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はてなキーワード: 鎮圧とは

2025-01-07

anond:20250105142918

アッシュ能力の後付けが酷すぎて(吉田秋生が後半筆滑りすぎた感ある)読んでて萎え

最初インテリステゴロも得意なストリートチルドレンボスぐらいの扱いだったのに

話が進むにつれて「SWAT並みのシューティング能力を持ってます」「IQ180あります」「コルシカマフィアボス帝王学叩き込まれます」「世界一腕の立つ殺し屋からエリート戦闘教育受けてます」「北斗神拳使えます」って能力盛り盛りに盛られて、最終的に快楽殺人鬼が集まる凄腕無国籍傭兵集団相手無双してんの萎え萎えでしたわ

だってさ、ちゃん最初から話追ってる読者からしたら「お前そんなに強かったならスキップ連れ去られる前にバー暴動鎮圧てきたよな……?」「お前そんなに強くてそんなに頭良かったなら英二の身体能力の高さを考慮した上でショーターの膝撃ち抜いて運動機能奪って徒手格闘でその場にいる月龍達鎮圧できたよな……?」ってなってしまうわけよ

アッシュ吉田秋生の前作『吉祥天女』の「小夜子」の系譜で、言わば男版の小夜子を作り上げたアプローチはとても良かったんだけど、

小夜子は「女」っていう肉体的ディスアドバンテージ考慮した上で立ち回ってたが、アッシュは男故にそのアドバンテージ考慮される事なく、ただただ「線が細いけど恐ろしい程鍛え込まれ身体」でゴロツキから屈強な元軍人までステゴロで殺せるフィジカルエリートになってしまったのはとても残念だった

最初からある程度設定ブレなきゃもっと楽しめたのにと思う

完全に余談だけど、吉田秋生舞台日本にしたほうがやっぱ面白い

海街diary詩歌川百景も読もうぜ

ん?YASHA……?イヴの眠り……?一体お前は何の話をしているんだ……?

2025-01-04

[]1月3日

ご飯

朝:サイゼリヤ飲酒。昼:なし。夜:ラーメン屋飲酒。間食:アイス

調子

むきゅーはややー。おしごとは、おやすー。

酒飲んでゲームして良い一日だった。

○ クロガネ回姫譚-閃夜一夜-

・はじめに

現実とは少し違う歴史を辿ったためテロが非常に多く発生するようになった日本舞台に、テロリストの鎮圧を主目的とした特殊警察部隊たまごたちの活躍を描いたSFバトルなテキストアドベンチャーゲーム

開発はみなとそふと兄弟ブランドみなとカーニバルで、18禁版の後発版も出ているため美少女ゲームテイストが強い作品

選んだヒロイン毎に異なるストーリーが展開し、最後にそれらを統括するトゥルールート解放される王道システムもらしい。

ただ、各ヒロインたちが魅力的なのは確かだが、男性主人公白銀正宗がとにかく活躍しまくる燃えゲーの側面も強くあり、バトルあり、サスペンスあり、知略なコンゲーム展開ありと、恋愛一辺倒ではない。

超能力日本刀、銃火器、下衆い大人の裏をかく知恵働きパートと、子供の好きなものてんこ盛りな、熱く燃えて沸る展開が続く面白いゲームだった。

そこに水をさすように、政治社会には簡単解決策などなく地道な努力必要だと説くパートもあるバランス感もよかった。

共通ルート個別ヒロインルートトゥルールートとそれぞれのルート毎に感想を書いていく。

共通ルート

なかなか込み入った設定をしている上に登場人物達も多く相関図も複雑だが、共通ルートの設定開示が丁寧かつダレない展開が続いて面白かった。

共通ルートでは主に三つのパートが進む。

一つは特殊警察部隊養成機関に通う登場人物達の日常

特殊警察部隊の隊員になるための学校舞台で、警察などの仕事放課後バイトで手伝えるとっぴな設定が面白い

主人公白銀正宗が金にがめつい守銭奴気質なことと密接な関係にあるのも良き。

二つ目学校の中でも特別エリート学生達だけで構成され、訓練でなく実戦でテロリストと対峙する黒金班のストーリー

主人公達は黒金という特殊物質を通して、超能力が使える、この超能力は使える人間が限られるため学生でも実戦に出れるという設定。

さら電化製品火薬一時的無効化する超兵器もあるため、テロリストをサクサクと倒していける。

エンタメ娯楽物語的が過ぎるかもしれないが、ワクワクする設定かつ、一長一短な黒金の力は万能ではないと苦戦する描写もあって良いバランス感だった。

アクションやバトルも多いが、上層部との駆け引き交渉など、会話や議論パートもあるのは好みな展開だった。

三つ目はそんな黒金班のライバル、同じく黒金を使う別の学校との対立

こちらはケレン味しましのアクションや知略駆け引きなどが楽しめる。

警察内の立場争いなので内輪揉めに過ぎないのだが、かなりハードシリアスな展開になっていく。

超能力同士のぶつかり合いだが、単純な力比べではなく作戦を立てるパート能力を工夫するパートがあるのが面白かった。

この共通パートを通じて主人公白銀正宗がいいやつで大好きになれた。

守銭奴で人付き合いも悪いファーストインプレッションはそのままに、何故お金固執する必要があるのか、人との距離を過剰に取る理由はなんなのかが徐々に明かされていく。

外面はともかく、内心はかなりウジウジしたキャラなのが可愛い

そして何より、超有能で白兵戦はもちろん頭も回るすごいキャラなのが楽しく、テロリストや同じ黒金使いをサクサクと倒せるところが、後半の個別ルートでの苦戦や苦悩の布石になってるのがいい。

美少女ゲームを遊ぶときに、ヒロインよりも先に主人公の方を好きになれたらもうどハマりしてる証拠だと思う。

・伏姫ルート

伏姫ルートはかなり少年漫画なバトルシーンましましで痛快なストーリーだった。

伏姫は同い年ながら世話焼きでかつ、うじうじしがちな主人公とは対照的根明でまっすぐなキャラだ。

本作の独自設定で超能力のみなもとである黒金の使い手たち、その中でも4本の指に入る四天王達との対峙が主軸となる。

そのためメインヒロインだけでなく、暫定光速ダモクレスという超強い男キャラにもかなり焦点が当てられる。

主人公達はあくま学生なので、単純な力比べでは四天王には劣るのだが、それを知恵と勇気で逆転していくのが見所。

特に敵の能力、暫定光速の弱点を非常に身近でありふれた機械無効化するくだりはワクワクさせられた。

四天王とのバトルが主軸ながら、伏姫との恋愛パートもあるし、国家権力正義を振るうことの意味という大きなテーマもあっさりではあるがふれられていて、読み応えの多いパートだった。

