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2026-05-11

anond:20260510004111

気合いいれた何かならともかく、ブコメなんて所詮チラ裏やし、増田にいたってはリアル俺様にはノーダメージだから気にならんなあ

2026-05-09

明日は頑張るぞ。

明日というか今日過去の傷を、今の自分ちゃんと治しに行く。

よし、気合入れていくぞ。

2026-05-08

anond:20260508002506

ガス抜きしてから家に帰るってのは本気でやったほうがいいよね。気合入れないと家に帰れない時期は誰にでもある。

ただ妻も妻でろくに睡眠や休憩も取れない中で子供と二人きりだから、早く帰ってきて欲しいのもわかる。

なので一時間は長すぎるけど、帰宅時間にさほど響かない程度に5分でもいいからベンチに座ってコーヒー飲んで帰るとかしてみたらいいと思う。

2026-05-07

規格作ってるニキに聞きたいんだが

僕の考えた最強の規格

これは30年後も現役!

ぐらいの気合いで規格考えてんの?

それともとりあえず締切までに仕様書通ればええやろ

1年後にユーザーが買った商品ゴミクズになってても俺知らんっぺぐらいの舐めた気持ちで作ってるの?

どっち?

anond:20260507104030

35歳で独身は「ちゃんと」してないですよ。今まで騙されて生きてきたんでしょうが、女は結婚して子供を産まないとほぼほぼ価値です。

ポエム書いてないで気合入れて婚活しましょう。プロジェクト管理とかしてる場合じゃない。

2026-05-05

明治100年の記念式典

なんと歌を作ったらしい。作詞はサトーハチローほさくだし、作曲外山雄三だ。びっくりである

まあ式典にはNHK交響楽団も出演しているのでその関係もあったのかもしれないが、今回の昭和100年よりもなんだか気合を感じる。

歌謡メドレー30分はひどいなあと。ただし、一つだけよかったのは天皇退出の際の万歳がなかったことだ。これでそのようなことがあった日にはもうどうにもならない感じだったが、、、

2026-05-03

ナフサが無いとか言い訳はいいんだよ

根性があればなんとかなるだろ

足りないのは気合いと根性だよ

2026-04-30

NTEはなぜ戦闘がつまらないのか

昨日リリースされた新作ソシャゲ戦闘要素が格段につまらない理由を書く

移動距離の不一致

まずNTEはワールド探索が売りのゲームである。その過程戦闘がある

原神のようなものと思ってくれればいい

NTEの第1の問題は移動距離の不一致

例えばWキーを押したらゲーム内で10px動く、Aキーで左に90度振り向き5px動く、みたいな部分の感覚結構ズレてる

ユーザーはこの操作ならこうなるだろうな、の予測をしながらプレイするけど、これがどうにもチグハグというか、期待しただけの移動が行われない

その落差が操作感の重さを強く体感させる。入力時間の割に移動量が少ない場合ラグく感じる。

レガシーMMORPGの移動+戦闘(Lineage2とか)が一番イメージに近い。2026年でこれは致命的。

壁のよじ登り、壁のスライド移動は滅茶苦茶動けるので、これに揃えるくらいのスピード感はあっていい(落差が大きすぎて違和感になっている)

戦闘邪魔

探索の途中で割と中ボスに遭遇する。別に強くもないし無視もできる

ただ相手にするには絶妙戦闘時間が長いパターンも多くて、これが探索の面白さを削いでいる

空飛んで戻ってこない紙飛行機ビルの上から突き落とすこいのぼりゲームスピード感を弱めている。

その戦闘いまいる? ここじゃないとダメ? 報酬これだけ?

リアクションの薄さ

戦闘自体はゼンゼロを目指した龍が如く操作感が重たいしスタイリッシュでもないし

こっちが被弾したときのモーションロスはデカいのに、ヒットさせた時の反応も薄い

インフィニティニキ(にも戦闘要素はある)の敵の方がまだ気合が入っている

ゼンゼロペルソナ龍が如くにある食らわせてやったとき気持ちよさが皆無。これ元MMOだった? ブループロトコル

ハウジングの同居モードは神

パターン少ないけど部屋着エロくね?

これも戦闘と落差がデカすぎる。これだけの要素を用意できるなら、もっと戦闘報酬に紐づけるとか、動機付けを頑張れたはず。

とにかく調整周りが不十分か、センスが無いのかは知らないが、正直今のままなら戦闘なんて無い方がマシ。

AISS『遠き星の女王地球パン屋

青年アルトは、銀河の果てにある惑星ヴァルナ宮廷に仕えていた。

石造りの大広間、鎧の騎士たち、そして空中に浮かぶ魔導機関――中世未来技術が奇妙に混ざり合った世界。その玉座に座すのが、ヴァルナ女王である

「青き星――地球調査せよ」

女王は静かに言った。背後では、星図が光りながら回転している。

「はっ!このアルト、必ずや侵略の礎を築いてみせます!」

見習いだが、気合だけは一人前だった。

彼は“星渡りの門”と呼ばれる転移装置に乗り込み、地球へと降り立った。

降りた先は、日本商店街だった。

「ここが……地球……」

第一印象はやはり、

「揚げ物の匂いがすごい」

だった。

「何してんの?」

振り返ると、パンをくわえた少女がいた。

「我はヴァルナ女王に仕える侵略佐官見習い――」 「通報するよ?」

アルトはすぐに姿勢を正した。

すみません迷子です」

少女の名はミオ。パン屋の娘だった。

「で、どこから来たの?」 「遠い星からだ」 「はいはい、遠い星ね。で、お腹すいてる?」 「すいている」

ミオはパン差し出した。

「ほら、食べなよ」

アルトはかじる。

「……これは」 「パン」 「……うまい

その瞬間、彼の価値観が揺らいだ。

ヴァルナでは“栄養結晶”が主食だ。

味は「概念」だった。

数日後。

アルトパン屋に居ついていた。

侵略は?」 「慎重に進めている」

まったく進んでいない。

ミオは笑う。

「その女王ってさ、パン食べたことあるの?」 「ない。女王は完全栄養で生きている」 「じゃあダメじゃん」 「何がだ」 「侵略

アルトは悩んだ。

パンを知らぬ者に、地球価値がわかるのか……?)

そして決断した。

ヴァルナへの通信を開く。

「報告せよ」

女王の声が響く。

地球は……侵略に不向きです」 「理由は」 「パンうまい

側近たちがざわめく。

「……続けよ」 「地球人は非効率で、混沌としておりますしかし――妙に親切で、食文化が異様に発達しています」 「それが何だ」 「侵略すれば、パン屋が消えます

沈黙

長い沈黙

「……その“パン”とは何だ」

アルトは微笑んだ。

数日後。

商店街に、異様に気品のある女性が現れた。

銀の装束、星のように輝く瞳。

「ここが地球……」

ミオはじっと見て言った。

「誰?」 「ヴァルナ女王だ」 「パン食べる?」

女王は一瞬だけ考え、頷いた。

数分後。

女王は静かに言った。

「……侵略は中止とする」

アルトはほっと息をつく。

ミオは得意げに笑う。

「でしょ?」

女王カレーパンを見つめた。

「代わりに、この星と交易を行う」 「パンと引き換え?」 「そうだ。我々の星間航行技術提供しよう」

ミオは腕を組んだ。

「安いなあ。倍ね」 「……よかろう」

交渉成立だった。

アルトは思った。

銀河の均衡を変えたのは、剣でも魔法でもなく……)

パンだったのかもしれない)

そして彼は今日パンを食べる。

任務? たぶん順調だ。

2026-04-27

験担ぎビリヤニガチャ運良くなる増田寿丸無く四うゃちが出にやり日の着津勧化回文

おはようございます

NIKKEは3.5周年イベントが始まって大賑わいの中、

私はさすがに低くて苦戦するアニススター排出率1パーセントという狭き確率問題に対して解けることのない愛のパズルのように、

なかなかアニススター当たらないなぁって。

次はネオンビジョン・アイのネオネオンがくるので、

もうこれ以上ガチャ回せないし、

ゴールデンマイレージチケットネオンは交換するんだ!ってショーウインドーにへばりついているところよ。

まあネオンは確定かな。

はい撤収

さすがにオーバースペックのニケの排出率が1パーセントネオンアニスで2機くるとなると、

ガチャを回す高級部隊募集チケットいくらあっても当たらないのよ。

はい撤収でーす!って潔く

本編に向き合う方がよっぽど健全ってものよね。

そんな最中

毎日楽しい1日150ジュエルで回せるガチャあんのね。

そこで!

な!なんと!

バーレリオ招けちゃいました!

おおお!これって凄いんだけど!

バーレリオの通常時の排出率がもうすでに0.1パーセントという、

これって視力検査のところから見たら大きく見えるけれど、

その大きく見える視力検査のCの0.1は見えるけれど、

到底そんなところでSSRしかピルグリムとか当たるか!って絶対無いわけではないけれどあり得ないのよね。

し、しかも本当にリバーレリオ当たってしまったわ!

