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仏ほっとけ会続報

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めざせ、宝物館!

 取材にきていた2紙のうち1紙しか報道されていないので、恥も外聞もなくリマインドしたところ、紙面掲載は来週になるとのことでした。その後、別の新聞社から電話がかかってきた。隣の県からです。何年か前に係わった町並みについての取材でして、受話器の向こうの記者さんもその町に住んでいるという。とっくに報告書もでてるし、気兼ねする必要もないだろう、とべらべら喋りました。これが報道されると、また行政を怒らせることになるかもしれませんが、総理・政治家だって批判を受け入れているのに、地方のお役人さんのやることに異を唱えるぐらい当たり前じゃありませんかね。そもそも地域住民が町並み保全をして欲しいと願っているのに、その希望を汲み取ろうとしない自治体側の態度に大きな問題がある。そんな記事になるかもしれません。


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 仏ほっとけ会は好評だった模様です。本日、以下のメールを頂戴しました。

   先日の大雲院での発表会、とても良かったです。ありがとうございました。
   大雲院の重要性については、ずいぶん前に県立博物館で開催された池本先生(写真家)
   の写真展「大雲院」を観てから小生なりに認識していました。しかし、このたびの
   ご発表とご住職の説明を受けて、この思いは一層強いものになりました。
   ご研究がますます発展し、同院に対する県民の理解が深まることを期待しています。
   宝物院の建設が急がれます。
   取り急ぎの御礼とさせていただきます。


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 こちらこそ深く御礼申し上げます。励みになります。宝物院がすぐにできるわけではありませんが、文化財目録と美術品データベースの完成を急ぎます。来年度の予算が心配ではありますが、付かなきゃ付かないで細々やっていくしかありません。できれば早いとこ文化庁の専門家(美術工芸)を招いて評価していただこうと思っています。
 まずは報告書を完成させないとね。


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↑麒麟獅子の起源?

盛会御礼、仏ほっとけ会(第1回)!

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 第1回仏ほっとけ会を終えました。天候は雨でしたが、来客の足は途絶えず、学内外から65名が大雲院の本堂に足を運び、有意義なひとときを共有したのです。
 第Ⅰ部で特別講演いただいた前園さんは、翌日(つまり今日)愛媛県庁で表彰されるとのことで、「チベット仏教成立前後の考古学」を講演された後、ただちに鳥取駅に向かわれました。松山帰着は深夜10時だったとのことです。ありがとうございました。


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 第Ⅱ部は大雲院と摩尼寺に係わる研究報告でして、ここから新聞記者さん2名も参戦。学生たちの発表は凹凸ありましたが、よくやってくれたと思います。大半のお客さまは研究会終了後、お寺に残り、大雲院所蔵のおそるべき美術品を堪能されていました。
 本日、1紙の報道がありました。熱心な女性記者さんで、なかなか見事な書きっぷりです。さすが、文化財の毎日!だね。もう1紙の報道も楽しみです。


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本日です-仏ほっとけ会

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 昨夜、特別講演のスピーカをお迎えし、宴席を設けました。早めに切り上げたつもりですが、まだ酒が抜けません。これから朝風呂に入って体を元に戻しますので。
 いよいよ、「仏ほっとけ会」第1回の開催日になりました。最後の3日になって新聞報道が相次ぎ、おかげさまで参加希望のメールがいくつか届きました。今回は【一般聴講30名限定】としていますが、おそらく60名以上の盛会になるものと予想しております。

 参加予定者のみなさまへ: 本堂は寒いのでストーブ数台と懐炉を用意しております。ただし、出来るだけ厚着でご来場ください。では、大雲院でお待ちしております!!


