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2026-01-17

[]2025年に読んだ本、後編

7月

読書(15冊+α)

円城塔コードブッダ 機械仏教縁起

円城塔「去年、本能寺で」

円城塔「長い豚の話」(日経新聞連載短編

エーリッヒ・フロム「愛するということ」★★★

フィリッパ・ペリー「身近な人間関係が変わる 大切な人に読んでほしい本」

小泉悠、山口亮「2030年戦争

鳥飼将雅「ロシア政治 プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔」

宇佐和通「AI時代都市伝説: 世界をザワつかせる最新ネットロア50」

深津貴之、岩元直久「ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本

廣田龍平「ネット怪談民俗学

大宮冬洋「人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代幸せのつかみ方」

佐藤賢一「王の綽名

飯田一史「「若者読書離れ」というウソ: 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか」

大田俊寛現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇」★

セス・スティーヴンズ=ダヴィウィッツ「誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間ヤバい本性」★★

秦正樹「陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム

漫画(4冊+α)

ハミタ「とっても短編漫画集」一巻~三巻

福島聡少年少女」一巻~四巻

一話完結漫画(2冊)

日向あお助「バニー好きだよね」(単話)。

恋紙屋「夜にバニーは(ベッドで)跳ねる」

美術

「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」於・松濤美術館

新江ノ島水族館

雑感

 やっぱりエーリッヒ・フロムはいい。たぶん自分特に気に入っている思想家だ。

 このあたりからスピリチュアリズム自己啓発の背景にある思想とその明暗テーマに本を選び始める(陰謀論まで行っちゃったのも含めて)。

 多分最後SF小説を読んだのはこのあたり。SFっぽい漫画は読むことがあっても小説は読んでいない。新人賞を追うのも去年あたりでやめている。

余談だが、自分が好きなSF科学技術それから人間未来を選ぶ力を信頼したものだった。もちろん、社会学的なものや悲観的なものも大好きだが、それらはどちらかと言えばaquired tasteである。一番深く心が動くのは前者だ。

 ところで、わざわざ買った同人誌メモしてもしょうがいかもしれないが、書かないにもなんだか居心地が悪い(記録魔)。

8月

読書(9冊)

奈津子新版賄賂〉のある暮らし 市場経済化後のカザフスタン」★

加地伸行儒教とは何か 増補版」

アナ・カタリーナ・シャフナー「自己啓発教科書 禁欲主義からアドラー引き寄せの法則まで」

ジェイムズ D.スタイン不可能、不確定、不完全―「できない」を証明する数学の力」★★

尾崎俊介アメリカ自己啓発本でできている ベストセラーからひもとく」★★★

井奥陽子近代美学入門」

坂井豊貴「多数決を疑う 社会的選択理論とは何か」

野尻抱影星座のはなし」

野尻抱影「続・星座のはなし」

漫画(9冊)

荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ」六巻

岩宗治生「ウスズミの果て」一巻~三巻

こるせ「伽藍の姫」一巻~二巻

岩宗治生「ウスズミの果て」 四巻

肋骨凹介「宙に参る」五巻

熊倉隆敏もっけ」一巻

アニメ

フードコートで、また明日。」全話

テレビ

NHKスペシャル 堺雅人が巡る古代エジプトピラミッド透視ツタンカーメンの謎」

NHKスペシャル 堺雅人が巡る古代エジプト!謎の王ブラックファラオ実像に迫る」

ゲーム

「ニーア・オートマタ End of Yorha edition」(XYエンド以外回収)

美術

彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」於・アーティゾン美術館。

コレクション展 第2期 特集:新収蔵作品のご紹介」@岩手県立美術館

小岩井農場まきば園

啄木新婚の家盛岡市内)

雑感

 八月は読んだ本が少ない。普段通勤時間に本を読んでおり、お盆休みがあったためだ。

代わりにというわけではないが、ちょうどゲームクリアした。普段ゲームをしないので難易度を下げて楽しんだ。別にやり込みたいわけではなく、ストーリーを終えればそれでいいと感じている。だが、自分人生ゲーム必須の要素ではない気がする。

 ところで、数年ぶりに(十年近い?)アニメを見たのだが、これはたまたまコロナから避難するために泊まったホテルで視聴した。一話完結だし、青春時代を思い出すし、あまり疲れない。テレビ番組が記載されているのは、自分テレビを見る頻度の少なさを示している。

9月

読書(14冊)