0.1パーセント確率で1日1ガチャで引き当てるって

よっぽど奇跡じゃね?って思うの。

鳥肌立ったわ!

もうさ、

NIKKEのその日が始まる朝の5時にバチーンとアラームもセットのセッティングしなくても、

もう日常のことになってしまっているかのように、

5時にバッチーンともう目が覚めちゃうのよね。

そんでよーし!

今日運勢占っちゃおう!ってノリとバイブスを持ち合わせて私は興奮の息荒げに、

ちょっと待って!

鼻の穴が広がったの閉じるわ!って落ち着かせるの。

よーし!ガチャ回すわよ!って

そこはそれこそ毎日ラッキーおみくじみたいな要素があるからあんまりそんなに気合い入れなくてもいいサクッと回したいところで緊張感のない面持ちの寝起きの顔のまま回したの。

そしたらよ!

バーレリオ当たったの!

おお!

これは奇跡わ!

先月末惜しくも閉店してしまった私の大好きなビリヤニが美味しいビリヤニが食べられるお店がなくなってしまって、

験担ぎラッキーランチチキンビリヤニが無いからどうしようって思っていた矢先、

世界中情報を片っ端からかき集めてくれるインターネッツには

そのお店が近くの商店街に新しく移転しましたー!って情報をいち早くゲットして、

頃合いをみてタイミングのいいときにお店に行こう!って思っていて先週行ってきたのね!

うん!うん!

この味!

ラッキーランチチキンビリヤニの味だわ!

なんか心なしかかなり値上がりしていて、

うーん、

これじゃ通う足が遠のいちゃうわよねって半ば気持ちは落ち込んでいたけれど、

それならせめて2週間に1回はその大好きなラッキーランチチキンビリヤニを食べたら言いじゃない!って自分に言い聞かせたの。

それのラッキーランチチキンビリヤニを食べたのが先週でしょ?

そんで回す1日1ガチャ150ジュエルで回せるやつのガチャ

バーレリオ当たったとなると、

そのラッキーランチチキンビリヤニ験担ぎマジ効いてるマジックわ!って信憑性マックスに上がること間違いなしじゃない!

ラッキーランチチキンビリヤニ様々だわ!って。

ちょっとランチ代としては高くなっちゃった値上がりのランチチキンビリヤニだけど、

バーレリオとかが当たる御利益を目の当たりにしてしまったら、

やっぱり足繁く繁まくりまくりすてぃーで通わなくちゃ!って。

でも欲を出してガチャ回す験担ぎだってバレるとまた当たらなくなるから

普通に美味しいランチチキンビリヤニを食べに来ましたー!って体裁を保つ面持ちでお店に挑む方がいいかも知れないわ。

にしてもよ!

0.1パーセントのが当たる?

このカルマなに?って本当に思っちゃうわ。

バーレリオってNIKKEの物語上ではめちゃ強くて重要なニケなんだけど、

あんまり当時私よく分かってなくって、

ガチャすら興味そんなに無かったんだけど、

バーレリオめちゃ強いじゃない!

まだ強化こそそこそこ半分も強化してないのに、

強化マックスしているラピ:レッドフードに匹敵する火力!

なにこれ!強すぎるんですけど!

最近スナイパーライフルのニケはそのスナイパーライフル操作性や火力から使いにくく弱いと思っていたけれど、

スノーホワイト:ヘビーアームズしかり、

最近スナイパーライフルは強いの!

スノーホワイト:ヘビーアームズはメインの重火器の他にミサイル連射しまくれるし、

メインの主砲の狙いを定める照準より大きく四角いゲージが出てるのね、

そのあまりの主砲の火力が強すぎて、

その四角いゲージの中にいたラプチャーまでダメージを面で与えられるという、

文字通り直撃せずとも撃ち放てば周辺が火力で敵のラプチャーが溶けるって強さなの。

そんで、

バーレリオよ。

チャージして撃つでしょ?

当たったら追加攻撃がされてメイン火力の3割の攻撃力で5回攻撃できちゃうから

1発当たったらどえらいダメージを与えることができるのよ。

スノーホワイト:ヘビーアームズの面で範囲攻撃できるのと違って、

それこそリバーレリオは点での攻撃だけど火力強すぎるわ!

うーん、

バーレリオのコスチュームガチャ回したくなるお礼としてこれは礼儀かな?って一瞬思っちゃうほど!

そんで、

そうイベントストーリーの3.5周年の目玉の

アニスアイドル物語が今ラストライブイベントストーリー真っ最中なんだけど、

これがまた長い!

基本的イベントストーリーストーリーIとストーリーIIとであって順を追ってストーリーIIは開放されるんだけど、

ストーリーIとかある全部で12章ぐらいあるんだけど、

その半分ぐらいはフルボイスでお話ストーリー流れるの!

そのストーリー一つ一つが長くって、

その長さがそうね1ストーリー1青春アドベンチャーってぐらいな尺とってるから

鬼のよう制作側の魂の長さなのよね。

長いわー!って

物語これ全部ストーリーIを一応読み終えたんだけど

もう何回青春アドベンチャーを聴けたぐらいかしら?ってほどよ。

ミニゲームリズムアクションも難しいというか本気出すならBluetoothヘッドホンとかはやめて有線で繋いでね!って正式にいってるから

なんかリズムが遅れる私のアクションはそのせいだったのね!って。

これはなかなかミニゲームリズムアクションも手強いわ!って、

だけどそこの報酬もそこそこ手厚いので高級部隊募集チケットも全部ゲットしたいところなんだけど、

リズムアクションって私あんまり苦手なので、

でも頑張ってくわ!

相も変わらずのボリュームの大きさに遊び尽くせないわ。

お蔭で

スプラトゥーン3は1日1勝のノルマ私自身に掲げている目標全然達成できてないし

デス・ストランディングプラグマタもぜんぜん遊べてないのよね!

もーNIKKEのボリュームデカさに改めて驚愕するわ。

なんか今までの周年イベントってこんなにボリュームあった?って記憶なんだけど。

とりあえず、

毎回ゴールデンウイークの楽しい楽しいこのゲーム絶対クリアするぞ!って

ゴールデン間中に無計画にも程がある、

あの大ボリュームゲーム達を平気で2つや3つはクリアちゃうんだもんね!って勢いだけの計画は立てていたけれど、

今この状況のNIKKEの3.5周年イベントの前に、

他のゲームが一切できて遊べていない由々しき事態でもあり嬉しい悲鳴でもあり、

スーパーマリオ映画も観に行かなくっちゃ!って、

世の中にこんなにたくさん面白コンテンツが溢れていたっていう急に溢れさせないで!って

1年を通して均等に平均的にならしてコンテンツ提供して欲しいと思う反面、

この時間があるゴールデンウイークに差し迫る前に

ゲームクリア計画はNIKKEこそは3.5周年イベントは完走できるようにしなくっちゃ!ってのが最低の目標なのよ。

急に目白押し過ぎて、

可愛い小鳥メジロちゃんがぎゅー!ってなっちゃうわよ。

うふふ。


今日朝ご飯

枝豆昆布おにぎりにしてみました。

美味しそうで鮮やかな緑の枝豆につられたようよ。

あとプチプチ食感が嬉しい食物繊維たっぷりもち麦も美味しくて最高よ!

美味しく食べて滋養をつけるわ!

デトックスウォーター

水出しルイボスティーウォーラーね。

新しく大きなボトルで作ったたっぷり2リットル

水出しルイボスティーウォーラーはすぐにまた飲みきっちゃうかもだけど、

たくさん作っておけば便利よ。

もうホッツはしばらくなくても良いぐらいな朝の暖かさの気温よね。

水分補給はいつの季節時期だって

しっかりね!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2026-04-23

 後のちの月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。幼い訣わけとは思うが何分にも忘れることが出来ない。もはや十年余よも過去った昔のことであるから、細かい事実は多くは覚えて居ないけれど、心持だけは今なお昨日の如く、その時の事を考えてると、全く当時の心持に立ち返って、涙が留めどなく湧くのである。悲しくもあり楽しくもありというような状態で、忘れようと思うこともないではないが、寧むしろ繰返し繰返し考えては、夢幻的の興味を貪むさぼって居る事が多い。そんな訣から一寸ちょっと物に書いて置こうかという気になったのである

