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岡山通信

 岡山にいます。夕飯時に1合だけ飲んだら、3時間眠ってしまい、何しに来たのか分かりません。岡山行きのスーパーいなばは1輛増設されてました。多くの若者にとって、オリンピックのようなものですね。

 昨日はアマゾンでしたが、今日はライブドア・ブックスのサイトを紹介しておきましょう。

http://books.livedoor.com/item/4951502

【要旨】 縄文から近世まで様々な遺跡で出土した建築遺構を巡り、克明な調査結果を基に往時の姿を探り復元に取り組んだ研究集積。

 こういうコピーを初めて読みました。ところで、

   livedoor BOOKSは「2013年4月30日」をもって終了となります

という一文にお気づきでしょうか。ネット通販も競争が厳しいんですね。終了までに在庫が捌けることを願って、グッナイ!

近日発売、予約受付中?

 ただいまスーパー・ウルトラ・エキセントリック校正マシーンの最終段階で半死状態なんですが、アマゾンで怖ろしいサイトを発見してしまいましたよ。以下をクリックしてみてください

http://www.amazon.co.jp/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E8%80%83%E5%8F%A4%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E3%81%A8%E5%BE%A9%E5%85%83%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E6%B5%85%E5%B7%9D%E6%BB%8B%E7%94%B7/dp/4886216315/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1361630681&sr=1-1

 近日発売、予約受付中だって。奥付が3月25日になってんじゃないの・・・学振は3月10日までに1冊納入せよ、とのことで、最終校正ゲラの奥付が3月10日になっていて、今夜最終校正を投函しないと間に合わないと言われてまして、明日は岡山に出張で、明後日は県環申請の学内〆切だってさ。
 あと100ページもあるぜぇ・・・生まれてくるんじゃなかったよぉ~

2012年度 大学院修士研究発表会(Ⅱ)

 半時間前に修士研究発表会の報告を発表者本人がしましたが、環境大学HPのTUESレポートでも大きく報じられています。以下のサイトをご参照ください。編集担当のOさんに感謝!

  http://tkserv.kankyo-u.ac.jp/tuesreport/20130222_2/





2012年度 大学院修士研究発表会(Ⅰ)

修士発表2

 2月19日(火)。2012年度大学院修士課程研究発表会がおこなわれました。ASALABからは清水が発表しました。以下、感想です。


終わりは始まり

 発表者: 清水 拓生
 論文題目:「塗家造」町家の建築年代に関する基礎的考察
        -雲州平田のケーススタディ-

 「ご静聴ありがとうございました」
 同時に、発表時間を示すベルが鳴る。予定通りに発表を終えた安堵感はあるはずなのだけれども、2度目の学生生活の終わりを告げるその音に、寂しさがこみ上げた。
 毎度のことながら、発表の準備に当日の早朝までかかり挑んだ研究発表会。会場は大学の教授陣をはじめ、40名近くの聴衆で埋められた。でも、不思議と緊張感はない。木綿街道振興会の3名や松江市在住のカメラマンYさん、倉吉の会長など、これまでお世話になった方がたが遠方から駆けつけてくださったのだから、そんなことを考える暇もなかったのだろう。とはいえ、建築・環境デザイン学科の2年生も聴きに来てくれていたのは、後で言われてから知った。やっぱり、緊張してたんですかね・・・とにもかくにも、大勢の方がたが小規模の会に来場され、修士課程の集大成として素晴らしい場を設けていただいたことに深く感謝したい。
 発表は時間の都合上、石橋両家を中心に内容を整理した。準備の段階で、推定年代を絞り出すまでの発表構成に四苦八苦してしまったけれども、教授のアドバイスもあり、建築年代を軸にした多面的な年代考察を説明できたと思っている。副査の先生からも評価していただき、なにより振興会のKさんから、感謝の言葉を頂戴したときには不覚にも目頭が熱くなってしまった。
 3年前、職員と大学院生の2足のわらじを履いてスタートした研究生活は、決して平坦ではなかった。職務と学業の両立は、学生にも先生方にも事務局にも迷惑をかけてきたし、自分自身にも重荷となってかえってきた。見えない圧力に押しつぶされそうになったこともある。それでも、この日を迎えられたのは、一重にご支援をいただいたみなさま、そして最後の最後までご指導いただいた教授のおかげです。ここに、深い感謝の意を表します。鳥取環境大学は今年で13年目を迎えるが、そのうちの8年間を本大学で過ごし、何事にも代えがたい「縁」に恵まれた。重ね重ね、ありがたいことである。

