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喪中につき年初のご挨拶をご遠慮申し上げます

 この1週間ばかり、クリスマスだの、誕生日プレゼントだの、暢気に書きなぐってきました。ほんとはもっと自重自粛しないといけない。後悔と反省の時間を過ごしております。
 本年10月1日、家内の父・谷口隼男が94歳にて永眠いたしました。佐治の寒村で農業に一生を捧げた父でした。わたしは心の底から父を尊敬していました。コロナ禍のなか面会も叶わず、葬儀も簡略なものとなり、痛恨の極みです。コロナが憎い。

 ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますと共に
 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。

令和二年師走晦日


蓮02

『古民家「終活」の時代』刊行!

古民家終活表紙_page-0001webweb 古民家終活裏表紙_page-0001web


2020年、3冊めの報告書!

 今年の11月11日付けで『古民家「終活」の時代』と題する報告書を刊行した。今年度本学特別研究費助成研究に採択された「文化遺産報告書の追跡調査からみた過疎地域の未来像」の成果報告書である。通常ならば、この種の報告書は年度末に刊行するものだが、諸般の事情があり、年度前半で入稿を終えたいと元より構想していた。刊行日を11月11日としたのは、その日が父・市太郎の13回忌にあたるからである。実際、11月10日に報告書は大学に納品され、12月中旬までに学内外百ヶ所前後に配布を終えている。今日まで広報が遅れてしまったのは、ただただ私の怠慢というほかない。一方で、年内に広報しなければいけないという使命感も強くあり、事ここに至ったしだいである。
 春の2作に続き、秋にも新作を世に出せたのは、一昨日も述べたように、ひとえに現4年生諸君のサポートの御蔭である。この学年だからこそ刊行にむけて全力で動こうという気持ちを固めることができたのである。この場を借りて深く感謝の気持ちを表したい。

《書誌情報》
1.書名: 令和二年度公立鳥取環境大学特別研究費成果報告書 (ASALAB報告書 第39輯)
      古民家「終活」の時代-文化遺産報告書の追跡調査からみた過疎地域の未来像 
2.編集: 浅川滋男
  (編集補助:佐藤亨成・藤井鈴花・井上裕太・沼野雄哉)
3.版型: A4版横書 総頁数159p.
4.発行: 公立鳥取環境大学
5.発行年月日: 2020年11月11日
6.印刷: 西尾印刷所
7.目次: 
  序-昭和 49 年の風景
 第1章 研究の目的と概要
 第2章 再訪 民家とその変容パターン
 第3章 『秋田県の近代化遺産』その後
 第4章 『鳥取県の民家』その後- 成果と課題
 第5章 寅さんの風景-マイ・バック・ページ
  後記-時は消え去りて
  付録: 近代化遺産遺産を往く-秋田紀行

 *入手を希望される方は、このブログ記事のコメント欄にその旨お知らせください。

卒業写真

1202きりたんぽ06卒アル写真


卒アル写真

 12月23日(水)は2020年最後のゼミであり、ブータン料理実験に勤しんで大いなる成果を得ましたが、同時に卒業写真の撮影日でもあり、この点哀愁を感じないわけでもないのだけれども、そんな空気をだれも発することなく、淡々と撮影は進んでいきました。嗚呼、もう少し痩せておくんだった、とまたしても後悔しましたよ。しかしながら、2020年は感染回避のためジム通いさえも叶わず、気候がよければ散歩もできるが、冬の山陰はそれも許してくれません。
 ここに居並ぶ4年生たちとも、あと一ヶ月半でお別れです。皆でブータンや四川や上海に行こう、と誓いあっていたのに、連れていってあげられなくて、本当に残念です。こんなに出来のいい学年も稀でしてね。海外調査がままならぬ中で、彼らは2冊の報告書刊行に貢献してくれました。公立化以降前例のないことだと思います。あとは卒論がまとまるのを祈るばかり(でもないかな・・・)。


1223卒アル写真01 1223卒アル写真02sam



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ブータン料理実験(5)-蕎麦食と家庭料理

00餃子01


モモ(ブータン餃子)

 今夜が最終回です。ぼくが担当したのはブータン餃子(モモ)です。餃子だけでなく、トマト味のソース(たれ)もつくりました。もちろんレシピはプナップ・ウゲン・ワンチュクさんの料理本(2014)に従っています。

Ingredients(材料)
・Wheat flour 1/2 kg
・1 onion
・Beef, pork or vegetable 300 g
・Ginger 1 piece
・Oil/butter(preferably mustard oil)
・Salt
〈日本語訳〉
・小麦粉1/2 kg
・玉ねぎ1個
・牛肉、豚肉または野菜300 g
・ショウガ1個
・油/バター(芥子油が望ましい)
・塩