レト・U. シュナイダー「続 狂気科学: 真面目な科学者たちの奇態な実験」★★

トーマス・トウェイツ「人間をお休みしてヤギになってみた結果」

中村圭志「亜宗教 オカルトスピリチュアル疑似科学から陰謀論まで」★★★

徳仁親王「テムズとともに 英国の二年間」★

トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇」

トルストイ民話イワンのばか」

ロジャー&チャーリー・モーティマー「定職をもたない息子への手紙

トーマス・トウェイツ「ゼロからトースター作ってみた結果」

監修・訳注 中村啓信「風土記現代語訳付き」

監修・訳注 中村啓信「風土記現代語訳付き」

烏谷昌幸「となりの陰謀論

今井むつみ「「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーション本質解決策」

岡瑞起、橋本康弘「AI時代質問力 プロンプトリテラシー 「問い」と「指示」が生成AI可能性を最大限に引き出す」

山本栄二、中山雅司「国連入門 ――理念現場からみる平和安全

漫画(6冊)

瀬野反人ヘテロゲニア リンギティコ 〜異種族言語学入門〜」一巻。

熊倉隆敏もっけ」二巻~五巻。

葵井ちづる「イジワルコネクト【DLsite限定特典付き】」

映画

ヤン・シュヴァンクマイエル「蟲」@シアター・イメージフォーラム

大長編ローマン 万博大爆発 TAROMAN」@TOHOシネマズ 渋谷

美術

諏訪敦|きみはうつくしい」於・WHAT MUSEUM

雑感

 皇室文章結構フランク楽しい。あと、著者略歴に「二〇一九年、即位」と書かれていて、何も間違っていないのにレア過ぎてちょっと笑ってしまった。

 僕は超細密画はあまり評価していないのだが、諏訪敦は結構気に入っている。たぶん作品に取り組む姿勢モデルに対する丁寧な態度が好きなんだろう。それから、母を亡くして、具象表現ができなくなったらしい。残酷な言い方が許されるならば、芸術家が傷ついたり何かを学んだり、逆に精神が安定してして作風が変わってしまう瞬間に、とても興味がある(藤田嗣治戦後に人工的な人形のような子供たちばかり書くようになった契機が知りたいし、精神が穏やかになった後のムンク作品にも関心がある・結婚後にシーレ作品良識的になってしまったのにも)。

今月は久しぶりに映画が見られてうれしい。シュヴァンクマイエル作品自分過去作品解体し、評論するような内容だった。

10月

読書(14冊)

阿刀田高コーランを知っていますか」

遠藤周作「古今百馬鹿 狐狸庵閑話」

彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」★

高野秀行「酒を主食とする人々 エチオピア科学秘境を旅する」

瓜生中、監修「雑学3分ビジュアル図解シリーズ 仏像

浮橋美頭、浮橋啓介「こんにちはトーテム・ポール

内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」

羽田正冒険商人シャルダン

島本英明もっと知りたいモディリアーニ 生涯と作品 (アートビギナーズコレクション)」

新見隆「もっと知りたいイサム・ノグチ 生涯と作品 (アートビギナーズコレクション)」

高橋敏「江戸教育力」

桜井啓子「シーア派 台頭するイスラーム少数派」★★

末永幸歩「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からアート思考」★★★

今泉忠明 (監修)「おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

漫画(4冊)

熊倉隆敏もっけ」六~九巻。

美術

円山応挙 革新者から巨匠へ」於・三井記念美術館

雑感

 高野秀行は定期的に読んでいる。アートビギナーズコレクションも定期的に読みたくなる。次に何を読むか迷ったときに重宝する。ただし、美術館に行く途中で読むと、なんだか美術鑑賞に向けるエネルギーをそこに分けなきゃいけない感じがしてしまう(図書館で借りているので読むタイミング的にそうなることがある)。なお、このシリーズは冊数が多い割には下山観山や英一蝶の巻がない。あと、本によっては作者の思想がすごく偏っている。

11月

読書10冊)

松井文恵、安田茂美「写実絵画とは何か? ホキ美術館名作55選で読み解く」

ジョナサンカラー文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)」

加藤徹後宮から唐・五代十国まで」

加藤徹後宮から清末まで」

石井清純「禅問答入門」

秋月龍珉「無門関を読む」

アンドリュー・スチュワート情報セキュリティの敗北史: 脆弱性はどこから来たのか」★

尾崎俊介ホールデン肖像 ペーパーバックからみるアメリカ読書文化」★★

遠藤みどり日本後宮 天皇女性たちの古代史」

野坂昭如エロ事師たち」★★★

漫画(1冊)