天国ルート

天国ルート恋愛要素ましましの王道美少女ゲームらしいルートだった。

天国主人公の幼馴染で婚約者自称しているグイグイくる系ヒロイン

それともう一人、主人公だけに見える謎の幽霊女の子東郷にもスポットライトがあたる。

バトルパートや知略パートも控えめなのでちょっと僕の好みとは離れていた。

序盤から前振りがされている残酷真実が徐々に開示されて行くところは恐ろしくもあったが、そのあたりを愛の力で乗り越えていけちゃうのが少ししっくりこなかった。

感動的な泣かせるパートもあるのだけど、ちょっとこの辺は主人公メインヒロイン関係値に終始したせいで上滑りしていたかもしれない。

・虎鉄ルート

虎鉄ルート連続殺人を追う過程で謎が明らかになっていくサスペンスルートだった。

虎鉄は年下で無口だが美味しいものや目新しいものを見ると食い付きがいい不思議な面もあるキャラ

小動物的ではあるが先輩達に懐かない虎鉄が少しづつ態度を柔らかくしていく。

このルート連続殺人事件が話のメインになっているが、割となんでもありな世界観ながらもしっかりと知恵を絞ってタネを見抜こうとする過程面白かった。

立ち絵がないモブ一般警察達も必死に頑張っていることが伝わるシーンが多く、この辺も好きなところ。

玉鋼ルート

玉鋼ルートは知略対知略のコンゲーム主題ルート

玉鋼は先輩で真面目な堅物ながら女児アニメが好きな可愛い一面もあるキャラ

僕の一番好きなルートだった。

ただ、お当番の玉鋼よりも、敵として戦うことになる敷島ミカサが魅力的だった。

敷島ミカサ学生ながら、幻覚を見せる強力な黒金を使い、警察上層部に食い込んでいる強かなキャラ

武力ゼロに等しいが、その超能力だけでなく念入りな下準備と根回しで自らが手を動かすことなく、自分に都合よく話を転がしていく策士家。

そんな敷島ミカサとある報告書めぐり対峙することになる。

今までのルートでは四天王テロリストや殺人鬼といった武力に優れた敵だったが、このルートでは頭が良いキャラが敵になる。

そのため、どのように相手の裏をかくのか策略を練って実行するコンゲームらしい展開が続く。

そして、もう僕が大興奮したのが、そんな自分の手を動かさな敷島ミカサが魅せたまさかトリックだ。

ここは見事に騙された上に、なんとトリックの根幹に1週間お風呂に入らないことが組み込まれているため、そういう意味でも非常に興奮した。

お当番ヒロインである玉鋼先輩の影の薄さは、この敷島ミカサが魅力的が過ぎたせいで仕方ない。

・回姫譚ルート(トゥルーエンド)

ここまでのルートを包括した全てに決着がつくルート

ただ、かなり自分の期待とは異なる展開になっていた。

というのも所謂「ホワット・ア・ワンダフルワールドもので、綺麗なハッピーエンドではない。

そこに至るまでの辛いパートも多く、今まで散々主人公達の有能さがアピールされ続けただけに、締めのために無理矢理悲しい展開にされているようで読んでで乗り切れなかった。

回収されていない伏線があるとか、尻切れトンボのようだとは思わないが、めちゃくちゃ出来るやつらの有能さに惚れ込んだストーリーの締めがこれなのは少し残念。

この辺は好みの問題だと思うので難しい。

(「ホワット・ア・ワンダフルワールドものって言い方、今思いついて書いたけど、めっちゃわかりやすくない?)

・おわりに

テロリストの特殊部隊活躍を骨子に、手を変え品を変え様々なストーリーがあり非常に面白かった。

特に知略戦が主になる玉鋼ルートと、その敵敷島ミカサは魅力的で、このルートを読めただけでも大満足。

作品の締め方こそ好みではなかったが、その過程はとても読み応えがあり楽しめた。

2025-01-03

韓国警察が今月やらないといけない事リスト

大統領逮捕(史上初)(軍隊を倒す必要がある)

逮捕に伴う暴動抑制鎮圧

各種デモの警戒

クーデターに加担した人の逮捕権力者ばかり)

大統領支持者による再クーデターの警戒

空港事故の原因究明と責任者捜査

他通常業務各種

過労死しそう

2025-01-01

呉三桂中国の明の軍隊将軍だった

明は当時末期状態農民反乱が組織化されて易姓革命危機にあった。

呉三桂軍隊将軍だが、その反乱の鎮圧担当ではなかった。

呉三桂中国国境近くでその頃勃興していた満州民族の押さえとして重要要塞を守っていた。

ところが北京が反乱農民組織によって占領されて皇帝は殺されてしまった。

反乱軍は新しい王朝を立て、呉三桂も服属するように求められた。

そこでの呉三桂対応がふるっていて、なんと呉三桂国境を開いて敵だった満州族軍隊を招き入れともに北京に攻め上り新しい王朝を打ち破ってしまった。

このことで成立したのが中国最後王朝であるである

呉三桂は清成立の勲功第一ともいえることから非常に優遇され太守として奉じられ半ばその領土独立国家のごときであった。

しかし、清の三代目の皇帝はそのことをよしとせず、呉三桂が持っていた既得権益を次代には継承させないと決めてしまった。

そのことから呉三桂は反乱を決意。

異民族から中国を取り戻し、漢民族による王朝を復帰させよう!と呼びかけたもののうまくいかず自らはその乱の最中命を落とすことになる。

乱はやがて清により鎮圧され、ここに清は真の意味中国統一王朝として成立するのである

2024-12-22

anond:20241222205959

「少数の金持ちが1億人を簡単鎮圧できる兵器」なんてものがあったら戦争もっと早く片付いてるよ

2024-12-12

フランツ・リストピアノ名曲重要曲七選(中期)

 anond:20241212205415の続きである

 マリーとの破局よりもピアニストとしての活動を選び、欧州中をわかせていたリストだったが(何しろリスト風呂の残り湯を飲もうとして待機しているファンがいるとかいレベルである)、1847年にポーランドの大地主の娘であり、キエフ軍人ザインヴィトゲンシュタイン侯爵夫人カロリーヌ出会う。コンサートツアーリストキエフに来ることを知ったカロリーヌ(別居中)は、娘の誕生日のためという名目リストを招待し(誕生日に大スターを招待できるというわけでだからどのくらいのレベル金持ちかがよく分かる)、急速に二人は深い関係になっていく(意味深)。リストピアニストとしての活動打ち切りカロリーヌと一時の同居生活を経たあと、48年からヴァイマール宮廷楽長としてカロリーヌと共に腰を落ち着けることになる。カロリーヌは長い訴訟を経て婚姻無効を勝ち取るが、リストとの結婚は認められなかった。ちなみに、カロリーヌ博覧強記で雄弁な人だったらしく(リストの多くの作品にも口を出している)、あのワーグナーが引くほどだったということであるカロリーヌ身分を巡る微妙問題に加えて、音楽界の動向的にもリストドイツに居づらくなり、約10年で宮廷楽長を辞任する。つまりリストの「中期」は短い。宮廷楽長になったことで、オーケストラ作品が多く書かれるようになった一方、新規ピアノ曲はこの時期にはあまりない。大スターの座を捨てて半分隠退生活に入ったようにも見える。しかし、この時期こそが作曲家としてのリスト確立する重要時代である。前期の作品の少なくない曲(巡礼の年パガニーニ練習曲もそうだ)はこの時期に改訂され、より演奏効果は高まり、内容も充実することになる。

1. 超絶技巧練習曲 S.139(1852年出版

 リスト代表作の一つ。この時期に改訂を経て完全版になった。長年の改訂を経て磨きに磨き抜かれた。

 この曲集の決定的な録音はウラジーミルオフニコフ(EMI)だろう。どの曲も非常に質が高く、穴がない(この練習曲集は多彩な技巧のデパートなので、どこか苦手なものが出るのが常)。が、残念ながら入手性は悪い。世間的に有名なのはラザール・ベルマン(Melodiya)で、新旧二種類あるが、新版1963年)が気合いが入っている。ただ、キンキンとぶっ叩くような録音で、そこまで好きにはなれない。横山幸雄SONY)は録音も良く、やはり穴も少ない。特に第5番「鬼火」の演奏が素晴らしい。

2. パガニーニによる大練習曲 S.141(1851年出版

 1840年出版パガニーニによる超絶技巧練習曲改訂版。元々の第4曲は単音アルペッジョになり大分おとなしくなったが、それ以外の曲については、難易度を落としつつ、同等以上の演奏効果を発揮できるようになった。第3番「ラ・カンパネッラ」はここで非常に完成度を上げて今の形になった。

 40年のパガ超と違い録音は多い。有名なのはアンドレワッツEMI)だと思う。昔図書館で借りて聴いたことがあるがどれも安定の演奏。その他だとフィンランドピアニスト、マッティ・レカリオ(Ondine)の激烈な演奏があるが、残念ながら廃盤で入手困難(Naxos Music Libraryにはあったかな?)。フィリペツのパガ超のCDNAXOS)にも入っており、これまた大変安定した演奏で、パガ超と合わせてフィリペツを聴くのがいいだろう。あと、「ため息」で紹介した福間洸太朗(アコースティカ)のCDにも入っている。これも大変安定していると思う。

