田中淡著作集書評-第3巻①
謹賀新年 令和七年元旦
あけましておめでとうございます。年賀状は今年からやめましたので、ご了解ください。昨日は誕生日でした。68歳です。秋田のハタハタのナレズシをアイリッシュ・ジェイムソンのつまみにして祝いました。年末年始までナレズシかと嘆息しておりましたが、ハタハタのナレズシ、じつは半ナレで、酢の酸味が強く、ナレズシ独特の臭みをほとんど感じません。酢飯も普通のお寿司に近いものです。美味しくいただきました。
今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年より『田中淡著作集』第3巻の書評に移ります。第3巻の主題は「中国建築と日本」であり、有難いことに、第1・2部の解題を藤井恵介さん(東大名誉教授)が担当されております。この部分では、藤井さんの解題を補う程度の書評でよいかと。まずは第3巻の書誌情報から。
著者: 田中 淡 (編集担当:藤井恵介・高井たかね)
書名: 田中淡著作集3 中国建築と日本
出版年月: 2024年 2月29日
出版社: 中央公論美術出版 A5版 576頁 8,800円(税込)
《目次》
第一部 中国建築と日本
一 大陸系建築様式の出現
二 塔のかたち――中国と日本
三 再考弥生建築————唐古遺跡絵画土器をめぐって
四 中国の庭――日本庭園への影響
五 唐代都市の住居の規模と算定基準
六 日本建築に探る中国文化の古層
七 重源と大仏再建
八 重源の造営活動
九 伊賀新大仏寺の創立と沿革
10 伊賀新大仏寺の発掘調査
11 東大寺再建と大仏様建築———鎌倉時代の新技術の源流は?
12 東大寺国宝建築解説
13 中国建築史からみた「大仏様」
14 大仏様建築————宋様の受容と変質
15 中国建築の知識は如何なる媒体を通じて日本に伝えられたか
第二部 中国建築史学の誕生と展開
一 関野貞の中国建築史学
二 村田治郎の中国建築史学
三 劉敦楨と近代中国建築学
四 ニーダム博士の中国建築史学
五 アンドリュー・ボイドの『中国の建築と都市』
六 中国建築の年代学的通史を如何に叙述するか
第三部 中国生活技術史ノート
一 古代中国画像の割烹と飲食
二 飲食について―――『遵生八牋』にみえる食品
三 古代中国の狩猟——捕獲動物の種類と狩猟方法の類型
四 古代中国の水利―――大河を治めた英雄たち
五 黄泉の暮らしと住まい――明器陶屋の世界
《出典》
第一部 中国建築と日本
1.大陸系建築様式の出現
黛弘道ほか編『全集日本の古寺 第一〇巻 法隆寺と斑鳩・生駒の古寺』集英社、一九八四年
2.塔のかたち――――中国と日本
『歴博』第一五九号、国立歴史民俗博物館、二〇一〇年
3.再考弥生建築————唐古遺跡絵画土器をめぐって
『西日本新聞』一九九二年五月二四日
4.中国の庭―――日本庭園への影響
『創園』ミサワホーム総合研究所、一九九八年
5.唐代都市の住居の規模と算定基準
『岩波講座 世界歴史 九』月報一六、岩波書店、一九九九年
6.日本建築に探る中国文化の古層
玉井哲雄編『日中比較建築文化史の構築――宮殿・寺廟・住宅 報告書 歴博国際シンポジウム二〇〇七』
国立歴史民俗博物館、二〇〇八年
7.重源と大仏再建
『月刊文化財」七月号、一九七五年
8.重源の造営活動
『佛教藝術』一〇五号、一九七六年
9.伊賀新大仏寺の創立と沿革
荒木伸介・田中淡・樋口徹編『伊賀新大仏寺発掘調査報告書』新大仏寺、一九七九年
10.伊賀新大仏寺の発掘調査
『月刊 文化財」四月号、一九七九年
11.東大寺再建と大仏様建築———鎌倉時代の新技術の源流は?
