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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

蔦谷書店、書泉グランデ、啓文堂書店吉祥寺店……新刊書店の開店・閉店いろいろです

『本屋図鑑』の作業、まだ完全に終わったわけではないのですが、自分の担当部分の作業が少し落ち着いたので、久しぶりに、新刊書店の開店・閉店関連情報をまとめます。


●オープン


  • 6/ 2 SUNNY BOY BOOKS(目黒区)
  • 6/10 未来屋書店山形南店(130;山形市)
  • 6/15 ゲオ丸亀南店(20;香川県丸亀市)
  • 6/28 旭屋書店アリオ上尾店(132;埼玉県上尾市)
  • 6/中 カルチャーエージェント文教堂青山一丁目店(41;港区)
  • 6/28 ブックスクエア東大和店(95;東京都東大和市)
  • 6/29 平安堂伊那店(250;長野県伊那市)
  • 7/ 3 ジュンク堂書店松戸伊勢丹店(560)
  • 9/12 旭屋書店アトレヴィ大塚店(110)
  • 8/? 函館蔦屋書店(1996?)
  • ?/? 蔦屋書店本庄早稲田(1089)
  • ?/? 蔦屋書店盛岡(2000?)

SUNNY BOY BOOKSは純粋な新刊書店とはちょっとタイプの違う店ですが、新刊の扱いもあるとのことなので、紹介しておきます。最寄り駅は学芸大学。お店のサイトの案内によれば、《古本をメインに少しの新刊書や“美篶堂”の手製本の手帳、ノートなどの小物、“EVEREST TOTE BAG”のバッグ、高円寺“kicori”の多肉植物、エアープランツなど》を扱うのだそうです。


山形の未来屋書店は、以前の記事で閉店にふれた文教堂山形南店が入っていた、イオン山形南内のお店。間が空いているので、居抜きということはないでしょうが、元店舗との位置関係などはわかりません。


閉店・撤退のニュースが続いていた旭屋書店の新規出店が2件あります。9月オープンの大塚について、新文化の記事によれば、《同社20店舗目。売場面積は110坪。店舗名や営業時間、その他については現在調整中という》のこと。都内は今では池袋しかありませんので、ぜひがんばってほしいものです。


松戸伊勢丹のジュンク堂書店は8階に入るようです。伊勢丹松戸店の書店と言えば、新館6階に紀伊國屋書店が入っています。本稿執筆時には、紀伊國屋書店がどうなるのかについてはとくにアナウンスがありませんが、商業施設の規模や松戸の商圏を考えても書店2店でというのは考えにくい感じですが、どうなるのでしょうか。


以前から少し噂の聞こえてきていた本庄早稲田他、蔦谷書店の大型店が複数発表になっています。関連記事、本庄早稲田についてはこちら。「大型複合店「蔦屋書店」が埼玉・本庄に出店」(5/31 Fashionsnap.com)。函館については、こちら。「ツタヤが新道沿いにカフェ併設書店開店へ 」(1/20 函館新聞社)。盛岡については、こちら。「CCC、函館と盛岡に2000坪の直営店」(6/6 文化通信)。なお、函館については、こんな本まで出ています。『文化の樹を植える。〜「函館 蔦屋書店」という冒険〜』(ネコ・パブリッシング)


Fashionsnapの記事には、《今回オープンする「蔦屋書店」を展開するのはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)のフランチャイズ加盟会社の中では最大規模のフランチャイジーである株式会社トップカルチャー。 同社は、年3店舗の計画で大型複合店の出店を進めており、蔦屋書店・TSUTAYA・峰弥書店・古本市場合わせ現在76店舗を運営している》とあり、さらに《今年3月16日には日本最大の蔦屋書店である仙台泉店も出店させるなど、今後は大型店舗の出店を強化していく》と結ばれています。


文化通信の記事も引きます。《カルチュア・コンビニエンス・クラブは今年の10〜12月にかけてTSUTAYAの大型店13店舗の出店を予定しているが、このうち2店舗を、2000坪クラスの直営店として函館と盛岡にオープンする》。



記事を見て、数字の間違いではないかと思われた方もいるでしょう。3か月ほどの間に大型店13店というのは、新刊書店の出店としては、規模・ペースとも異例としか言いようがありません。しかも、2000坪クラスが複数含まれているとは……。全部の出店予定地が明らかになっているわけではなく個人的にも知りませんが、盛岡のように、さわや書店、東山堂のような地元ベースの書店があり、ジュンク堂書店もあり、さらに郊外型大型店のエムズエクスポまである、そんなエリアにまで出店が予定されているのを見ると、既存の書店の分布図に配慮したもの、つまり書店自体がないか、有力な競合店がない、または少ないエリアを選んだものとは思われません。商圏の重なる既存の書店には、甚大な影響が出るでしょう。


詳細がわかりませんので、憶測で文章を連ねることは避けたいと思いますが、これらの報道だけを見ると、出店予定エリア周辺の既存の書店、とくに「町の本屋さん」がどうなってしまうのか、大変不安になります。これら、(超)大型店出店の件については、また情報が得られた時点で、別途まとめてみたいと思います。