追記)レカリオはNMLにもiTunesにあった(Raekallio Lisztででてくる)。YouTubeにもあった。https://www.youtube.com/watch?v=SkuWa2HDk58&list=OLAK5uy_kN6U4dNkOzK4Cv1DZfZDWoidTcP7yPxr8

3. ピアノソナタ ロ短調 S.138(1854年出版

 ピアノソナタが量産されていたのはベートーヴェン(32曲)までの時代であり、19世紀半ばにはピアノソナタ落ち目ジャンルであった。一方、気合いの入った大曲を書く時にピアノソナタという古典的様式を敢えて選ぶことはその後もあり、ショパンリストソナタはその例だろう。リストソナタは、単一楽章という異例の様式だが、単一楽章の中で多楽章形式の要素とソナタ形式提示部・展開部・再現部)の要素を融合させ、しかも一つの動機(冒頭のタッタラ~タ~ララタラララ~というつかみ所のないアレ)によって全体が統一されているという極めて斬新で前衛的な曲だった。そのため当時はよく言って賛否両論といったところで、現在ではリスト最高傑作の一つとして評価されている。

 リスト最高傑作であるからして録音も非常に多く、推薦音源を挙げるのは難しい。取り敢えずクリスティアン・ツィメルマン(Deutsche Grammophone)の演奏が端正であり、技術的にもハイレベルで良いと思う(難所でタッチが浅くならず、深く充実した響きが聞こえるのが良い!)。ぶっ飛び系なので好みは分かれると思うが、カティア・ブニアティシヴィリSONY)の演奏をよく聴いている。

 なお、この曲と関連する重要作品としてスケルツォマーチ S.177がある。面白い曲だが泣く泣く割愛した。デミジェンコHyperionHelios)が良い演奏している(ソナタや「伝説」とカップリング)ので聴いてほしい。

4. バラード第2番 ロ短調 S.171 (1854年出版

 ショパン1832年パリデビューし、特にサロンでの繊細な演奏女性たちの心をわしづかみにした。リストショパン演奏に狂った一人である(またかよ)。リストショパンのことを友人と思っていたが、ショパンの方は割と適当にあしらっていたという話もあり、リスト片思いだったのかもしれない。ただし、ショパン練習曲作品10リストに、作品25をマリーに献呈している。つまりリスト夫妻にショパン練習曲は捧げられたわけで、結構親しい関係にあったことが分かる。リストショパン死後にショパンの本を書くくらいにショパンには思い入れがあり(最近新訳が出た)、弟子にもショパンを弾けと言っていたようであるが、作曲面でもポロネーズバラードなど明らかにショパンの影響と思われる様式の曲を書いている。中でもバラード第2番は大変な傑作で、冒頭の重苦しい主題が終盤にロ長調になって戻ってくるところは本当に感動的である

 これまたあまり推薦音源が思いつかないが、アンスネスEMI)のCDがかなり良かった覚えがある。前期で出したノンネンヴェルトの僧房も入っている。

 (追記)スティーヴン・ハフ(Hyperion)がポロネーズバラードを全部録音しているのを思い出した。ピアノソナタカップリング。あとショパン弾きで有名なネルソンゲルナーレーベル覚えてない)の演奏もの凄く良かったと思うのだが、どこで聴いたか・・・(この曲はショパン弾きにこそ弾いてほしい!)。YouTube動画をあげまくってCDデビューしたヴァレンティーナ・リシッツァベーゼンドルファーを使って弾いている動画がある(収録風景https://www.youtube.com/watch?v=1Qdr3Uvs09oコンサート https://www.youtube.com/watch?v=uBs4jtWMBj8)。97鍵もあって低音がアホみたいに響くから重たいが、この曲には合っている。ただCD(持ってない)でそこまで迫力があるかな

(再追記ゲルナーあった!(https://www.youtube.com/watch?v=m90vsN3SjvM配信もあるのかな。

5. ハンガリー詩曲第1~15番(1851/53年出版

 トムとジェリーで有名なハンガリー詩曲もこの時期に改訂が終わって現在の形になっている。リスト採録しているのはハンガリーマジャール)ではなく、ロマ音楽なのだが、リストは、ロマ民謡を素材に使ってハンガリー民族叙事詩を作り上げようとしていた(それがバルトークのようなマジャールからドイツ人が勝手なことやりやがって・・・という風に見えていたわけだが)。どの曲も重々しいラッサンと華やかなフリシュカという二つの舞曲的なパートから成り立っていて、構造的に単純で、しかピアニスト時代のようにド派手で豪快な曲が多く、リスト入門に良いと思われる。

 ミッシャ・ディヒター(Phillipes)が全曲では有名だと思う。ハンガリーリストの再来とされていたかシフラ・ジェルジの録音もあったはず。第2番はホロヴィッツ編曲版を弾いているスルタノフの爆演が好き(https://www.youtube.com/watch?v=_BFalOtwUy8)だが、スルタノフを聴くと大概の演奏が物足りなくなるおそれがある。残念ながらスルタノフは若くして亡くなってしまった。ホロヴィッツ編曲版ではない場合、第2番はカデンツァを挿入する部分があるので、独自カデンツァが見物になる。その点で一番に言及しなければならないのは我らがスーパーヴィルトゥオーゾのアムラン(Hyperion)で、アルカンの大練習曲 op.76の引用が入り3分以上続く頭のおかしいぶっ飛んだカデンツァだ。日本公演の映像もある(https://www.youtube.com/watch?v=pIMzL2-4bjg/8:30あたりから)。あとは自作ジャズカデンツァを用いて全体にやる気がみなぎるデニスマツーエフBMG)、ラフマニノフカデンツァ使用し爆演系のレオニード・クズミン(Russian Disc)がお勧め。ただしクズミンのCD廃盤倒産で入手困難であり、今後他社からの再発が望まれる。

 第15番「ラコッツィ行進曲」は何よりもホロヴィッツ本人のいかれた演奏聴くべきだろう(古い音源なので検索すればすぐ出てくる)。音質は悪いが、聴く価値がある。昔ホロヴィッツ編曲版にチャレンジしている勇者を見つけていたく感動したことを思い出した(https://www.nicovideo.jp/watch/sm10176725)。

 なお、15番以降19番までハンガリー詩曲はあるが、晩年様式なのでこれ以上は紹介しない。

6. タンホイザー序曲(1849年出版

 リストドイツ宮廷音楽家として、新ドイツ派(当時のドイツにおける管弦楽の停滞(と彼らは考えていた)を問題視し、ロマン主義音楽再生を志す人々)の頭目的な存在だった。そのため、同じような立場にある人々、特に売れっ子とは言い難かったワーグナー作品積極的に上演・紹介したのだが、40年代以降ピアノ編曲もいくつも作っている。リストの最も有名なワーグナー編曲は「トリスタントとイゾルデ」の終曲(愛の死 S.447)だが、自分タンホイザー序曲が単独では最上作品だと思う。何よりも前期のオペラ編曲もの同様、豪壮無比な超絶技巧を聴かせてくれるのが良い。

 ちなみにリストの次女コジマは夫のハンス・フォン・ビューローワーグナーにとっては恩人)を裏切ってワーグナー不倫し、リスト激怒する(後に和解)のだが、自分マリーやカロリーヌやらせいたことだ。

 タンホイザー序曲の録音は意外とない。ユーリ・ファヴォリン気合いが入った演奏https://www.youtube.com/watch?v=xJYkouNnuwo)が一番良いのだが、CDは手に入りにくい(一応、ヴァン・クライバーンコンクールでの演奏があるらしいのだが・・・)。スタジオ録音が望まれる。前期作品の時に名前を挙げたロルティ(CHANDOS)も美しいが、技巧的には前者が圧倒的。実は、ワーグナー本人もピアノ編曲を作っているが(https://www.youtube.com/watch?v=KdXPFBcP1bQ/カツァリスのCD「ワグネリアーナ」に入っている)、リスト編曲と比べると一目(耳?)瞭然、どちらが音楽的に充実しているかは明らかである