モモ生地  モモ材料


Preparation(準備)
 Mix flour with cold water and knead into dough. Place aside. Mince beef/pork or vegetable and mix with finely chopped onion and ginger. Finally pour heated oil or butter to the mixed ingredients and blend evenly with salt. Keep aside to cool.
<日本語訳>
 小麦粉を冷水と混ぜ、生地をこねます。これは横に置いておきます。牛/豚のひき肉と野菜をみじん切りにし、細かく刻んだ玉ねぎとショウガを混ぜます。最後に、加熱した油またはバターを混ぜ合わせた材料に注ぎ、塩をまんべんなく合わせます。冷ますために横に置いておきます。


モモ完成2



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ブータン料理実験(4) -蕎麦食と家庭料理

東 ケワダツィ1 東 ケワダツィ2


ケワダツィ(ジャガイモと唐辛子のチーズ炒め)

 皆さん、こんにちは。滅私です。またたくまにクリスマスも終わってしまいましたが、今夜もブータン料理実験の続報(第4報)です。私はケワダツィという料理を担当しました。エマダツィと並ぶ家庭料理の代表です。もちろんレシピは、プナップ・ウゲン・ワンチュク(2014)の料理本に従っています。以下が材料と作り方です。

Ingredients(材料)
ㆍ3 medium sized potatoes
ㆍ3 chilies
ㆍ2 cloves of garlic
ㆍ1/2 tsp butter
ㆍ1 tsp salt
ㆍ1 soup bowl of water
ㆍ1/2 cup grated cheese or a ball of cheese
<日本語訳>
・中サイズのジャガイモ3個
・唐辛子3個
・ニンニク2片
・バター小さじ1/2
・塩小さじ1
・スープボウル1杯の水
・粉チーズ1/2カップまたはチーズ1個


1200ケワダツィ02 1200ケワダツィ01


Preparation(準備)
 Peel the potatoes and cut into desired shapes. Chop the chillies and slice or crush the
garlic. Start off first by cooking the potatoes, chillies, and garlic with salt and butter.
When the potatoes are more or less cooked add cheese. Further cook till the chesse
melts and blends well with the other ingredients.
<日本語訳>
 ジャガイモの皮をむき、お好みの形に切ります。唐辛子を刻み、ニンニクをスライスするか、
つぶします。まず、ジャガイモ・唐辛子・ニンニクを塩とバターで調理することから始めます。
ジャガイモが大体調理されたら、チーズを加えます。チーズが溶けて他の材料とよく混ざる
までさら調理します。


1200ケワダツィ04縦 東 ケワダツィ4



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ブータン料理実験(3)-蕎麦食と家庭料理

1202きりたんぽ06ブータン料理10エマダツィ01ほぼ完成 エマダツィ3


エマダツィ(トマトと唐辛子のチーズ炒め)

 メリー・クリスマス! 
 今夜も23日のブータン料理実験の続報です。私が担当したのは、エマダツィという最も有名な家庭料理です。もちろん、プナップ・ウゲン・ワンチュクさんの料理本(2014)に従って調理しました。以下、材料と作り方です。

Ingredients(材料)
・6/7 pieces of chillies
・1/2 ball of cheese
・1 onion
・1 tomato
・salt
・2 tbsp of oil
<日本語訳>
・唐辛子6~7個(ブータン唐辛子は鳥取の甘長唐辛子くらいのサイズ)
・チーズ1/2ボール
・玉ねぎ1個
・トマト1個
・塩
・油大さじ2


エマダツィ4 エマダツィ5


Preparation(準備)
 Cut the chillies into halves lengthwise and slice the onion and tomato separately. Cook the chillies and onion slices in one cup of water for 3 minutes. Add oil or butter and cook till the chillies become tender. Rule: do not close the lid. Next add the cheese and cook for another 3 minutes. When the cheese melts and blends with other ingredients add tomato and salt and cook further. When the tomato melts, blend all the mixture.
<日本語訳>
 唐辛子を縦に半分に切り、玉ねぎとトマトを別々にスライスします。唐辛子と玉ねぎのスライスを1カップの水で3分間調理します。油またはバターを加え、唐辛子が柔らかくなるまで調理します。規則:蓋を閉めないでください。次にチーズを加え、さらに3分間調理します。チーズが溶けて他の材料と混ざったら、トマトと塩を加えてさらに調理します。トマトが溶けたら、すべての具材を混ぜ合わせます。


00エマダツィ作り風景01



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ブータン料理実験(2)-蕎麦食と家庭料理

蕎麦餃子ヒュンテ01 1202きりたんぽ06ブータン料理00そば餃子01


ヒュンテ(蕎麦皮の餃子)

 皆さん、こんにちは。天破活殺です。メリークリスマス!
 12月23日(水)の続きを報告します。今回は、私の担当したそば粉で作る餃子ヒュンテ(hoenty)」を紹介します。前回述べたように、レシピはプナップ・ウゲン・ワンチュさんの料理本(2014)に従っています。原文と訳文を示します。