修士発表4 


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My Funny Valentine(Ⅴ)

 ひさしぶりに「パット・メセニーの憂鬱」です(笑)。じつは、3ヶ月ぐらい前、あのシリーズの一文をプロのギタリストらしき人物に読まれてしまい、「何にも分かっていない、渡辺香津美の良さも分からないのか!」というお叱りのコメントを頂戴したもので、当該の記事を削除しました。驚いたのはね、「お前もプロなんだろ、しっかりしろよ」と結んであったことです。私、プロじゃないしねぇ・・・ただ、「渡辺香津美の良さ」はほんと分かりません。渡辺香津美と村治佳織の二人は、ギターが上手いかもしれないけど、感動したことがない。ときに、音楽分かってないんじゃないか、と思ったりします。

 パット・メセニーは嫌いじゃありませんが、とくに好きなわけでもない。最近、あるソロナンバーをコピーしましたよ。そんなに難しいことやってるわけじゃないことがよく分かりました。下の演奏は、低温が響いてこないので普通の鉄弦アコギかと思ったのですが、やはりバリトンのようですね。目が悪いので、はっきりしたこと言えませんが、右手の爪はつけ爪じゃないかなぁ? 私もつけ爪の経験者なので、そう思ったんですが、目が悪いんでねぇ・・・というわけで、ヴァレンタイン・シリーズはお終い。(完)





My Funny Valentine(Ⅳ)

ゆららの湯

 どういうわけか、古いふる~い回数券がみつかって、「ゆららの湯」にたっぷり2時間浸かってきた。ゆららから足が遠のいたのはまずガンマナイフの影響があり、その後、スロージョギング直後の入浴が常態化したからである。それになにより、高いのである。日本がリーマンショック以後のデフレ・スパイラルに陥ると同時に、ゆららは一般庶民には贅沢な場所となった。その証拠に、閉館時間が午前2時から12時に繰り上がった。
 しかし、ゆららは勢いを取り戻していた。株と為替の恢復に歩調をあわせて、贅沢品としての高級浴場がヒトを集めるようになっている。なんて、ほんとかどうか分からない、なんたって私は、古いふる~い回数券のおかげで湯屋で遊べたにすぎないからね。
 サウナの中のTVで、抗癌食物として最も効果があるのは大蒜であることを知った。ちょうど、その前に城好で餃子を食べたばかりだった。まわりには迷惑だろうが、本人が元気になるのは大蒜である。それでも、ときには食べないとね。


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My Funny Valentine (Ⅲ)

冬のスロージョギング

 スロージョギングしたら頭痛と肩凝りがとれた。冬のジョギングは外に出るまで億劫だが、いったん走り始めると楽だ。汗をかかない。息もあがらない。だから1時間コースでは物足らなくて、さらに20分ばかり走ることもある。帰宅後も、そんなに疲れを感じない。ただちに俎板にむかって野菜を切ったりしている。
 ところが、その反動が夕食後にあらわれる。いつのまにかソファで深い眠りに落ちていて、の記憶すらない。今夜も「三丁目の夕陽 1964」(第3作)をみながら意識を失った。第3作は劇場版をみた。あれからもう1年が過ぎてしまったんだな。昨年の卒業式のあと、ヒノッキーと白帯と匠の3人に第1・2作の録画をみせたんだ。ヒノッキーは翌日引っ越しで帰宅したそうだったが、白帯と匠はすっかり映画にはまって動こうとしない。まぁ、それだけの映画だとは思う。
 明日も走ろう。久しぶりに特養まで往復するかな。1時間半のスロージョギングになる。


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My Funny Valentine (Ⅱ)

