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空犬通信

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東京駅にできたブックエキスプレスの新店を見てきました

午後、書店回り。気になっていた新店2軒をのぞいてきましたよ。まずは、BOOK EXPRESS東京駅京葉ストリート店から。これは、東京駅に本日オープンしたエキナカ「京葉ストリート」内にできたBOOK EXPRESSの新店。先月閉店した東京南口店のリニューアルと考えていいでしょう。場所も、旧東京南口店の向かいあたりになります。


BEX京葉看板

↑京葉ストリート、オープンのお知らせポスター。


京葉ストリート案内京葉ストリート案内のBEX

↑京葉ストリートのガイド。中を開けて、ブックエキスプレスの部分を拡大したのが、右。


ただ、リニューアルと言っても、場所を移してちょっときれいになった、というレベルではなく、激変、まったくの新規店に生まれ変わったといっていい、変貌ぶりでした。


BEX京葉1BEX京葉2

↑人の流れが絶えないので、撮影が大変。左の写真で中央に見える、スリットの入ったデザインウォールの左右が入り口で、向こう側に雑誌の棚、手前はフェア棚。その左に見えるボックス状の棚はランキングが展示されていました。


BEX京葉3BEX京葉4

↑仕切りのウォールの右側をぱちり。人の流れの合間をぬって急いで撮ったら、1枚は見事にボケボケ……。でも、参考にということで載せておきます。


BEXフリペBEXフリペ裏

↑戻って、ウォールの左側、フェア棚の平台には、なんとこんなフリーペーパーが山積みになっていました。店名と同じ「book express」の「←出発進行号」とあります。ちょっと「LOVE書店」を思わせるような感じのデザインと造りです。中を開けると、「GREEN PAGE」(後述)の説明、コミック、短篇小説、エッセイ、ブックレビューなどが掲載されています。A4判8ページ、オールカラー。


BEXブックカバー

↑リニューアルに合わせてこんなフリペを作っちゃうだけでもすごいのに、ロゴ、それにブックカバー、しおりなどのグッズのデザインも一新されています。これはブックカバーとしおり。


色味の薄い感じで統一された上品な什器といい、照明の感じといい、スペースに余裕をもたせた造りといい、以前のブックエキスプレスとはまったく印象の違う、お洒落な店舗になっています。


そうしたイメージのきわめつけが、店内の奥、レジの脇あたりに設置された、「GREEN PAGE」の棚でしょう。丸い柱をぐるりと本が取り巻くように並べられた棚と、壁際にL字に並べられた棚の2つから成っています。棚と壁の間には、棚と色を合わせた座り読み用の、背のないベンチ(台)が置かれています。


2枚目の店内写真の奥に、少しその壁の棚が見えているのがおわかりいただけるでしょうか。通常の棚板で並行に区切った棚ではなく、松丸本舗チックな(ことばではうまく説明できないのですが)ボックス状に区切ったスペースを並べたような棚になっています(なんか、実際のイメージと違う説明になっていたらごめんなさい)。店内ではさすがに撮影できませんが、twitterに写真があがっていますので、こちらを見てみてください。



「GREEN PAGE」というネーミングから雰囲気が想像されるかと思いますが、《エコでグリーンな生活を実践するための、話題の単語から、いわれてみたら気になる、そういえばこんなのあったね、まで100のキーワードを選び、そのキーワードに対応する本が並》んでいるのだそうです(フリペより。以下の引用も)。たとえば、「女子鉄」「占星術」「おっぱい」「男と女」「香りと匂い」「水と水素」などのキーワードが並んでいました。いかにも、という感じのもあれば、書店の棚のコンセプトとしてはちょっと目新しい感じのものもありましたから、他にどんなのがあるかは、ぜひ店頭で確かめてみてください。


選書は《エコ系雑誌『ソトコト』『「旬」がまるごと『ecocolo』などが協力》しているそうで、このコーナーの監修は《セレクト・ブックショップ「UTRECHT(ユトレヒト)」が行って》いるのだそうです。なるほど、という感じですね。


