりしてておいしかった。
②熊鮓のカナッペ: 前回のよりナレズシ米飯が濃い、辛い。前の柔らかい風味のほうが好み。
③すし炊きもの: 海鮮系はナマズとネギ、海老が入ってる匂いがすこしあり、優しい味わい。ナマズの香りと苦みがする。肉系は猪鮓にタマリンドのような酸味を感じた。フィリピンのスープ(シニガン)みたい。スープもくどくなく私は好き。
④すもじ: ちらし寿司そのもの。上に若桜の鯖鮓をのせる。甘みのつよいナレズシだった。ちらし寿司特有の甘酸っぱい酢の感じはなかった。(1年環境KT)
重石