修士論文発表会のお知らせ

 2012年度鳥取環境大学大学院環境情報学研究科環境情報学専攻の修士論文発表会の次第がようやく届きました。発表予定者は6名で、会は19日午後1時から始まりますが、ASALAB関係者は以下の1名です。

 日 時: 20013年2月19日(火)14:40~15:10
 会 場: 鳥取環境大学 第14講義室
 発表者: 清水 拓生
 題 目: 「塗家造」町家の建築年代に関する基礎的考察  
         -雲州平田のケーススタディ-


0211おぎん02  清水くんはこの3年間、出雲市平田町木綿街道の町家・町並みに関する調査研究に取り組んできました。修士論文では、大型町家の建築年代に焦点を絞った考察を展開しています。これまで、民家・町家の建築年代については、「棟札」が存在しない場合、不確定な要素が多く、曖昧な結論しか導き出せない場合が少なくありませんでした。 修士論文では、様式・技術、絵図・地銭町・地籍図等、家伝・過去帳などの資料に加え、建築部材のAMS法放射性炭素年代測定(ウィグルマッチング)も含まれており、多面的に建築年代に関する分析を試みています。鳥取環境大学開学後12年がすぎましたが、清水くんはその2/3にあたる8年間本学に在籍し、学部・修士課程(長期履修生)・嘱託を通じて学科・研究室に貢献してきました。その最終的な成果をご聴講いただければ嬉しい限りです。多数のご来場をお待ちしております。



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2012年度卒業研究公聴会を終えて

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2年間の走馬燈

 今回の発表は、私が浅川研究室に入ってから4回目になる大きな発表でした。昨年2月の木綿街道シンポジウム、卒業研究の中間発表、今回の公聴会。そしてちょうど2年前になりますが、倉吉の住民の方々に看板建築コンバージョンの喫茶店計画を披露したこともありました。この研究室で2年間、たくさん経験をさせてもらい、おかげさまで今回の公聴会は安定した発表ができたとおもいます。
 公聴会前夜、教授に3回目のパワーポイント指導を受け、修正を加え当日の早朝に完成させました。当日朝は、クラス(4年同期)のみんなと会場準備をし、プロジェクターと自分のパソコンのチェックもしました。(この作業工程がなかったら、私たちの次番からの論文発表が途切れるところでした)
 さて、発表そのものは原稿を読むだけで良いので、難なくすみました。そのあとの質疑が怖かったのですが、副査の杉山先生の木綿の生業についての質問、ランドスケープを専門とする中橋先生からは築地松に関する質問が出ました。想定はしていなかったものの、それなりに答えることができたと思います。
 公聴会終了後、研究室に戻ると倉吉の会長さんが焼き菓子を差し入れてくださっていて、発表を聴きにきてくれた2年生のメンバーと一緒にいただきました。とてもおいしかったです。私も2年前、倉吉のプロ研に関わっていたので、吉川さんたちの発表を聞きに行きました。当事者になってみると、聴衆が多いのは嬉しいものですね。最後になりますが、ご指導くださった教授をはじめ、研究室のメンバーほか聴衆の皆様に感謝申し上げたいとおもいます。(仲佐)


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帝釈天バスにのって

 2月11日の建国記念日に公聴会が開催された。この発表が終わるまでいろいろ迷惑をおかけした。前々から僕はパワーポイント作りが遅いので、他の人よりも早く着手しないといけないのだが、今回もぎりぎりになってしまったのである。じつは、発表前日に半日以上のバイトを入れてしまった。みんなには「頭がおかしい」と言われてしまう始末。普通に考えて、前日にバイトを入れる人はいない。
 ありがたいことに、教授は発表まで何回も練習を見てくださったが、最後の発表練習は朝4時半に開始し、6時半に終わった。そのせいで、先生は体調不良フラフラになってしまった。早朝まで大学に残って指導してくださる先生はいません。ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。深く反省します。



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My Funny Valentine (Ⅰ)

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 昨日、無事、卒論公聴会が終わりました。公聴会自体は成功したと言ってよいでしょうが、その前がね・・・血圧あがって頭がくらくらしてましたよ。詳細は、二人の卒業予定者がまもなくレポートしてくれるでしょう。