Ingredients(材料)
・Buckwheat flour(130 g)
・2 turnips
・1/2 bunch dried turnip leaves
・Cheese(2 ball/50 g)
・Butter(30 g)
・Black mustard seeds(zimtsi 50 g)
・ginger
・1 clove garlic
・3 tsp chilli powder
・1 tbsp wild pepper(Thingay)
・Walnut(optional, if mustard seeds are not available)
・Few stalks of spring onion
・Salt to taste
<日本語訳>
・ソバ粉(130 g)
・カブ2個
・乾燥したカブの葉1/2束
・チーズ(2個/50 g)
・バター(30 g)
・ブラックマスタードシード(zimtsi 50 g)
・ショウガ
・ニンニク1片
・チリパウダー大さじ1
・ワイルドペッパー大さじ1(Thingay)
・クルミ
(お好みで、マスタードシードがない場合)
・葉玉ねぎの茎少々
・味付けの塩


蕎麦餃子ヒュンテ02 蕎麦餃子ヒュンテ03


Preparation(準備)
 Mix sweet buckwheat flour with water and knead it to make a dough. Then put it aside. Mince the turnip leaves and cook for about 25 minutes then strain them and put aside in a bowl. Chop ginger, garlic and spring onion. Mix these ingredients with the cooked turnip leaves. Then add cheese and grounded black mustard seeds, followed by chili powder, salt and wild pepper to your taste. Finally, pour heated butter over all the ingredients and blend together. Keep aside to cool.
<日本語訳>
 甘蕎(日本にある甘い蕎麦:通常ブータンでは苦蕎を用いる)の粉を水と混ぜ、こねて生地を作ります。その生地をわきに置いておきます。カブの葉を細かく刻み、約25分間調理してから、濾してボウルに入れます。ショウガ、ニンニク、ネギをみじん切りにします。これらの材料を調理したカブの葉と混ぜます。そこに、チーズと挽いたブラックマスタードシードを加え、次にチリパウダー、塩、ワイルドペッパーを好みに合わせて加えます。最後に、加熱したバターを全ての材料に注ぎ、混ぜ合わせます。冷ますために、わきに置いておきます。


蕎麦餃子ヒュンテ04 具(餡)づくり



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ブータン料理実験(1)ー蕎麦食と家庭料理

玉田(クレ完成品) 玉田(クレ材料)


蕎麦粉のパンケーキ(クレ)

 メリークリスマス!

 12月23日(水)、激動の2020年最後のゼミで、ブータン料理の試作に取り組んだ。私が後期に取り組んだブータン料理本の翻訳レシピをもとに、3年が1食ずつ実験的に試作し、ビュッフェスタイルで3、4年全員が試食した。
 ブータン料理本の図書情報は以下のとおり。

著者: Punap Ugyen Wangchuk(プナップ・ウゲン・ワンチュク)
書名: Authentic BHUTANESE COOKBOOK(本物のブータン料理本)
出版社: JOMO PUBLICATIONS (ジョモ出版) 
出版年: 第2版(2014年)

 とくに注目したのは、蕎麦を材料とするクレ(パンケーキ)、ヒュンテ(ギョウザ)であり、加えて、最も代表的な家庭料理のエマダツィ、ケワダツィ、モモ(小麦粉から作るギョウザ)の5品を試作した。12月16日のゼミの時間に大学前のイオンへ買い出しに行き、生鮮食品以外の食材を買いそろえた。ここで買わなかった食材は、後日各自でそろえた。クレ、モモ、ヒュンテを担当した3名は前日(12月22日)に各自自宅で作り、ケワダツィ、エマダツィを担当した二名は当日午後から調理に取り組んだ。


Authentic BHUTANESE COOKBOOK プナップ・ウゲン・ワンチュク氏(右2)
↑料理本(左)と作者一家(右)


 

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中国道蕎麦競べ(15)

1226 床瀬そば外観 佐藤 1200床瀬02前菜04道路 


再訪-床瀬そば

 先週末、教授はまた新たに但馬~丹波で蕎麦食の旅に出かけられたのですが、その報告はどうやら冬休みにまわるようでして、まずは4年生を中心として本日(12月22日)おこなった蕎麦と町並みの旅についてレポートします。
 神辺高原(兵庫県豊岡市竹野町)の「床瀬そば」については、教授が9月下旬に訪問されています。今回は昼食のセットを求めての再訪となりました。道中、前週の大雪の爪痕が残っており、店舗間近のスキー場近くの道が通行禁止になっているなどのアクシデントがありました。予定より一時間半ばかり遅れて「床瀬そば」に辿り着きました(訪問店を変更するほうがよかったかもしれません)。