 僕の家というのは、松戸から二里ばかり下って、矢切やぎりの渡わたしを東へ渡り小高い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。矢切斎藤と云えば、この界隈かいわいでの旧家で、里見の崩れが二三人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖父から聞いて居る。屋敷西側に一丈五六尺も廻るような椎の樹が四五本重なり合って立っている。村一番の忌森で村じゅうから羨ましがられている。昔から何ほど暴風が吹いても、この椎森のために、僕の家ばかりは屋根を剥がれたことはただの一度もないとの話だ。家なども随分と古い、柱が残らず椎の木だ。それがまた煤やら垢やらで何の木か見分けがつかぬ位、奥の間の最も煙に遠いところでも、天井板がまるで油炭で塗った様に、板の木目も判らぬほど黒い。それでも建ちは割合に高くて、簡単な欄間もあり銅の釘隠しなども打ってある。その釘隠しが馬鹿に大きい雁であった。もちろん一寸見たのでは木か金かも知れないほど古びている。

僕の母なども先祖言い伝えからといって、この戦国時代遺物的古家を大変に自慢していた。その頃母は血の道で久しく煩っており、黒塗りのような奥の一間がいつも母の病褥となっていた。その次の十畳の間の南隅に、二畳の小座敷がある。僕がいない時は機織場で、僕がいる間は僕の読書室にしていた。手摺窓の障子を開けて頭を出すと、椎の枝が青空を遮って北を覆っている。

母が長らくぶらぶらしていたから、市川の親類で、僕には縁の従妹になっている民子という女の子が、仕事の手伝いや母の看護に来ていた。僕がいま忘れることができないというのは、その民子と僕との関係である。その関係といっても、僕は民子下劣関係をしたのではない。

僕は小学校卒業したばかりで十五歳、月を数えると十三歳何か月というころ、民子は十七だけれど、それも生まれが遅いから十五と少しにしかならない。

やせぎすであったけれども顔は丸い方で、透き通るほど白い皮膚に赤みを帯びた、まことに光沢のよい子であった。いつでもいきいきとして元気がよく、そのくせ気は弱くて憎気の少しもない子であった。

もちろん僕とは大の仲よしで、座敷を掃くといっては僕のところをのぞく、障子をはたくといっては僕の座敷へ入ってくる。私も本が読みたいの、手習いがしたいのという。たまにははたきの柄で僕の背中を突いたり、僕の耳をつまんだりして逃げてゆく。僕も民子の姿を見れば来い来いと言って、二人で遊ぶのが何よりおもしろかった。

からはいつでも叱られる。

「また民やは政のところへ入っているな。こら、さっさと掃除をやってしまえ。これからは政の読書邪魔などしてはいけません。民やは年上のくせに……」

などとしきりに小言を言うけれど、その実、母も民子を非常にかわいがっているのだから、いっこうに小言がきかない。民子は「私にも少し手習いをさせて……」などと、ときどきだだを言う。そういうときの母の小言も決まっている。

「お前は手習いより裁縫です。着物が満足に縫えなくては、女一人前として嫁に行かれません」

このころ僕に一点の邪念がなかったのはもちろんであるが、民子の方にも、いやな考えなどは少しもなかったに違いない。

しかし母がよく小言を言うにもかかわらず、民子はなお朝のご飯だ昼のご飯だと言っては僕を呼びに来る。呼びに来るたびに、急いで入って来て、本を見せろの筆を貸せのと言ってはしばらく遊んでいる。その間にも母の薬を持ってきた帰りや、母の用を足した帰りには、きっと僕のところへ入ってくる。僕も民子がのぞかない日は、何となく寂しく物足りなく思われた。今日は民さんは何をしているかなと思い出すと、ふらふらっと書室を出る。民子を見に行くというほどの心ではないが、ちょっと民子の姿が目に触れれば気が落ち着くのであった。何のことだ、やっぱり民子を見に来たんじゃないかと、自分自分をあざけるようなことがしばしばあったのである

村のある家に瞽女が泊まったから聴きに行かないか祭文が来たから聴きに行こうのと近所の女たちが誘っても、民子は何とか断りを言って決して家を出ない。隣村の祭で花火や飾り物があるからとのことで、例の向こうのお浜や隣のお仙などが大騒ぎして見に行くというのに、うちの者まで民さんも一緒に行って見てきたらと言っても、民子は母の病気言い訳にして行かない。僕もあまりそんな所へ出るのは嫌いであたから家にいる。民子はこそこそと僕のところへ入ってきて、小声で、「私はうちにいるのが一番面白いわ」と言ってにっこり笑う。僕も何となく民子をそんな所へやりたくなかった。

僕が三日おき四日おきに母の薬を取りに松戸へ行く。どうかすると帰りが遅くなる。民子は三度も四度も裏坂の上まで出て、渡しの方を見ていたそうで、いつでも家中の者に冷やかされる。民子はまじめになって、「お母さんが心配して、見ておいで見ておいでと言うからだ」と言い訳をする。家の者は皆ひそひそ笑っているとの話であった。

そういう次第だから、作女のお増などは、無性に民子を小面憎がって、何かというと、「民子さんは政夫さんのところへばかり行きたがる。暇さえあれば政夫さんにこびりついている」などとしきりに言いはやしたらしく、隣のお仙や向こうのお浜などまであれこれ噂をする。これを聞いてか、嫂が母に注意したらしく、ある日母は常になくむずかしい顔をして、二人を枕元へ呼びつけ、意味ありげな小言を言った。

「男も女も十五、六になれば、もはや子どもではない。お前たち二人があまり仲がよすぎると、人があれこれ言うそうじゃ。気をつけなくてはいけない。民子が年かさのくせによくない。これからはもう決して政のところへなど行くことはならぬ。

わが子を許すわけではないが、政はまだ子どもだ。民やは十七ではないか。つまらぬ噂をされると、お前の体に傷がつく。政夫だって気をつけろ……。来月から千葉中学へ行くんじゃないか

民子は年が多いし、かつは意味あって僕の所へゆくであろうと思われたと気がついたか、非常に恥じ入った様子に、顔を真赤にして俯向いている。常は母に少し位小言を言われても随分だだをいうのだけれど、この日はただ両手をついて俯向いたきり一言もいわない。何のやましい所のない僕は頗る不平で、「お母さん、そりゃ余り御無理です。人が何と云ったって、私等は何の訳もないのに、何か大変悪いことでもした様なお小言じゃありませんか。お母さんだっていつもそう云ってたじゃありませんか。民子とお前とは兄弟も同じだ、お母さんの眼からはお前も民子も少しも隔てはない、仲よくしろよといつでも云ったじゃありませんか」母の心配道理のあることだが、僕等もそんないやらしいことを云われようとは少しも思っていなかったから、僕の不平もいくらかの理はある。母は俄にやさしくなって、「お前達に何の訳もないことはお母さんも知ってるがね、人の口がうるさいから、ただこれから少し気をつけてと云うのです」色青ざめた母の顔にもいつしか僕等を真から可愛がる笑みがたたえている。やがて、「民やは、また薬を持ってきて、それからいかけの袷を今日中に仕上げてしまいなさい。政は立ったついでに花を切って仏壇へ供えてください。菊はまだ咲かないか、そんなら紫苑でも切ってくれよ」

