仁風閣から五臓圓ビルまで
ポームでゼミ
お久しぶりです。2年後期からASALABで活動しているケントです。4月25日のゼミでは、鳥取の近代建築を代表する仁風閣(重要文化財)と五臓圓ビル(登録文化財)を訪ねました。
仁風閣は明治40年、皇太子殿下(後の大正天皇)の山陰行啓に際し、鳥取藩主池田仲博公爵が扇御殿跡に建てられた御座所です。フレンチルネッサンス様式を基調とした木造二階建の擬洋風建築です。設計者は赤坂離宮などを手掛けた宮廷建築家、片山東熊です。また、この建物は中国地方屈指の明治建築として知られています。建物の中に入ると、各室ともカーペット敷きでカーテンボックスやシャンデリアなどに洋風の室内装飾を施していますが、寝室は畳間でした。大正天皇が和の寝室を求められたのかもしれません。また、各洋室には暖炉を設けており、木造白壁の屋根から複数のマントルピースが飛び出しています。
五臓圓ビルは、智頭街道と二階通りの交差点に位置し、鳥取市の本格的鉄筋コンクリート造建築としては、協立銀行・鳥取市庁舎・鳥取県立図書館に次いで四番目に古く、現存する建物としては最古とされています。昭和6年の建立で、鳥取大地震と鳥取大火に耐え抜いた五臓圓ビルは、平成22年に文化庁の登録有形文化財となりました。1階は薬局、2F部分はカフェ「ポーム」とギャラリーを運営しており、3Fは鳥大のまちなかキャンパスとして利用されていす。五臓圓では、ちょうど振興会の会長さんが来場されており、詳しい説明をしていただきました。ありがとうございました。
五臓圓ビル見学後、待ちにまったポームでのお茶の時間。のんびりお茶してくつろごうと思っていたのですが、なにぶん演習の時間であり、先生から鋭い質問が立て続けに発せられ、短いディスカッションの時間となりました。先生の質問は、鳥取城跡の敷地内にある仁風閣と鳥取西高をテーマに、史跡内における近代建築の存否に関わるものです。
↑(左)五臓圓ビル (右)同左。3階の鉄骨構造補強。