1200床瀬02前菜01 1200床瀬02前菜02やまめ


 床瀬そばの店舗は、写真の通り、昭和戦後の木造住宅をほぼそのまま継承したもので、大広間に囲炉裏が並んでいます。店内は、住宅時代の風情そのものであり、床の間と仏壇があり、床の間には壺や掛け軸などが飾られています。他にも、火鉢や屏風なども置いてありました。窓側からは外の風景も見え、ゆっくりとくつろげる田舎の良さを活かした空間になっています。囲炉裏の席では、冬休みになったばかりだからか、家族連れのお客が陣取って賑やかに食事をしていました。私たちは、天然木削り出しの大きなちゃぶ台で食事をしました。


1226 蕎麦 佐藤 1226 そばがき 佐藤



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2020年度卒業論文(4)-構成と中間報告

チベット・ブータン仏教とボン教の歴史的相関性に関する予備的考察
Preliminary study on the historical relation between Tibetan-Bhutanese Buddhism and Bonism
S.Fujii

第1章 研究の目的と概要
 1-1 ブータン調査の足跡
  (1) ブータンの崖寺と瞑想洞穴 -第1~4次調査
  (2) 民家仏間の考現学 -第5・6次調査
  (3) ブータン仏教の調伏と護法尊 -第7・8次調査
 1-2 中国側チベット族居住区の踏査
  (1)青海省チベット仏教僧院の視察(2015)
  (2)西蔵自治区ラサとツェタンを訪ねて(2016)
  (3)西北雲南調査―梅里雪山遥拝(2018)
  (4)四川高原の仏教遺産(2019)
 1-3 ブータン第8次調査に参加して
 1-4 研究の目的
  (1) 仏教の調伏と護法尊-異教神霊の浄化と再生
  (2) ボン教寺院クブン寺との出会い
 1-5 今年度の研究方法
  (1) 新型コロナウイルス感染症の影響
  (2) ボン教に関わる文献研究

2.ボン教の起源と変容
 2-1 ボンとは何か―その起源と展開
  (1) 発祥の地―象雄地域と聖地カイラス山
  (2) シバ・ボン
  (3) ユンドゥン・ボンと開祖 シェンラプ・ミウォ
  (4) 百度百科とウィキペディアの矛盾
  (5) ブータン史のなかのボン教
 2-3 ボン教の時期区分試論
  (1) 推定Ⅰ期:プレ仏教期
  (2) 推定Ⅱ期:ニンマ派仏教との交流期
  (3) 推定Ⅲ期:仏教化推進期
 2-4 ボン教東遷
  (1)チベット仏教諸派林立とボン教の敗北
  (2)カム地方への東遷 
    http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2142.html
  (3)寺院壊滅と復興-文化大革命

3.中国側ボン教の研究史
 3-1 ボン教研究総論
 3-2 文化史的研究
  (1)1990年代
  (2)2000年代
  (3)2010年代
 3-3 建築学的研究
  (1)1990年代
  (2)2000年代
  (3)2010年代

4.仏笨習合の白と黒
 4-1 チベット仏教の調伏と土着的信仰
  (1)調伏とは何か
  (2)護法尊と忿怒尊
  (3)ドゥクパ・クンレーとアムチョキム
  (4)非仏教系信仰とボン教の識別
 4-2 白と黒の対立と融合
  (1)ボン教神話の双子
  (2)仏教の瞑想洞穴

5.ポプジカの経験
 5-1 クブン寺再考
  (1)寺院の概要
  (2)寺院の配置と遺跡
  (3)深奥の黒い部屋
  (4)ニンマ派とボン教の習合
 5-2 ガンテ寺仏教大学長との対話
  (1) 瞑想修行
  (2) 白ボンと黒ボン
  (3) ボン教に対する仏教のコンプレクス
 5-3 ボン教以外の土着信仰
  (1) ファルス崇拝
  (2) 稲霊信仰
  (3) その他

 6.成果と展望
  6-1 仏教とボン教の歴史的相関性に関する整理
  6-2 今後の調査にむけて
  (1) 推定Ⅱ期遺構の調査-クブン寺再訪
  (2) 推定Ⅲ期-旧チベット領白ボン寺院の調査
  (3) ボン教を信仰する村の調査-東遷中枢カム地方ギャロン語圏

謝辞
参考文献・サイト


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2020年度卒業論文(3)-構成と中間報告

ブータンの蕎麦食文化
Bhutanese buckwheat food cultures
Y. Inoue

1.研究の背景と目的
1-1 第8次ブータン調査に参加して
1-2 農業への眼差し
1-3 チベット文化圏の蕎麦を考える

2.蕎麦食の比較文化史
2-1 起源-考古学と植物遺伝学
(1)考古学からみた蕎麦の起源
(2)植物遺伝学からみた蕎麦の起源
2-2 甘蕎(F. esculentum.)と苦蕎(F. tataricum.
2-3 甘蕎、日本へ
2-4 苦蕎、ブータンへ

第3章 ブータンの生業と食文化
3-1 ブータン古来の農業と遊牧
3-2 西岡京治の農業指導
3-3 ブータンの日常食
3-4 民話にみるブータンの蕎麦食
 -「ねずみのおばさん」のケプタンは何を意味するか
3-5 蕎麦食の変遷

