しばらく前のことになりますが、ルミネ荻窪に入っている八重洲ブックセンターが、今年3月にリニューアルオープンとなりました。

お店の告知はこちら。「3月5日(月)ルミネ荻窪店リニューアルオープン」(3/8 八重洲ブックセンター)。

リニューアルのことは知っていましたが、なかなか訪問する機会をつくれずにいました。先日、やっと訪ねることができましたので、簡単に様子を紹介したいと思います。
このルミネ荻窪の八重洲ブックセンター、改装前は「Quiet Village」というショップ内ブランドのような名称がついていましたが(ルミネ荻窪店、イトーヨーカドー武蔵境店の2店で使われていたもの)、それがとれて、店名としては「八重洲ブックセンタールミネ荻窪店」が正式名称のようです。武蔵境のイトーヨーカドー内のお店でも使われている腰高くらいのボックス型什器はなくなって、通常の書棚になっていました。
「Quiet Village」については、八重洲ブックセンターの公式サイトにも一切記載がありませんので、詳細はわかりませんが、ルミネ荻窪店、イトーヨーカドー武蔵境店の2店が改装によって「Quiet Village」と名づけられた後のお店の様子を実際に目にした印象では、ボックス型で可動式と思われる特徴的な什器を使った店舗レイアウトや、落ち着いた色味の照明など、従来のお店とははっきりと違った店舗デザインが志向されたものに見えるのです。
同店のリニューアルをにふれた「新文化」の記事には、今回リニューアルについて、《入居する商業施設、ルミネが30代女性をメインターゲットに改装》するため、《同店もその方向性をより鮮明して品揃えを変える》とあります。《30代女性をメインターゲット》にした改装がどのようなものかはいろいろな解釈があるかと思いますが、内装や落ち着いた照明の感じなど、以前の「Quiet Village」時代の店舗デザインのほうが、館(ルミネ)の方針に近かったのでは、という気がしなくもありません。「Quiet Village」になったときは、なんだか以前とはずいぶん雰囲気が変わったなあ、と思わされたものですが、今回は、どちらかというと、新しいコンセプトを打ち出したというよりは、従来の書店に戻った、という感じに見えました。
「新文化」の記事には、約100坪の店舗面積はそのままとありますが、お店の様子を見たところ、以前、児童書があった辺りの奥が別のショップ(3coins)のスペースになっていて、通路側から見たときの奥行きがなくなったように見えるのは、こちらの記憶違いでしょうか。ルミネのフロアマップはこちら。レジの位置も移動しています。

改装前は人文・理工などかための本も、商業施設内の書店としては、それなりにそろえていたように見えましたが、今回の改装で、そうしたかための本はかなり少なくなった印象です。
フロアの通路に沿って、横長にお店が続いているのはこれまで通りで、文庫やコミックの新刊は、改装前よりも目に入りやすくなったと言えるかもしれません。
レジの斜め前、エスカレーター側から見ると、すぐに目に飛び込んでくるあたりに「私の本棚」というフェアコーナーができていました(上の写真にもうつっています)。公式サイトの改装告知に《ブックフェアやレコメンドで、お客様と「本との出会い」をお手伝い》とあるのは、これのことを言っているのでしょう。設定されたテーマに合ったおすすめの本を客から募るシステムで、写真下にあるような、おすすめ本を記入して投稿できる用紙が用意されていました。

照明や什器などが特徴的で、ぱっと見ただけで、一般の新刊書店となんだか違う感じを放っていた「Quiet Village」時代に比べると、よくも悪くもふつうの本屋さんになったように見える今回の改装。ただ、その分、使う人を選ばない、間口の広い、使い勝手のいい本屋さんになった(戻った)と言えるかもしれません。北口側には、Titleが、南口側文禄堂荻窪店がありますから、「Quiet Village」を名乗ることで、そうした個性派店舗とぶつかってしまうのを避けるという意味でも、正解なのかもしれません。
駅直結の商業ビル内にあるワンフロア型の、100坪規模のお店というのは、ふだん使いにはとても便利なお店です。近隣の本好きは生まれ変わった八重洲ブックセンタールミネ荻窪店を訪ねてみてはいかがでしょうか。