東京・三鷹の書店関連では、今年の2月に、エキナカにあったブックエキスプレスが閉店になったことを3月に記事にしていますが、それから1年もたたないのに、またしても三鷹の、そして、今回も駅ビル内の書店が閉店になることをご報告しなくてはならなくなりました。
アトレヴィ三鷹4Fに入っている文教堂書店三鷹駅店が、2018年1月8日で閉店になるそうです。本稿執筆時点では、公式サイトには案内が出ていませんが、店頭に閉店案内の貼り紙が出ていました。


↑写真を追加しました(2017/12/28の様子です)。
もともと東西書房が入っていた場所に、文教堂書店がオープンしたのが10年少し前のこと(オープンが何年だったか、記録が出てきません)。サイズは110坪。駅から直結のビル内、しかも改札階の1つ上のフロアということで、アクセスは申し分なし。サイズも、ふだん使いにはちょうどいいぐらいでしょう。もう少し広いところ、在庫の多いところを、という本好きには南口、駅からコンコースでつながっているコラル内に、啓文堂書店がありますから、サイズ的にも立地的にも品ぞろえ的にも、とにかくいろいろな意味で、「ちょうどいい」街の本屋として機能しているように見えていたのですが……。
三鷹駅は、吉祥寺と、最近ぐんぐんと商圏を充実させていて人気も上昇していると聞く武蔵境にはさまれてやや地味な印象があるかもしれませんが、乗換駅で、利用者もたくさんいます。そして、人気エリア吉祥寺の隣駅でもあります。駅の南側、三鷹市側は太宰関連など文学スポットも多く、絵本関連イベントなども開かれています。三鷹は、そのような街であり駅であるんですが、そんな駅の駅ビル内書店が続けていけないとは……。なんというか、このエリアに暮らす本好きの一人として、大変に残念であり、複雑な気分でもあります。
アトレの公式サイトにブックエキスプレス三鷹店の閉店の案内が出たとき、このようなことが書かれていました。
《なお改札外駅ビル4Fにございます『文教堂』は通常通り営業いたしておりますので三鷹にて書籍等をお求めの際は改札外駅ビル4F『文教堂』もご利用いただけますと幸いでございます》。
その《通常通り》の《営業》がまさか1年ももたないとは、誰も想像しなかったんでしょうね。
閉店は、年明けの1/8。元旦はお休みですが、大晦日も2日も営業のようで、営業時間の案内が店頭に出ていました。
別のエリアの話になりますが、文教堂書店といえば、汐留(新橋)のカレッタ汐留店も閉店なのだそうです。こちらは、年内12/29の閉店とのこと。三鷹同様、本稿執筆時点では公式サイトには案内がありませんが、店頭に貼り紙が出ていると、開店閉店.comの記事にありました。
文教堂書店 カレッタ汐留店は140坪。日本「初」で、かつ日本「唯一」でもあるのかな、広告のミュージアム「アド・ミュージアム東京」があるカレッタ汐留内の書店ということで、広告・メディア・デザイン関連などを厚めにそろえた、他の文教堂書店の支店ではちょっと見かけない品ぞろえと棚構成が目を引くお店、という印象がありました。用事のないエリアなので、ふだんよく使っていたわけではありませんが、立地に合わせて特色のある店づくりがなされているように見えていただけに、こういうお店が閉店になってしまうというのは、本好き本屋好きとしてはやはり残念です。
追記(2018/1/10):文教堂書店三鷹駅店、閉店後の様子。シャッターに閉店になった旨を告げる貼り紙が。


閉店になってしまったことはしかたのないことではありますが、やはりそのことは、店頭だけでなく、公式サイトにもきちんと案内を出すなり、店舗情報を更新(削除)するなりしたほうがいいのではと個人的には思います。
本追記情報を執筆している時点(2018/1/10の夜)で、公式サイトトップの「店舗紹介」のリンクはそのままですし、しかもリンク先の情報は、同店がリニューアルオープンしたときのものと、微妙に古い情報になっていて、《ますます便利になったお店に是非お立ち寄りください》などとあるものですから、ただでさえ、閉店で残念な思いをしているというのに、ますますもって複雑な気分にさせられます。閉店後も、店舗情報をそのままにしておくのは、利用者に対してちょっとどうなのかなあ、という気が、本屋を愛する者として、また、同店の一利用者だった者として、どうしてもしてしまいます。