いつものように、昼休み、本屋さんをぶらぶらしていたら、こんな本を見つけて驚きました。
- 杉山茂丸『百魔』(書肆心水)
中身は、というと、こんな本です(以下、内容紹介は、講談社学術文庫版の紹介文より)。
《明治・大正・昭和の3代に渡り一貫して政界の黒幕として活躍し、また小説家夢野久作の父としても知られた名代の壮士・其日庵杉山茂丸。本書はその杉山が、自らの政治活動のなかで出会った伊藤博文や星一といった著名な政治家や財界人を始め、無名の一般庶民にいたるまでの様々な人々との交遊を痛快に語ったユニークな近代人物伝である。歴史の表裏に蠢く個性豊かな人物達の言行の奇抜さ面白さを余すところなく吐露した世紀の稀書。》
この紹介文にある通り、著者、杉山茂丸は夢野久作の父。ぼくが杉山茂丸の名前を知ったのも、夢野久作経由でのこと(余談ですが、夢野久作はぼくの好みの作家の一人で、全集をそろえている数少ない作家の一人です)。息子があの通りの豪傑なので、そのお父さんとなればいったいどんなにすごい人かと興味がわくのはある意味当然のこと。ところが、著作を読んでみたいと思っても、手に入らない。この『百魔』は講談社学術文庫に上下2巻本で入っていることは調べがついていたので、ずいぶん熱心に探したのだが、一度も現物を見たことがない。たまに古書目録やネットで見かけるが、けっこうな値段がついていて、とても手が出ない。
そんな状況だったので、このたびの刊行はうれしいのだが、いやはや8925円ですか。なかなか簡単には手の出ない本である。しかも、店頭でぱらぱらやってみたのだが、夢野久作に興味があるから程度の思いで、容易に読みこなせないような感じの中身である。はあ。
というわけで。店頭で見かけて気になりはしたものの、当分、購入予定はありません。もしも読んだ方がいらっしゃたら、ぜひ感想や印象をお聞かせいただきたいものです。