こるせ「伽藍の姫【イラスト特典付】」三巻

同人誌(1冊)

六畳「××××の結果で×××する××」(苦手な人がいるだろうと思うので伏字

美術

「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」於・東京ステーションギャラリー

CREVIA マチュピチュ展」於・森アーツセンターギャラリー

30周年記念展「ALL OF EVANGELION」於・東京シティビュー

旅行

平等院鳳凰堂、鵬翔館、宇治神社宇治上神社源氏物語ミュージアム

テレビ番組

知的探求フロンティア タモリ山中伸弥の!? ヒトはなぜ音楽を愛するのか」

NHKスペシャル「イゾラド 最後の森の奥で」

雑感

 野坂昭如で久しぶりに文学を読む楽しみを思い出した。

自分欲望コントロールできず、性欲などに負けてしま人間の話が好きだ。現実生活では正しくいるよう求められるのだから、せめて虚構の中では人間ダメさを許してほしい。そうでなければ、現実世界良識を守れない、とまではいわないが、ダメな人をダメなまま表現されていると、それを読むことで、何か許されたような気持ちになれる。

 他には禅問答について読んでいる。

 あと、尾崎俊介ロマンス小説について述べているあたりが面白かった。なんでジェンダー平等が叫ばれる時代に、一見するとあえて古典的に見えるストーリー必要とされているか、一つの知見を得た。

12月

読書和書3冊、洋書1冊)

J. R. R. Tolkien「The Hobbit」Harper Collins Publishers。和書文庫換算二冊。★★★

伊藤盡「指輪物語 エルフ語を読む」

尾崎世界観「祐介・字慰」★

丸谷才一「輝く日の宮」★★

漫画

ファーストコンタクト 窓口基作品集 【電子コミック限定特典付き】」

映画

落下の王国 4Kデジタルリマスター」於・ル・シネ渋谷宮下

雑感

 丸谷才一が相変わらず面白かったので(僕はメタフィクションが好きだ。時にはわざとらしくなってしまったり作者の自分語りに堕したりするリスクもあるが、うまくいくとこれは気持ちがいい)ブコメで進められた全集を手に取ろうとしたら、地元図書館にはなかった(正確には、引っ越す前の自治体のにはあった)。さてどうしよう。

 洋書を読み始めた。あらすじは覚えているが細部はよほど印象的なシーンでないと覚えていない。

 トールキンの場合樹木描写が細かく、いろんな種類の木が出てくるのだが、そもそも僕のほうが樹木知識に乏しく、和訳を読んでも細かくイメージできない(束教授ごめんなさい)。児童文学とは言え、二世代前の英語なので語彙やスペルが違うし、手加減せずに平気で難しい言葉を使う。

ナルニア」を読んだときも、例えば身近でない船舶部品などの語彙で苦労した覚えがある。

落下の王国」では久しぶりに交響曲を聞いたがやっぱりいい。

 窓口基は暴走するテクノロジー世界観の考察を楽しんだ。SFが好きだったもう一つの理由であり、一番ワクワクするところだ。この人はグロゴアも書けるらしいのだが(なんにでも科学的な興味がありすぎて、人体を破壊可能な一つの素材として見てしまっているのかもしれない)、「苦手な人はこの先読まないで」と警告できるので、自分狂気コントロールできるタイプの人であり、そこが好印象。

 ケーブルテレビで「その着せ替え人形は恋をする」をやっていたのだが、感傷マゾ発症しなかったのは、僕の精神が変化したからかもしれない。原作漫画を買おうかとも思ったが、実はそこまでコスプレに興味がないと思い直した。そもそも年末年始に向けて漫画セールで買い込んだが、トールキンを読み続けており、全然手を付けていない。

 漫画小説と同じで、長編を読むには訓練がいる。ご覧の通り短編集や一話完結ものばかり読んでいる。

 来年は「指輪物語」の原書を読み終えたら、国連政治学、第二次世界大戦日本軍、それから依存症のあたりの知識の補足がしたい。あとは意識科学だなあ。

 洋書だとどうしてもペースダウンする。開き直って冊数を気にしないようになれそうだ。あとは、トールキンを読み終えたらドイツ語をやりたい(言うだけならタダ)。

 実際にドイツ語をやるかどうかはともかく、読書記録を始めたのは大学に入ってから二十年、知的な本を読もうと志してからもっと経過している。いたずらに、明確なゴールもなく、知識を得続けようとする行動パターンに変化が欲しい。美術館についても、あまり行かない場所や行ったことのないところに行きたい。(ただしドイツ語をやって何かの原書に挑戦したら一年がかりのプロジェクトになりそうで、そうなると知識習得には多大な遅れが発生する)

