2012EURO(Ⅴ)
独伊決戦
昨夜は11時あたりから落ち着かなくなくなり、マークローザに跨り弥生町へ。3軒まわってふらふらになり、3時過ぎに帰宅した。テレビを点けて、ソファに横になると、眠りに落ちそうになったが、いざ決戦が始まると勢い覚醒し、またたくまに体内の酒精が抜けていく。
その前夜の、西班牙対葡萄牙の試合は真逆であった。2時半過ぎまで仕事をし帰宅して、よし試合をみるぞと意気込んでソファに腰掛けたものの、糖質70%オフの発泡酒を飲むとたちまち眠くなり、その眠気を押さえるの苦労した(退屈な試合だったので延長を視るのはやめて床についた)。葡萄牙は前線からのプレスで試合を支配したものの、ゲームを作れる選手がいない。クリスチアノ・ロナウドという選手はたしかに驚異ではあるけれども、結局「使われる選手」でしかなく、ロナウドを使える選手がいない。レアルに戻れば、エジルやシャビ・アロンソがいる。しかし、葡萄牙代表には、それに匹敵する選手は一人もいなかった。それにしても、西班牙も西班牙ではないか。あの程度の葡萄牙と120分闘って勝ちきれないのは重傷だといわざるをえないだろう。
バランスが悪い。その根源はビジャの欠場にあり、他のCFを試すも機能せず、結局0トップのパスサッカーに終始する。それはゴールのためのパスサッカーではなく、パスのためのパスサッカーに堕しているようにみえる。シャビの交替が印象的だった。シャビを下げてペドロを投入しなければならないほど、今の西班牙は攻撃力を落としているということだろう。
さて、独逸は伊太利亜の術中にまんまとはまった。左サイドバックのラームにプレッシャーをかけ、独逸の攻撃を右サイドに集中させる。攻撃は、いつでもボアテングの不安定なクロスで幕切れとなり、その瞬間、ボアテングのいないサイドの裏をつく。独逸の右サイドに大きなスペースが生まれ、そこにカッサーノが流れ、あとはご覧のとおり、人類とは思えないガーナ人のアスリートが爆発して、前半だけで2点差とした。この日の伊太利亜は、憎たらしいほど賢さをみせた。(ボアテング以外の選手に対する)オールコート・プレスを仕掛けたのは前半だけで、2点差をつけた後半は「カテナチオ」からの逆襲速攻に戦法を変えた。中3日のコンディションで体力を保持するためにこれ以上の策はなく、鍵をかけられた独逸はなす術を失った。
世の中のサッカー評論家やファンたちは「カテナチオ」を悪のように吹聴するが、わたしは何度も述べているように、伊太利亜はこの戦法を捨ててはいけない、と固く信じている。前線からプレスをかけて高い位置で攻撃を仕掛ける時間とカテナチオからの逆襲速攻を使いわけることで強くなれる。そう以前に書いたとおりの展開で独逸に激勝したことを心から喜んでいる。
決勝は、私とオシムの予想どおり、伊太利亜対西班牙となった。西班牙は不調ながらも決勝に上がってきた。実力の奥が深い偉大なチームである。しかしながら、2012EUROは、バロテッリとピルロが蹴球の世界地図を書きかえるべき大会のように思われてならない。
昨夜は11時あたりから落ち着かなくなくなり、マークローザに跨り弥生町へ。3軒まわってふらふらになり、3時過ぎに帰宅した。テレビを点けて、ソファに横になると、眠りに落ちそうになったが、いざ決戦が始まると勢い覚醒し、またたくまに体内の酒精が抜けていく。
その前夜の、西班牙対葡萄牙の試合は真逆であった。2時半過ぎまで仕事をし帰宅して、よし試合をみるぞと意気込んでソファに腰掛けたものの、糖質70%オフの発泡酒を飲むとたちまち眠くなり、その眠気を押さえるの苦労した(退屈な試合だったので延長を視るのはやめて床についた)。葡萄牙は前線からのプレスで試合を支配したものの、ゲームを作れる選手がいない。クリスチアノ・ロナウドという選手はたしかに驚異ではあるけれども、結局「使われる選手」でしかなく、ロナウドを使える選手がいない。レアルに戻れば、エジルやシャビ・アロンソがいる。しかし、葡萄牙代表には、それに匹敵する選手は一人もいなかった。それにしても、西班牙も西班牙ではないか。あの程度の葡萄牙と120分闘って勝ちきれないのは重傷だといわざるをえないだろう。
バランスが悪い。その根源はビジャの欠場にあり、他のCFを試すも機能せず、結局0トップのパスサッカーに終始する。それはゴールのためのパスサッカーではなく、パスのためのパスサッカーに堕しているようにみえる。シャビの交替が印象的だった。シャビを下げてペドロを投入しなければならないほど、今の西班牙は攻撃力を落としているということだろう。
さて、独逸は伊太利亜の術中にまんまとはまった。左サイドバックのラームにプレッシャーをかけ、独逸の攻撃を右サイドに集中させる。攻撃は、いつでもボアテングの不安定なクロスで幕切れとなり、その瞬間、ボアテングのいないサイドの裏をつく。独逸の右サイドに大きなスペースが生まれ、そこにカッサーノが流れ、あとはご覧のとおり、人類とは思えないガーナ人のアスリートが爆発して、前半だけで2点差とした。この日の伊太利亜は、憎たらしいほど賢さをみせた。(ボアテング以外の選手に対する)オールコート・プレスを仕掛けたのは前半だけで、2点差をつけた後半は「カテナチオ」からの逆襲速攻に戦法を変えた。中3日のコンディションで体力を保持するためにこれ以上の策はなく、鍵をかけられた独逸はなす術を失った。
世の中のサッカー評論家やファンたちは「カテナチオ」を悪のように吹聴するが、わたしは何度も述べているように、伊太利亜はこの戦法を捨ててはいけない、と固く信じている。前線からプレスをかけて高い位置で攻撃を仕掛ける時間とカテナチオからの逆襲速攻を使いわけることで強くなれる。そう以前に書いたとおりの展開で独逸に激勝したことを心から喜んでいる。
決勝は、私とオシムの予想どおり、伊太利亜対西班牙となった。西班牙は不調ながらも決勝に上がってきた。実力の奥が深い偉大なチームである。しかしながら、2012EUROは、バロテッリとピルロが蹴球の世界地図を書きかえるべき大会のように思われてならない。