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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

またまた横浜の書店を見てきましたよ……有隣堂西口、リブロ相鉄ジョイナス

昨日は、横浜で、ちょっと変わった飲み会に参加してきましたよ。ある書店さんを訪問したときに、そのお店の造りやスペースの使い方、棚の分類などについて、ツイッター上の書店・出版関係の知り合いとやりとりしたことがあるんです。よく考えたら、ほんと、よけいなお世話以外の何物でもないんですが、当のお店の人も乗ってくださったので、よし、じゃあ、みんなでお店を見に行って、その後で飲みながら、お店をどんなふうにしたらいいか、いろいろ話そう、なんてことになったのでした。


どのお店の話で、どんな話になったかはここでは省略しますが、書店のことを真剣に考えている人がこんなにたくさんいるんだ、ということ、そして、そういう人たちが集まると、初めてかそれに近い関係であっても、まったく問題なく話が盛り上がってしまうことに、なんかぐっときてしまいましたよ。楽しい会でした。


さて、その用事が横浜だったので、それだけのために行くのはもったいない、ということで、貧乏性のぼくは、前回の神奈川書店回りで回れなかったお店をチェックすべく、ちょっと早めに出て横浜駅周辺のお店を見てきましたよ。


……となるはずだったんですが、横浜駅周辺だけでも、けっこうな数の書店があるんですよね。しかも、大型のターミナル駅周辺はどこもそうなんですが、駅の出口が違うと、けっこう離れていたりするもので、短時間では回れないんですね。ふだんから書店回っているくせに、そんな当たり前のことを放念していたうえに、昨日は、この夏最高の暑さなどと言われた猛暑日。そりゃあ、短時間で複数店舗回れないよね。


というわけで、チェックできたのは2店だけ。まずは、有隣堂横浜西口店。ところで、このお店、正式な店舗名称は、「有隣堂横浜西口店」で、それぞれの売り場に、「ザ・ダイヤモンド書籍売場」とか「エキニア横浜書籍売場」とか、ブロックの名前がついている、という理解でいいのかな(お店で配られている「各売場・レジのご案内」↓ではそうなっている。でも、サイトでは、「横浜駅西口ザ・ダイヤモンド店」が独立店舗扱いだな。うーん)。まあ、こまかいことはともかく、西口地下の売場をひと通り見てきましたよ。


有隣堂西口 雑誌

ここは、何度も来ているお店なんですが、じっくり見るのは久しぶり。やー、ここはいつ来ても活気があっていいなあ。と、楽しく見ていたら、あっという間に30分以上経過、ここで時間をとられてしまって、他を見ることができなくなってしまいました。それほど、うろうろしていてあきないお店です。


文芸書の売場は、文庫も単行本もPOPがいっぱい。『書店ポップ術』シリーズ2点の著書をお持ちの、POP術師、梅原潤一さんの手になるものがとにかくたくさん並んでいます。ご本人もいらっしゃったので、思わずぺこりと会釈しちゃったりしたんですがが、こちらはいろんな書店関連の記事や著書でお顔を拝見していて勝手に知ってる気になっているだけで、面識はゼロ。変な客だと思われたに違いありません。ちなみに、ご本人の著書2点も、POP付きで面陳になっていました。破格の扱い(笑)。いいなあ。その、ポップ術のある棚には、本の本が並んでいました。点数こそわずかですが、地下商店街の立地のこの規模のお店なら、スルーされそうな本(たとえば、論創社の小田さんのシリーズとか)がいくつも並んでいて、ちょっとうれしくなります。


通路側、雑誌が並ぶあたりは、女子のみなさんがずらり(上の写真参照)。中に入って、店内中央の、ちょっと広い通路のあたりは、ビジネス書の棚ということで、おじさんたちがずらり。同じお店なのに、通路をはさむだけで見事に「色」が違っていて、見ていて楽しい。そのビジネスの棚、「経営・経済」は当たり前として、「貿易・株」なんて区分があるあたりが、横浜っぽいというか、さすが有隣堂というか。


文芸関係では、ポケミスベストランキングのコーナーも目を引きました。直木賞も大々的にフィーチャーされていましたが、その下の一段が佐藤泰志にあてられていたのがちょっとうれしい。梅原さんのおすすめPOPがついている本は、エンタメ系のフィクションが多いようですが、売り場全体として見ると、こうして地味目の純文にも、海外文学にもちゃんとスポットがそれぞれにふさわしいかたちであてられていて、いろんな趣味のお客さんの関心を引く工夫がされていることが、よくわかります。


これは、過去に訪問したときには気づかなかったので、もしかしたら最近のことなのかもしれませんが、おもしろかったのは、アイドルの写真集の売り方。写真集のコーナ-、というほど棚は割かれていなくて、タレント本・芸能本の一画という感じなんですが、そこには現物は並んでいなくて、表紙のカラーコピーを厚紙の台紙にはってビニールをかけたような、手作りっぽい「見本」が並んでいるのです。現物ほどは場所をとらないので、狭いスペースにたくさん置くことができます(実際、雑誌の面差し棚のような置かれた方になっていました)。メジャーなタイトル(がどれなのかは、よくわからないんだけど)は、ちゃんと平積みになっています。万引き防止+スペースの効率的な活用、ということなんでしょうか。初めて見た並べ方なので、印象に残りました(ぼくが、写真集に弱いので、知らないだけで、ごくふつうの売り方なんだとしたら、すみません)。