それにしても、この棚だけ見ると、とてもブックエキスプレスの棚には見えないなあ。なにしろ、工作舎の本(それも、ローレン・アイズリーだ!)が並んでいたりします。工作舎本が混じっていたりするところなどまさにそうですが、ほかにも、選書といい、棚の物理的な感じといい、ちょっと松丸本舗に通じるものも感じさせますね。なもので、店内で、この奥の一角だけが雰囲気が違う感じになってはいます(帳合も他の棚と別なんだそうです)が、別に違和感はありません。あんまりおしゃれを売りにした、いかにもセレクトショップですという感じになってしまうと、ふつうの本屋さんが好きな書店好きとしては、ちょっと引いてしまったりもするんですが、ここはセレクトショップ的本、本好きが反応しそうな本、新刊文庫・コミック・雑誌などの一般の本のバランスが店内でうまくとれているのか、敷居が高い感じや、気取った感じは受けませんでした。「GREEN PAGE」の棚で、エコや食など、一般的にとっつきやすい本が目につくやすいよう、ディスプレイが工夫されているというのもあるかもしれません。



今日はオープン当日ですし、文庫などの通常の棚の商品は、まだまだ数が少なめだと聞きました。本来想定されていた量の本が並び、棚が動き始めたら、「GREEN PAGE」とそれ以外の棚、というふうに分かれてしまうことなく、1つのお店として、いい感じの品揃えになっていくのではないかなあと、そんな気がしました。


と、そんな感じで、ふんふん棚を眺めていたら、うれしいびっくりがありました。いきなり後ろから声をかけられたと思ったら、上野のHさんがいるではないですか。って、よく考えたら、前からヘルプに来ることは聞いてたから、驚くこともないんだけどね(苦笑)。書店店頭にいるべき人が、こうしてお店に立っているところに会えるのはうれしいものです。でも、Hさんのいる店に、あの独特のPOPが1つも立っていない、というのはなんだか妙な感じ。「GREEN PAGE」以外の棚もおもしろいよね、と本好き書店好きに言わせるような、そんな棚作りを期待したいですねえ。頼みますよ、Hさん。


すてきなお店に出会ったら、本を買わないとね。というわけで、本日のお買い上げ本はこちら。



キーワードのなかに、「日高敏隆」先生の名前が入っていたんですよ。ちょっとうれしいなあ。大好きな書き手の1人ですが、PR誌の連載が先生の死後にまとめられたこの本は、そのうちにと思って買っていなかったので、すんなり決定。


事前の告知《100のテーマによってグリーンなライフスタイルへの気付きを得られる編集型売り場「グリーンペ-ジ」を併設。/新刊・話題書だけではなく、ゆっくりと過ごして楽しみをプラスした書店となっております。/他のBOOK EXPRESSチェーンとは違ったロゴやしおりなど作製しております。/開業日当日皆様のご来店をお待ちしております。 》を見て、今までと違う雰囲気になるのであろうことは想像はしていましたが、たしかに、これまでのブックエキスプレスとはまったくイメージの異なる、新しいお店になっているように感じた、というのが今日お店を見た感想です。


先行して、春にできていたヒントインデックスブックエキュート東京店も、その意味では、他のお店にない特徴を持ったお店を志向されたものなんでしょうし、実際、ちょっとユニークなお店ではあると思うのですが、サイズも品数もちょっと中途半端(というか、本が少なすぎる)だし、クリエイターズボックスなる店内のスペースも、それが目当てで本好きが定期的に足を運びたくなるようなものにもなっていない気がして、個人的には、魅力を、少なくとも書店としての魅力は感じられずにいたのです。なので、今回の「東京駅京葉ストリート店」は、ブックエキスプレスが展開する、小さめの書店のあり方として、とても興味深いものに思えました。今日は滞在も短時間だったけど、見て回るのが楽しく感じられるお店でしたよ。同じエキナカの書店では、立川のPAPER WALLにちょっと通じるものがあると言っていいかもしれません。


東京も上野も品川も、駅構内の書店がなくなったり減ったりして、さびしいなあ、不便だなあ、とお感じになっていた利用者のみなさんは、ぜひ「東京駅京葉ストリート店」をのぞいてみてください。広くはないですし、在庫もそれほど多くはありませんから、なんでもかんでもそろっている、とはいきませんが、でも、逆に、まさか駅でこんな本に出会えるとは思わなかった、といった出会いがあるかもしれませんよ。


三省堂書店アトレ秋葉原1についても紹介したかったんですが、長くなったので、記事を分けます。いつも長くてすみません……。

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