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空犬通信

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Wアンノ……のダンナさんに遭遇

なおも苦境から脱出できずにいる空犬です……。気分的にはとても楽しい文章を書ける状態ではないのですが、えーい、無理無理にでも書いてしまいます。


職場が神保町なもので、街をうろうろしていると、物書きの方をよく見かけます。鹿島茂さん、坪内祐三さん、岡崎武志さん、逢坂剛さんあたりはもう何度もって感じで慣れてしまいましたが、ほかにもいろんな方を見かけてます。先日は、京極夏彦さんを見かけましたが、服がいつもの感じではなかったので(着流しに黒手袋で歩いてたら目立ちますよねえ)、もしかしたら激似の別人だったのかも。もちろん、こちらが顔を知っているのは、物書きとして名前を知っている方のうちごく一部ですから、知らずにすれちがっている人はけっこうたくさんいるんでしょうね。


先週も、物書き、ではないですが、まあ近い分野の人で、庵野監督を見かけました。庵野監督、といえば、世間的にはまずエヴァの人なんでしょうが、アニメを観ない空犬にはそういう関心はほとんどありません。空犬的には庵野監督といえば、なんといってもこれです。


  • 安野モヨコ『監督不行届』(祥伝社)


これ、めちゃくちゃおもしろいです。ふだんコミックなど読まないぼくが、読了後、あんまりおもしろいかったのですぐ再読、さらに再々読で、3回も続けて読んでしまいました。



安野モヨコのマンガも初めてだし、庵野監督については先に書いた通り、2人が夫婦であることもこの本で知ったぐらいで、2人のことも作品もほとんど予備知識なし、でした。なのに、おもしろい。アニメとか漫画にはあまり縁がないのですが、ここに描かれているおふたりの“雰囲気”や“世界”に、なんというか、“こちら側の人”の感じが濃厚なんです。ぼくの“おもしろい”は、作品の出来不出来というよりは、だからそういう共感がベースになっているのかもしれません。


この2人は、まさにオタクとオタ嫁、それも筋金入りのそれなんですが、ぼくも子どもっぽいものは好きなほうだとはいえ、彼らが愛するものたちすべてを別に共有できるわけではありません。でも、彼らのオタぶりを読んでいると、いつのまにかわかるわかる、ああおんなじだ、って気分になってくるから不思議です。


エヴァなんてぜんぜん関心外だったし、レンタルで観た劇場版もさっぱり。SFとロボットものにこむずかしいことを持ち込んだ、“あちら側の人”なのかとてっきり思っていたのです。そしたら、いやはや、これがぜんぜん。特撮やなつかしアニメのDVD-BOXにはまっている姿なんて、そのへんのマニアや好き者と同じ。再読を重ねるうちに、もうすっかり友だち気分です。なもので、先日見かけた際も、思わず、「ああ、カントク、こんにちは」なんて挨拶しかけたほどです。


車の中で夫婦でアニソンを熱唱するとことか、試着室から出てくるときついつい仮面ライダーの変身ポーズを決めてしまうところとか……ねっ、共感を覚えるでしょ? 自分でもやってるでしょ? 友だちになりたいでしょ? えっ? そうでもない? 自分ではしない? おかしいなあ、そうなのかなあ……。


というわけで、別に『ハッピーマニア』やエヴァに興味がない人でも楽しめると思います。あと、オタやオタ嫁を抱えている家族の方にも対策マニュアル(?)として役立つ1冊だと思います。


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