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空犬通信

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まさかこんなに泣かされるとは……映画『若おかみは小学生!』がとてもいい【更新】

いやはや。想像していた以上に、いい映画でした。ほんとに。




映画になることはWebのニュースか何かで事前に知っていましたが、我が家の本好きっ子も大きくなってしまったので、一緒に観にいくような映画ではないしなあ、おやじソロで観るものではもっとないだろうなあ、などと思っていたのでした。


ところが。周りの映画好きがほめているのをSNS他で見聞きしていましたし、当方の知り合いの間だけでなく世間的にも評判にもなっているらしい。我が家の本好きっ子が小さいころに一緒に読んだりしたことのある、なつかしいシリーズだ、ということもありましたから(つまり、いろいろ自分に理由付けをしたわけです;苦笑)、観にいってきました。


いやはや。1行目に書いたことの繰り返ししか出てきません。期待を大きく上回る、とてもいい映画でした。そして、大いに泣かされました。「泣ける映画=いい映画」だとは別に思わないのですが、これにはほんとに泣かされたなあ。


逆境に負けずにがんばる子ども(とくに女子)が主人公の作品にはふだんから弱いもので(というか、好みなので)、やられるに決まってるんですよね、この内容だと。もう最初から最後まで完全お父さん目線。後半の展開は、ほんと、観ていてたまらんかったですよ。


お話=脚本がよくできているというだけでなく、絵もきれいだし、音楽もいいし、声優もうまいしで、アニメ作品として、とても丁寧につくられているんですよ。このクオリティ、スタッフのメンツを見ると、なるほどなあ、なんですよね。監督は、ジブリ作品で作画監督や原画を担当した高坂希太郎。脚本は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『ガールズ&パンツァー 劇場版』の吉田玲子。音楽はムーンライダーズの鈴木慶一。


これ、原作が児童文庫系のレーベルだし、一緒に観に行けるような小学生の読者が身近にいない大人は、スルーしちゃうか、そもそも知らないか、ということが多いのかなと思います。単に知らないということで逃してしまったり、どうせ子ども向けの作品だろうという先入観で見逃してしまうのはもったいない作品です。ツイッター他で、タイトルや「#若おかみ」で検索すると、感激の声が、それも大人の感激の声がたくさんヒットするはず。当方のような、ふだん巨大生物大暴れみたいなのばっかり観ている、すれっからしの大人の心にもささったりするくらいですから(という情報は、まったく何の参考にもならないかもしれませんが;苦笑)、ぜひ観にいってみてください。


ちょっと紹介のタイミングが微妙なので、あとどれくらい劇場で観られるのかわかりませんが、ぜひ映画館にお急ぎあれ。ふだんアニメ映画おしのためだけに、この駄ブログに記事を書いたりすることはほとんどしていないのですが、今回は別。とにかく、応援したくなるタイプの作品だったので、まったく紹介にも何にもなっていないような駄文をさらした次第です。



今年のアニメ映画は『ペンギン・ハイウェイ』(原作の魅力をうまく引き出した、好きなノリの1本になっていました)かなあ、アニゴジ(1作目が微妙で、2作目でおお!となって、3作目を待っているところ;まだ評価は保留中ではあるのですが)かなあ、と思っていたんですが、まさか『若おかみは小学生!』に、こんなに感激させられるとはなあ。伏兵もいいところですよ。


ちなみに、観にいったときの映画館の様子ですが、観る前は、いくらアニメクラスタで評判になっているらしいとはいえ、本来の対象を考えたら、おやじソロなんてさぞ目立つだろうなあ、と覚悟していったんですが、蓋を開けてみれば、時間帯のせいなのか、評判を聞いた人たちが駆けつけていたのか、なんなのか、ぼくのほかにも中高年男性ソロの姿がけっこう目に付きましたよ。(そして、彼ら、お父さんたちは、みんな(周りにばれないよう)静かに泣いていたものと思われます。)だから、当方の前後の世代のおやじたちお父さんたちも安心して観にいってください。


書影 若おかみ

↑すばらしい映画に出会ったときは、パンフとかサントラとか原作本とか関連本とか、そういうものにお金を落としたくなるもの、ですよね。というか、そのようなかたちで応援しないといけません。関連本を早速入手。以前に読んでいますが、あらためてということで原作シリーズ1巻目。そして、劇場版のノベライズ。ノベライズは青い鳥文庫版と講談社文庫版の2種出ていました。


それにしても。最近観た映画で印象に残ったのが、『ザ・プレデター』『若おかみは小学生!』って、我ながら、なんだか、組み合わせがめちゃくちゃですなあ(苦笑)



追記(11/5):朝日新聞デジタルの連載「小原篤のアニマゲ丼」で取り上げられています。



物語のポイントや作品構成などが丁寧に解説された、映画の魅力がとてもよくわかるいい記事ですが、その分、ディテールに踏み込んでいるので、未見の方はご注意を。


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