たまには別の話題を、と自分でも思うのですが、今日も書店の開店・閉店の話です……。
以前の記事でご紹介しましたが、本日、BOOK EXPRESS ディラ品川店が閉店になりました。同店の関係者のみなさま、おつかれさまでした。今後のことについては、サイトには案内がありませんが、また新しいかたちで、品川駅に戻ってこられることを期待しています。
もう1つ、大変に残念な閉店のニュースが。流水書房広尾店が、9月12日(日)で閉店になるそうです。広尾ガーデンの2階にあるお店は、小さいながらも見せ方や品揃えに工夫の見られるすてきなお店で、広尾の街自体、ふだんあまり足を運ぶ機会がないので、最近はごぶさただったのですが、行けば必ず寄る店であり、そして、印象に残る店でもありました。
閉店の情報は、港の人さん(@minatonohito)のツイートで教えられました。ありがとうございました。港の人さんのブログ「港の人日記」に、最後のフェアを紹介した、写真入りの記事があがっています。「流水書房広尾店、最後の「読書」フェア」。棚には、空犬も大好きな『On Reading』の書影が見えます。このケルテスの写真集と、林哲夫さんの『読む人』の2冊を中心に組まれたフェアとのこと。閉店前に、ぜひ実際に棚を見てみたいものです。
もう1つは開店のニュース。本郷三丁目に、書原本郷店がオープンするようです。10月5日。この件、作品社さん(@sakuhinsha)さんのツイートで教えられました。ありがとうございました。書原のサイトには、告知は出ていないようですので、作品社さん(@sakuhinsha)のツイートの一部を引かせていただきます。《本郷三丁目の交差点から南(東大と反対側)に100mちょっと行った右側ですね。49坪。大きな店舗ではありませんが、東大に近い立地なので楽しみです。》
書原といえば、個人的にはやはり阿佐谷本店。会社帰りなどにふらりと寄るにはちょっと駅から遠いので、最近はあまり顔を出せていないのですが、行けば必ず長居してしまう、学生のころからずっと大好きなお店の1つです。その書原の新しいお店となれば、これはすごく楽しみですね。
もう1つ、オープンの件でご報告を。昨日書いた三省堂書店池袋店オープンに関する記事ですが、いくつか不正確な点があったことをご指摘いただきました。いただいた情報を参考に修正し、また、併せて、読み直したときに不要に思われた点の一部を削除しました。
ご指摘いただいたのLOFTに関する記述です。LOFTが、三省堂書店オープン前は10~12階だったことは知っていたんですが、「LOFTの横あたりで改装工事をやっている」という情報を複数の方から寄せていただいたのを参考にしたため、そのままLOFTのあたりで、としてしまいました。三省堂書店池袋店と同日に、LOFTの9階売り場が新しくオープンとなっています。「9月7日(火)注目の売場がお目見え 西武池袋本店9階にロフトの新しい売場がオープン!」(LOFTのサイトより)。LOFTの件は書店の開店のことに直接関係がないものという判断でふれていなかったのですが、場所のことと同フロアのオープンをわかっていないのではないか、とのご指摘をいただきましたので、補足させていただきました。同店の関係の方で、不正確な情報を不快に思われた方がいらっしゃいましたら、お詫び申し上げます。
併せて、坪数は110坪であるとのご教示をいただきました。広さは、資料などにあがっている場合はそれを引用していますが、そうでない場合は、だいたいこの程度かなという印象を書いています(昨日の文章でもそのように書いたつもりでした)。三省堂書店池袋店の場合、エレベータ側から見ると手前にオープンなスペースがあり、エスカレータ側も開けているので、サイズの印象に甘い点がありましたが、とくに意図的に違う数字をあげようなどというつもりはもちろんありませんので(そのようなことをする意味もありませんし)、ここで補足させていただいたうえ、記事の数字を訂正しました。
足りない情報の補足や、あいまいな点、不正確な点のご指定は大歓迎で、ぜひお願いしたいと思いますが、ただ、こちらも出版関係者とは言え、書店のプロでも、流通業のプロでもなく、この駄文はあくまで自分の楽しみとして、書店のことを応援したい、書店のことをいろいろな方に知ってもらいたい、という思いで書いています。ですので、110坪のお店を「百数十坪ぐらい、200はない感じ」と書いたり、LOFTの「あたり」などと書いたことで、リブロのことも西武のことも何もわかっていない、と断じられてしまったのは、ちょっとショックでした。
いい機会なので、自分にとって、リブロがどういう書店なのか、についてちょっと書いておきます。
ぼくは1980年代の終わりに、東京に出てきました。すでに大型書店は、紀伊國屋書店の梅田本店や旭屋書店本店他を知っていましたが、当時、田舎出の大学生が驚かされた書店が2つあって、1つが、リブロ池袋店でした(ちなみに、もう1つはパルコブックセンター)。大きな書店は見たことがありましたが、リブロ池袋のような棚は見たことがなかったからです。もちろん、ただの大学生に、その品揃え・棚作りのどこがどうすごいのかはわかりませんでしたが、でも、その後お店に通いまくるようになるには、「なんだかすごい」、それだけで十分でした。
もしあの頃、リブロ池袋(とパルコブックセンター)に出会っていなければ、いまこうして書店のことについて、ぐだぐだといろんなことを書き散らしているようなこともなかったでしょう。それぐらい、ぼくにとっては、リブロ、なかでも池袋店は重要なお店です。かつてのリブロ池袋の姿を描いた田口久美子さんの『書店風雲録』は、愛読書の1つです。いまも、お店は池袋とはかぎりませんが、公私の知り合いがリブロには何人もいます。三省堂書店出店のことも含め、リブロや池袋の書店事情について、リブロの知り合いからはいろいろなことを教えてもらっています。
リブロというのは、ぼくにとってはそういう書店なのです。なので。さすがに、何も知らない呼ばわりはちょっとこたえました……。
昨日の文中にも書きましたが、応援したい気持ちこそあれ、不正確なことを書き散らして迷惑をかけるつもりなど、もちろんまったくありません。このところ訪問くださる方が急に増えましたが、ご覧になるのは版元や書店関係の方が多いのだろうと思います。プロの目で見て不正確な点やあいまいな点がありましたら、「何も知らない」と決めつける前に、ぜひご教示いただけるとうれしいです。
ただ、書店のことを伝えたい、と思って書いた記事が、書店関係の方に受け入れられないのだとしたら、そのような駄文を書き連ねる意味はまったくありませんよね……。今月はブックファーストの、来月はジュンク堂書店の新店オープンが吉祥寺でありますが、しばらくは、書店関連の記事は控えようと思います。