 一夜あけ、別件で地団駄踏む一日になりました。生まれて初めて弁護士と名のる人物と面談したんですが、ちょっと若すぎるな。調停役というより、自分を軸に時間をまわしている。
 被疑者の側よりも、問題はむしろ大学サイドにある。この根は深い。いじめや体罰を隠蔽し、自らを正当化しようとする高校・教育委員会・柔道連盟と何も変わらない。弱者を救済しようという意志がない。泣き寝入りさせて当たり前だと思っている。組織だった冷淡な扱いが一部の学生を窮地に追い込んでいる。いずれ暴露されるでしょう。ASALABはすでに事件の全貌をほぼ把握している。2チャンネルも騒いでいるけれども、その事実を体制は知らない。

 涙を流す女性がいました。同年代の方です。演習室を去るとき、大きな菓子折を頂戴しました。どういうわけか、タクヲには小さな包みを手渡された。夜になって、その包みをあけると、チョコレートが入っている。タクヲは微妙な時期でチョコは受け取れないというので、小さな方を私がもらうことにしました。
 今年最初のヴァレンタインです。感謝!




I Got Rhythm




 やりましたね、ついに浅田真央が封印していたトリプルアクセルと3回転-3回転を飛んだ。ショートとフリーの総得点がバンクーバー五輪以来、3年ぶりの200点超えで圧巻の優勝でした。
 今日のフリーも良かったけど、昨日のショートの切れ味が凄かった(↑)。あんなに完璧な3回転半、少女時代でもみられなかったんじゃないかな。
 『バイオニック・ジェミー』というTV番組が30年ばかり前に放送されていて、リンゼイ・ワーグナーという女優さんが主役のジェミー役でした。この人、大好きで、よく考えてみると、真央ちゃんと共通点があります。顔は全然ちがうんだけど、フラットなんだな、要するに・・・まずいな、この話題・・・ 

 さて、とうとう明日、卒論公聴会ですが、もうどうでもいいのさ。『笑点』で笑い、浅田真央に拍手喝采で、気分は上々。「笑う門にはマオ来たる」だって。まぁ、座布団一枚だ。
 明るく元気にいきましょう!


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摩尼寺「奥の院」木彫仏の新聞報道

木彫仏記事(山陰中央新報)30表紙01


 摩尼寺「奥の院」遺跡岩陰仏堂に安置されていた木彫仏の放射性炭素年代測定に係わる記事が2月9日(土)、山陰中央新報の紙面を飾りました(20面=マイタウン鳥取中海)。前報および前々報の内容に係わるものです。記事では「奥の院」から「出土」した木彫仏となっていますが、この木彫仏は岩陰に野ざらしになっていたものでして、地下から出土したものではありません。発掘されたものではなく、昔から地上にあったものの年代を調べた結果、地下に埋もれていた遺跡の上層年代と一致したということです。また、児島さん(仏教美術史)のコメントとして「人と変わらない姿で表現されている」から「帝釈天の可能性がある」と書いてありますが、記者さんにはもう少し丁寧に根拠を書いてほしかったですね。鎧(よろい)の上に中国式礼服を羽織り、頭に髷・冠をのせているとみれば帝釈天の可能性がある、ということだと私は思っています。今回のデータ分析として、①帝釈天降臨伝説のある摩尼山において、「奥の院」の岩陰に安置されていた木彫仏が上層期(室町後期~江戸前期)のものであることがほぼ確実になり、②しかも、本尊たる帝釈天の可能性が仏教美術の専門家より指摘されたことの2点がとくに重要なポイントです。

 この続編として、「景勝地トライアングル」構想関係の記事もいずれ出ることになっているようです。
 乞御期待!