人達は何の気なしであるのに、人がかれこれ言うのでかえって無邪気でいられない様にしてしまう。僕は母の小言も一日しか覚えていない。二三日たって民さんはなぜ近頃は来ないのか知らんと思った位であったけれど、民子の方では、それからというものは様子がからっと変ってしまった。民子はその後僕の所へは一切顔出ししないばかりでなく、座敷の内で行き会っても、人のいる前などでは容易に物も言わない。何となく極りわるそうに、まぶしい様な風で急いで通り過ぎてしまう。よんどころなく物を言うにも、今までの無遠慮に隔てのない風はなく、いやに丁寧に改まって口をきくのである。時には僕が余り俄に改まったのを可笑しがって笑えば、民子も遂には袖で笑いを隠して逃げてしまうという風で、とにかく一重の垣が二人の間に結ばれた様な気合になった。それでも或日の四時過ぎに、母の言いつけで僕が背戸の茄子畑に茄子をもいでいると、いつのまにか民子が笊を手に持って、僕の後にきていた。「政夫さん……」出し抜けに呼んで笑っている。「私もお母さんから言いつかって来たのよ。今日の縫物は肩が凝ったろう、少し休みながら茄子をもいできてくれ。明日麹漬をつけるからって、お母さんがそう言うから、私飛んできました」民子は非常に嬉しそうに元気一杯で、僕が、「それでは僕が先にきているのを民さんは知らないで来たの」と言うと民子は、「知らなくてさ」 にこにこしながら茄子を採り始める。茄子畑というは、椎森の下から一重の藪を通り抜けて、家より西北に当る裏の前栽畑。崖の上になっているので、利根川は勿論中川までもかすかに見え、武蔵一円が見渡される。秩父から足柄箱根の山々、富士の高嶺も見える。東京上野の森だというのもそれらしく見える。水のように澄みきった秋の空、日は一間半ばかりの辺に傾いて、僕等二人が立っている茄子畑を正面に照り返している。あたり一体に静としてまた如何にもはっきりとした景色、我等二人は真に画中の人である。「まあ何という好い景色でしょう」民子もしばらく手をやめて立った。僕はここで白状するが、この時の僕は確かに十日以前の僕ではなかった。二人は決してこの時無邪気な友達ではなかった。いつの間にそういう心持が起っていたか自分には少しも判らなかったが、やはり母に叱られた頃から、僕の胸の中にも小さな恋の卵が幾つか湧きそめていたに違いない。僕の精神状態がいつの間にか変化してきたは、隠すことの出来ない事実である。この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の萌芽ありし何よりの証拠である民子が体をくの字にかがめて、茄子をもぎつつあるその横顔を見て、今更のように民子の美しく可愛らしさに気がついた。これまでにも可愛らしいと思わぬことはなかったが、今日はしみじみとその美しさが身にしみた。しなやかに光沢のある鬢の毛につつまれた耳たぶ、豊かな頬の白く鮮かな、顎のくくしめの愛らしさ、頸のあたり如何にも清げなる、藤色の半襟や花染の襷や、それらがことごとく優美に眼にとまった。そうなると恐ろしいもので、物を言うにも思い切ったことは言えなくなる、恥ずかしくなる、極りが悪くなる、皆例の卵の作用から起ることであろう。ここ十日ほど仲垣の隔てが出来て、ろくろく話もせなかったから、これも今までならば無論そんなこと考えもせぬにきまっているが、今日はここで何か話さねばならぬ様な気がした。僕は初め無造作に民さんと呼んだけれど、後は無造作言葉が継がない。おかしく喉がつまって声が出ない民子茄子を一つ手に持ちながら体を起して、「政夫さん、なに……」「何でもないけど民さんは近頃へんだからさ。僕なんかすっかり嫌いになったようだもの民子はさすがに女性で、そういうことには僕などより遥に神経が鋭敏になっている。さも口惜しそうな顔して、つと僕の側へ寄ってきた。「政夫さんはあんまりだわ。私がいつ政夫さんに隔てをしました……」「何さ、この頃民さんは、すっかり変っちまって、僕なんかに用はないらしいからよ。それだって民さんに不足を言う訳ではないよ」民子はせきこんで、「そんな事いうはそりゃ政夫さんひどいわ、御無理だわ。この間は二人を並べておいて、お母さんにあんなに叱られたじゃありませんか。あなたは男ですから平気でお出でだけど、私は年は多いし女ですもの、ああ言われては実に面目がないじゃありませんか。それですから、私は一生懸命になってたしなんでいるんでさ。それを政夫さん隔てるの嫌になったろうのと言うんだもの、私はほんとにつまらない……」民子は泣き出しそうな顔つきで僕の顔をじっと見ている。僕もただ話の小口にそう言うたまでであるから民子に泣きそうになられては気の毒になって、「僕は腹を立って言ったではないのに、民さんは腹を立ったの……僕はただ民さんが俄に変って、逢っても口もきかず、遊びにも来ないから、いやに淋しく悲しくなっちまったのさ。それだからこれからも時々は遊びにお出でよ。お母さんに叱られたら僕が咎を背負うから……人が何と言ったってよいじゃないか」何というても子供だけに無茶なことをいう。無茶なことを言われて民子心配やら嬉しいやら、嬉しいやら心配やら、心配と嬉しいとが胸の中でごったになって争ったけれど、とうとう嬉しい方が勝を占めてしまった。なお三言四言話をするうちに、民子は鮮かな曇りのない元の元気になった。僕も勿論愉快が溢れる、宇宙間にただ二人きりいるような心持にお互いになったのである。やがて二人は茄子のもぎくらをする。大きな畑だけれど、十月の半過ぎでは茄子もちらほらしかなっていない。二人でようやく二升ばかりずつを採り得た。「まあ民さん、ご覧なさい、入日の立派なこと」民子はいしか笊を下へ置き、両手を鼻の先に合せて太陽を拝んでいる。西の方の空は一体に薄紫にぼかした様な色になった。ひた赤く赤いばかりで光線の出ない太陽が今その半分を山に埋めかけたところ、僕は民子一心入日を拝むしおらしい姿が永く眼に残っている。二人が余念なく話をしながら帰ってくると、背戸口の四つ目垣の外にお増がぼんやり立って、こっちを見ている。

民子は小声で、「お増がまた何とか言いますよ」「二人ともお母さんに言いつかって来たのだから、お増なんか何と言ったって構いやしないさ」一事件を経る度に二人が胸中に湧いた恋の卵は層を増してくる。

機に触れて交換する双方の意志は、直ちに互いの胸中にある例の卵に至大な養分給与する。今日日暮は確かにその機であった。ぞっと身震いをするほど著しい徴候を現したのであるしかし何というても二人の関係は卵時代で極めて取りとめがない。人に見られて見苦しい様なこともせず、顧みて自らやましい様なこともせぬ。従ってまだまだのんきなもので、人前を繕うという様な心持は極めて少なかった。僕と民子との関係も、この位でお終いになったならば、十年忘れられないというほどにはならなかっただろう。

親というものはどこの親も同じで、我が子をいつまでも子供のように思っている。僕の母などもその一人に漏れない。民子はその後ときおり僕の書室へやってくるけれど、よほど人目を計らって気兼ねをしながら来るような様子で、来ても少しも落ち着かない。先に僕に嫌味を言われたから仕方なく来るのかとも思われたが、それは間違っていた。僕ら二人の精神状態は、二三日では言い表せないほど著しい変化を遂げている。僕の変化は最も激しい。三日前には、お母さんが叱るなら自分責任を負うから遊びに来てくれとまで無茶を言った僕が、今日はとてもそんな気持ちではない。民子が少し長居をすると、もう気がとがめ心配でならなくなった。

「民さん、またお出いでよ。あまり長く居ると人がつまらぬことを言うから

民子気持ちは同じだけれど、僕にもう行けと言われると妙にすねだす。

あなたはこの前、何と言いました。人が何と言ってもよいから遊びに来いと言ったじゃありませんか。私はもう人に笑われてもかまいません」

困ったことになった。二人の関係が密接になるほど、人目を恐れるようになる。人目を恐れるようになっては、まるで罪を犯しているかのように心も落ち着かなくなる。母は口では、男も女も十五六になれば子供ではないと言うが、それは理屈の上のことで、気持ちではまだ二人を子供のように思っている。そのため、民子が僕の部屋に来て本を見たり話をしたりしていても、すぐ前を通りながらまったく気に留める様子もない。この間の小言も実は嫂が言うから出ただけで、本心からではない。母はそうだったが、兄や嫂やお増などは盛んに陰口を言って笑っていたらしく、村中でも「年上の娘を嫁にする気か」などともっぱら噂しているという。それらのことが次第に二人にも伝わり、僕の方から言い出して、しばらく距離を置くことにした。

僕はズボン下に足袋裸足麦藁帽という出で立ち、民子は手指を佩いて股引も佩いてゆけと母が云うと、手指ばかり佩いて股引佩くのにぐずぐずしている。民子は僕のところへきて、股引佩かないでもよい様にお母さんにそう云ってくれと云う。僕は民さんがそう云いなさいと云う。押問答をしている内に、母はききつけて笑いながら、

「民やは町場者だから、股引佩くのは極りが悪いかい。私はまたお前が柔かい手足へ、茨や薄で傷をつけるが可哀相だから、そう云ったんだが、いやだと云うならお前のすきにするがよいさ」

それで民子は、例の襷に前掛姿で麻裏草履という支度。二人が一斗笊一個宛を持ち、僕が別に番ニョ片籠と天秤とを肩にして出掛ける。民子が跡から菅笠を被って出ると、母が笑声で呼びかける。

「民や、お前が菅笠を被って歩くと、ちょうど木の子が歩くようで見っともない。編笠がよかろう。新らしいのが一つあった筈だ」

稲刈連は出てしまって別に笑うものもなかったけれど、民子はあわてて菅笠を脱いで、顔を赤くしたらしかった。今度は編笠を被らずに手に持って、それじゃお母さんいってまいります挨拶して走って出た。

のものらもかれこれいうと聞いてるので、二人揃うてゆくも人前恥かしく、急いで村を通抜けようとの考えから、僕は一足先になって出掛ける。村はずれの坂の降口の大きな銀杏の樹の根で民子のくるのを待った。ここから見おろすと少しの田圃がある。色よく黄ばんだ晩稲に露をおんで、シットリと打伏した光景は、気のせいか殊に清々しく、胸のすくような眺めである民子はいつの間にか来ていて、昨日の雨で洗い流した赤土の上に、二葉三葉銀杏の葉の落ちるのを拾っている。