●リニューアル


  • 6/ 1 書泉グランデ
  • 6/11 TSUTAYA武生南店(130;福井県越前市)
  • 6/20 ヤマダ電機テックランド旭川店(220;北海道旭川市)
  • 6/21 宮脇書店水戸南店(300;茨城県茨城町)
  • 6/上 TSUTAYA三木店(150;福井県越前市)
  • 7/13 アニメイト日本橋店(90;大阪市浪速区)
  • 7/19 WonderGoo宇都宮店(500;栃木県宇都宮市)

書泉グランデは、6/1としてありますが、リニューアルが開始になった日付で、本稿執筆時点では終了期間が示されていないようです。関連記事は、こちら。「神保町・書泉グランデ、売り場構成刷新-POP募集企画も」(5/31 神田経済新聞)。


記事によれば、リニューアルの対象は1〜3階で、《1〜3階で展開していた45ジャンルのうち文庫・新書・文藝書・自転車・健康書・料理書・食べ歩き・旅行・語学・映画・音楽・オーディオ・男性アイドルの13ジャンルを、「より親和性の高い」フロアへと移動。それぞれのフロアをより見やすく、「特色あふれる空間」へと変える》のだそうです。


改装作業開始直後にお店を見てきたところ、店内外に改装の告知などはとくに出ていませんでした。店内のあちこちに「文芸→1階」といった、商品が移動中であることを示す貼り紙がいくつも張られています。今回の改装によって書泉の雰囲気が(従来の利用者、書泉ファンにとってマイナスの意味で)大きく変わる、ということはなさそうな感じで、1階では6月に始まった「ムー超常百選」なる、書泉らしすぎるフェアも開催中。ちょっと安心させられました。


●閉店


  • 5/31 博文堂書店下北沢店
  • 6/3 ジュンク堂書店高崎店(620)
  • 6/30 冨士書房
  • 7/15 啓文堂書店吉祥寺店

下北沢の北口側にあった博文堂書店。「町の本屋さん」というたたずまいの、駅前の路面店で、下北沢では必ず立ち寄るお店の1つでした。4月に下北沢に用事があって寄ったときにはとくに案内なども出ていなかったため、閉店の知らせにはびっくりさせられました。


びっくりと言えば、高崎のジュンクの件も。高崎ビブレ内に入っていたジュンク堂書店高崎店は、もともと、COMICS JUNKUDO高崎店としてオープンしたのを、増床リニューアルしたという経緯のお店。関連記事は、「開店から丸3年、高崎「ジュンク堂書店」閉店へ-売上目標大幅に下回る」(5/29 高崎前橋経済新聞)。


閉店の理由は、《売上目標大幅に下回る》ためとされていますが、ジュンクが、建物の建て替えやテナントの都合などの理由ではなく、売上げ不振を理由に撤退するのは非常にめずらしいこと。ちゃんと調べていませんが、おそらく初めてではないでしょうか。


ジュンク側としても、そこはやはり悔しいのでしょうか、先の記事には、《同社はチャンスがあればまた群馬に出店したいとの考えも示した》ともありました。


冨士書房は高知県高知市のお店。関連記事は、「冨士書房来月末で閉店 売り上げ減で決断」(5/22 高知新聞)。別の記事には、《1950年から県庁や高知市役所などに売店を出し、1986年高知市本町4丁目の丸ノ内緑地に渡る橋の前に店舗を構えた》とあり、長く地元で親しまれたお店のようです。店舗は閉店となりますが、外商は続けると、高知新聞の記事にあります。


「吉祥寺書店員の会 吉っ読」のメンバーとしては、最後にこれにふれないわけにはいきません。啓文堂書店吉祥寺店の件。まだ啓文堂書店からは公式に発表はされていないようですが、ツイッターに閉店情報が流れたようです。


そのツイートでは、単に閉店となっているようですが、これは移転のための「一時閉店」で、そのことにふれていないのは、ちょっと同店の関係者の方に気の毒な感じがしてしまいました。


啓文堂書店吉祥寺店が、現在の丸井内に移転したのは、2010年4月。そのときにすでに、元のユザワヤ、井の頭線の乗り場一帯を含む、現在工事の進んでいるエリアにできる京王吉祥寺駅ビルが完成したら、そちらに戻ることになるであろうことが言われていました。


新しい京王吉祥寺駅ビルは、以前の発表によれば、2013年冬に開業となっています。であれば、500坪近い規模の書店が、その数か月前に、移転準備に入るのは規模を考えれば当然と思っていいかもしれません。同じタイミングで丸井に移転しているユザワヤも、京王吉祥寺駅ビルに新店舗ができるとされていましたが、あちらは丸井を残して2店にするのか、閉めて元に戻るのか、どうするんでしょうね。


話がそれました。とにかく、啓文堂書店吉祥寺店の閉店は、一時的なもので、吉祥寺駅南口側から啓文堂書店がなくなってしまうわけではありませんから、利用者の方、出版関係者の方は、あまり心配せずに、新店舗を楽しみに待っているのがいいのではないかなと思います。新店舗の場所、規模など、概要についてはまったくわかりませんが、おそらくは同程度の規模になるものと予想されます。だとすると、400、500坪規模の店舗の閉店・開店作業ですから、2010年4月の移転に引き続き、今回も、大がかりなものになるわけです。同店の関係者のみなさんにとっては、大変なことが続きますが、新しいお店を待っている、吉祥寺の本好きのためにがんばっていただきたいと思います。


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