4.『唐辛子とチーズ -ブータンの食と社会』の翻訳
4-1 著者クンサン・チョデンについて
4-2 Chilli and Cheese: Food and Society in Bhutan (2008)の概要
4-3 第17章「蕎麦-寒冷高地の穀物」全文翻訳

5.蕎麦食の体験
5-1 ティンプーの蕎麦食(2019)
5-2 西北雲南三江併流域―苦蕎起源地の蕎麦パン(2018)

6.ブータン蕎麦食のレシピと調理実験
6-1 レシピ料理本 Authentic BHUTANESE COOKBOOK (2014)
6-2 著者プナップ・ウゲン・ワンチュクについて
6-3 蕎麦料理レシピの翻訳
(1)蕎麦粉のパンケーキ khur-le
(2)蕎麦粉の皮のギョウザ hoentay
(3)蕎麦麺 puta
6-4 khur-le と hoentay の再現

7.成果と課題
7-1 ブンタンに蕎麦が戻ってきた
Kinley Yonten(2019)Buckwheat makes a comeback in Bumthang Business Bhutan
http://www.businessbhutan.bt/2019/10/23/buckwheat-makes-a-comeback-in-bumthang
7-2 日本人からみたブータン料理と蕎麦食
(1)蕎麦や松茸をブータンで食べることの快楽
(2)日本のブータン料理レストラン
7-3  おわりに

《参考文献》

付録1: Chilli and Cheese: Food and Society in Bhutan(2008)17章原文
付録2: Authentic BHUTANESE COOKBOOK(2014)蕎麦食部分原文


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2020年度卒業論文(2)-構成と中間報告

過疎と地域祭礼
-静岡の袋井祭りと倉吉の地蔵盆にみる持続可能性の諸問題-

Depopulation and Local Festivals
- Some problems of the sustainability from the comparative study of Fukuroi festival in Shizuoka and Kshitigarbhaa festival of Kurayoshi -
Y.Numano

1.研究の目的と概要
1-1 研究の背景と目的
1-2 過疎地域における祭礼維持の課題
1-3 調査の経緯
(1)静岡の袋井祭りの概要
(2)倉吉市川原町の地蔵盆

2.赤尾渋垂郡辺神社と袋井祭り
2-1 赤尾渋垂郡辺神社の歴史
2-2 袋井祭りの歴史と現状
(1)袋井祭りの歴史
(2)赤尾渋垂郡辺神社例大祭の歴史
(3)赤尾渋垂郡辺神社/袋井祭りの現状
2-3 過疎に伴う地域祭礼の変化
(1)体験としての赤尾渋垂郡辺神社例大祭
(2)赤尾渋垂郡辺神社神主からのヒアリング
(3)過疎に伴う運営の対応
(4)新型コロナウイルス感染症による影響

3.倉吉市河原町地蔵盆の歴史と現状
3-1 河原町と地蔵盆
(1)夏の地蔵盆‐子供の祭り
(2)春・秋・冬の地蔵祭
(3)東地蔵・西地蔵に関わる定例行事
3-2 河原町地蔵盆が抱える諸問題
(1)少子化、高齢化、そして町並みの空洞化
(2)地域住民からのヒアリング
(3)報告書2015との比較
(4)新型コロナウイルス感染症による影響
3-3 登録有形文化財「旧小倉家住宅」の活用に向けて
(1)東地蔵と旧小倉家住宅の関係及び活用状況
(2)旧小倉家土蔵撤去の危機(2016)
(3)鳥取県中部地震からの復興
(4)旧小倉家土蔵整備に向けての動向

4.過疎と祭礼-袋井祭りと倉吉地蔵盆の比較
4-1 過疎に伴う運営変化の比較
4-2 近未来の祭礼をどう描いているのか
4-3 祭礼と風致-有形遺産と無形遺産の融合的持続のために

5.おわりに

《参考文献》
付録: 倉吉市河原町・鍛冶町二丁目町家等建造物データベース(2020)


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2020年度卒業論文(1)-構成と中間報告

 例年、卒論の中間報告をブログにアップしてきましたが、某単行本編集実務に負われて放ったらかしになっておりました。現在、目次構成を煮詰めている段階ですので、中間報告とあわせて連載します。まずはコロッケ君から。

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蕎麦食の風景 -山中の蕎麦屋はなぜ繁盛しているのか-
Food-scape of the buckwheat in Japan -Why are the buckwheat noodle’s restaurants in the mountains so prosperous
A.Sato

第1章 序論
1-1 研究の背景と目的
(1)『鳥取県の民家』(1974)再訪を終えて
(2)古民家「終活」の時代
(3)山間・郊外地域に点在する蕎麦屋の不思議
1-2 フードスケープ論の応用
(1)フードスケープとは何か
(2)フードスケープとしての蕎麦屋と蕎麦食

