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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

早稲田青空古本祭、そしてあゆみBOOKS早稲田店

この土日は結局、連続で休日出勤。書店員のみなさんが使うのを見聞きする「連勤」ということばを思い出してしまいました。大した激務でもないのに弱っちいことを書くようですが、休みなしだとやっぱり40過ぎのオヤヂにはきついですね。次の週末が遠い……。


で、昨日、朝、会社に向かっていたはずが、なぜか間違えて、気がついたら早稲田に来ていました。不思議なこともあるものです。こうなったら、しかたありません、早稲田青空古本祭をのぞいていかないわけにはいきませんよね。というわけで、1時間だけ、と自分にいい聞かせて、ざっと見てきましたよ。


早稲田青空古本祭2011 1早稲田青空古本祭2011 2早稲田青空古本祭2011 3

天気は曇り空。涼しくて気持ちいいぐらいの感じでしたが、雨を心配した方が多かったのでしょうか、それともお昼前後の時間だったからなのか、会場の人出はまあまあといったところ。


暑くも寒くもなく、ぎゅうぎゅうの混雑でもない、ということで、これはゆっくり見られるぞと、喜んで見始めたはいいんですが、やはり、さすがに仕事のことが気になって、落ち着いて見ることができません。気になる本はいくつも目についたにもかかわらず、結局、何も買い物できぬままに早々に離脱することになってしまいました。何やってんだか(泣)。


早稲田青空古本祭は6日まで。再訪できるチャンス、あるかなあ……。帰りがけに、あゆみBOOKS早稲田店ものぞいてきましたよ。


あゆみ早稲田店

地下鉄の出口からすぐの路面店で、45坪。ほどよいサイズの店に、バランスのいい品揃え、みやすいディスプレイで、利用しやすいお店です。入り口入ってすぐ、左側の壁面は、新刊や話題書が並び、フェアも展開されています。この日は「時間」というテーマのフェアで、科学読み物などにまじって、フィクションもあり、SFでは、『夏への扉』『時をかける少女』といった時間ものの定番が並び、その横には時間もののアンソロジー『時の娘』も並んでいましたよ。SFと言えば、文庫棚のエンドではゼロ年代SFのフェアが展開中でしたから、お店にSF好きの方でもいるのかな。


時間フェアの隣では、芸術書の話題書が面陳に。お店の規模からすると、ぜいたくと言っていいようなスペースの使い方がされています。大判の本がこうして面で並ぶのはいいものですね。そのなかに、空犬通信大プッシュの『世界の夢の本屋さん』が入っているのが、これまたうれしい。



文庫コーナーは、いつだったか、書店を取り上げたテレビ番組でも紹介されていた、前後2列に並べられる棚が使われているのが目を引きます。後列の背、上の部分が見えるよう、段差がつけられています。全部の文庫がそうなっているわけではありませんが、岩波やちくま、講談社文芸といったかためのレーベルの文庫が、この方式で整然と並んでいるところはなかなかいいですねえ。こうなっていると、思わず、奥の書名を確かめたくなるから不思議です。


コミックにも力を入れているんでしょうか。レジの脇にも、コミックの新刊のコーナーができていて、目立つようにディスプレイされていましたが、文庫のさらに奥のコミックコーナーも、おすすめ本が目に入りやすい工夫がされるなど、力が入っている感じでした。お店のおすすめコミックの棚があって、そこでは全部が面陳。「まんきき」も置いてありましたよ。


規模の割に、学参や辞書が多めというか、しっかりと場所をとってあるのも、学生街ならでは、というところでしょうか。こういう50坪ぐらいのお店で、品揃えのバランスがよく、陳列にも工夫がこらされているお店は、店内を見て回るのがほんとに楽しいですね。こういうお店が近くにある地元の人は幸せだと思います。


というわけで、早稲田に古本を見に行った古本者のみなさんは、ぜひこのあゆみBOOKS早稲田店のチェックもお忘れなく。



あと、早稲田にも新刊書店にも関係のない件なんですが、先日書いた記事のフォローをついでに。探偵者として応援したいなんて記事を書いた数日後に、よりによって、その復活を伝えたのと同じ朝日新聞にこんな記事が……。「著者に無断で電子書籍化200点 三一書房が販売委託」(9/30 朝日新聞)。……本気でがっかりだ。


《創業60年を超す東京の出版社、三一書房の前経営者が、著者の許可を得ぬまま、200点以上の作品を電子書籍向けに提供していたことがわかった。大手の電子書籍販売サイトで半年以上にわたり販売されていた。書籍の電子化でコンテンツ獲得競争が熱を帯びるなか、出版業界の古い体質のほころびが露呈した。》


この件をもって、「出版業界の古い体質のほころびが露呈」などと書かれるいわれはない、と、ふつうなら言いたいところだけど、でも、書かれてもしかたないな、という気もしてしまう。もう一度書く。ほんと、がっかりだよ、三一書房……。


著者に無断で電子書籍

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