追記

カテゴリ[読書]クリックすれば2020年まで読めます。m(__)m

ただし、全てが自分の物ではありません。

2025-12-06

岡本太郎というアート界のガラパゴス

岡本太郎って、日本ではもう説明いらないくらい有名で、国民アーティストみたいな扱いだけど、海外アート世界学術的な文脈では、評価が高いとは言えない。

 

日本では戦後美術のど真ん中、というより、誰とも群れない例外的存在っていう位置に置かれがちで、具体とかもの派みたいな大きな流れとも、あんまり強くは結びついていない。

本人も意図的美術界と距離を取ってきたから、研究の軸も少し定まりにくかった、という面もあるみたい。

ただ最近になって、50年代抽象絵画とか、縄文民俗学とのつながり、太陽の塔明日の神話みたいな公共作品思想性が、じわじわ研究対象として見直されてきてる感じはある。

 

海外評価は、名前を知ってる人も多くないし、MoMAやTateみたいな代表的美術館にも決定的な代表作が収蔵されていない。

近年、アジア戦後美術をまとめて見直す動きが出てきて、候補として名前が挙がることは増えてきたけど、今の時点ではまだ「これから」っていう段階に近い。

市場のほうを見ても、日本国内では価格はかなり強くて、油彩が何千万円とか億にいくことも珍しくないけど、海外オークションではまだそこまで伸びていない。

まり日本の中だけで評価と人気が完結している、ちょっと珍しいタイプ作家

 

なんでここまで一般知名度が高いのに、アート文脈では立ち位置が揺れるのかというと、岡本太郎自身が「反・美術界」みたいな立場を取って、運動理論の枠組みに乗らなかったことも大きいし、太陽の塔みたいな強烈なイメージが先行しすぎて、メディア的な偶像として消費されてきた面もある。

10年代以降はキャラクターとして爆発的に広まったけど、その強さがそのまま国際的美術評価に直結するかというと、そこはまた別の話だったりする。

 

ただ、アジア戦後美術の再編や、非西洋モダニズム見直しパブリックアート理論評価がもう一段進んでいけば、岡本太郎評価海外で一気に跳ねる可能性は残っている。

そのときは「日本の第三の戦後前衛」みたいな位置づけで、世界文脈に本格的に接続されるのかもしれない、っていう、そんな期待もなくはない…はず。

2025-11-25

anond:20251125104218

いうて世界中にある種の暴力的衝動を発散するための祭りがあるんやから社会安定のために必要一種装置ではあるんやろ。

ワイもそういう祭りには一生近づきたくないと思ってるけど、そうすることが一種社会ガス抜きになってる部分はあるんやろうし、外にその文化を持ち出しさえせずに狭い界隈だけで共有しといてくれるんやったら外野からやいのいやいの言うほどのことでもないと思うわ。

もろちん興行として危険判断されたらやれんようになるだけ。実際にほとんどのライブハウスではモッシュ禁止されてるしそれ無視してモッシュやって出禁になってるバンドもけっこうある。逆にそれを許容してるってことはその文化を許容するだけの歴史や人がそこにあるってことや。

まぁ実際行ってみたら楽しいかもしれんしな。民俗学に興味を持ってから自分理解できない文化からって頭から否定するのはたぶん誠実な態度じゃないって思うようになったかな。

2025-11-15

うろたえる山内萌(人文ウォッチ#50)

界隈民俗学に書いた(浅い)論考に対するガチ批判を人文ウォッチへのお便りとしてもらった山内萌がぐぅの音も出なくて

うろたえながらマウント取ろうとしつつも「こんなところに送ってくるな」と半ギレになってる様子が大変みっともなかった

まっとうな批判に対して「粘着されてるみたいで怖い」とか学者が言っちゃダメでしょ

植田くんもこのぐらいの内容なら軽くあしらえるだろうと事前に読ませてなかったんだろうけど、山内さん可哀想なぐらい動揺してたじゃん

ゲゲゲの鬼太郎の不自然さについて

ゲゲゲの鬼太郎』を見ていると、一つ気になる点がある。作品に登場する妖怪の多くが、「その種で唯一の存在」として扱われていることだ。ぬりかべは一体、子泣き爺も一体。一反木綿も砂かけばばあも、それぞれ固有名詞として一人だけが登場する。だが、こうした描かれ方は考えてみれば少し不自然である