「民さん、もうきたかい。この天気のよいことどうです。ほんとに心持のよい朝だねイ」

「ほんとに天気がよくて嬉しいわ。このまア銀杏の葉の綺麗なこと。さア出掛けましょう」

民子の美しい手で持ってると銀杏の葉も殊に綺麗に見える。二人は坂を降りてようやく窮屈な場所から広場へ出た気になった。今日は大いそぎで棉を採り片付け、さんざん面白いことをして遊ぼうなどと相談しながら歩く。道の真中は乾いているが、両側の田についている所は、露にしとしとに濡れて、いろいろの草が花を開いてる。タウコギは末枯れて、水蕎麦蓼など一番多く繁っている。都草も黄色く花が見える。野菊がよろよろと咲いている。民さんこれ野菊がと僕は吾知らず足を留めたけれど、民子は聞えないのかさっさと先へゆく。僕は一寸脇へ物を置いて、野菊の花を一握り採った。

民子は一町ほど先へ行ってから、気がついて振り返るや否や、あれッと叫んで駆け戻ってきた。

「民さんはそんなに戻ってきないったって僕が行くものを……」

「まア政夫さんは何をしていたの。私びッくりして……まア綺麗な野菊、政夫さん、私に半分おくれたら、私ほんとうに野菊が好き」

「僕はもとから野菊がだい好き。民さんも野菊が好き……」

「私なんでも野菊の生れ返りよ。野菊の花を見ると身振いの出るほど好もしいの。どうしてこんなかと、自分でも思う位」

「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」

民子は分けてやった半分の野菊を顔に押しあてて嬉しがった。二人は歩きだす。

「政夫さん……私野菊の様だってどうしてですか」

「さアどうしてということはないけど、民さんは何がなし野菊の様な風だからさ」

「それで政夫さんは野菊が好きだって……」

「僕大好きさ」

民子はこれからあなたが先になってと云いながら、自らは後になった。今の偶然に起った簡単な問答は、お互の胸に強く有意味に感じた。民子もそう思った事はその素振りで解る。ここまで話が迫ると、もうその先を言い出すことは出来ない。話は一寸途切れてしまった。

何と言っても幼い両人は、今罪の神に翻弄せられつつあるのであれど、野菊の様な人だと云った詞についで、その野菊を僕はだい好きだと云った時すら、僕は既に胸に動悸を起した位で、直ぐにそれ以上を言い出すほどに、まだまだずうずうしくはなっていない。民子も同じこと、物に突きあたった様な心持で強くお互に感じた時に声はつまってしまったのだ。二人はしばらく無言で歩く。

真に民子は野菊の様な児であった。民子は全くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢ほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。

しばらくは黙っていたけれど、いつまで話もしないでいるはなおおかしい様に思って、無理と話を考え出す。

「民さんはさっき何を考えてあんなに脇見もしないで歩いていたの」

わたし何も考えていやしません」

「民さんはそりゃ嘘だよ。何か考えごとでもしなくてあんな風をする訣はないさ。どんなことを考えていたのか知らないけれど、隠さなだってよいじゃないか

「政夫さん、済まない。私さっきほんとに考事していました。私つくづく考えて情なくなったの。わたしはどうして政夫さんよか年が多いんでしょう。私は十七だと言うんだもの、ほんとに情なくなるわ……」

「民さんは何のこと言うんだろう。先に生れたから年が多い、十七年育ったから十七になったのじゃないか。十七だから何で情ないのですか。僕だって、さ来年になれば十七歳さ。民さんはほんとに妙なことを云う人だ」

僕も今民子が言ったことの心を解せぬほど児供でもない。解ってはいるけど、わざと戯れの様に聞きなして、振りかえって見ると、民子は真に考え込んでいる様であったが、僕と顔合せて極りわるげににわかに側を向いた。

2026-04-18

【AISS】『遠き星の女王地球パン屋

青年アルトは、銀河の果てにある惑星ヴァルナ宮廷に仕えていた。

石造りの大広間、鎧の騎士たち、そして空中に浮かぶ魔導機関――中世未来技術が奇妙に混ざり合った世界。その玉座に座すのが、ヴァルナ女王である

「青き星――地球調査せよ」

女王は静かに言った。背後では、星図が光りながら回転している。

「はっ!このアルト、必ずや侵略の礎を築いてみせます!」

見習いだが、気合だけは一人前だった。

彼は“星渡りの門”と呼ばれる転移装置に乗り込み、地球へと降り立った。

降りた先は、日本商店街だった。

「ここが……地球……」

第一印象はやはり、

「揚げ物の匂いがすごい」

だった。

「何してんの?」

振り返ると、パンをくわえた少女がいた。

「我はヴァルナ女王に仕える侵略佐官見習い――」 「通報するよ?」

アルトはすぐに姿勢を正した。

すみません迷子です」

少女の名はミオ。パン屋の娘だった。

「で、どこから来たの?」 「遠い星からだ」 「はいはい、遠い星ね。で、お腹すいてる?」 「すいている」

ミオはパン差し出した。

「ほら、食べなよ」

アルトはかじる。

「……これは」 「パン」 「……うまい

その瞬間、彼の価値観が揺らいだ。

ヴァルナでは“栄養結晶”が主食だ。

味は「概念」だった。

数日後。

アルトパン屋に居ついていた。

侵略は?」 「慎重に進めている」

まったく進んでいない。

ミオは笑う。

「その女王ってさ、パン食べたことあるの?」 「ない。女王は完全栄養で生きている」 「じゃあダメじゃん」 「何がだ」 「侵略

アルトは悩んだ。

パンを知らぬ者に、地球価値がわかるのか……?)

そして決断した。

ヴァルナへの通信を開く。

「報告せよ」

女王の声が響く。

地球は……侵略に不向きです」 「理由は」 「パンうまい

側近たちがざわめく。

「……続けよ」 「地球人は非効率で、混沌としておりますしかし――妙に親切で、食文化が異様に発達しています」 「それが何だ」 「侵略すれば、パン屋が消えます

沈黙

長い沈黙

「……その“パン”とは何だ」

アルトは微笑んだ。

数日後。

商店街に、異様に気品のある女性が現れた。

銀の装束、星のように輝く瞳。

「ここが地球……」

ミオはじっと見て言った。

「誰?」 「ヴァルナ女王だ」 「パン食べる?」

女王は一瞬だけ考え、頷いた。

数分後。

女王は静かに言った。

「……侵略は中止とする」

アルトはほっと息をつく。

ミオは得意げに笑う。

「でしょ?」

女王カレーパンを見つめた。

「代わりに、この星と交易を行う」 「パンと引き換え?」 「そうだ。我々の星間航行技術提供しよう」

ミオは腕を組んだ。

「安いなあ。倍ね」 「……よかろう」

交渉成立だった。

アルトは思った。

銀河の均衡を変えたのは、剣でも魔法でもなく……)

パンだったのかもしれない)

そして彼は今日パンを食べる。

任務? たぶん順調だ。

2026-04-17

外国人イカツイな

なんば周辺歩いてたけどスキンヘッド白人横断歩道入ってきた左折車の後部をグーで叩いてた

微妙タイミング左折車も横断歩道入ってきたけどちょっと歩行者が待てば通過できるタイミング

器物損壊よな よーやるわ気合いの入り方が違う

anond:20260417141215

さっき少し時間をおいて3回目いったら、全品ほぼ半額になってた。

ちくしょう20%オフで買ったので高値掴みしてしまった。

悔しいのでデザート系をがっつり買ってきた。

4回目はパンとかの保存が効くものを半額で買ってきたい。

半額シールがないのに半額になる。それもほぼ全品。

これはハーフプライサーとして狩るしかない。

冷蔵庫に入れられるもの気合でいれて、入らないナマ物はとりあえず火を通して期限を延ばしつつ食べていきたい。

ゴールドウィーク明けぐらいまで買い出しに行かなくてもいい。

2026-04-16

アニメ映画必要性を感じないアクションシーンにげんなりする

 超かぐや姫

 パリに咲くエトワール

 どちらも最近沸騰中のアニメ映画である

 しかし、私は全くハマれなかった。

 双方に共通するのは気合の入ったアクションシーンだ。神作画だなんだ言われているけど、私は正直動き回るキャラクターたちをみて「この人たち何やってんの?」と思ってしまった。

 たしか映像はすごかったよ。でも、展開的に必要性を感じられなかったというか、アクションシーンを入れるために脚本を捻じ曲げて無理矢理ぶちこんでいるように感じた。


 超かぐや姫ではかぐやを月人から守るシーン。

 ライブのためとはいえ、なんで迎え撃つ相手に有利なツクヨミ世界にわざわざ潜りこむんだよ、とかね。

 かぐやとの別れという悲劇的なシーンのはずなのに、勝手に不利な世界に飛び込んでよく分からないゲームシステムで戦って負けて、なぜか現実世界消滅!涙のお別れ!ってされても全然のめり込めなかったよ。

 最初にKASSENが最初に出てきたシーンもそう。ルールがよくわからないので何がどう熱い展開なのか雰囲気で「そういうもんだ」と受け入れるしかない。なんかキラキラ動いてなんか盛り上がってる~ぐらいの感想を抱いて終わる。そしてそのシステム物語重要防衛戦に使っているから、なんでそれがかぐやを守るために使えているのか、どういう状況なら守れていることになるのかよくわからない。