第2章 日本人と蕎麦食
2-1 蕎麦の起源
(1)考古学からみた蕎麦の起源
(2)DNA分析からみた蕎麦の起源
(3)文化麺類学-蕎麦と麺の関係
2-2 蕎麦の文化史
(1)救荒作物としての蕎麦
(2)「そばがき」から「そば切り」へ
(3)年越しそばとお雑煮―ハレの食品へ
(4)蕎麦の現代的再評価―グルメと健康・美容と

第3章 中国道蕎麦競べ
3-1 山中・郊外の蕎麦屋を訪ねて
(1)床瀬そば
(2)そばカフェ「みちくさの駅」
(3)手打ち蕎麦とフレンチのやな木
(4)蕎麦・菜食 一如庵
(5)ろあん篠山
(6)右衛門五郎
(7)そば切り「たかや」
3-2 山中蕎麦屋のネット情報分析
(1)上方往来(因幡街道)周辺
(2)中国山脈美作側の出雲街道周辺
(3)氷ノ山・扇ノ山山麓但馬側
(4)宮崎県高千穂町・椎葉村、熊本県阿蘇付近
3-3 蕎麦屋の店主は語る
(1)そば切り「たかや」インタビュー(抜粋)
(2)そばカフェ「みちくさの駅」ゼミナール(抜粋)

第4章 蕎麦屋の文化表象論
4-1 蕎麦屋の立地環境
(1)山水と蕎麦
(2)新鮮な食材の確保のために
(3)精進料理としての蕎麦食
(4)フランスの田舎と高級レストラン-蕎麦屋との比較
4-2 木造建築・インテリアと蕎麦食
(1)古民家等歴史的建造物の再生活用
(2)新築木造建築のデザイン
(3)家具・建具のデザインと制作
4-3 民芸派か自然派か
(1)食器と窯元
(2)自然素材へのこだわり
(3)民芸と反民芸
4-4 蕎麦と音楽

第5章 結論
5-1 蕎麦と蕎麦食のフードスケープ
5-2 山中の蕎麦屋はなぜ繁盛しているのか
5-3 蕎麦でまちづくり-熊本の場合

《参考文献》
付録1 そば切り「たかや」インタビュー(全文)
付録2 そばカフェ「みちくさの駅」ゼミナール(全文)
付録3 中国道蕎麦競べ データベース


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いい加減に学ぶ中国語講座(44)

蕎麦の道(1)

 ご無沙汰しております、4年の月市です。現在私はブータンの蕎麦食文化をテーマに卒論に取り組んでいます。蕎麦に関する基礎知識を学ぶため、中国のオンライン百科事典「百度百科」の蕎麦に関連するページの翻訳を進めています(wikipedia日本語版よりも内容が詳しい)。今回は冒頭の部分と第一章「栽培の歴史」、第二章「形態的特徴」の部分を紹介させていただきます。長い翻訳となったので、先生に細かく目を通していただくことはできませんでしたが、素訳をアップします。皆様のご指導をお願いするしだいです。

百度百科 荞麦 (植物名称)
https://baike.baidu.com/item/%E8%8D%9E%E9%BA%A6/889827#3

①訳文:蕎麦(植物名)
 ソバ(学名:Fagopyrum esculentum Moench.)、別名:浄腸草、烏麦、三角麦 
 タデ科(Polygonaceae)ソバ属(Fagopyrum
 成熟期間は75日、北方では二期作が可能、一年生植物(一年生草本)である。茎は直立し、高さ30〜90 cm、上部の茎は緑または赤色で、縦方向にエッジ(線)がはしっている。茎は無毛または片方のエッジに沿って縦方向に乳頭状突起を持つ。葉は三角形または卵型の三角形で、長さ2.5~7㎝、幅2~5㎝で、尖った先端とハート型の基部を持ち、葉の両面の葉脈に沿って乳頭状突起を持つ。蕎麦は涼しくて湿気の多い気候を好み、高温、干ばつ、強風に耐えることができない。また霜にも弱く、日光を好む。栽培にはやや多めの水を必要とする。

中文名:蕎麦
別名:浄腸草、烏麦、三角麦
ラテン語名(学名):Fagopyrum esculentum Moench.
界:植物界
門:被子植物門(Angiospermae
綱:双子葉植物綱(Dicotyledoneae
亜綱:古生花被植物亜綱(Archichlamydeae
目:ナデシコ目(Caryophyllales
科:タデ科(Polygonaceae
亜科:タデ亜科(Polygonoideae
連:ソバ連(Fagopyreae
属:ソバ属(Fagopyrum
種:ソバ(Fagopyrum esculentum