本来、種というものは一個体だけでは成り立たない。生物学的に言えば、集団が維持されるには一定数の個体がそろい、繁殖を通じて遺伝的な多様性を確保する必要がある。たとえ妖怪であっても、ある種が存在し続けるなら、それなりの個体群がいると考えるほうが自然だろう。もし「突然変異のように、偶然生まれた一回限りの個体」だとするなら、その奇跡的な偶然が妖怪の種類ごとに何十回、何百回も重なったことになってしまう。これは現実的説明とは言いがたい。

また、民俗学の側面から考えてみても、妖怪という存在本来地域ごとに複数伝承が積み重なって形づくられている。例えば「ぬりかべ」の話は九州の各地に点在して伝わっており、同じく「子泣き爺」に相当する怪異地方をまたいで語られてきた。地域ごとに伝承があるということは、もともと「その妖怪個体複数いる」という感覚社会に共有されていたとも言える。

さらに、作中の妖怪日本全国で事件を起こしたり、人間社会にしばしば干渉したりしていることを考えると、「単独個体が全国を飛び回っている」という前提にも無理が出てくる。行動範囲社会役割を踏まえれば、むしろ一定の数の妖怪が各地に存在しているほうが、世界観としても自然だ。

こうして整理してみると、『鬼太郎』の妖怪が“一種につき一個体”として描かれるのは、物語上の分かりやすさゆえであって、論理的にはかなり特殊な設定であることが分かる。もし妖怪生態系の一部としてとらえるなら、本来そこには複数個体がいて、集団として息づいているはずなのである