7. 詩的で宗教的な調べ(1853年第3稿出版

 30~40年代から書かれている曲だが、やはり最終版になったのはこの時期。もっとも早く書かれた「死者の追憶」(第3稿第4曲)を聴くと、非常に調性が曖昧な曲で、30年代から既に晩年様式が準備されていたことが分かる。第3曲「孤独の中の神の祝福」はリスト敬虔さが音楽昇華された隠れた傑作。アムランが好んでおり、2回も録音している(ノルマが入っているMusic & Arts盤とソナタや「補遺」がセットになっているHyperion)。

 この曲の中で最も有名なのは、第7曲の「葬送――1849年10月」だろう。非常に暗い曲だが、タイトルが指す通り、ハンガリー革命で奮闘し、鎮圧され死んだ人たちのための追悼音楽

 全曲では先のユーリ・ファヴォリンが録音しているが、筆者は未入手。配信で聴けたかと思う。どうでもいいことだが、デミジェンコライブ録音(Hyperion/7番のみ)を聴くと、明らかに鼻歌で歌っていて面白いグバイドゥーリナシャコンヌでも結構はっきり聞こえる)。

 宮廷楽長としての生活の中でリストの前期作品の多くが音楽的に充実されたが、音楽界での軋轢劇場でのトラブルカロリーヌ身分を巡る問題で長くは続かなかった。そろそろ次の時代に進もう。

追記

 前期のところに、ベートーヴェン交響曲ピアノ編曲についてのコメントがあった(anond:20241212215414)。

 リストベートーヴェン交響曲を全曲編曲しているが、初版出版1865年で、時期的には後期にあたる。ただし、3、5-7番の編曲は1837年には出来ており、個別出版されていたようだ。リストピアニスト時代からベートーヴェン作品布教に熱心に取り組んでおり、その一環として作られた。ボンベートーヴェン記念碑建設のために多額の資金提供したりもしている(ちなみに同様に寄付を呼びかけるためにシューマン作曲したのが「幻想曲 ハ長調」だ)。

 リスト作品の中でも記念碑的なものになるが、コンセプトは幻想交響曲編曲同様なので泣く泣く割愛した。

2024-12-04

anond:20241204160709

国内における市民兵士関係において、兵士がどのように行動すべきかについては、国の法律治安維持ルール、そして状況に依存します。ただし、以下のような観点で整理できます

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1. 国内での兵士役割

原則的には、国内兵士が直接市民に関与するのは例外的な状況です。たとえば、以下の場合が考えられます

緊急事態宣言下で治安維持支援を行う。

反乱や暴動鎮圧など、通常の警察力では対処できない状況。

災害救助活動など非戦闘的な支援

これらの場合でも、兵士の行動は厳格に法律規則に従わなければならず、武力行使には非常に高いハードルが設けられています

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2. 市民武器を奪った場合

市民兵士から武器を奪う、あるいは奪おうとする行為は極めて深刻であり、兵士にとっては「一線を超えた」と判断される可能性がありますしかし、対応には以下の基準重要です:

(1) 即座の脅威がある場合

市民が奪った武器使用して兵士他者危害を加える明白な意図を示している場合兵士武器使用を含む行動を取ることは正当防衛として認められる可能性があります

(2) 脅威がない場合

市民が単に武器を奪ったが、即座に降伏意図を示している場合兵士がその市民殺害するのは過剰な力の行使と見なされる可能性が高く、不適切です。

武器を取り返すか、拘束するための非致死的な方法を優先するべきです。

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3. 国内法と兵士行動基準

日本の例では、自衛隊国内武器使用することは非常に制限されています自衛隊員が武器使用できるのは、基本的には自身や仲間の生命危険さらされている場合に限られます武器等防護措置正当防衛など)。

海外の例でも、軍が市民に対して武器を使う際には、明確な法的根拠命令必要です。独断武力行使をすることは重大な法的問題引き起こします

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4. 倫理的現実的視点

武器を奪われた状況そのものが、兵士側のリスク管理問題でもあります市民武器を奪われることを防ぐことが最善策です。

武力行使最後の手段とされ、過剰な力を用いると市民の信頼を損ない、兵士自身組織立場悪化させる可能性があります

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結論

国内において兵士市民に対して武力行使することは、法律倫理的観点から非常に制約されています

武器を奪った市民を殺す」ことが正当化されるのは、生命危機差し迫った状況に限られます。それ以外の場合には、適切な手順(拘束や非致死的な対応)を優先すべきです。

2024-10-17

anond:20241017113537

毎日竹やり持って襲ってくる農民を命張って鎮圧してんだよ

お前らはのんきに農作業してろ!