 終盤にヤチヨ明かされた情報をもとにヤチヨの心情を想像すると思うところはあるけれど、重要な転換点になる別れのシーンがコレだったので素直に感動できなかった。問題解決宣言して過程カットだったし。

 あとハッピーエンドにするって宣言してその場の雰囲気に流されて真っ先に諦めんなよ、かぐや

 そんで責務果たしたらあっさり戻ってこれんのかよ(だからこそ月に戻るの受け止めたのかもしれないけどさ)。


 パリに咲くエトワールでは千鶴母親が迎えに来るシーン。

 状況が状況とはいえ薙刀振り回すかね。まあこっちは薙刀物語重要ファクターになっている分まだ理解できる。

 でも、その直後で千鶴母親はどういう心境でバレエ見に来て温かいまなざし送ってるんだよ。面の厚さが怖いよ。

 なんかいい感じに終わったけど終盤も終盤だったのでそれが引っかかってしまって、素直に楽しめなかった。

 (この作品に関しては主演3人の演技がよくなかったのもある。驚き方とか笑い方がわざとらしくて最後まで慣れなかった)


 

 ここまで行ってなんだけど、すべての映画アクションシーン自体不要とは思っていない。私も見ていて楽しいと思うし、記憶に残るし、わかりやす宣伝要素にもなる。でもこの2作は脚本の大筋はよかったのにアクションを入れるために歪んだような部分が見受けられて、そこがノイズになってうまく楽しめなかった。特にかぐや姫は明らかに尺が足りていない展開だったから余計に残念だったな。

 アクションシーンを槍玉にあげてしまったけど、この2作品に関してはどちらも脚本問題だね。

 

 

ヒーローインタビュー

(場内アナウンス

本日ヒーローは、見事な締めくくりを見せた肛門投手です!」

(観客ざわざわ)

――ナイスセーブでした!今の気持ちをお願いします!

「いや〜…今日もなんとか“漏れずに”抑えられてよかったです。ギリギリでしたけどね。」

――今日ピンチ、かなり厳しい場面でしたが?

「正直、だいぶプレッシャーはありましたね。途中ちょっと“怪しい球筋”もありましたけど、最後気合いで締めました。」

――通算125セーブですが、1勝15敗という成績については?

「先発で結果出せなかったのは反省してます。でも自分はやっぱりクローザー向きだなって。“最後の砦”として仕事できればいいかなと。」

――ファンの声援は届いていましたか

はい、『耐えろ!』とか『踏ん張れ!』とか、すごく力になりました(笑)

――今後の目標は?

防御率ゼロを目指して、これからも一試合試合“無失点で終わらせる”ピッチングを続けたいです。」

――ありがとうございました!

ありがとうございました!明日も…締めます!」

【有料級】アラフォーから健康生活は「足し算」ではなく「引き算」

アラフォーに入ってから、体の調子がなんとなく違うと感じる人は多いと思う。若い頃は多少無理をしても一晩寝れば回復したのに、今は疲れが抜けない。食事量は変わらないのに体重が増える。健康診断の数値もじわじわ悪化してくる。

ここで多くの人がやりがちなのが「健康の足し算」だ。サプリを増やす運動を増やす健康法を取り入れる。しか結論から言うと、アラフォー以降は「引き算」のほうが圧倒的に効く。

■まず削るべきは「習慣」

健康を崩す原因の多くは、何かが足りないことではなく「余計なものが多すぎる」ことにある。

・なんとなく続けている夜更かし

・惰性で食べている間食

ストレス発散のための過剰な飲酒

スマホのダラ見による睡眠の質低下

これらはすべて、じわじわと体力を削る。アラフォーの体は、これを「無視できないレベル」で受け止めるようになる。

重要なのは「全部やめる」ではなく、「1つだけ削る」ことだ。例えば、寝る前のスマホを30分減らす。それだけで睡眠の質が変わる。結果として、翌日の食欲や集中力まで変わる。

運動は「頑張らない」が正解

よくある失敗が「急にジムに通い始めて3週間で挫折する」パターン。これは意志問題ではなく、設計問題

アラフォーから運動は、

「やる気がなくてもできるか?」

基準になる。

おすすめは以下の2つだけ。

毎日10分のウォーキング

風呂上がりの軽いストレッチ

これを「物足りない」と感じるくらいがちょうどいい。続くことが最優先だからだ。3ヶ月続けば、それだけで明確に体が変わる。

食事は「制限」より「固定」

食事改善ありがちな糖質制限」や「カロリー管理」は、短期的には効果があるが長続きしない。

それよりも有効なのはパターン化」だ。

・朝食は固定(例:ヨーグルトバナナ

・昼は自由

・夜は軽めに固定(例:タンパク質野菜

こうすることで「考える負担」を減らせる。アラフォー以降は、意志力よりも「仕組み」で勝つべきだ。

メンタルは「回復力」がすべて

若い頃はメンタルが多少削れても勢いで乗り切れた。しかアラフォーになると「回復しない疲れ」が問題になる。

ここで重要なのは

ストレスを減らす」ではなく「回復手段を持つ」こと。

・一人で静かに過ごす時間

・軽い運動

・よく寝る

・誰かと他愛もない話をする

この中で「自分に合うもの」を1つ持っておくだけで、人生の安定感が大きく変わる。

結論健康は才能ではなく設計

アラフォーから健康は、「気合」や「根性」ではどうにもならない。むしろ、それに頼るほど失敗する。

・削る

・固定する

・続ける


この3つだけ意識すればいい。派手な健康法は必要ない。

そして一番大事なのは、「昨日より少しマシ」を積み重ねることだ。完璧を目指すと必ず崩れる。8割でいいから続ける。そのほうが結果的に、10年後の体に大きな差が出る。

アラフォーは衰えの始まりではなく、「メンテナンス次第で差がつく年代」だ。ここで生活を整えた人だけが、50代・60代を快適に過ごせる。

かに、でも確実に差がつく。そういうフェーズに入っただけの話だ。

海賊版についてなぜ日本海外永遠に噛み合わないのか

海賊版論争を見るたびに思うのだが、この話で人々が最初にやる間違いはだいたい同じだ。

それは、これを善人と悪人の戦いだと思い込むことである

日本側は「海賊版窃盗だ。作者に敬意がない」と言う。 海外側は「正規で読めないんだから仕方ない。供給しない側が悪い」と言う。

そして両者とも、自分けが現実を見ているつもりでいる。 もちろん、いつものことだ。インターネット論争というのは、だいたい自分の見ている半分の真実宇宙の全真理だと思い込んだ人たちが、残り半分を見ている人間野蛮人扱いすることで成立している。

だがこの件で本当に面白いのは、双方とも半分ずつ正しいということだ。 そして、半分ずつ正しい議論というのは、完全に間違った議論より始末が悪い。なにしろ本人たちは「自分は正しい経験」を実際に持っているので、相手が何を見てそう言っているのかを理解しようとしない。

その結果、海賊版論争はいつも道徳劇にされる。 盗人だの、既得権益だの、敬意がないだの、時代遅れだの。 気持ちはわかる。人は道徳劇が好きだ。構造の話より、悪人の話のほうがずっと気分がいいかである

しかし残念ながら、この問題の核心はモラルではない。 価格であり、供給であり、制度であり、インセンティブである

道徳は「海賊版はいけない」と言うことはできる。 だが「なぜ、いけないことがこれだけ大規模に起きるのか」は説明できない。 それを全部「モラルの低下」で説明するのは簡単だが、簡単であることと有能であることは違う。風邪を全部「気合いの不足」で説明する人間医者ではないのと同じだ。

海賊版が広がるのは、人々が特別邪悪からではない。 正規版より安く、速く、便利だからである。 まずこの当たり前の事実から出発しないと、議論最初の五分で終わる。

1.よくある説明は、だいたい半分だけ正しい

この手の論争には定番説明がいくつかある。

まず、「海外海賊版に寛容で、日本けが厳しすぎる」というやつ。 これが魅力的に見える理由はわかる。実際、日本では海賊版に対する嫌悪感がかなり強く、クリエイターの怒りも前面に出やすい。他方で海外では、違法視聴違法閲覧がかなりカジュアルに語られることがある。だから日本けが異常に神経質なんじゃないか」という印象が生まれる。

でも、ここで「海外自由進歩的日本は閉鎖的で遅れている」という、いかにもSNS向きの雑な物語に飛びつくとだいたい失敗する。 違うのは、著作権保護の有無というより、どこに責任を集中させるかという制度設計の差だ。日本権利者の感覚が強く前に出やすいし、英米圏はプラットフォーム責任フェアユース議論が混ざる。見え方が違うだけで、どこも別に著作権仙人のような寛容さで見守っているわけではない。