栽培の歴史
 ソバの起源について、日本の植物学者、星川清親(おそらく『栽培植物の起原と伝播』 1987 )は、日本で栽培されたソバは8世紀に中国から朝鮮半島を経由して日本に伝わったと考えている【訳注1)考古学的には弥生前期まで遡ることが分かっている】。原産地は北東アジアのバイカル湖に近い中国の東北地方であり、具体的な伝播経路は、唐代に北から南伝して中国の内地に入ったと考えられている。宋代には中国南部で広く栽培されていた。(中国南部から)インドシナにも伝播し、8世紀に至ると朝鮮半島を経由して日本に伝わった。また、8世紀には中国からインドにも伝わり、とりわけインド北部では、非常に広い地域でソバが栽培されるようになる。その後13〜14世紀に、ソバはシベリア、ロシア南部、またはトルコからヨーロッパに拡散した。17世紀にはベルギー、フランス、イタリア、イギリスに持ち込まれた。1625年にはオランダの入植者がハドソン川を経由してアメリカに、そして後にカナダと南アメリカにソバをもたらした。
 中国の学者、たとえば『中国農業地理』の著者、韓茂莉は、ソバの起源に係るバビロフとジュコフスキーの見解に基づき、ソバの物的痕跡が中国で発掘されたが、考古学の世界でソバの起源が中国にあると結論づけるには物的証拠が少なすぎると述べている。しかし、ソバの拡散の中心が北方にあるのは確実であり、その拡散の経路は「黄河流域から淮河流域に至り、さらに、人口の移動に伴って栽培地は領土外に拡大した」という。また、林汝法主編『苦蕎挙要』では、主に西南中国の「苦蕎」【訳注2)原生種に近い苦い味の蕎麦か?】の特徴、物的資源と育種、及びその栽培技術を紹介している。この書では「苦蕎の起源は雲南滇西の中山盆地にあるのかもしれない」としている。
 関連する理論(的論考)だけでなく、ソバの考古学的遺物も増えている。陝西省の楊家湾漢墓から2000年以上前のソバ種子が発掘されたのに続き、陝西省咸陽市馬泉と甘粛省武威市磨嘴子では前漢と後漢のソバの痕跡がみつかった。2006年には、北京市房山区丁家窪村で春秋時代のソバの痕跡が発掘された。2010年には、内モンゴル自治区通遼市巴彦塔拉(バヤンタラ)鎮で遼代のソバ痕跡がみつかった。(なかでも)ソバの起源に関する最新の研究進展(として注目されるの)は、2006年に小珠山貝塚遺跡の中の呉家村遺跡で発掘中に、多数のソバの種子みつかったことである。呉家村遺跡は、約5500年前の紅山文化【訳注3)中国東北地方の新石器文化】の遺跡である。2010年、金英熙と賈笑冰は「遼寧(省)長海県広鹿島小珠山貝塚遺跡の発掘と収穫」という新聞報道で次のように指摘した。「ソバの起源と伝播に関する学術的見解は以下のとおり。すなわち、ソバは中国の東北地方に起源し、その後徐々に西へ拡散した。この伝播のあり方は、稲作の起源・伝播にとてもよく似ている。遼寧(省)大連(市)広鹿島小珠山貝塚遺跡の発掘調査以前、ソバの起源に係る地域はほかにもあり、重要な証拠となる遺物を伴っていた。ただ東北中国においてのみ、ソバの考古学的証拠を欠いていたのだが、このたびの発掘調査により、小珠山貝塚遺跡で多数のソバ種子が出土し、ソバの起源に関する問題について新たな視点をもたらした。
 国内外のソバ研究の理論的分析によると、多くの学者はソバの起源は中国にあって、甘蕎(甘いソバ)の起源は北方中国、苦蕎(苦い蕎麦)の起源は西南中国にあると考えている。しかしながら、発掘された最新のソバ種子の分析からみれば、ソバの起源地はおそらく北東中国にあるのであろう。

形態的特徴
 一年生植物(一年生草本)。茎は直立、高さ30〜90 cm、上部の茎は緑または赤色で、縦方向にエッジ(線)がはしっている。茎は無毛または片方のエッジに沿って縦方向に乳頭状突起を持つ。
 葉は三角形または卵型の三角形で、長さ2.5~7㎝、幅2~5㎝で、尖った先端と芯型の基部を持ち、葉の両面の葉脈に沿って乳頭状突起を持つ。下葉(草木の下の方にある葉)には長い葉柄があり、上部の葉は小さくてほぼ茎が無い。葉鞘は膜質で、短い円筒形をしており、長さは約5㎜、先端が斜めになっていて、縁毛(ふちなどにある毛)がなく、破裂して脱落しやすい。
 花序は総状花序または散房花序、頂生または腋生、花柄の片側に小さな突起を持つ。苞片は卵形、長さ約2.5mm、緑色、フチは膜質、各苞に3~5の花をつける。花柄は苞片より長く、節はない。花被は5つに深く裂けており、白色または薄赤である。花被片は楕円形をしており、長さ3〜4 mm、雄蕊(おしべ)は8つあり、花被より短い。葯は薄赤色、花柱は3つあり、柱頭は頭状である。痩果は卵形、3つの鋭い角を持ち、先端に行くにしたがって先が細くなっている。長さ5〜6 mm、暗褐色で光沢は無い。痩果は宿存萼(花被)より長い。花期は5~9月、果期(盛果期?収穫期?)は6~10月である。 (月市)