読売新聞 大雲院記事
↑読売0220 ↓日本海0220(クリックすると拡大します)
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考古学の民族誌

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複製の時代-地霊のオーラ

 2月13日(土)・14日とみんぱくの共同研究会「考古学の民族誌」にゲスト・スピーカとして参加してきました。共同研究の概要については、以下のサイトを参照してください。
   http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/project/iurp/15jr176

 共同研究の代表者、ジョン・アートルさんは金沢大学の准教授で、観光人類学専攻。おどろいたことに、御所野遺跡に足繁く通われていて、土屋根の住居に興味をもち、私の話を聞きたかったんだそうです。わたしは13日のトップバッターとして「遺跡整備とオーセンティシティ-建築考古学の立場から-」という講演をしてきました。内容は1月17日の「遺跡整備と建築考古学」の圧縮版です。共同研究のテーマは「表象」なんだそうですが、ウィキペディアなど閲覧しても、なんのことやらよく理解できません。とりあえず大極殿の復元資金を確保した右翼的大物政治家は全史協でも顧問を務めているので、文化財とナショナリズムの関係を肌で感じていた、などと述べるとそれなりの反応があったようです。


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 いろんな分野の研究者が発表された。まず気になったのは、奈文研が取り組むアンコール遺跡群の修復である。現地のシンポジウムで批判が相次ぎ窮地に陥った模様だが、それがなぜだかおわかりでないようでした。日本は重要文化財建造物の90%が純木造の国であり、木造建築の解体修理については長い伝統があって、優れた実績を残している。日本はアンコールに出向いてなおその手法を堅持し、石造のモニュメントを木造の解体修理の方法で修復しようとする。その目的は「モニュメントの健全化」である。建造物が傾いたり、崩れたり、危険な状態にあるので、それを健全な姿に戻すため解体修理するということ。つまり、傾いた壁は垂直に戻し、壊れた門は当初の姿に復元する。こんなことやるから批判の嵐となる、ということにまず気づかないとね。
 たとえば文建協とか文化庁の専門家に修復のアドバイスを受けたとします。日本のプロパーは、解体修理→(復原)→健全化の手続きを教えるでしょうが、その日本のやり方が石造文化圏では通用しない。現状維持を重んじるオーセンティシティの理念に相反するわけです。ヨーロッパでは、傾いたものは傾いたまま、崩れたものは崩れたままで維持展示し、解体修理をしない。その方法を何百年もかけて培ってきたわけで、日本人研究者はまずその手法を学んでから整備を検討しないと。石造の論理で木造を修復するのが無茶なように、逆もまた然り、ということである。


みんぱくプレゼンテーション1_03 本物


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仏ほっとけ会-摩尼寺・大雲院仏教講座第1回のお知らせ(4)

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新聞報道など

 各種サイトや新聞で広報されています。日々追加していきますのでって、開催は明後日だ~
 詳細は「続き」をごらんください。


【鳥取市HP】
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1454980183004/index.html

【鳥取県教委文化財課HP】
http://www.pref.tottori.lg.jp/254654.htm


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(左から)朝日0218 毎日0219  



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仏ほっとけ会-摩尼寺・大雲院仏教講座第1回のお知らせ(3)

中国歴史紀行


前園さんの『中国歴史紀行』

 21日(日)の仏ほっとけ会が近づいてきました。今日は特別講演をお願いした前園実知雄さんを紹介しておきます。1946年愛媛県生まれ。同志社大学文学部考古系の卒業です。つまり森浩一門下ですね。1969年より奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)に勤務し、藤ノ木古墳などの発掘で一躍有名になりました(藤ノ木発掘中に紅白歌合戦の審査員を打診されたとか??)。
 1981~83年、中国に国費留学されています。わたしとの接点はここから始まります。前園さんは国費留学の2期生、わたしは3期生(1982~84年)でして、1年間重複していました。わたしが北京語言学院で中国語に苦しんでいるころ、前園さんは北京大学の大考古学者、宿泊先生に師事し、中国各地を旅しておられました。
 ごく最近、留学時の紀行を一冊の著作にまとめ刊行されています。『中国歴史紀行』(新泉社、2015年12月)です。amazonのレビューを転載しておきしょう。

