ちょっと、これ、もう、たまらんなあ(笑)。
- いんちき番長・加藤アングラ『いんちきおもちゃ大図鑑4』(パブリブ)
いんちきおもちゃ大図鑑シリーズ、第4弾です。スピンオフの前作『どえらいモン大図鑑』(本書については過去記事で紹介しています)含めると5作目、ということになりますね。このシリーズ、過去作はどれも最高なんですが、今回も、もう表紙だけでたまらんなあ(笑)。
表紙に登場している、世界中で大人気の黄色い子をはじめ、人気キャラ(が微妙に、または大胆にアレンジされたものたち)がたくさん登場。あちこちで思わずふいてしまうこと必至のセレクトに今回もなっています。特撮好きとしてはウルトラ、ライダー関連のおもちゃが登場しているのもうれしいところです。
このところ、ツイッターを開くと、TLには、ウクライナの戦争関連ニュースや、映画界での性暴力関連のひどい話、コミックの新聞広告に関する炎上関連などなどがTLに次々に流れてきて、どうしても気持ちがざわざわしますし、落ち着かない思いをさせられている本好きも多いことでしょう。こういうときこそ好きな本に逃避したいところですが、どうしても難しい本、重い本には入れなかったりすることもしばしば。かくいう当方も、主に戦争関連のニュースに日々さらされている影響なのか、情緒をやられている感じで(「共感疲労」というようです)、フィクションの世界にうまく入れなかったり、楽しめなかったりという状態が続いています。
そんなときに、こういう、いい意味でくだらない、なんの気兼ねなく笑える本を開くと、ほんと、救われる感じがするのです。
いんちきおもちゃの本でいい年をした大人が救われるなどと喜んでいるのはどうなのかと言われたら、返すことばもないのですが、でも、心の平安を保つためには、くだらないものに逃げたって頼ったっていいと思うのです。今は、だから、こういう本の存在がうれしいのでした。
本書については、パブリブのサイトに、書誌ページのほか、くわしい内容紹介記事もあがっていますので、それらをどうぞ。でも、どちらかというと、この記事を見ずに、いきなりページを開くことになるほうが、この本に登場するいんちきおもちゃたちの衝撃をより新鮮に味わえることになりますよ。
それにしても。いんちきおもちゃシリーズを読むたびに思うことですが、元ネタをこれほど自由かつ大胆にアレンジ(している意識はおそらくないのでしょうが)し、こんなおもしろ(という意識もないのでしょうが)おもちゃを生み出せるのだから、この発想力やデザイン力や造形力を「正しく」使えば、独創的で新たなおもちゃ群を生み出せるのでは、という気がしないでもないのですが(苦笑)。