木彫仏記事(山陰中央新報)サムネイル ←クリックすると拡大します

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2012年度 卒業・修了研究展のお知らせ

0219卒業研究展01表


 昨日は卒論公聴会の日程等(2月11日@学生センター2階)についてお知らせしましたが、卒論・修論の展示は例年通り「とりぎん文化会館フリースペース」で開催されます。
 日程は上に示すように、2月19日(火)~24日(日)の5日間です。
 ぜひともご来場ください。
 なお、19日には修士論文の成果発表会も環境大学で開催されます。これについてはまた別にお知らせします。


0219卒業研究展02裏 ←クリックすると画面が大きくなります

2012年度 卒業研究公聴会のお知らせ

 卒業研究発表の日が近づいてきました。今年度の公聴会は以下の日程・会場で開催されます。ASALABからの発表者はお馴染みの2名です。ぜひともご来場ください。

 1.日時: 2013年2月11日(月=建国記念日)13:00~
 2.会場: 鳥取環境大学学生センター2階 6213室
 3.研究室の発表者と演題

15:00~15:20 仲佐 望

   雲州平田「木綿街道」の町並みと築地松の景観保全計画
    ―伝統的建造物群と文化的景観の制度的融合をめざして―
   Conservation Plan of Townscape in Hirata "Cotton Streets" and Landscape of
   Tsuiji-matsu in Izumo Plain-For the Systematic Fusion of Traditional
   Buildings and the Cultural Landscape ―

15:21~15:41 中島 俊博

   山のジオパークにむけて
    -摩尼山を中核とする景勝地トライアングルの構想-
   Toward the Geopark of the mountains
   -Strategy of the scenic spots triangle around Mt.Mani-


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スケッチ・アップ

 公立大学2年目のシラバスづくりに忙殺されてます。環境学科のなかに居住環境プログラムがあり、製図の基礎を教えようと思っているのですが、さてCADとCGをどうするか。CADはフリーソフトのJWを教えることになりそうです。JWを使う設計事務所や工務店とずいぶん仕事してきたから、このソフトは社会人になっても役に立つ。じつは私、CADが使えないのですが、来年度はJWを使えるようになりたい。もちろん、私以外の教員が講義するので、私も学生と一緒に学ぼうという意志だけは(今のところ)あります。CGになるとますます分からないんですが、グーグルに「Sketch Up」というソフトがあり、無料版と有料版があって、無料版を教材にできれば言うことがない。
 ユーチューブに作図サンプルを(タクヲが)発見したので、下に貼り付けておきます。短時間での習得は難しいんだろうなぁ・・・





帝釈天

 帝釈天は密教の守護神インドラ śakra devānām indraḥ の漢訳語である。「釈」は śakra の音訳、「天」は deva 、「帝」は indra の意訳であるという。ならば、「釈天帝」と訳してもよかろうに、現実には「帝釈天」という言葉が流布している。おそらく仏教における「天部」という概念が前提にあるのだろう。
 サンスクリット語のデーヴァ (deva) は「神」に相当する語であり、ラテン語・ギリシア語系のデウス/ゼウスと同根語で、古代中国においては「天」と訳された。インドラは仏教成立以前からバラモン/ヒンドゥー教系の武神(天帝)であり、阿修羅とも戦闘したという。それが仏教に取り入れられ、梵天と並んで二大護法善神に変質する。須弥山頂の喜見城で瞑想する釈迦を守護する武勇神であり、四天王を配下とした。
 摩尼山は別名「喜見山」と云い、山頂の立岩に帝釈天が降臨したことで知られている。17世紀末ころに成立した摩尼寺縁起によれば、長者の娘が日本海を泳ぐ天女となり、その天女が男体に変わって摩尼山の洞穴に飛来して龍に変身し、その龍が天に昇って立岩に降臨し、帝釈天となった。以下、若き仏教美術史の専門家Kさんのご意見を参考にして、私個人の見解を記しておく(文責は私にある)。

 日本密教における帝釈天は「一面二臂」で、頭に髻を結い宝冠を戴き、鎧の上に中国式の袖の長い礼服を纏う。一面二臂とは「顔がひとつに腕が2本」ということ。つまり、人間と変わらない姿であるところに特徴がある。典型的な帝釈天像の例として法隆寺宝蔵帝釈天立像があり、その画像をみるにつけ、このたび放射性炭素年代を測定した摩尼寺「奥の院」遺跡の岩陰に野ざらし状態で安置されていた木仏1が帝釈天である可能性を否定できないと思われる。鎧の着用や頭部の宝冠/肉髻か判然としないので、帝釈天像であることを断言できるわけではないけれども、衣をまとう姿は「菩薩形」というより「天部形」像にふさわしい。頭部を肉髻と見れば「如来形」であり、髻・宝冠と見れば、帝釈天に代表される「天部形」像と想定できるであろう。