ぼくは、この手の写真集を買わないので、実感としてはよくわからないんだけど、この売り方って、ファンにはどうなんでしょうね。写真集、仮に、シュリンクで中が見られなくても、やっぱり、表紙の写真を見て、裏表紙を見て、その重み厚みを手に感じて、そうやって買いたいものなんじゃないかな、って。一応、ムックスタイルのものはともかく、ハードカバーの写真集は高額商品ですしね。


見本方式はいいアイディアだと思うけど、店頭で、実物のモノとしての質感を確かめたい向きにはちょっと残念だったりするかも、と気になってしまいました。写真集の肝である、表1の写真がコピーになっちゃう、というのもね。でも、もしかしたら、この種の商品って、みんなアイドル・タイトル決め打ち買いで、店頭でモノを確かめる必要なんてない、そんな客はいない、ってことなのかもしれませんね。


有隣堂の西口は、売場がいくつかに分かれていて、うちいくつか、たとえばコミックや学参は、メインの売場からはちょっと離れていますし、売場の形状もけっこう複雑だったりするんですが(とくにエキニア横浜の売場)、でも、このお店のすごいところは、それがマイナスになっていないところなんですよね。時間切れでとばしたコミックをのぞいて、他の売場はざっと見て回ってきましたが、離れた売場をのぞきにいくのが面倒と感じない造り、というか、品揃え、というか、雰囲気になっています。通勤や通学でいつも通る地下街に、こんな書店があったらいいだろうなあ、そんなふうに思わせるお店です。


有隣堂西口 売場マップ 店頭有隣堂 西口 売場マップ

↑売場マップ。左は店頭に出ているもの、右は配布されているもの。同じだから、別に両方あげなくてもいいんだけど。


有隣堂 語感の辞典フリペ

↑以前からそうだったけど、最近はますます、店頭での書店フリペが楽しみに。こんなのを見つけましたよ。『日本語 語感の辞典』(岩波書店)の応援フリペ。辞書で、こういうフリペが書店独自に作られるのはめずらしいのでは。しかも、3000円超の、おもしろいけど(個人的にも大好き)万人向けとは言い難い感じのするこのユニークな辞典を、有隣堂全店の数字とはいえ、2000冊以上売っている、というのはすごいなあ。


有隣堂は、2010年に改装しているルミネ横浜店も見たかったんですが、時間切れ。階が変わって、雰囲気もおしゃれになり、以前とは感じが違っている、と聞いていたので、ぜひ見てみたかったんだけどなあ。残念。


変わったといえば、相鉄ジョイナス。以前、入っていた栄松堂書店が2010年に閉店、同年、跡地にリブロが入ったことは知っていましたが、まだ訪問したことがなかったので、この日、横浜2軒目のお店として見てきましたよ。


リブロ相鉄ジョイナスリブロ相鉄ジョイナス フロアガイド

↑レジ周辺の様子(左)とフロアレイアウト(右)。


ジョイナスのフロアの感じが、自分の記憶のなかのそれとちょっと変わっているので、たしかなことは言えないんですが、場所は同じですよね。前よりも狭くなったよという情報をくれた方がいたんですが、報道されている数字を見ると、栄松堂書店と同じ100坪。横長のお店です。


相鉄ジョイナスフロアガイド

エレベータ側から歩いていくとまず目に入るのがコミック売場。有隣堂がコミック売場を「コミック王国」として独立させていますが、それへの対抗的な意味合いもあるのでしょうか、全体の広さからすると、けっこう広めにとってあり、映像化作品などのプロモ画像を流すためのモニターも目につきます。


レジ前が雑誌棚で、客層を意識した品揃え(ジョイナス自体、どんなところかぜんぜん知りませんが、女性が多い)にふってあるのがわかります。レジには行列ができていましたが、全員女性客でした。


こうして見ると、横浜駅周辺は、ほんと、書店環境が充実してますね。今回、時間切れで見られなかった有隣堂ルミネ横浜店、丸善ポルタ横浜店があり、大型店としては、あおい書店横浜店もありますからね。


お店の数が多いというだけでなく、動きもけっこうありますよね。書店訪問のために調べていたら、2010年だけで(それも、ぼくがおさえている件だけで)、こんなにありましたよ(周辺の駅も含めました)。


  • 3/19 紀伊國屋書店横浜みなとみらい店(新規オープン;413坪)
  • 4/14 BOOK EXPRESS横浜南口店(新規オープン)
  • 7/15 栄松堂書店相鉄ジョイナス店(閉店;100坪)
  • 8/4 有隣堂ルミネ横浜店(移転・改装オープン;280坪)
  • 8/17 ブックファーストみなとみらい店(閉店)
  • 9/17 リブロ横浜相鉄ジョイナス店(新規オープンン;100坪)
  • 10/28 TSUTAYAはまりん横浜駅店(新規オープン;154坪)
  • 12/17 カルチャーエージェント文教堂みなとみらい駅店(新規オープン)

いやはや。お隣のみなとみらい界隈を入れると、1年でこんなに動きが。このほか、2011年に入ってから、1月には、丸善ポルタ横浜店が、移転・縮小しています。


これは、また横浜界隈だけのために時間をとって見に行かないと、とてもじゃないけど、見切れないなあ(苦笑)。


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  • 2020/11/09(月) 20:56:27 |
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