ニューヨーク・タイムズの書評記事で、本好きには気になるタイトルのこんな本を見つけました。
- Grant Snider『I Will Judge You by Your Bookshelf』(Harry N. Abrams)

↑表紙で男の子がのぞいている窓のところは、表紙に穴があいています。
版元の内容紹介によれば、このような本です。《In this lighthearted collection of one- and two-page comics, writer-artist Grant Snider explores bookishness in all its forms, and the love of writing and reading, building on the beloved literary comics featured on his website, Incidental Comics. With a striking package including a die-cut cover, I Will Judge You By Your Bookshelf is the perfect gift for bookworms of all ages.》
本棚を見ればその人がわかる的なタイトルですが、本棚診断みたいな内容ではなくて、上の紹介文にもある通り、本にまつわるネタ、本好きが喜びそうなネタがたくさんつまった、本好きあるある満載のグラフィックエッセイというかコミックエッセイ。
英語ですが、表現は平易ですし、絵がメインなので、英語がそれほど得意でな人でも充分楽しめそうです。
この絵がら、あらためて見ると、なんとなくヨシタケシンスケさんっぽい感じですね。ヨシタケシンスケさんにも『あるかしら書店』(ポプラ社)という本好きにはうれしい1冊がありますから、なんだか、ちょっと通じるものを感じさせますね。
著者のグラント・スナイダーはマンガ家・作家で、矯正歯科医でもあるそうです。サイトとツイッター(@grantdraws)で、本書のサンプルなど、作品の一部も見られますよ。
ちなみに、本書に出会ったのは、ニューヨーク・タイムズのこちらの記事。
- 「Cartoonists Tackle the Big Stuff: O.C.D., Motherhood and Too Many Books」(6/12 The New York Times)
くわしく紹介されていますから、本書がどのような本かもっと知りたいという方はこの記事にも目を通しておくといいでしょう。
ところで。この本、発売は2020年4月。休校のためにドリルや児童書などの特需があったともされる日本の書店と違い、アメリカのリアル書店は営業できないところがほとんどでしたから、このすてきな本も、いったいどれだけの読者の手にとられることになったのか、心配になりますね……。
一般の新刊書店に行く機会も最小限にしているくらいで、洋書を扱っている店にはぜんぜん行けていないものですから、本書は通販で買ったんですが、この本のことを調べているときに、本や本屋にまつわるコミックエッセイが他にもいくつか目につきました。そのなかから、こんな本を買ってみましたよ。
- Debbie Tung『Book Love』(Andrews McMeel Publishing)

版元の内容紹介を引いておきます。《Bookworms rejoice! These charming comics capture exactly what it feels like to be head-over-heels for hardcovers. And paperbacks! And ebooks! And bookstores! And libraries!》
《Book Love is a gift book of comics tailor-made for tea-sipping, spine-sniffing, book-hoarding bibliophiles. Debbie Tung’s comics are humorous and instantly recognizable—making readers laugh while precisely conveying the thoughts and habits of book nerds. Book Love is the ideal gift to let a book lover know they’re understood and appreciated.》
本好きの女性が主人公のコミックエッセイです。4コママンガ形式。表紙ではキャラの顔がデフォルメされていますが、本編では主人公の女性はもう少し落ち着いたタッチで描かれています。本好きなら、全力でうなずきたくなるような本愛と本好きあるあるが全編にあふれていて、読んでいるとついつい頬が緩みます。『バーナード嬢曰く。』や『今日の早川さん』ような、本好きのキャラが登場し、本や本屋についてのネタを披露しまくる本好きマンガが好きな人にはぴったりではないかなあと思います。
こういう作品を読んでいると、本好きというのは、国も性別も問わず同じような生き物なのだなあと、あらためて思います。このような作品はふだんから好みですが、いつも以上にぐっとくる感じがするのは、本好きの知り合いにリアルに会えない状況だからなのかもしれません。このような作品を読んでいると、いつも以上に、ほっとしたりうれしくなったりするのです。
こちらも英語ですが、表現は平易で、先の『I Will...』よりも文章量が少なめ。英語がさほど得意でなくても楽しめそうです。絵の感じを知りたい方は、作者のサイトやツイッター(@WheresMyBubble)をチェックするのいいでしょう。