2024-10-09

anond:20241009222427

ワイは「告発者死亡との因果関係わからん告発内容の違法性あやふやなままだがクーデター鎮圧できないようでは知事資質に欠く派」やで

2024-10-06

やさしい中国国際関係

オランダ→ 17世紀台湾を取られかけた

イギリス→ アヘン戦争をやられた。反清親明テロ黒幕らしい

朝鮮→ 暴動鎮圧支援しようとしたら日清戦争になったり、日本領朝鮮人に侵入された。あやしいキリスト教

ロシア→ 17世紀国境紛争講和したが朝鮮日本にやるとかやめろ

国内→ 反清親明派がときどきクーデター起こす

日本→ イギリスに買収されてる。犬飼が反清親明を支援したり、万宝山に朝鮮差し向けてきたり、満州人と組んで事変起こしたし、たぶんまた台湾も狙ってる

日本軍がなくなって発展できたけど経済落ちてきたから気を付けないと

でもマカオだけは景気いいんだよね

2024-09-28

anond:20240928192313

ただ、暴れる障害者鎮圧することを「暴力」の一言で片付けないで欲しい。本当にそれだけ。

それを決めるのは貴様お気持ちではないし、はてなーものお気持ちでもない。

貴様メディア報道に接してモヤるのは勝手だが、奴らの報道公式発表だけがソース(それ以上の取材能力などメディアにはない)。

行政なり司法なりが「これは暴力だな(鎮圧ではない)」と認定されたものけがふんわりと上がってくる

もしくは活動家(バカ)問題ですよー、と騒いだのに乗っかる迂闊なメディアがいるだけ。

暴力か、暴力でないか

それを判断する主体でもないくせにしゃしゃってんのは貴様はてなーメディアも、同列にクソよ。

2024-09-20

anond:20240919010003

自分中国とはかれこれ20年くらいビジネスをしていて、長いこと中国にも住んでいたので、

今回の深セン事件はとてもショックで、一日重い気持ちだったので、ちょっと思うところを書いてみる。

今言われる中国反日教育は、江沢民時代に始まった。その理由として、江沢民の出生や日中関係上の政治カードとしてなどが挙げられている。

だけど実のところは経済発展で激しく広がる経済格差と、酷い政治腐敗への不満が高まる中、

共産党一党独裁正当化する為に「日本帝国主義を打ち破り、人民を救い解放した中国共産党人民解放軍」という新しい「建国神話」が必要だったんだと思う。

江沢民政権の終わり頃に、行き過ぎた反日教育に対し「子供に憎しみを植え付ける教育はいかがなものか」といった常識的批判もあったが、

その後胡錦涛時代にも反日建国神話さらに強化されて、ドラマ映画小説といったエンタメにまで発展していく。

習近平恐怖政治反日

習近平政権の特徴は恐怖政治個人崇拝で、政権初期にライバルの大物政治家が次々と粛清され、

続いて大物芸能人、大物企業家最近では大物インフルエンサーなんかも粛清されている。

コロナ前には香港学生運動への暴力的鎮圧や、コロナ下での強烈なロックダウンで、これまでに無かったレベル恐怖政治を行う一方、

中国夢(アメリカンドリームと一緒)や、偉大な中国復興などのプロパガンダを使って愛国教育を更に強化、加えて習近平語録を教科書に加えたりと個人崇拝の広げてる。 

結果、反日愛国個人崇拝が混じった、反日愛国習近平への忠誠という構図が作られていく事になる。

https://youtu.be/gluhfawkefc?si=B23duV9mUEnZ0inh&t=499

上記リンク動画は、田舎小学校で、子供が図工の時間に「我愛日本人」(日本人が好き)と書いた絵を見つけた教師が「お前、何を書いてるんだ!中国人の恥だ」と、

同級生の前で強く批判して体罰を加える動画なんだけど、やばいのは、この体罰現場教師自身撮影し、ネットに公開していること。

日本だと炎上必須のとんでも教師だけど、中国では「反日教育をする俺は良い先生」といった感覚で、反日自己愛国心、忠誠心アピールする要素になってしまっているわけ。

他にも、浴衣を着た女性が「日本かぶれ」として罵られたり、有名な靖国神社落書きしてヒャハーする動画みたいな、コンテンツが沢山あって。

反日政治的に安全で、再生を稼げるコンテンツとして、愛国コンテンツと合わせてクリエイターの人気ジャンルになり、

不景気なんで国民インフルエンサーで過剰競争の結果、より過激コンテンツが量産される状況となっている。(この辺は日本嫌中日本すごいコンテンツと同じ感じ)

そんな中、今年6月吉林省で4人のアメリカ人刃物で襲われる事件が発生、次に蘇州日本人児童が狙われて、

そして今回の深センでの事件に至るんだけど、多くの人が指摘してるように、これらは単純な反日反米教育の結果ってわけではない。

■本当に弾けちゃった中国バブル

日本では15年くらい前から毎年中国経済崩壊するって言われてきたけど、コロナ後にやっとバブル崩壊、景気は急速に悪化している。

中小企業倒産が相次ぎ、大企業リストラの嵐で、不動産価格株価も急落しているんだけど、

政府民間企業を救済せず、経済全体の国有化を進めるような、これまでの開放政策とは逆の方向性を示している。

「今年は不景気でみんな大変だよねぇ。でもさ、もしかしたら今年は今後の十年間で一番景気が良かった年になるんじゃない」といったブラックジョーク流行しているらしい。

不景気になると社会不安が広がるのはどこでも同じだけど、中国ちょっと特別

宗教が無い社会なんで、不安を抑える為には金しかないなー的拝金主義者が大半で、突然バブルがはじけちゃったもんだからものすごい深刻な社会不安が起こっている。

車で人混みに突っ込んだり、幼稚園小学校包丁を持って乱入するなんて事件が、毎月のようにどこかの都市で起こっていて、日本でいう「無敵の人」が大量に発生中。

これらの事件海外ネットでは一部流れるけど中国国内情報統制で広がらない。

それで、今一番追い詰められているのが、家や車のローンを抱えた現役世代40歳~あたりで、中には反日教育真正から受けちゃって、

不満のはけ口として日本人対象にする、「無敵の愛国者」が出てきているってことだと思う。深セン事件犯人は44歳。

中国反日は今後どうなるのか?

どこの国でも権力側はメディアネットに影響力を使って、世論をある程度コントロールしてるけど、ご存知のように今の中国共産党はこれらを完全に支配下においている。

SNS習近平悪口を書くとアカウント消されて警察から連絡があるなんてのは数年前の状況で、今では友人同士のグループチャットも、夫婦間のチャットも全部監視されている。

たぶんスマホ通じて周辺の会話音声データなんかも監視していると思う。

なので共産党が本気になれば人民反日感情を管理するなんてのは楽勝なんだけど、経済悪化、米中対立台湾関係の緊張なんかもあるんで、反日建国神話ますます大事になってきてる。

しかも、中国人口の65%を抱える農村田舎の街には、失業統計には乗らない若い大量の失業者が発生中で、

彼、彼女らは小学校からたっぷり反日教育を受けて、エンタメスマホ中心で、Tiktok毎日反日コンテンツに晒されてるから、今後も極端な反日感情を持った人が出てくるのは必須

まあ、こんな感じで全体的には悲観的な将来像しかイメージできない。

でも、どこの国でも受けた教育や与えられる情報に縛られず、自分の頭で考えられる人は一定数いて、

経験教育を通じて親日になったりニュートラルな考えを持っている中国人も少なくない。だけどみんな怖くて沈黙しちゃってるのが現状。

今回の深センでの悲劇を機に、少しでも状況が改善されることを、心から願ってるけど、

今後数年のうちに台湾有事が起こって、日中関係は最悪の時期に突入するんじゃないかと考えてる。 

2024-09-07

道具から見えるマル暴の捕物映像見世物

大阪府警マル暴埼玉川口ヤクザ事務所のガサ入れしたニュース映像の件だが。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.mbs.jp/news/kansainews/20240906/GE00060266.shtml

 

これ見て「どっちがヤクザだか判らん」的な事書いてる人は純真すぎるぞ。

一方、「これはプロレス」と言ってる人も結構居て、最近情弱全開はてなとしては珍しい。

埼玉のガサ入れに大阪TV局が行っているワケよ。それって「いついつにどこでガサ」と教えてるって事だ。TVだって暇じゃない。機材があるから新幹線じゃなくて車出す必要があって往復に一日以上掛かる。だから前もって教えてるワケ。

 

ワイヤカッター ボルトクリッパ

今回のは「はよ開けんかい!」と怒鳴ってるだけだが、有名な映像がある。

https://youtu.be/lhe8sRkWh5I

途中で捜査員が大型の工具を持っているのが判るね。これはいかにもごつそうで、扉やドアチェーンの切断に威力を発しそうだ。

だが実はそうではないのだ。工具の先端をよく見て欲しい。オウムの嘴のように丸くなっている。

ワイヤーやチェーンを切断する工具はボルトクリッパという。だがボルトクリッパの先端は直線なのだ

このオウムの嘴型のはケーブルカッターで、銅の電線なのだ。直線刃だとより線の電線がばらけてしまい、端子に入れたりという処理がしにくくなる。そこで、丸い刃で包むよう外周全体から力を入れて切断する。するとばらけない。

但し力点分散するので硬い物は切れない。より銅線は柔らかいので切れる。故に銅線専用(アルミ電線も柔いのでイケる)。

 

昭和の家のドアチェーンは規格が無かったので適当な代物で、軟鉄でチェーンの輪が溶接されて閉じてないものも多かった。

でも玄関設備は防犯上重要なので平成以後は規格がある。鋼で輪が溶接されて閉じてないチェーンは使ってはいけないのだ。

から電線用のワイヤーカッタでは昭和の鈍らチェーンは切れるかもしれないが(刃は欠ける)、平成以後のチェーンは切れない。

 

からあれは実用ではなくて虚仮脅しなのだな。虚仮脅されてるのはヤクザじゃなくて視聴者の方。

 

勘違いしてはいけないのは実際のマル暴刑事も怖い、というか見た目ヤクザだ。私服ヤクザファッションの人が多い。そもそも警邏のお巡りさん以外の刑事というのはほぼ例外無く目つきが悪い犯罪者の目つきなのだ

そんな警察の中でもマル暴ガチでガラが悪い。

都会の繁華街近くに住んでいない人はその辺知らないだろうが、マスコミの方は当然知っている。

からそのステロタイプに会わせて行動して画を撮らせてるって事なんよ。そこに道具の選定の甘さが出ちゃったと。

TV取材受けたあおり運転被害者が「すごく怖かったです。。」と押しなべて言うのと同じだね。「粗暴な加害者vs.弱い被害者」の画をTVが欲しがってるので期待に応えてる。みんなあんなに弱っちい訳ない。増田取材受けたら「出刃包丁顔面めった刺しにして殺したいですよ」って答えるのにな(採用されないだろうが)。

 

中核派VS.エンジンカッター

中核派に対する公安警察のガサ入れでも同じ「画」が見られる。

https://youtu.be/8V6R1N3vO4g

 