次に、日本側に多い「海賊版モラルの欠如だ」という説明。 これももちろん一理ある。違法コピーなのだから、悪いに決まっている。 だが、何百万人規模で繰り返し起きる行動を、ひたすら人々の人間性の腐敗で説明しようとするのは、説明というより願望である自分悪人を見抜いたつもりになれて気分はいいが、なぜその行動が再現されるのかは何一つ説明していない。

逆に海外側には、「正規供給が遅いのだから海賊版が広がるのは当然」という説明がある。 これもかなり正しい。とりわけ連載マンガや毎週更新アニメのようなコンテンツでは、内容そのものだけではなく、みんなと同時に消費すること自体価値になる。ネタバレは飛んでくるし、議論にも乗り遅れるし、数か月後に合法的に読めますと言われても、その頃には祭りは終わっている。

ただし、これも全てではない。 供給改善されても海賊版が消えないなら、問題タイムラグだけではない。そこには「ゼロ円」で「検索一発」で「広告で維持される違法供給」と、「固定費を回収しなければならない合法供給」の競争条件の差がある。

まり、よくある説明は全部、一理ある。 だが一理あることと、それで全体が説明できることは別だ。 SNSではこの区別がしばしば消える。なぜなら、一理ある話のほうが、複雑だがより正確な話より、ずっと気持ちよく怒れるからである

2.海賊版問題は、まずデジタル財の問題である

マンガアニメのようなデジタルコンテンツのやっかいなところは、作るのには金がかかるのに、複製するのにはほとんど金がかからないことだ。

1話作るのは大変だ。 1冊作るのも大変だ。 人件費がかかる。編集がいる。作画がいる。翻訳必要だ。監修もいる。配信網もいる。固定費は重い。

しかし、いったんできたものを、もう1人に読ませるコストはほぼゼロだ。 すると何が起きるか。 当然、固定費を払っていない側が圧倒的に有利になる。

正規事業者は、その固定費を回収しなければならない。だからゼロ円にはできない。 だが海賊版サイトは、その固定費負担していない。他人投資で生まれものコピーしているだけなので、極論すればほぼタダで配れる。 この時点で、「正規版が正しいのだからつべきだ」という願望は、経済学的にはかなり厳しい。正しさはコスト構造を変えないからだ。

そして国際市場では、さらに話がややこしくなる。

日本で700円が普通でも、別の国では高い。 英語圏では払えても、別の言語圏では厳しい。 なら国ごとに価格を変えればいいじゃないか、という話になるが、デジタル財は国境と相性が悪い。安い地域価格が高い地域に流れ込むのを完全には防ぎにくい。VPN時代に、地域価格理論上は正しくても、実務上は簡単に穴があく。

しか翻訳にはコストがかかる。 ライセンス交渉にも時間がかかる。 市場規模が小さい言語圏では、そもそも商売として成立しないこともある。

その結果として起きるのは、非常に単純なことだ。 ある国では合法的に安く速く読める。 別の国では高いか、遅いかそもそも存在しない。 その空白を埋めるのが海賊版である

ここで「海賊版利用者泥棒だ」とだけ叫んでも、たぶん何も起きない。 なぜなら、その人はたいてい、検索一発で読めるゼロ円の選択肢と、見つけるのも面倒で高くて遅い正規版を比べて行動しているからだ。 不快だろうが、それが現実だ。

3.日本海外で噛み合わないのは、法だけではなく感覚が違うから

この問題さらにややこしくしているのは、単に値段や供給速度の違いだけではない。 著作権のものに対する感覚が、かなり違う。

日本では、作品比較的強く「作者のもの」だと感じられている。 これは単に収益権の話ではない。人格の延長として受け止められやすい。だから無断転載や無断翻訳に対して、単なる売上の損失以上の怒りが生まれる。

海外、とくに英米圏には、もちろん著作権保護はあるが、それと並行して「公表された作品議論や変形的利用の素材にもなる」という感覚日本より強い。フェアユース的な発想がその象徴だ。

ここでよくあるのが、「海外自由で、日本は古い」という雑な整理であるインターネットはこういう二元論が大好きだ。たぶん脳のカロリー消費を抑えられるからだろう。 だが現実はもう少し不快に複雑だ。

日本には日本なりの整合性がある。 作品同一性や作者の意思を重く見るのは、単なる後進性ではなく、一つの権利思想である英米には英米なりの整合性がある。 作品公共的な議論に開かれるべきだというのも、一つの思想である

問題は、両方が自分の前提を「普通」と思っていることだ。 そして普通同士がぶつかるとき、人は驚くほど簡単相手野蛮人だと思う。

このズレがもっと露骨に出るのが二次創作だと思う。

日本では、多くの二次創作は法的にはかなり危ういのに、実務上はかなり広く黙認されてきた。 これは綺麗な制度ではない。かなりいびつだ。 だが、そのいびつさの上でコミュニティが回ってきたのも事実である。 つまり日本では、明文化された一般ルールより、「権利者が最後統制権を持ったまま、周辺をお目こぼしする」という形で秩序ができている。

英米的な感覚からすると、これはかなり不透明に見えるだろう。 ルールがあるのかないのか、はっきりしろと思うはずだ。 そして「二次創作はよくて海賊版はなぜダメなんだ」という問いも出てくる。

だが日本側の感覚では、そこは全然同じではない。 前者は、少なくとも創造的な付け足しやコミュニティ内部の礼儀の中にある。 後者は、単なる無断コピー流通だ。 この差は、日本側には大きく見えるし、海外側にはしばしば曖昧に見える。

まり、ここでも両者は同じ単語を使いながら、別のゲームをしている。

4.古い建物の保存観に少し似ている

ここで話を少しずらす。

日本では、古い建物を壊して新しく建てることへの心理的抵抗比較的低い。 街は更新される。建物は入れ替わる。古いものをそのまま残すことより、機能的に更新することのほうに価値が置かれやすい。

一方、欧米では歴史的建造物物理的な形態のものに重い価値が置かれることが多い。 もちろん全部ではないが、「オリジナルを残すこと」自体道徳的含意を持つ。

これはそのまま著作権の話ではない。 建物マンガを同じにするのは乱暴だ。 だが、文化的な資産を誰のものとして、どう扱うかという深層の感覚には少し通底するものがある。

日本では、作品最後まで作者や権利者の意思に強く帰属するという感覚がある。 絶版にしたいなら絶版にする。再公開しないならしない。 乱暴に言えば「それは持ち主の権利だ」という発想だ。

他方で海外には、「公表された文化公共財的な性格をある程度帯びる」という感覚日本より強く存在する。 だから絶版作品アクセス可能にするのは文化保存だ」という理屈が出てくる。

この理屈は、気持ちはわかる。 実際、消えた作品や読めない作品があること自体を損失だと感じるのは自然だ。 だが、その理屈がそのまま海賊版免罪符になるかというと、そこはかなり怪しい。 文化保存は美しい言葉だが、翻訳配信アーカイブもタダではない。そして、そのコストを誰が負担するのかという最も不愉快問題になると、急にみんなロマン主義者になる。

まりここでも、対立善悪ではなく優先順位の違いだ。 統制を優先するのか。 アクセスを優先するのか。 作者の意思を重く見るのか。 文化の開放性を重く見るのか。

どちらかが完全に正しい、という話にしたがる人は多い。 たぶんそのほうが気持ちがいいからだ。 しかし残念ながら、社会はだいたい、気持ちさより面倒くささの上にできている。

5.結局これは、市場がまだ世界に追いついていない話だ

ここまでの話をものすごく乱暴にまとめると、こうなる。

海賊版蔓延は、モラル崩壊ではない。 デジタル財のコスト構造、国際市場の分断、価格差別の難しさ、翻訳ライセンスの遅さが合成された結果である

まりこれは、市場の失敗の話だ。

ここで「市場の失敗」と言うと、すぐ誰かの悪意の話だと思う人がいる。 いつものことだ。 だが市場の失敗というのは、必ずしも誰かが怠慢だったという意味ではない。 むしろ、全員がそれなりに合理的に動いた結果としても起こる。

日本権利者は、国内収益を守りつつ海外展開のリスク管理しようとする。 当たり前だ。 海外ユーザーは、手に入らない、遅い、高い、読めないという状況で、もっとも低コスト選択肢流れる。 これも当たり前だ。 海賊版サイトは、トラフィックが集まり広告収入が入るなら供給を続ける。 それも当たり前だ。

まり、全員がだいたい自分立場合理的に振る舞った結果、全体としてはひどい均衡ができる。 これが市場の失敗でなくて何なのか。

日本側が見落としがちなのは、「海賊版は悪い」と百万回言っても、便利さと価格で負けている限り、人の行動は変わらないということだ。 海外側が見落としがちなのは、「供給が不十分だから仕方ない」というのは説明にはなっても、正当化にはならないということだ。 権利者の投資回収が完全に崩れれば、長期的には供給のもの痩せる。当たり前の話である魔法のように作品が生えてくると思っているなら、それは経済学ではなく信仰だ。