『朝日百科 日本の国宝 五三 奈良・東大寺 三/手向山神社』朝日新聞社、一九九八年
12. 東大寺国宝建築解説
「宋からきた者たち-石彫・金工にも胸を限るう」『朝日百科 日本の国宝 五三 奈良・東大寺』朝日新聞社、一九九八年
13.中国築史からみた「大仏様」
日本建築学会「大仏様の源流を求めて」日本建築学会大会歴史・意匠部門研究協議会、一九九八年
14 大仏様建築————宋様の受容と変質
GBS実行委員会編『論集 鎌倉期の東大寺復興 重源上人とその周辺』(ザ・グレイトブッダ・シンポジウㄙ論集第五号)法蔵館、二〇〇七年
15 中国建築の知識は如何なる媒体を通じて日本に伝えられたか
東野治之ほか著『考古学の学際的研究 濱田青陵賞受賞者記念論文集1』昭和堂、二〇〇一年
第二部 中国建築史学の誕生と展開
1.関野貞の中国建築史学
藤井恵介・早乙女雅博・角田真弓・西秋良宏編『関野貞アジア踏査』東京大学総合研究博物館、二〇〇五年
2.村田治郎の中国建築史学
村田治郎『中国建築史叢考 仏寺・仏塔篇 村田治郎著作集三』解説、中央公論美術出版、一九八八年
3.劉敦楨と近代中国建築学
劉敦植著、田中淡・沢谷昭次訳『中国の住宅(SD選書)』訳者解説、鹿島出版会、一九七六年
4.ニーダム博士の中国建築史学
ジョゼフ・ニーダム著、田中淡他訳『中国の科学と文明』第一期 月報一〇、思索社、一九七九年
5.アンドリュー・ボイドの『中国の建築と都市』
アンドリュー・ボイド著、田中淡訳『中国の建築と都市』訳者あとがき、鹿島出版会、一九七九年
6.中国建築の年代学的通史を如何に叙述するか
『建築雑誌』vol.119、№1514、日本建築学会、二〇〇四年二月号
第三部 中国生活技術史ノート
1.古代中国画像の割烹と飲食
石毛直道編『論集 東アジアの食事文化』平凡社、一九八五年
2.飲食について――『遵生八版』にみえる食品
荒井健編『中華文人の生活』平凡社、一九九四年
3.古代中国の狩猟―――捕獲動物の種類と狩猟方法の類型
小山修三編『狩猟と漁労 日本文化の源流をさぐる』雄山閣出版、一九九二年
4.古代中国の水利――大河を治めた英雄たち
『朝日百科 世界の歴史』第一五号、朝日新聞社、一九八九年
5.黄泉の暮らしと住まい――明器陶屋の世界
愛知県陶磁資料館・町田市立博物館編『中国古代の暮らしと夢――建築・人・動物 陶器が語る来世の理想郷』愛知県陶磁資料館ほか、二〇〇五年
《連載情報》田中淡著作集書評
第1巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1828.html
第1巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1855.html
第1巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1856.html
第1巻(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1906.html
第2巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2960.html
第2巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2961.html
第2巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2962.html
第2巻(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2963.html
第2巻(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2964.html
第2巻(6)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2965.html
第3巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2966.html
第3巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2967.html
第3巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2968.html
《関係サイト》
発掘された『田中淡著作集』第2・3巻
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2821.html
第一部 中国建築と日本
1.大陸系建築様式の出現
黛弘道ほか編『全集日本の古寺 第一〇巻 法隆寺と斑鳩・生駒の古寺』集英社、一九八四年
2.塔のかたち――――中国と日本
『歴博』第一五九号、国立歴史民俗博物館、二〇一〇年
3.再考弥生建築————唐古遺跡絵画土器をめぐって
『西日本新聞』一九九二年五月二四日
4.中国の庭―――日本庭園への影響
『創園』ミサワホーム総合研究所、一九九八年
5.唐代都市の住居の規模と算定基準
『岩波講座 世界歴史 九』月報一六、岩波書店、一九九九年
6.日本建築に探る中国文化の古層
玉井哲雄編『日中比較建築文化史の構築――宮殿・寺廟・住宅 報告書 歴博国際シンポジウム二〇〇七』
国立歴史民俗博物館、二〇〇八年
7.重源と大仏再建
『月刊文化財」七月号、一九七五年
8.重源の造営活動
『佛教藝術』一〇五号、一九七六年
9.伊賀新大仏寺の創立と沿革
荒木伸介・田中淡・樋口徹編『伊賀新大仏寺発掘調査報告書』新大仏寺、一九七九年
10.伊賀新大仏寺の発掘調査
『月刊 文化財」四月号、一九七九年
11.東大寺再建と大仏様建築———鎌倉時代の新技術の源流は?