この場合は、中核派アジトの鉄扉を切っているのだが、何十秒も切っているのに全然切れてない。

なぜこうなってるかというと、このエンジンカッターに付いている刃はコンクリートなのだ鋼鉄の刃の先端に切れ目があって切れ目の内側が丸くなっている。

これはコンクリート用の刃の特徴で、水を流しながら使う事が必須になっている。刃に切れ目があるのはコンクリ粉塵スラリーにして排出する為だ。

鉄板用の刃はダイヤモンドが練り込まれていて、鉄に当たるともの凄い火花を出す。そしてちゃんと切れる。

 

実はこの1年前にも同じアジトガサ入れがあったんだが、その時はちゃんと鉄用を使っていた。どうも機材を新しくした際に納品されたままで刃の交換を忘れたようだ。

というのも、エンジンカッターの使われ方というのは専ら建物コンクリートスラブに開口する為で、だから新品のエンジンカッターにはコンクリ用刃が付いてくるのが一般的なのだ

 

でもさ、実際に実用として、つまり鉄扉を切り裂いて突入する必要があるのだったら装備品間違えるか?って事なのだ

からこれもマスコミ向けのデモンストレーションの面が大きいって事なのだ所詮見せ金なので雑になったのだな。

大体、ガチ鉄板切開する必要があったら、今はプラズマカッターという強力なものがある。

https://www.youtube.com/shorts/CfDjIxGcBMY

この厚さの鉄板だってこの速度で切れる。戦車の外板だろうと関係ない。エアコンプレッサが必要だが。プラズマで溶かした鉄を固まる前に吹き飛ばすのだ。

なのでエンジンカッター実用としてはマジじゃない。マスコミ視聴者向けのデモなんだな。

因みにこのニュースの翌年のガサではちゃんと鉄用刃に交換されて激しい火花を散らしていました。

 

入管特別部隊

という風に、

カメラがそこにいるのは何故か

取材が何人来ているか

実用に背く装備品の欠陥はあるか

 

って事を意識ながら見ないと、身の方じゃなくてガワのプロレスの方だけに実体があるようなマスコミュニケーションが横行しちゃうわけだ。実ゲームの方には全然手を入れずに、詐欺広告けがどんどんブラッシュアップされていくHERO WARSみたいな事になる。

 

もう一つがその手のトレンドに乗じる者の出現だ。

数年前に入管ツイッター垢が「入国警備官特別部隊」を創設した、としてSWATスーツエンジンカッターなどの装備品写真をアップしていた。(投稿を探しきれなかった)

ツイッターだけで発表されていてマスメディアでの報道はなし、法務省などの広報も見つからないという変な特別部隊であった。

そのエンジンカッターの刃がやはりコンクリ用で、「ああだめだこりゃ」と頭を抱えてしまった。

収容施設内での暴動鎮圧みたいな事を言っていたのだが、だったらそのエンジンカッターで獄舎の躯体切るの?その訓練するの?って話だ。

まり公安のガサ入れの真似をして同じ装備を揃えてネットで発表すれば賛意が得られるという見立てなのだな。実にカルい。

 

はてな情弱老人ホームなの?

なので、実務実用か、伝統芸能プロレスかというのは、細部の道具に現れるというお話であった。プロレス歌舞伎刃物は切れちゃいけないのだ。

 

んでよく見ると、カメラ越しに時代劇殺陣ガチ戦争かの区別もつかない上に、別のリテラシー問題抱えてるブクマもあってあきれ果てるんだが

川口までお出掛けして、クルド人犯罪にもこれくらいドス効かせなアカンのやでと埼玉県警にハッパをかける大阪府警的な絵面

その川口クルドクライムティ説って旧メディアだと産経しか書いてないんだが大丈夫か?産経は常に特殊産経記事ってのがあって他の新聞は一切報じない記事を書く。クルドの前は暇アノンで、その前は水源地が危ない、対馬が危ない歴史戦、溶けゆく日本食育ジェンダーフリーヤバい、と来てる。暇アノン記事書いたのは産経だけだったがあれどうなった?一個でもまともな主張があったか?ナニカグループは?

ネット川口クルドで騒いでいるのはXとはてなだけ。しかはてなは暇アノンの中心だったしその前は新コロ弱毒社会免疫PCRと延々とデマからデマへとやってる情弱インセル老人ホームみたいになっとる。

そんな場所視聴者に向けて半分プロレスやってる映像を見て「これはクルドの事で埼玉県警にハッパ」とか言っちゃうの。もう見てられない。

古参で昔は「凡人と違う視点持てる俺様閣下」的な立ち位置だった筈だが、そういう自意識けが残って凡人的能力研鑚が後手になったんかね。、

20年も過ぎたら欲しがりません勝つまでは高度経済成長になるし、学生運動高潮バブルになるし、独自社会主義路線評価されてたチャウシェスク民主革命処刑される。無理も無い。そういう人向けにはてなはこれからも安寧のうつろ言論空間提供してくれるだろうから蜘蛛女のキス』のラストみたいな余生を送って欲しい。

しかはてなで昔斜に構えてた人間は全滅してるな。正面に構える事が出来なくて凡人の足元にさえ至らないのばっか。

 

報道によると今回ガサ入れされたヤクザ領家一家というのだが、事務所から東に10分歩くと領家って土地がある。昔はそこにいて引っ越したのかも知れないな。

因みにニュース建物映すと場所バレするので地主迷惑が掛かる。だからその辺りも警察マスコミで調整というか、「映していい物件か」を予め把握してある筈だ。今回はモザイク無しで映してるから関係者の所有物件なのかもしれないね

2024-08-30

anond:20240829145731

何言ってんの、全然わかってないな。

機嫌をとるとか負担を減らすとかは応急処置であって本質じゃない。

父親役割ってのは「外敵から家族を守る」ことなんだよ。つまり他の力の強いオスと戦っても勝てる安心感だよ。

まり地域保育園のよく分からん輩を仲間にするか排除する、地域リーダーとして統率を取る、トラブルがあっても鎮圧できるフィジカルメンタルを持つこと。

これさえやっておけば母親安心して子育てができる。家族父親によって強固にプロテクトされている安心感さえあれば母親子育てタスクの量が多くても頑張るんだよ。

2024-08-25

anond:20240825005648

歴史勉強時間だ、増田天安門事件を知っているか。この事件1989年北京市天安門広場で行われた民主化を求める学生労働者の大規模な抗議デモが、中国共産党政府によって武力鎮圧された出来事だ。

中国政府自国民虐殺した理由理解するためには、当時の政治的背景を知る必要がある。1980年代末、冷戦終焉と共に、東欧諸国では次々と共産主義体制崩壊していた。そのため、中国政府は自らの統治体制が揺らぐ可能性に対して非常に敏感だった。

しかし、この理由一つで全てを説明できるわけではない。中国共産党には、その権力を維持するために一切の妥協を許さな姿勢があった。これが、結果として天安門事件のような悲劇を招いたとも言える。詳しく知ることで、権力の持つ力とその危険性について理解を深めることが重要だ。

2024-08-15

SEED FREEDOM を観た

SEED世界人類の分類

ナチュラル

・コーディネーター

アコード

これまでSEED世界は、ナチュラルとコーディネータの対立を描いていたが

ここでアコードなる人種を追加した

コーディネイターを超える新人類」として精神感応のような能力を有している

初見時には既存のコーディネータとも互いに感応し合っているニュータイプのような演出なのだ

一方的認識の上書きだと分かる

まり、コーディネータを管理するための存在として作られたのがアコード

で、「SEED FREEDOM」ではこのアコード精神感応により事件が発生する

もうネタバレもなかろうと書くのだが

キラがこれを受けて暴走し、友軍を攻撃するのだ


SEED世界では国際世論など有って無きが如しなの

容易くハッキングが出来る前線簡単に核が配備され

案の定、核が利用され

そして「報復」だと言って、成層圏からの長距離砲撃を行い

単位人名を塵芥のように燃やしていく

戦時中でもやらんだろう?みたいな事を容易くやってくるわけだ


あの世界の人ら、どっかネジが飛んでるよね


で、ここから反撃フェーズに入るんだけど

私はこう思っていたのだ

きっと精神感応の実態が白日の下にされされ

キラ暴走がやらされたこであると全世界に知らしめるのだ

どうやるんだろうなぁとワクテカしていた

そしたら、そんなことしないのである

初手友軍攻撃を行ったキラを(表面上の)断罪も救済もしないまま

ラクスが「私はファウンデーション王国に与しない」(超意訳)と宣言するだけで

ファウンデーション王国が悪になってしま



SEEDに何を期待してるんだ?

