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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

しばしのお別れ、そして半月後にまた……啓文堂書店吉祥寺店閉店

今日、神保町を歩いていると、晴れ着姿のお嬢さんたちを何人も見かけました。これまでは、ああ、卒業式のシーズンなんだなと思うだけだったんですが、最近は、ああ、うちの子もあと何年かしたら……などと完全自分の子中心の思考回路ができあがっているもので、街なかでいきなりお父さんスイッチが激しくON、どこのどなたとも知らぬ娘さんたちを見ながら落涙をこらえるに必死の空犬です。まったく、我ながらわけがわかりません……。


さて。本日は、啓文堂書店吉祥寺店の、現店舗での最終営業日。なんとしても駆けつけぬわけにはいきません。事前に知り合いのIさんに、店内の様子を撮影させてほしいという話をしてあったのです。なんとか仕事をやりくりしてお店に出向き、Iさんに、店長さんを紹介していただき、ごあいさつ。許可も無事にいただけたので、最終日の様子を撮影させてもらいました。


以下、たくさん撮らせてもらった写真のなかから、いくつか紹介します(素人が短時間ですごく急いで撮ったので、写真の質についてはご勘弁ください。また、お客さんが入らないように注意しながら撮ったのですが、雑誌コーナーやレジ回りなどは避けようがなく、そういう写真は載せられないため、ジャンルが偏っています)。



ロンロン側入り口2

↑ロンロン側の入り口。



フェア台

↑いつだったか夢野久作関連本が並んでいて驚いたなんて話を書いたこともありました。ジブリがあるかと思えば、シュヴァンクマイエルが並んでいたり、最近でも水声社の全点フェア(在庫僅少フェアだっけ?)をやっていたりと、この立地のお店の、レジ脇のメインの平台にしては、とんでもなくかたい本やマイナーな本がときどき並んでいたりした驚異のフェア台。



フェア柱

↑レジ斜め前のこの柱も本好きが足を止めざるを得ない場所でした。SF好きの方がいたんでしょうか、複数回、長期にわたってSFフェアが展開されていたのが印象的。最近は白水社の在庫僅少本フェアでした。




フェア柱2

↑海外文芸奥のこの柱も見逃せない。いつだったか紹介記事を書いた「博物文学フェア <科学>と<幻想>をむすぶきらめく本の星座」が閉店の今日まで展開されていました。



文庫ベスト

↑移転前の店舗では最後(?)の週間ベスト。



通路

↑昨日の記事に書いた、なかなかに楽しいフェアが展開されていた通路。



児童書

↑居心地のいい児童書売場。休日には、ここにぺたんと座りこんで本を読んでいる、子どもたちのかわいい姿がたくさん見られたものです。



ととろ案内

↑ととろもいます。



自然科学

↑空犬お気に入りの自然科学コーナー。天文関連、生物、物理・数学と、3つも自然科学の平台があるなど、ただならぬ充実ぶり。『サはサインエンスのサ』も『天文手帳』も『へんないきもの』も、みんなここでゲット。



洋書

↑奥にあってちょっと目立たない感じがもったいない洋書コーナー。柱をうまく使ってあって、見せ方に工夫が。



フロアマップ

↑「これもなくなっちゃうと思うので……」とIさんが帰りがけに気を利かして手渡してくれたお店の案内パンフ。中のフロアマップをあげておきます。


ちなみに、今日のお買い物はこちら。


  • レオノーラ・キャリントン『恐怖の館 世にも不思議な物語』(工作舎)



もちろん、先に写真もあげた「博物文学フェア <科学>と<幻想>をむすぶきらめく本の星座」から抜いてきたもの。


これ、実は新刊で出たときに買ってるんですが、処分してしまっていたもの。レオノール・フィニの『夢先案内猫』(こちらも同じく、以前持っていたのを売ってしまっていた)と最後まで迷ったんですが、“再読したい度”を秤にかけて『恐怖の館』に決めました。


この本、シュールな挿絵がいっぱい入っていて、それもヘンテコで楽しいんですが、扉をあけてすぐの、その最初の挿絵のキャプションがふるってます。《彼女は微かに馬に似ていた……》……「微かに」って、どう見ても、この絵の女性、まんま馬の首ですよ!


序文がエルンストで、裏表紙側の帯がルイス・ブニュエルとオクタヴィオ・パスと、むやみに大物感にあふれているのもgood。啓文堂書店吉祥寺店、移転前最後の買い物としては、我ながら、なかなかいいセレクトになったのではないかと思ったりしています。ああ、よかった、最後が、『三十路OLのモザイク日記』じゃなくて(苦笑)。



移転先、丸井吉祥寺店の6階でのオープンは4月2日(金)。その前日には、ブックファースト吉祥寺店が、ロンロンあらためアトレ吉祥寺の2階で、営業再開。約40年前にロンロンで営業を始めた弘栄堂が閉店したのは2年前。そのときは、入れ替わるようにブックファーストが入ってきましたし、啓文堂書店もありましたからね。つまり、これからの半月は、この40数年で初めて、吉祥寺直結の駅ビル2つの両方に書店がなくなってしまう期間となるわけです。


Iさんに聞いた話では、500坪超もあるあの店の在庫を、1日で運び出し、一日で移転先に搬入するようなスケジュールになっているのだとか。ひえーっ。いったい、段ボールが何個になるのか……。いま、撮影させてもらった写真を眺めていますが、たくさん、いや、すごくたくさんであることはたしかで、ちょっと規模が想像できない感じです。


啓文堂書店吉祥寺店のみなさん、これまでおつかれさまでした。これから、移転のための作業がしばらく大変でしょうが、からだ、とくに腰・膝を痛めたりがないよう、十分に注意してください。そして、また半月後に、吉祥寺にすてきな新刊書店をオープンしてくれるのを、我々、吉祥寺に出入りする出版関係者、そして吉祥寺の書店を愛する利用者一同(と勝手に代表させてもらってますが)、楽しみに待っていますよ。


撮影を許可してくださったI店長、閉店前の作業で忙しいところ撮影の付き添いと店の案内をしてくれたIさん、今日はありがとうございました。おかげで、いい記録を残すことができました。


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