  旅した距離は地球一周を超える5万キロ。
  文革後の中国に留学し、「故宮の建物の横には粉々に破壊された石碑の断片がうず高く積まれ、
  道教寺院や孔子を祀る廟の門扉は固く閉ざされていた」時代に各地を訪ね、歴史を学び、
  多くの人たちと出会った考古学者の体験記。

 あのころの旅はきつかった。とくに中国の場合、列車の旅行がハードなんですが、前園さんは飛行機に乗らず、敢えてしばしば列車やバスを使って旅したそうです。不便な時代でしたが、町並みや田園・山野の風景は見事なものでした。あのころの中国、おれたちの中国を返してほしいと思うこともあります。
 わたしは研究所を辞めてから中国とも疎遠になってしまいましたが、前園さんはいまでも頻繁に訪中されているようです。わたしはもう無理だわ。ただし、青海省のような奥地の遊牧世界ならまだ大丈夫です。このたびの特別講演では、その青海省の考古学についてお話しいただきます。滅多に聞ける話ではありませんよ。ぜひ会場に足を運んでください。
  仏ほっとけ会の次第については「続き」に再録しているので、ご参照ください。


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2016卒論ポスターセッション

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 2月10日(水)、学生センターで卒業論文のポスターセッションが開催されました。昨年で私学時代の入学生は卒業し、同時に卒論の公聴会はフィナーレとなり、今年からはポスター発表です。副査はアドバイザという名前に変わってしまいました。ふつう副査の場合、論文の内容に近い研究者=教員が選抜されますが、アドバイザはランダムに選ばれます。だから、まったく専門外の論文にあたることもある。やる気のある学生が卒論を書いた場合、専門外の先生の意見をどんなふうに受け取るのでしょうか。


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 さてさて、いつものことではありますが、ASALABの発表資料は群を抜いてます。心配したバス男とNobodyの仕上がりもよくなりました。全体が弛緩気味の学風に染まりつつあるなかで、うちだけこんなだと、ますます人気が下がるかもしれない。けれども、一つぐらいこういうゼミがあってもよいんじゃないか、と思っています。
 ポスターは「続き」に一挙公開しますので、ぜひご笑覧ください。


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倉吉打吹山麓の歴史的風致に関する総合調査(ⅩⅩⅩⅣ)

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地蔵のそば

 はじめまして。来年度からASALABに参入する2年生の谷口が担当させていただきます。
 2月10日(水)。昨日は教授、武田・大石両先輩に連れられて、倉吉市河原町の町並みスケッチに行って参りました。私は倉吉に何度か足を運んだことがあるのですが、これまでは玉川沿いの白壁土蔵の落ち着いたたたずまいにとても感銘を受けます。今回は鉢
屋川に沿う五叉路周辺での活動です。鉢屋川に掛かる石橋の下では、大きな鯉が群れを泳いでいました。


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 さて、このたびわたしは倉吉報告書の表紙原案となるスケッチを担当することになったのですが、その題材の建物が、
記事下↓に添付しました、三つ目の写真のものです。なんでも撤去解体の危険性があるそうで、そのため先生も急遽参戦されることになり、ビニールハウス(第2公民館?)のなかでミーティングされていました。


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 2月ということで肌寒い天候ではありましたが、晴れ(多少の曇)のおかげで、建物の撮影は比較的おこないやすかったです。町の方がたは、私がスケッチしている際も、気さくに声をかけて下さいました。倉吉の風情ある街並みを楽しむこともでき、とても良い調査日になったと思います。
 私自身の中では初めてのゼミでの活動でしたが、来年度からもASALABの一員として積極的にフィールド調査に望みたいと思います。宜しくお願い致します。


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↑地蔵のそばに子どもが溢れた  ↓スケッチのアングル
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長押の起源-伊予紀行(1)