01圧縮01帝釈天かimage001 01圧縮01帝釈天02山頂
↑(左)「奥の院」木仏1 (右)山頂立岩脇の帝釈天像(近代の作と思われるが、一部に石の部分残る)


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そろそろフィーカしませんか

 BS2のお昼に「愛する雑貨」とかなんとか云う番組があり、吹石一恵がスウェーデンの町をぶらぶらしていた。今回のキーワードは「フィーカしませんか?」。フィーカとは「お茶の時間」のことらしい。なんか芸能界用語みたいだよね。カフェをひっくりかえすと、フェ~カでしょ。まさかフィーカが北欧芸能界のスラングってことはないでしょうが、要するに、「お茶(コーヒー)しませんか?」ということで、北欧人が如何にティータイム(カフェブレイク)を大切にしているのかを、食器やインテリアと絡めて吹石嬢が紹介する番組だった。建築家らしき同業者もお出ましになり、自宅のキッチンやらダイニングを紹介して、料理と器と生活空間の一体性を誇示するのだが、そこに生活の匂いはしない。モデルハウスのような空間をやや冷めた目線で眺めていると、次は陶芸家のおばさんの家に画面が飛んだ。こちらは作業場からびんびん生活感が放射されていて、親近感を覚えた。フィーカの舞台も、かしこまったダイニングルームではなく、中庭の普通の木製テーブルで、娘さんやお孫さんが集まってくつろいでいる。

 まぁ、日本も北欧も変わりませんね。鳥取にいると、フィーカの時間がもてないのが、ひょっとすると一番の悩みかもしれない。奈良だと日に何回もフィーカする。番組終了後ただちに買い物にでかけ、ついでにスタバでフィーカ。そのあと久しぶりに生活実感工房に行って食器を買うことにした。ここだけの話なんですがね、私が愛用していた因久山焼を伴侶が割ってしまったの。一月ばかり前か・・・煮物系によくあう大きな深鉢で、高かったんだ。ウゥン千円もしたもんだから、結構ショックが大きくて、生活実感工房で弁償させてやろうと思いましてね。ワンコインの器がいっぱいある。つまり一枚が500円(税込み515円)で2枚買うから「おまえ払え」と言ったところで・・・ちょっと悶着になり・・・歯ブラシ事変が再発しそうな兆しになって・・・店員にあきれられてしまった。


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節分セブン

2013節分04


 前回のパソコン配給からすでに5年が過ぎ、本年度後期より新しいパソコンの供給が始まった。昨年10月から設置可能だったわけだが、OSがセブンと聞くだけで気持ちが萎えてしまうのに加えて、無線LANやら何やらの設定変更がどうのこうの、と耳の痛い要求が続けさまに届くので、放ったらかしにしていた。しかし、そろそろ年貢の納め時です。いま、その新しい大型のラップトップでブログを書いている。セブンは2台めだが、セブンでブログを書くのは初めてのことである。
 これからしばらく、学生ゼミ室でセブンを使うことに決めた。学生諸君に指導を仰ぎながら覚えていこうという魂胆であり、多忙を極める卒業予定者にとってはとんだ災難ではあろうけれども、日々シェフとしてチャンコを仕込むわが身を救いたまえ。

 一昨日報じた木彫仏の件がようやく記事になりそな気配になってきた。記者さんはおどおどして部屋に入ってきたが、チャンコの威力は強力で、またたくまに赤鬼の仲間入りを果たした。恒例の節分節会ではないか。エジンバラの絵描きが描いた教師の似顔絵に赤鬼の仮面をかぶせたのは白帯で、それを教えてくれたのは年中同じ服を着ているヒノッキーだった。昨夜、その紙製仮面で顔を隠したのは白帯である。教師は、雲山のトスクで仕入れた福豆のオマケのプラスチック製仮面をかぶったが、付けても付けなくてもあんまり変わらないとタクヲは言った。
 外は嵐のような風がひゅ~ひゅ~吹いている。