ではどうするのか。 答えはあまりロマンチックではない。

もっと安くする。 もっと速くする。 もっと見つけやすくする。 もっと地域ごとの現実に合わせる。 そして違法供給資金源を断つ。

要するに、説教より設計である断罪より供給である。 徳の話より、インセンティブの話である

たぶんこれしかない。 なぜなら、人間インターネットで急に聖人にはならないからだ。

6.最後

インターネット国境を消した、とよく言われる。 実際には、消したのは国境のものではなく、国境が見えなくなるまでの時間だけだった。

法制度の差は残った。 所得の差は残った。 言語の差は残った。 権利処理の遅さも残った。 その上に、誰でも一瞬でコピーできる技術けが乗った。

だったら海賊版が広がるのは、むしろ当然である不道徳から広がったのではない。 広がるように世界ができていたから広がったのだ。

そして海賊版論争がいつまでたっても噛み合わないのも、同じ理由である。 人々は、自分道徳感情の話をしているつもりでいる。 だが実際には、価格表が未完成世界で起きている摩擦を、善悪物語翻訳しているだけなのだ

こういうと冷たいと言われるかもしれない。 しかし冷たいのは現実のほうである現実はしばしば、魂の堕落より、流通設計の不備で説明できてしまう。

人は悲劇道徳劇にしたがる。 だが今回の話はたぶん違う。 これは堕落物語ではない。 文明の衝突ですら、半分しか正しくない。

もっと地味で、もっと厄介で、そしてたぶんもっと本質的な話だ。

これは、世界市場がまだ作品にふさわしい値札を貼れていない、というだけの話なのである

2026-04-15

秩父みたいに気合が無いと出れない自然のオリって他にある?

このクソAI、真っ先に俺の実家出してきやがった。やめろ、それは俺に効く。

2026-04-13

ダイヤモンドダスト見に行くって氷点下10度とかだろうし相当の気合いを要するよな

2026-04-12

anond:20260412093933

知らんけど良い医者に頼るしかないのでは

俺の理解では鬱は脳の機能一部が物理的に壊れた状態のはずだから

気合いで乗り越えるのは無理で

とはいえ脳に絆創膏は貼れないか

自然に治るのを待つしか無さそうだけど

治るまで耐えるのは無理だから症状を緩和する薬を貰うんじゃないの?

2026-04-10

anond:20260410181046

ブクマ100以上なら年に2、3回はあるかな

たいしたこと書いてないんだけど

というか、気合い入れて書いたものより

なんでもないようなののほうがブクマ付くわ

2026-04-09

anond:20260409112109

「高級ディナーでデート」って、具体的にどういうのを言うんだろ?

実際にそこそこ高い食事に親しんでるほうだとはおもうけど、自分対外的にはあんまり使わない語彙だなと思った

店名出せないのはまあわかる、ディナーというからには西洋料理なのであろうというのもわかるが、しかし高級・・・

たとえば、予約困難店のフレンチコースデートするとして、自分なら「ちょい気合入った店で食事会」ぐらいの表現になりそう

2026-04-07

物は溢れているのに何かが枯渇している増田棲丸イテ室か古賀蟹何乗るいてレフあはのも(回文

おはようございます

あのさ、

AIで生成させたもの自分で消費して、

その生成ソース自分ネタをモトにして生成させてると、

まりにも自分の中でグルグル何かが回っているだけな感じがして、

一瞬面白いんだけれど、

そうなるってーとなにも外からネタが入ってこなくなるので自分の中のそういうネタが枯渇してきそうな気がするの。

いや生成反対運動を起こしているわけじゃないんだけど、

外部からの刺激がないと熟成されないというか。

生成AIの乾いたコンテンツ乾燥しているような気がして、

私にももっとモイスチャーなことをやんなくちゃ!って思うのよね。

例えば、

ラジオテレビや本や書籍やだと私以外の誰かが何かを発している私には無いものを得られるじゃない。

自分の中のソースで回している生成AIだと所詮自分ネタを超えることはないというか。

ちょっと言葉意味は何言ってるかよく分からないと思うけれど、

かに自信があるのよ。

から

自分の目や耳で新しいものいかに大量に見聞きするかってのが今後の生成AIの海を渡りきる大きなヒントかもしれないわ。

自分の中でよくまとまって言えないけれど、

ここ最近ずーっと生成させてみて、

ふとそう思う瞬間があるような気がして。

秒速5センチメートルってよく耳にするけれど、

これっていったい何が5センチメートルなの?って

それって桜の花びらが落ちる速度みたいなことらしいの。

知ってた?

私はあんなに世間でその作品タイトルタイトルだけを聞いて知っていたつもりになっていたけれど、

そう言うことだったのね?って、

若干の「でそれがなにか?」って雰囲気を漂わせつつのイキフンの顔をしつつ、

よっぽどその秒速5センチメートルのことって何だろう?って検索しなければ発見出来ないあんまり関心の無いことも、

ふと通り過ぎた人たちの会話から耳にする私が思ってもいないソースが入手できたような気がするのね。

まりに生成になれすぎていくと先細り枯渇してしまいそうな。

そんな危機感危機一髪に感じるの。

とはいえ

意識高く言ってる風を私がこうやって装っても、

いきなり流行SF小説を読んで映画を観に行っちゃいたい気持ちになるぐらい、

そのSF小説って流行ってるのね!って私も読まなくちゃ!とは一瞬思うけれど、

それはそれで、

外部のものを取り入れるエネルギーも日々行ってきますからただいままで仕事をこなして帰ってきて残りの体力で、

それこそハイボールを作るための炭酸ボトルキャップを開ける体力しか残っていない毎日だと、

よっぽどよっこいしょ!ってえいや!って気合いを入れないと、

夜帰ってきても、

そっからひと踏ん張りなにか!なにか!って腰が重いのよね。

難しいことを言ってる風だけど、

散らかってきた部屋の片付けが面倒くさいからこれなんとかしなくちゃねーってこねくり回して考えているところなの。

結局のところはちゃんとお片付けしなさい!ってだけの話しで、

捨てないと新しいものが入ってこない説を

なんで社会人は働き出すと本が読めなくなるのかに強引に照らし合わせているかのような言い訳を私は披露するの。

一気に読んでない本とか断捨離しようかな?

ときめくかときめかないか判定をしつつ、

ときめくためには本のページを開いてみなくちゃいけないその1冊で、

それを読み込んじゃってしまって、

もうちょっとときめくんだから!ってときめくところまで漫画を読み進めちゃって、

結局ときめくどころか、

面白なっちゃう感じがして、

またサボってしま自分の怠慢さが常時蔓延っているのよね。

ノートパソコンを引っ張り出したいけれどなんか本の下に一番下に置いてあるし、

それをジェンガで崩さないように慎重に、

さっと引き抜いてノートパソコンを奪還するのはいものの、

はて?これのノートパソコンのアダプターどこ?ってまたそこであるあるを一つ披露しつつ

さっきまでときめくかときめかないかに夢中だったのに、

もうアダプターも探すことすら諦めてしまって一向に片付かないのよね。

捨てないと新しいものが入ってきそうにないし、

やっぱりここは自分ときめきに賭けないで、

一気に叩き込んでお片付けしたいところだわ。

よーし連休やっぞ!ってまた無意味計画を立てる意識だけ高くて、

その意識が高いまま結局なにもしないような連休が迫ってくるゴールデンウィークはまたゲームクリアできなかったわ!って泣きながらコントローラーを握りしめる姿が今から想像出来るこれ何年私の中で繰り広げられているの?って思うわ。

まあ四の五の言ってないで

ちゃんとしなさいって自分ペンペンセルフお尻鞭打ち方式で律しないとなぁって。

一気にいっぺんにやろうとすると、

この目前に見えるデカい壁に驚愕してしまうので、

ちょっとずつ足もとからやってく作戦

毎日5分でもコツコツやっていけば、

やがて片付くわ!って。

そう思うようにして、

ちょっといい加減真面目に暮らそうと思ったし、

今日自分の山積した問題に向き合ってみた風を装ってみたわ。

あーあ片付け苦手なのよね。

うふふで誤魔化すわ。


今日朝ご飯

納豆巻きゲットしたかったけどなかったので

枝豆もち麦おにぎりしました。

プチプチ食感が美味しくて、

リーズナブルおにぎりなので

この枝豆おにぎりも美味しいのよね。

もぐもぐ食べた頑張るわ!

デトックスウォーター

レモン炭酸水ウォーラーに。

注文していたのが1ケース届いたので

より加速してごくごく飲めるってものよ!

さすがに暖かくなってきて朝が快適になってきたわよね。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2026-04-06

anond:20260406171536

漫画はどこでも隙間時間さらっと読めるし視覚しか使わない

アニメは30分ほどのまとまった時間要求されるし

耳も占有されるから気合がいるよね

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