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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

根津・千駄木には、ほかにもこんなお店が!……ブックスアイ根津店

昨日、往来堂書店に寄ってきた話を書きましたが、その帰り道、ブックスアイ根津店にも寄ってきましたよ。


ブックスアイ店頭ブックスアイ看板

↑店頭の様子。看板には《とにかく暑いです。店内で少し休んで!》とあります。



茗荷谷のお店については以前から噂を聞いて、気になっていました。根津にあるのも知っていたんですが、なんとなくチェックしそびれていたのでした。で、今日入ってみたら、うわ、これはすごいや。


造りは、寄ってきたばかりの往来堂書店より少し広いぐらい。ぱっと見た感じは、街の本屋さんの風情です。ところが、店内に入ってみると、あちこちに、ただの街本屋さんらしからぬ工夫がされていて、本好きの目を引きます。



ブックスアイ森絵都棚ブックスアイ森絵都

入ってすぐ左脇で展開されている「森絵都さんがオススメする本」というフェア。選書リストに、版元の名前とかチェーンの名前とかがないので、聞いてみたら、親会社さんのつながりで実現したという独自のフェアなんだとか。選書リストはけっこうな冊数で、本好きが喜びそうな本がたくさん含まれていますが、棚では、差しと面をうまく組み合わせて、1本にきれいにおさめ、さらに平台では森さんの本(一部サイン本)までカバーしています。



ブックスアイ文庫フェア棚

↑そのとなりでは、これはブックスアイ版の夏文庫フェアといった趣でしょうか。本好き出版営業10人よるフェア(独自帯あり)、「炎の営業」こと本の雑誌の杉江さんのセレクトによるフェア(これも独自帯)、ブックスアイ茗荷谷店、根津店それぞれのスタッフのおすすめ文庫(これも独自帯)などが棚1本分、並んでいます。うわ。



ブックスアイ文芸棚

↑奥へ行くとさらに驚きが。写真でわかるでしょうか、「文芸書」とあるんですが、これが、この規模の書店の文芸棚とは根本的に異なる棚になっていて驚き。だって、3本しかない棚、ふつうなら本屋大賞に上位入賞するような人気エンタメ系フィクション作家の作品で埋まってしまうはず。それが、セレクトされている作家が、本谷有希子、川上未映子、多和田葉子、内田樹、岡潔となんだかすごいのです。しかも、ほかに、みすず書房の本に1段、講談社文芸文庫に2段、割かれていたりするんですよ。うわ。



ブックスアイ多和田葉子POP

↑《多和田葉子は「言葉の小説家」である》……大好きな、大好きな多和田葉子さんの本が、最新刊だけでなく、旧刊まで含めてそろえてあるお店が大型書店以外にいったいどれだけあるだろう……棚の前で、わなわなと感動に震えてしまったことですよ。


そのほか、文庫の棚、棚上の空きスペースをふと見ると、沖積舎の高額な探偵復刻本が並んでいたり。いちいち街の本屋さんのイメージを裏切る本が並んでいて、くらくらしてきます。



ブックスアイブックカバー

↑当然、このような書店ではたくさん買い物をしていかなくてはならないんですが、今日はもともと荷物が重いうえに、往来堂さんでも買い物してしまっていたので、2冊だけ。うち1冊にカバーをかけてもらいました。



↑森さんのデビュー作は、出たときにすぐ読みました。ぼくがまだ駆け出しの編集者だったころにデビューされた作家、しかも同世代ってことで、ずっと気になる存在でした。娘がそのうち読めるようにと、フォア文庫版のサイン本を購入。多和田さんはもちろん持ってる文庫だけど、この棚から買わないわけにはいかなくて……。



ブックスアイ店内図表ブックスアイ店内図裏

↑店内の案内図というと、上から見たかたちのいわゆる間取り図で、棚にジャンルを入れたり、番号をふったりするのがふつう。こちらのはユニークで、ご覧の通り、手書きのイラストです。中の店内の様子を描いたページがすごくて、お客さんの服の柄とか文字まで描き込んであって、決してお店の全体図が一目でわかる感じでは正直なところないんですが、そんなことはどうでもいいと思わせるようなものになっています。これ、いいですよ、すごく。BOOKSルーエの花本氏に見せたら、こんなの見たことないと、彼も驚いてまして、うちでもやりたい!と早速影響を受けてました。これ、イベント前に発見していたら、ブックンロールで紹介できたのになあ。残念。


というわけで。往来堂書店、1軒だけだとしてもたまにのぞきにきたくなる街だというのに、こんなに近くに、すてきな書店がもう1軒あるとは! この界隈の本好きはとても幸せだと思います。ぼく自身、わざわざいく感じの街なので、なかなかしょっちゅうは足が向かないんですが、あなたが書店好き、それも棚から本を発見するのが好きなタイプの書店好きなら、今回のブックスアイも、前回の往来堂書店も、わざわざ足を運ぶ、その価値の大いにあるお店だと思います。空犬通信、強くおすすめの2店です。


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