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いい加減に学ぶ中国語講座(43)

ボン教論文摘要(7)

 長らくお付き合い頂きありがとうございました。ボン教論文の摘要は本記事で最後になります。

№2 黄渝平(1995)
①原文: 「马尔康地区藏族民间建筑一览」 『建築艺术』 第4期 :pp.34-37
 地处藏区边地的马尔康县,历史上有嘉戎四土之称(即梭磨、卓克基、松岗和党坝四土司豁地).特殊的地域环境以及长期以来各民族的密切交往,使这一地区的各类建筑有着自己独特的风格.
〔关键词〕 民间建筑 藏族 建筑艺术 建筑材料 本波教 碉楼 寺院建筑 社会环境 建筑物 地域环境

②日本漢字: 「馬爾康地区蔵族民間建築一覧」 『建築芸術』 第4期 :pp.34-37
 地処蔵区辺地的馬爾康県,歴史上有嘉戎四土之称(即梭磨、卓克基、松崗和党壩四土司豁地).特殊的地域環境以及長期以来各民族的密切交往,使這一地区的各類建築有着自己独特的風格.
〔関鍵詞〕 民間建築 蔵族 建築芸術 建築材料 ボンポ教 碉楼 寺院建築 社会環境 建築物 地域環境

③和訳:  「馬爾康県地区チベット族民間建築一覧」 『建築芸術』 第4期 :pp.34-37
 チベットの国境地帯に位置するマーカン(馬爾康)県は、歴史上、ギャロン四土(スオモ、ジュオケジ、ソンガン、ダンバの四土司訳注1)が管轄する地)と称される。特殊な地理的環境及び長期にわたる各民族グループの密接な交流を以って、この地域の各種類の建物に自己の独特な様式(スタイル)を持たせている。
〔キーワード〕民間建築、チベット族、建築芸術、建築資材、ボン教、碉楼、寺院建築、社会環境、建築、地域環境
※土司……少数民族世襲の地主階級
【参考】 wikipedia 馬爾康県 歴史より
URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E7%88%BE%E5%BA%B7%E5%B8%82


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いい加減に学ぶ中国語講座(42)

ボン教論文摘要(6)

No.7 同美娜塔(2011)
①原文: 「苯教寺院的教育与管理――岷江上游苯教寺院为例」 『中国藏学』 第4期(总第99期): pp.61-67
 本文在笔者对家乡长期深入了解的基础上,利用实地调查采访、古藏文文献资料解读等方法,特别是通过对岷江上游苯教寺院的教育制度、课程内容、组织系统、制度条例等方面的研究,认为西藏苯教作为藏族的本土宗教,除了具有神学宗教的一般特点以外,还具有浓郁的民族区域性、民间大众性等特点,因此,如果说藏族寺院教育是藏族传统教育的重要组成部分,那么苯教寺院教育是藏族传统教育的源头和最典型的代表。
〔关键词〕苯教 教育 组织管理 课程

②日本漢字: 「笨教寺院的教育与管理――岷江上遊笨教寺院為例」 『中国蔵学』 第4期(総第99期): pp.61-67
 本文在筆者対家郷長期深入了解的基礎上,利用実地調査採訪、古蔵文文献資料解読等方法,特別是通過対岷江上遊笨教寺院的教育制度、課程内容、組織系統、制度条例等方面的研究,認為西蔵笨教作為蔵族的本土宗教,除了具有神学宗教的一般特点以外,還具有濃郁的民族区域性、民間大衆性等特点,因此,如果説蔵族寺院教育是蔵族伝統教育的重要組成部分,那幺笨教寺院教育是蔵族伝統教育的源頭和最典型的代表。
〔関鍵詞〕笨教 教育 組織運営 過程

③和訳: トンミナタ「ボン教寺院の教育と管理-岷江上流のボン教寺院を例に」 『中国蔵学』 第4期(総第99期):pp.61-67
 本論文は著者の故郷における長期滞在による深い理解をベースにして、フィールドワークや古代チベット文献資料の解読等の方法を活用し、特に岷江上流のボン教寺院の教育制度、カリキュラム、組織系統、制度条例等の方面の研究を通して、チベットのボン教がチベット族本来の宗教であると考える。神学的宗教の一般特徴以外にも、さらにまた濃厚な民族的地域性、民間大衆性等の特徴を備える。つまり、チベット族の寺院教育はチベット族の伝統教育の重要な構成であり、このようなボン教寺院教育はチベット族伝統教育の源であり最も典型的な代表例である。
〔キーワード〕 ボン教 教育、組織運営、過程


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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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