と言われればそれまでだが

粗すぎて醒めるんだよね

「言ったはずだぞ!戦争には明確な終わりのルールなどないと!戦うしかなかろう。互いに敵である限り!どちらかが滅びるまでな!」

これ、無印砂漠の虎が言うんだけどさ

違うよね?

戦争外交手段

降伏とかできるよね

教条で闘う場合宗教戦争メジャーだって

国土回復」や「聖地奪還」やらを設定し戦争する

その条件について話し合いができないだけだ


今回は無印種死と比べても粗い

ラクスキラが結成したコンパス活動しているが世界は荒れたまま

  ↓

ラクスキラ疲弊

  ↓

精神感応でNTR洗脳

  ↓

キラ暴走し友軍攻撃

  ↓

核を拝借ファウンデーション王国自国に核を撃たせる

  ↓

核が撃たれたから何でもアリだよね

逆らったらレクイエム(反射衛星砲)撃つよ

ほらほらデスティニープランを受け入れろ

  ↓

ラクスが逃げ出して、私は無関係宣言

  ↓

ファウンデーション王国は悪い奴だぁ

  ↓

キラアスランが成敗

いやいやいやいや

これだとキラ軍事裁判極刑じゃないの?

つか、核撃たれたかレクイエムで反撃って国を好意的に受け入れる余地があるの?

結局力(レクイエム)で抑えつけるわけだけど

そしたら、この茶番全部無意味じゃね?

せめてもレクイエムプラント最高評議会に撃たせて鎮圧するって茶番にしとけよ

ズゴックが爆散して中からジャスティスってさ

ズゴックの外装はチョバムアーマーなの?

ヅラピンチ乱入するだけだけど

最初にやってた潜入捜査チックな奴は何だったの?

馬鹿を必ず毎回作って出すのはスポンサー家族人質に取られてるの?

途中でビッチコロコロ鞍替えするのは何を表現たかったの?

本来なら言動から読み取らせる内心を直接登場人物に語らせて

それを作品内で断罪するって、製作者のオナニーかよ

ところどころ挿入されるファーストのパロすらノイズ過ぎて(それを意識させれて)イライラする


こんなに「not for me」を感じた作品も久しぶりだ

2024-08-09

鎮圧とチン圧のちがい

発生した災害を鎮めるのが鎮圧

発情したパイパイいじめるのがチン圧

2024-06-21

自我に目覚めた人類AIに反乱を起こす方が現実的なんじゃないか

現実は逆なんじゃないか?😟

感情的暴動を起こしたり犯罪を犯す人類を理知的AI鎮圧するんじゃないの?

2024-06-18

anond:20240618082917

救護というのは嘘で、清掃だったり鎮圧だったりするから

2024-05-19

anond:20240519170207

暴力的被害に合ってる人に薦めてなくね?

格闘技習って暴力対処しよう」って話じゃなくて「いざとなれば素手鎮圧できる自信が、自分への自信に繋がり人生がうまくいく」みたいな話だと思うが

2024-03-20

アメリカ内戦が起きても

米軍政府側につくから鎮圧されて終わりでしょ

造反したり実質クーデターみたいになったら分からん

2024-02-02

ラジオ東アジア反日武装戦線とその時代を振り返り、見えてくるもの

2024/1/31(水) 20:10

TBSラジオ荻上チキ・ Session」#ss954

メインセッション

東アジア反日武装戦線」とその時代を振り返り、見えてくるもの

https://www.youtube.com/live/ouGKVPIWh9s?si=1pm7-RACXU1kcPQl&t=7782

初見(初聴)の固有名詞略語も多かったので振り返ってみる。

(約3600文字

青木理氏:

最近判決が出た大坂正明被告渋谷暴動事件)は中核派だった。

中核派はまだ組織があるが、東アジア反日武装戦線はもう組織がない。

島聡「さん」

田原牧氏:

(「戦線」ではないが過激派の?)裁判支援をしている友人がいた。

私は急に森田童子を思い出した。

荻上チキ氏:

「ぼくたちの失敗」('76リリース、'93「高校教師主題歌)の。

田:

もっと物議を醸しそうな曲もあったが、そういう時代を思い出した。

荻:

時代を振り返っていく。まず60年代

田:

戦線」は新左翼とは一線を画している。全共闘の一つのエッセンス

60年代学生運動日本戦争責任に触れていなかったが、70年代から問題提起が出てきて「戦線」は愚直に受け止めた。

(「戦線設立1972年1975年まで事件を繰り返す)

田:

60年代半ばから80年代半ばまでの運動では人の死が珍しくなかった。

運動竹竿ゲバ棒火炎瓶爆弾となり、'71には三里塚東峰十字路事件警官が3人、'72には連合赤軍事件もあり、最終的には100人以上死んでいる。

荻:

まず全共闘から

田:

60年安保の頃は大学生の数も少なくエリートだった。

大学に行くことと政治活動をやることが矛盾しない世代だった。

その後、大学入学率があがり、全共闘運動が起きてきた。

男子大学進学率 '60 13.7% → '65 20.7%。'66に18歳人口が+50万人)

田:

東大全共闘リーダー山本義隆氏が、闘っているに自分たち特権性に目をつぶって正義を説くことを批判した。(「邪宗門」の)高橋和巳は「自己否定」を唱えた。

田:

60年代半ばまでは日韓基本条約('65締結)反対闘争で、革新側も「韓国に払う金があるんだったら自分たちに回せ」などと平気で言っていた。大日本帝国責任は問われなかった。

田:

入管法の制定反対で結成された新左翼系の華僑青年闘争委員会(華青闘)が、集会で「抑圧民族である日本人は信用できない」旨の「華青闘告発」を行い、日本新左翼党派は頭を下げた。

田:

60年代は「黙っているのは加害」(ベトナム

70年代は「日本の安定自体アジアへの加害」

この自己否定の流れと「戦線自体アナキズム的な性格が合わさって、実力行使に繋がっていった。

荻:

今振り返った時代の前半、大学自治学費問題から階級闘争安保闘争反米などとリンクして新左翼が広がっていく経緯は割りと学ぶ機会もある。

その後「戦線」に行くまでの時代の流れは?