『朝日百科 日本の国宝 五三 奈良・東大寺 三/手向山神社』朝日新聞社、一九九八年
12. 東大寺国宝建築解説
「宋からきた者たち-石彫・金工にも胸を限るう」『朝日百科 日本の国宝 五三 奈良・東大寺』朝日新聞社、一九九八年
13.中国築史からみた「大仏様」
日本建築学会「大仏様の源流を求めて」日本建築学会大会歴史・意匠部門研究協議会、一九九八年
14 大仏様建築————宋様の受容と変質
GBS実行委員会編『論集 鎌倉期の東大寺復興 重源上人とその周辺』(ザ・グレイトブッダ・シンポジウㄙ論集第五号)法蔵館、二〇〇七年
15 中国建築の知識は如何なる媒体を通じて日本に伝えられたか
東野治之ほか著『考古学の学際的研究 濱田青陵賞受賞者記念論文集1』昭和堂、二〇〇一年
第二部 中国建築史学の誕生と展開
1.関野貞の中国建築史学
藤井恵介・早乙女雅博・角田真弓・西秋良宏編『関野貞アジア踏査』東京大学総合研究博物館、二〇〇五年
2.村田治郎の中国建築史学
村田治郎『中国建築史叢考 仏寺・仏塔篇 村田治郎著作集三』解説、中央公論美術出版、一九八八年
3.劉敦楨と近代中国建築学
劉敦植著、田中淡・沢谷昭次訳『中国の住宅(SD選書)』訳者解説、鹿島出版会、一九七六年
4.ニーダム博士の中国建築史学
ジョゼフ・ニーダム著、田中淡他訳『中国の科学と文明』第一期 月報一〇、思索社、一九七九年
5.アンドリュー・ボイドの『中国の建築と都市』
アンドリュー・ボイド著、田中淡訳『中国の建築と都市』訳者あとがき、鹿島出版会、一九七九年
6.中国建築の年代学的通史を如何に叙述するか
『建築雑誌』vol.119、№1514、日本建築学会、二〇〇四年二月号
第三部 中国生活技術史ノート
1.古代中国画像の割烹と飲食
石毛直道編『論集 東アジアの食事文化』平凡社、一九八五年
2.飲食について――『遵生八版』にみえる食品
荒井健編『中華文人の生活』平凡社、一九九四年
3.古代中国の狩猟―――捕獲動物の種類と狩猟方法の類型
小山修三編『狩猟と漁労 日本文化の源流をさぐる』雄山閣出版、一九九二年
4.古代中国の水利――大河を治めた英雄たち
『朝日百科 世界の歴史』第一五号、朝日新聞社、一九八九年
5.黄泉の暮らしと住まい――明器陶屋の世界
愛知県陶磁資料館・町田市立博物館編『中国古代の暮らしと夢――建築・人・動物 陶器が語る来世の理想郷』愛知県陶磁資料館ほか、二〇〇五年
《連載情報》田中淡著作集書評
第1巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1828.html
第1巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1855.html
第1巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1856.html
第1巻(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1906.html
第2巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2960.html
第2巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2961.html
第2巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2962.html
第2巻(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2963.html
第2巻(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2964.html
第2巻(6)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2965.html
第3巻(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2966.html
第3巻(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2967.html
第3巻(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2968.html
《関係サイト》
発掘された『田中淡著作集』第2・3巻
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2821.html