  鬼はそと、福はうち


2013節分03


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なんにもない

 年に何回か、ボレロのように反復的に螺旋を描いて、夢をみることはありませんか?
 夢の中の自分は30代で、職場を辞めて大学院の博士課程に所属している。
 大学院にはいちど在籍したことがあり、そこからいったん何かの職についたのだけれども、その仕事が厭で、また別の大学院に進学し、新しい学問を学んでいる。いちど就職の話があり、どういうわけか、岩国のあたりの小さな大学に勤めることになった。そこに勤務してみると、馴染めないことばかりで、2週間ほどでまた辞めてしまい、元の大学院に戻っている。父と母は健在で、財政的な支援をしてくれてはいるけれども、年齢はどんどん40歳に近づいている。自分はこの先どうなってしまうのだろう、と悩んでいるところで・・・目が醒める。目が醒めてしばらくしてから、ようやく本学の教員であることを思い出すのだ。
 夢の中にいるとき、以前の夢のストーリーをよく覚えている。4次元空間の別の自分の世界に飛び込んでいるのかもしれない、と時に思う。あの分岐点で、もし自分が別の選択をしていたら、自分は別の次元の生活世界にいたはずで、じつはたしかにそういう人生を生きている別の自分がいて、その自分が夢をみると、今のわたしの生活を仮想体験しているのかもしれない。
 そんなことを考えたことはありませんか?






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摩尼寺「奥の院」木彫仏の放射性炭素年代測定

 摩尼寺「奥の院」遺跡に安置されていた木彫仏については、他の石仏群が文化年間の制作で明治に寄進されたものであるのに対し、報告書(2012)の段階で「平安末」の可能性が指摘されており、また昨年6月26日の環境学フィールド演習(C班)の際に新たな木彫仏の頭部が草むらから発見された。これら2体の木彫仏については、樹種・樹齢等の問題により年輪年代の測定が不可能と判断されたので、AMS法放射性炭素年代測定をおこなうことになり、競争入札の結果、パレオ・ラボ社に業務を委託した。なお、2体の木彫仏のうち、岩陰仏堂に安置されていたものを「木仏1」、新発見のものを「木仏2」と略称する。それぞれのサンプル採取は、昨年の9月中旬におこなった。以下の4ヶ所である。

  【木仏1】木仏1-1:広葉樹材像 左袖下端部(PLD-22208) 
        木仏1-2:広葉樹材像 台座右側面(PLD-22209)
  【木仏2】木仏2-1:針葉樹材像 後頭部左側(PLD-22210)
        木仏2-2:針葉樹材像 腹部正面(PLD-22211)

結果は以下のとおりである。( )内の数値は信頼性を示す。

   木仏1-1〔ケヤキ〕:1481AD(95.4%)1637AD
   木仏1-2〔ケヤキ〕:1517AD(69.4%)1595AD  1617AD(26.0%)1649AD
   木仏2-1〔マツ属〕:1481AD(95.4%)1637AD
   木仏2-2〔マツ属〕:1481AD(95.4%)1637AD

 サンプルは辺材ではないので、確実な伐採年代は不明ながら、常識的にみて、木仏1は西暦1481~1649年+α、木仏2は西暦1481~1637年+αに納まる可能性が高く、いずれも室町時代後期~江戸時代前期(16世紀~18世紀初)と推定された上層遺構の年代に対応している。摩尼寺の境内が現在の山麓に移る直前の「奥の院」境内に祀られていた仏像とみて疑いなかろう。木仏1については、70%の確率で西暦1517~1595年(16世紀)であるとすれば、上層開始期から存在した可能性もあるだろう。木仏1は摩耗が激しいけれども、全体の形状をとどめており、菩薩立像系とみる意見とともに、帝釈天の可能性を示唆する意見も耳にしている。後者の場合、「奥の院」上層の本尊であることになり注目されるが、未だ確たる根拠が示せる状況にはない。

 「続き」にパレオ・ラボ社AMS年代測定グループの分析レポートを転載しておく。


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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
--
魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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