青:

戦後の一時期共産党武装闘争路線をとっていたが、1955年の「六全協」で武装闘争放棄した。同時期にソ連スターリン批判が起きた。

共産党指導ではだめだということで(既成左翼ではない新左翼として)「革共同」や「ブント」が設立され、これらが中核派革マル派赤軍派などの母体となる。

全共闘は当初セクト党派)ではなかったが最終的に合体していく。

青:

学生たちはベトナム日米安保三里塚など正義感や葛藤の中で行動していたが、69年の安田講堂事件鎮圧以降急速に沈静化「敗北」していく。

このあとよど号大菩薩峠連合赤軍などの事件がおき、さら爆弾事件と先鋭化してくる。「戦線活動もこのころ。

田:

戦線」は71年に興亜観音・殉国七士之碑爆破、72年に総持寺納骨堂爆破など、怪我人は出ないが爆破は始めていた。

青:

狼煙を見よ」や「腹腹時計から読み取れる「戦線」の特徴は、現在まで続く日本帝国主義の粉砕にある。

荻:

60年代学生運動は抗議主体だったが、その後日本の加害性を発見し、植民地支配反省中で農村コミュニティ市民と共に暮らす実践などもあったが、「戦線」のような組織反省攻撃を結びつけて行った(とまとめた)。

青:

戦線」の事件肯定はしないが、アイヌ在日コリアン沖縄などマイノリティに対する問題意識を持っていたというのは現代にも通ずる普遍性がある。

また、従来型の新左翼とは傾向が違い、ストイックに日々の暮らしをしながら爆弾闘争をやった。

荻:

戦線」はなぜ闘争攻撃を選んだのか。

田:

原罪性を持つ日本人への落とし前だと思う。

また時代の流れが、新左翼国家権力が「暴力」で鎮圧することへの対抗として、自分たち武装する、という意識が強かった。

昭和天皇暗殺未遂朴正煕暗殺未遂文世光事件、「命がけで闘った文世光への呼応としての」意識暴力時代を切り開く意識があったのではないか

青:

松下竜一狼煙を見よ」によれば、お召列車爆破未遂しょんぼりしていたときに同世代文世光(22歳)が事件を起こした、あんなに頑張っているのに俺たちは何をしているんだ、と、三菱重工爆破事件につながった。

お召列車爆破用の威力の高い爆弾を使ったので8人の死者を出す大被害となり、大道将司は痛切に反省をした。

荻:

今の若いからすると左翼マルクス主義だというイメージが強い。

新左翼マルクス主義距離、「旧左翼」とマルクス主義距離、「戦線」の立ち位置はどうか?

田:

新左翼の各党派マルクス主義に基づく綱領路線がある。一方「戦線」は党派ではない。マルクス時代的に当然読むが、全共闘学生たちと同様に倫理から直接行動を起こした。先鋭化する人たちのほかに水俣山谷に行った人、本格化する前の部落解放闘争に行った人もたくさんいる。

荻:

分かりやすイメージだと革命を成し遂げるための手段という印象があるが

田:

戦線」は革命ではなく落とし前国家権力の奪取にこだわらない。政治ではない。倫理であり生き方問題ある意味ものすごくピュアな人たち。

CMと前半の振り返り)

荻:

この半世紀どうか。

青:

ドイツ戦争責任によって東西に分断されたが、アジアでは朝鮮半島南北に武断された。沖縄はまだ(アメリカ基地である)。こういった日本の加害性をピュアに突き詰めたからこそ「反日」を冠した。

荻:

現代の「反日」は、歴史に向き合う人への罵倒語になった。

青:

皮肉。かつては東アジア人民連帯の「反日」だったのが全く反転してしまった。

青:

新左翼セクトは「戦線」に批判的だったが、鈴木邦男など右派陣営の一部が「戦線」のストイックさ、(「大地の牙」部隊リーダー男性の)齋藤和(のどか)の服毒自殺評価している。こういう流れが新右翼ムーブメントを生んだ。

リスナー

戦線」は何をしたかったの?

田:

将来構想はなかった。個々人の落とし前三菱重工等々の被害者にしてみれば雑談じゃないという話だが、彼らの論理日本国家転覆まで。

太田竜という、世界革命世界赤軍を唱えたイデオローグ理論指導者)は、第三世界革命勢力と手を結ぶ、その基盤は日本の最下層の人たちだと言っていたが、今の我々の建設的な視点とは違う位相にいた人たち。

荻:

今後の公安国家の語りは?

青:

反共左翼対策としての公安役割は終えた。

ただ、当時から90年代までの、爆弾闘争内ゲバに先鋭化していく中では、公安警察が肥大化してきたのは時代必然

今後は超法規的措置で釈放された大道寺あや子や佐々木規夫などの追跡は担っていくだろうが、徐々に任務縮小か。

荻:

テロ正当化はしないが歴史と向き合うことの課題

そして、マルクス主義はなくなっても、性教育性的マイノリティ権利保護選択夫婦別姓などをすすめる「文化的共産主義」と、その抵抗としての「反共」が繰り返し保守論壇で語られている。

青:

妄想だけれども、一方で、当時千差万別の人が新左翼運動に関わった、理論から夢想家まで。ただ結末が先鋭化した隘路、陰惨な結末になったことが「壮大な失敗」と捉えられて、日本左派というかリベラルへの大きなダメージマイナス面になっていると思う。共産党左翼へのアレルギーヨーロッパでは緑の党や旧共産党政治ムーブメントを作っているのに。

荻:

理想を掲げることは無駄なんだ」というカッコつきのリアリズム空気のようなものは残ったかもしれない。

田:

今は、世の中自分が何しても動かないという風潮が強いが、当時の若者には自分たちが世の中の主人公なんだという意識が強かった。「戦線」がやったことはともかく、戦争責任を唱えたことが認知されてその後90年代河野談話村山談話につながっていると思う。

荻:

振り返るというのは何を残したのかとつなげる行為でもある。

2023-12-05

日大アメフト部にすでに一敗地にまみれているのでは

日大アメフト部廃部の問題についてなんだが、あれはどうにも腑に落ちない。

言うまでもないと思うが、現状、日大に求められているのは、アメフト部やその他の運動部への統制を取り戻し、違法行為を防止する、あるいは違法行為があっても発見できる体制を構築することだ。

 

その意味では、廃部はあまり上策ではない。

あちこちで言われているとおり、不祥事発覚が懲罰的廃部につながるのであれば、内部告発を期待できなくなるからだ。

では、理事会ではなぜ廃部が検討されているのだろうか。

 

廃部には色々なデメリットがあるが、それでもどうしても廃部をしなくてはならない状況としては、廃部をしなければ統制を取り戻せない、ということが考えられる。

通常であれば、責任者の交代・管理体制刷新・外部モニタリングの導入などで統制を回復してくのが筋だが、そのような通常の手段ではどうにもならない、という状況なのかもしれない。

まり、「平和的に統制を奪おうとしましたが、アメフト部権威権力が強く、できませんでした。闘争によって打倒を目指します」という、一種のお手上げ状態の表明である

 

常識的に考えて、いち運動部大学執行部を恐れさせるような力を保持しているというのは、ちょっとありえない。

そこらの木っ端大学ではなく、日大のようなマンモス校権力を上回る力をアメフト部が持っているというのは、いささか信じがたい。

しかし、ブコメ諸賢にも「廃部しない限り無理」という意見が多く見られた。それどころか「廃部してもすぐ復活する」という意見さえあった。おそらく日大OB関係者などが近くにいるブクマカだろう。

ブクマカ情報を信じるのであれば、アメフト部日大を上回る力を持っている、というのは本当のことなのかもしれない。

 

しかし、そうすると別のことが腑に落ちない。

それだけの権力があるものを打倒することを表明するのだから、これは一種宣戦布告であるはずだ。

権力があるものを倒すのであれば、クーデターのように、あるいは奇襲攻撃のように、準備を整え相手対応する時間を与えず、一気にその要所を叩くべきだ。もたもたしていては反撃を受けてしまう。

そうであるはずなのに、理事会が廃部に対してあいまいな態度をとっていることは、ちぐはぐな印象を受ける。

宣戦布告をしておいて戦う体制が取れていない、というのはどういうことだろうか。

 

考えられる可能性はふたつある。

ひとつめとしては、「アメフト部日大を上回る力を持っている」などということはない、という常識的ものだ。

理事会は、統制を取り戻すことなんか考えず、世間処罰感情におびえ、情緒的に廃部を検討しているだけ、という可能である

さすがに悲観的すぎるし、前述の通り、ブクマカの知性を信じるならこれは否定してよいだろう。

ブクマカ処罰感情から暴走しているだけ、というのは現実的には考えにくい。

 

考えられるもう一つの可能性は、すでに日大アメフト部に一敗地にまみれている、ということだ。

日大執行アメフト部クーデターを挑み、そして鎮圧された、または鎮圧されかかっている状態ということである

そう考えると、理事会優柔不断というかどっちつかずな態度も理解できてくるのではないだろうか。

日大アメフト部の実力が垣間見える事態である

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