学位授与式の後で
千年の眠り
3月19日(土)、今年もまたとりぎん文化会館の梨花ホールで卒業式が挙行されました。昨年、鳥大はオンライン、看護大は学内での卒業式でしたから、若干の後ろめたさを感じないではありませんでしたが、今年は前日に鳥大が同じ会場で3年ぶりの対面卒業式を実施しておりました。とはいえ、オミクロンの感染者は依然衰えておらず、今年は人数制限・時間短縮を厳しくし、昨年の半分ぐらいの時間で終わりました。これは良かった。ただ一つ気になったのは、「うつ病」が話題になったことです。学生等にもそういう症状を抱えて苦しんでいる人がいるのに・・・しかも、パソコンやスマホの普及・発達でうつ病が劇的に増えたという因果関係が示されました。本当だろうか。高度産業社会におけるホームレスマインドとか、競争社会における居場所の喪失とか、人権侵害などに関係すると私は思います。
式が終わって、みんなでお茶するなんてありませんでね。そもそも、この学年は3~4年の2年間、オンラインに苦しめられ、調査活動は著しく制限されて、懇親会などもないに等しかった。それ以前のゼミ生たちのように、国内外での長期のフィールドワークや飲み会があれば良かったのですが、コミュニケーションの向上を図る機会がない。正直なところ、崩壊寸前かと思われる時期もありましたけれども、みんなよく踏ん張ってくれました。風聞によれば、いくつかのゼミは本当に崩壊したところもあったようです。ASALABは最後なんとかまとまって、卒論も例年どおりの上級レベルに仕上がりました。みんなに感謝しています。
式後、会場の3ヶ所で記念撮影をしました。また、記念品の高級焼酎を学生からいただきました。以上で教師の仕事はお仕舞。学生たちは他ゼミの友人たちとの記念撮影に奔走しますが、老人たちはお呼びでなく、「それでは、お元気で」の一言を残して会場を去りました。家に帰っても、ぼーっとするだけで、なんにもやる気にならない。テレビやスマホでウクライナの報道をかき集めるだけ。そういえば、司馬遼太郎の『ロシアについて-北方の原形』(1986)の中古本を取り寄せていたことを思い出し、一から読み直しました。久しぶりに司馬さんの著作に接し、プロの文筆家の実力を思い知らされました。文章で食べていく、というのは、これぐらいでないと駄目なんだ。自分はまだまだアマチュアだと反省しきり。『ロシアについて』 の全文を原稿用紙に模写しようかな? そうだ、万年筆博士に行こう。
夕方は、卒業生より頂戴した高級焼酎「千年の眠り」で晩酌しました。ロックで始めたんですが、さすが40°だけのことはある。ちょっときつすぎたので、ホッピーで割りました。いや目出度い、めでたい。みんな幸福な人生を歩むんだよ。先生は英語でいうところの vain を噛みしめながら、焼酎のホッピー割りを啜っておりました。酔っても、なかなか寝付きがわるくてね・・・
2021年正月 摩尼寺初詣
一夜あけて、一路岩美へ。こんなときは、アルマーレがいい。庭に咲く沈丁花が満開です。この日は朝から珈琲を何杯も飲んでいたので、初めて紅茶とスフォリアテッラの組み合わせにしました。アールグレイのフレンチブルー。海も心もフレンチブルーさ。ティーポットがなかなか素敵だったので、窯元を訊くと、岩美地元の延興寺窯とのことで、店を出て後、窯元を訪問した。なかなか高くてね。小皿2枚を仕入れました。国府経由で帰宅。
沈丁花
ヴィブラポンやチェンバロの透明感には癒されますね。