三鷹ネットワーク大学主催の読書会。10月開催の第37回の案内が出ました。
- 三鷹の夜☆月いち読書会(第37回)――科学と文学の間(あわい)に
日時:2024年10月4日(金)19:00~20:30
会場:三鷹ネットワーク大学
受講料:500円
《年齢や地域や分野の壁を越えて、すべての市民の皆さまに開かれた大学》をうたう三鷹市の三鷹ネットワーク大学が主催する読書会です。詳細は継続が決まったときに書いた記事および大学のサイトをご覧ください。
今回の課題作は大江健三郎「死者の奢り」。『死者の奢り・飼育』(新潮文庫)、『大江健三郎自選短編集』(岩波文庫)に収録されています。《死者たちは、濃褐色の液に浸って、腕を絡みあい、頭を押しつけあって、ぎっしり浮かび、また半ば沈みかかっている》という印象的な書き出しで始まる本作は、大学医学部の解剖用死体の運搬・処理というアルバイトを描いたもの。作家の文壇デビュー作で、初期の代表作のひとつである本作を一緒に読んでみましょう。
大江健三郎は、戦後の現代日本文学を代表する作家の一人。1950年代の半ばにデビュー、昨年2023年に亡くなるまでに、多くの著作を残しました。川端康成に次ぐ日本人では2人目のノーベル文学賞受賞者としても知られています。そのような作家ですので、多くの研究や評論、Web上の感想などが存在していますし、『大江健三郎論』という新書が最近刊行されたりもしています。そうした先行研究・評論・感想を参考されるのはいいと思いますが、そうした外部の意見や評価に左右されず、読書会では、自由な意見・感想のやりとりができれば、と思います。
申し込みの受付期間は9/3から10/3まで。くわしくは三鷹ネットワーク大学のイベント案内ページをご覧ください。
この読書会は、以下の3部構成です。
第1部 参加者のみなさんの感想・意見など(30分程度)
第2部 第1部で出た感想・意見をもとにしたディスカッション(30分程度)
第3部 講師による解説・まとめ(30分程度)
参加者による交流の場として、読書会終了後に、近隣の飲食店に場所を移し、交流会を開いています。興味のある方は当日、講師におたずねください。
本読書会では読みやすさを考慮し、課題作品に短篇・中篇を取り上げています。収録されている本に他の短篇・中篇が掲載されている場合、課題作品以外の作品は未読でもかまいません。
課題作品は読んでから参加いただくのがいいかと思いますが、時間がなくて読めなかった、読んだけどよくわからなかった、という場合でも、気軽にご参加ください。とくに、よくわからない点があったり、疑問に思った点があったり、作品の良さがわからなかったり、といった方は、ぜひ読書会に参加して、他の方の読みや意見・感想を聞いてみるといいと思います。
その他、これまでに寄せられた質問などを別記事にまとめています。読書会ってどんなものなのかよくわからない、ハードルが高いのでは、何かちゃんとした意見を言えないとダメなのでは、などと、気になることがある方は、そんなことはまったくありませんので、ぜひそちらの記事をご覧ください。