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田 舟

 先週末は瀬戸内の乾いた空気を満喫していた。車窓に映る風景は山陰の5月ころを思わせる。車を下りると冷たい風が頬をうつのだけれど。
 昨年に引き続き、新谷(にや)遺跡群の発掘が進んでいて、遺構もみせていただいたし、なにより建築部材(おもに弥生後期)の追加分(新谷森の前遺跡)の観察に時間を費やした。出土木材の総数は300点以上におよぶが、なかなかこれといった建築部材がみつからない。まず目をひいたのは田舟です。弥生の低湿地遺跡の整備で使えそうな代物。全国的にみても、田舟の出土例は少ないらしい。


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長押をとめる栓

 長さ1メートルほどの丸太の両端に細工がしてあった。大きめの四角い孔があいていて、その孔にかぶるように、背面側(と思われる面)に半円の溝を抉っている。新谷の建築材をみてきて、直径15センチ前後の半円仕口に接合すべき材は円柱と推定された。とすれば、この丸太材は柱の外側に貼り付けられた水平材ということになる。いわゆる「長押(なげし)」もしくは「長押状の水平材」ということができるであろう。
 長押は中国・朝鮮半島にない日本特有の建築部材と言われている。少なくとも奈良時代に遡る材だが、柱の外側に貼り付けるため鉄釘が必要になる。鉄釘を打ち付けて長押を柱にとめ、意匠化した釘隠しで釘を隠す。これが長押の作法である。印象として「化粧材」のイメージが強いけれども、柱相互を緊結する構造材でもあって、このあたりに日本建築としての重要な特徴があらわれている。弥生はむしろ貫(ぬき)の時代というイメージがありますね。板状の貫を柱の中間にとおして柱相互をつなぐ。しかしながら、柱径が短いと貫孔をあけられない。直径15センチの柱を貫でつなぐのは難しいであろう。だから、長押を使った? 使ったとすれば、いったい何で長押を柱にとめたのか?


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↑長押状丸太の裏側  ↓長押状丸太の釘栓
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仏ほっとけ会-摩尼寺・大雲院仏教講座第1回のお知らせ(2)

仏ほっとけチラシ 画像あり 縦位置_02web 仏ほっとけチラシ 画像あり 縦位置_03sam 右画像をクリック!

 
 2月21日(日)に開催する「仏ほっとけ会」のフライヤー、つまりチラシの担当は内蔵助くんでありましたが、先回の横位置のものとは別に縦位置のデザインも考えており、本日完成したので、アップします。こちらのほうがあっさりしてよいということで、配布等にはこちらを採用しようと思います。上の画像うち右の小さな方をクリックすれば改題するので、ぜひご利用ください。


挨拶文(仏ほっとけ会)_02 ←「仏ほっとけ会」申し込み用紙(クリックすると拡大します)


 さて、「仏ほっとけ会」の4日前、すなわち2月18日(木)には大学院修士課程の公聴会がおこなわれます。今年はM2を抱えていませんが、M1のケントくんが1回目の中間報告をします。話す内容は「仏ほっとけ会」と同じですが、公聴会のほうがやや時間が長くなっています。

 2015(平成27)年度修士学位論文/作品及び1年次中間発表会

  1.日 時: 平成28年2月18日(木)13:00~16:05
  2.会 場: 公立鳥取環境大学 26講義室
  3.発表者数:(2年次)社会環境学領域1名 環境デザイン領域2名 
         (1年次)社会環境学領域2名 環境デザイン領域1名
  4.発表時間:(2年次)30分     (1年次)20分  ※質疑応答含む
  5.次 第 等:
   1)研究科長挨拶    13:00~13:05
   2)1年次中間発表   13:05~14:15
     *3名のうち3番目にあたっています。

  13:55~14:15 環境デザイン領域 3152001
    吉田 健人「大雲院の建築と建築厨子」

~~~~~~~~ 休憩10分 ~~~~~~~~

  3)修士学位論文/作品(3名) 14:25~16:05

プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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