先日(とするには、ちょっと時間が経ってしまいましたが……)、こんな記事をWebで目にし、おお、野鳥がテーマのボードゲームがあるとは!とびっくりしてしまったのでした。
- 「鳥を保護するボードゲーム「ウイングスパン」、拡張セット第2弾「大洋の翼」日本語版が発売決定」(1/7 HOBBY Watch)
ボードゲーム……子どもの頃は大好きだったなあ。野球盤に人生ゲーム、その他、名前も覚えていないいろいろなボードゲームやすごろくの類にはずいぶん楽しませてもらったものです。家族や友だちとボードゲームを囲んだ時間は幸せな思い出になっています。
今も機会があればやってみたいと思うのですが、ボードゲームの場合、多くは相手がいりますからね……。子どもが小さいときは親子でという機会もありましたが、最近では、お正月などに親戚で集まったときに甥っ子姪っ子とする人生ゲームくらい。これも、コロナ禍で今のように簡単に集まれなくなるとできませんし、集まれたとしても、楽しめるのはせいぜい彼らが小学生でいる間くらいのことでしょうからね。
……と思ってよく見ると、先の「ウィングスパン」、最小人数が1人からとなっているではないですか。
などと、つぶやいていたら、ボードゲームにくわしい作家の我孫子武丸さん(@sukiyapotes)が最近は一人で遊べるものも多いのだということをツイッターで教えてくださいました。我孫子武丸さんと言えば、自身でゲームシナリオも手がけているゲーム好きで知られる作家。ツイッターでフォローしているファンの方はよくご存じかと思いますが、ボードゲームをたくさん買っている方ですからね(田中啓文さんに電話で心配されたというツイートには思わず笑ってしまいました)。ちなみに、我孫子武丸さんには、《そのリンク先のゲームは「拡張」なので、本体となるゲーム「ウィングスパン」がまず必要です》というご指摘も。あぶなく、「拡張」のみを買うなどという間抜けなことをやりかねないところでした(汗)。
いろいろ、気になることはつぶやいてみるものですね。自分がよく知らない分野のことをちゃんと教えてくれる方がいるからなあ。
一人仕様のボードゲーム、なるほど、ふつうにあるんですね。一人ではできないものと思い込んでいたので、なんとなくあきらめていたのですが、一人でも楽しめるものもあるということで、ボードゲーム、がぜん気になってきました。
巣ごもり時にゲーム、それもアナログゲームを、というのは多くの人が考えることなんでしょう。一度気になると、今まで目に留まることのなかった「ボードゲーム」という語が、やけに目に入ってくるようになりました。
- 「アナログの価値見直し? カードやボードゲームに注目」(1/24 朝日新聞)
- 「古書の街・神保町の深化 文化を発信、起業も呼び込む」(1/22 日本経済新聞)
前者はそのものずばり、アナログゲームが再注目されているという内容の記事ですが、後者にもアナログゲームにふれたくだりがあり、《若い世代を町に呼び込んでいるのがボードゲームを楽しめる飲食店「アソビCafe」だ。盤、駒、カードなどを使うゲームは「アナログゲーム」とも呼ばれ、都内だけでボード ゲームカフェは100軒を超すという》とあります。
100軒以上! そんなに盛り上がっていたとは……。アナログゲームは専門店もあるようですが、書店での扱いも広がっているようですね。
- 「書店で広がるボードゲーム市場拡大と今後の可能性 株式会社すごろくや・丸田康司代表に聞く」(3/1 文化通信デジタル)
アナログゲームは「読む」要素の多いものもあり、本好きとの相性もいいのでしょう。多くが箱形で、書店の棚で扱いやすいというのもありそうですね。リアル書店だけでなく、オンライン書店でも取扱が増えているのでしょうか、hontoにもこんな特集ページができていました。「おうち時間をもっと楽しむ! ボードゲーム特集」。
書店でのボードゲームの取扱、広がっているんですね。アナログゲームを扱っている書店といえば、神保町の書泉グランデ。3階にボードゲームコーナーが、それもかなり本格的な売り場があります。ちょっと本格的過ぎる感じがあって、書泉自体にはしょっちゅう通っているのに、ボードゲームの売り場にはこれまではほとんど足を踏み入れたことはありませんでした。初心者にも楽しめるようなものが並んでいたりするかなあ。今度、ゆっくりのぞいてみようと思います。
ほかにも、神保町には老舗の奥野かるた店もあります。店名にはかるたとありますが、かるただけでなく、アナログゲームをたくさん置いている店です。先に引いた記事で紹介されているすごろくやもあそびcafeも神保町ですからね。神保町、アナログゲーム好きにはパラダイスだったんですね。
本との関係に話を戻すと、書店だけでなく、図書館でもこんな催しが開かれている例が。
- 「松川村図書館(長野県)、ボードゲーム体験会「NOボードゲーム NOライフ」を開催」(2/3 カレントアウェアネス・ポータル)
このような例からも本と相性がいいことがわかりますね。
そうそう、本と言えば。本好きには多いことと思いますが、もちろんぼくは、新しいことに手を出すときはまず本から入るタイプですから、一生懸命、関連本を調べています。ゲーム関連本でいま気になっているのはこの本です。
- エイドリアン・セビル『西洋アンティーク・ボードゲーム 19世紀に愛された遊びの世界』(日経ナショナル ジオグラフィック社)
《ヨーロッパのボードゲームが花開いた黄金時代。「西洋版すごろく」の豊かな世界をビジュアルにたどる》《著者が蒐集した一級のコレクションから89種のゲームを紹介。現存数の少ない希少なゲームも含まれており、他に類のない資料性も高い一冊》とのこと。
おもしろそうですが、こちらはおそらくは眼福系で、いま実際に楽しめそうなボードゲームを選んだり、ボードゲーム全般に関する基礎知識を得たりするのにはあまり役に立たないかもしれない、そんな感じですね。まあ、直接何かの役に立たない本のほうが楽しかったりもしますし、何より、版元の紹介ページに引かれた図版を目にしているだけで楽しい気分になりますので、入手したらあらためて取り上げたいと思います。
「ゲーム」といったときに、いまふつうにイメージされるのは、スマホやPC、PSやDSなどの専用機を利用するデジタル系のゲームだろうと思いますが、ぼくはそちらにはまったく興味がありません。
でも、ボードゲームは、同じ紙モノですし、本の世界に通じるものがあるように感じられますからね。それに、何より子どもの頃に大好きで、たいそう楽しませてもらったといういい思い出付きですし。大人が一人でも楽しめるものがたくさんあることもわかりましたし。
まずは、注目するきっかけになった野鳥のゲームなど、自分が好きなもの、本とか音楽とか野鳥とかに関係ありそうなもので、何か良さそうなものがあれば、試してみようかなと思っています。調べてみると、探偵系のボードゲームはたくさんあるようですし、ホラー系(クトゥルフなど)や、SF系のものもあるみたい。探索が楽しみではありますが、一方で、この世界、(沼の)水深が深そうで、はまったら大変かも、という不安もあるのでした(苦笑)。
本おやつながりの知り合いで、ゲーム好きの麒麟児さん(@nkirinji)さんからも、《ボードゲームと本の世界は似てます。本好きがハマるかもしれないものすごい世界が広がってます》などとメッセージをもらっています。《ものすごい世界》って(笑)。飛び込んだほうがいいのか、踏み止まったほうがいいのか、思わず迷ってしまうようなことを言われていますが(笑)。ステイホームにも良さそうですしね。