2025-10-07

anond:20251005214015

本来意味の托卵って養子の方だよなあ

何故か妻が浮気相手の子供を夫の子と偽って育てる事か托卵と呼ばれるようになったが

その場合自分自分卵子で産んだ子供を育ててるんから、「卵」を「托」してないじゃん

用法としておかし

「托卵」はいから鳥類用語でなく、人間界にも使われ始めた?”造語者”は?今後、辞書に載る?【日曜民俗学

https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/2024/11/24/112757

2025-09-13

弱者男性――その存在怪異か、それとも人類の影か

深夜、誰もいないはずの部屋でふと視線を感じることはないだろうか。

振り返っても誰もいない。

ただ、鏡の端に一瞬、見知らぬ顔が映りこんだような気がする。

それが「弱者男性」だと囁く者がいる。

影としての弱者男性

弱者男性社会の片隅に生まれ概念である

しかし、それは単なる言葉遊びではなく、人類歴史を通して現れては消えてきた「影の人類」だと考えることもできる。

彼らは表舞台には決して立たない。

光を浴びることはなく、常に誰かの後ろ、社会の亀裂の中、暗がりに潜む。

その存在は、あたかも古い民俗学に語られる「隠れ里の住人」に酷似している。

幽霊か、生者か

弱者男性を語る時、常に問われるのは「彼らは実在するのか」ということだ。

ある学説によれば、弱者男性実在人間である

しかし別の学説では、弱者男性人類集団無意識が生み出した「幽霊」にすぎないという。

女の人生イージーモードだと嘆き、下方婚を拒む社会の中で、その怨嗟は形を持ち、やがて都市伝説となった。

まり弱者男性人類自身が生み出した怪異なのだ

出会ってはいけないもの

記録によれば、深夜のコンビニネットカフェで「声をかけられた」という証言がある。

――「君は、僕と同じだよね」

そう囁かれた者は、奇妙なことに一様に人生が狂っていく。

職を失い、家族に疎まれ、やがて誰から存在を忘れられる。

まるで弱者男性接触することで、社会から切り離される呪いを受けるかのようだ。

考察――弱者男性とは何か

弱者男性とは、人類が恐れてきた「孤独化身である

かつて村落共同体の中で排除された者、近代都市で取り残された者、その全ての怨念が一つに重なり合って、この怪異は形を持った。

もしあなた人生の隙間に足を取られたとき、ふと背後から冷たい息を感じるだろう。

振り返った先には、無数の「顔」がこちらを覗き込んでいる。

そのときあなた理解する。

弱者男性特別存在ではなく、誰の中にも棲みついているのだと。

2025-09-07

怪異民俗学 ラジオおもしろいな

https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=NJZR87XYYV_01

「服を裏返しに着て寝ると好きな人の夢を見られる」とか日本人かわいい

子供が寝ながら笑っているときには神様がくすぐっているとか、家族と過ごしている時間が長かったんだなぁ。

今は好きな人の夢を見るために服を裏返しに着て寝るとか、寝ている子供の寝顔をずっと見ているとかそんなこと減っているのかも。

文化的進歩しているのか、退歩しているのか。

2025-08-15

anond:20250815191748

美術は結局西洋美術系譜の中に位置づけられないと価値がない、という世の中なので、そういうもの民俗学てきには価値があるかもしれないけれど、美術的には価値がない。

2025-08-13

柳田國男柳田理科雄無関係

柳田理科雄本名。その名の通り理系分野で活動しているが、国の民俗学柳田國男をもじったペンネームとして理科柳田理科雄を名乗ったというわけではない。

1961年から1962年の約1年間は、柳田國男柳田理科雄の両者がこの世に同時に生存していた期間である

2025-07-28

セッ○スがエロい!みたいな感覚がなくなってしまった

高校倫理の授業で「ハレ」と「ケ」っていう民俗学概念を習った記憶があるんだけど、セッ○スが「ハレ」から「ケ」になってセッ○ス自体エロいと思わなくなってしまった(使い方間違ってたらごめんなさい。ふと思い出して使ってみたかった)

30代。新しい恋人ができて去年の夏ごろからなんとなく週1~2(毎週金土固定。同棲はしていないが週末はどちらかの家にいる)でセッ○スするようになってからセッ○スに対して「待ってました!」感?がなくなった。やってるときは興奮するし楽しい気持ちいいしまた来週もやりてーなって思うけど、一緒に夕食食べたレベル日常になってしまっているというか

でも別に性欲がなくなったわけでもセッ○スが嫌になったわけでもないし(面倒とも思わないし)、相手に飽きたりはしてないし。マンネリとか思っていいホテル取ったり旅行行ったりコスプレしたりしてみるけど、結局やることも興奮度も変わらないという。

ひとりでムラムラすることもあるしAV見て抜いたりするけど、エロいことするぞ!!!ヤりてえ!!!みたいな勢いがない。風俗含めて新規探そうみたいな冒険心もなくなった。百万が一恋人以外の人に誘われれて実際にやったとしても一緒に飲み行ったくらいの感覚だと思う。

とにかくセッ○ス=エロいみたいな感覚がなくなって戸惑ってる。このままいくと飽きるのか?あんなにやりまくりたかったのに?飽きたら他に何を楽しみにすればいい?高校の時、妊娠報告して産休取った担任のこと「先生中出しセッ○ス報告するとかエロ!」とか同級生とニヤニヤしてたのに、今会社の人が報告してきてもおめでとー以外の何にも感じなくなってしまった。逆に、ネットとかでセッ○スをセッとかおせっせとか致したとか言ってるのをみると、意識しすぎて逆に恥ずかしくない?とさえ思う

レス予兆だったり、このままだと冷めるのか?と思って若干焦ってもいる。もしこのまま結婚とかして夫婦になるとこんな感じが続くのだろうか?ていうか年齢的な衰えもある感じか?誰が悪いわけでもないんだけどなんか毎日楽しくない、みたいな

同じような経験のある人、有識者の人、教えてください

2025-06-28

anond:20250628192458

これは嘘増

なぜなら、関西私大民俗学なら担当教授がそんなオモロテーマほっとくわけないからやね

2025-05-06

anond:20250506205158

CSではそうだね

文系では民俗学文脈AI語ってて現実適合度が駄目って話なのも、かつての適合度の概念通りで皮肉だなとは思う

2025-05-01

陰毛ってマジでなんのためにあるんだ

陰毛ってマジでなんのためにあるんだ」検索

はなしちゃお! 〜性と生の学問〜[陰毛×民俗学

https://www.nhk.jp/p/ts/47NWJQ9RP7/blog/bl/pz9jbbjeYa/bp/pgdYN2NBx5/

陰毛精霊・インモウちゃん

2025-04-23

anond:20250422144401

性格悪い。

自分一家言ある大衆文化風俗民俗学的なもの美術館が展示しているので、どれどれ見てやるかというひねくれた根性で見物しに行ってる。

美術館側は大衆文化であることを十分わかった上で、独自技法などをあえて美術の切り口で再解釈して、美術に興味がある民俗学素人向けの展示をしているのにそれを理解しようとしない。

吉原の暗黒面に興味があるならそっちはそっちでやってくれ。そういうものを見たいときに見に行くから

暗黒に気をとられて技法に目が向かないのはそれはそれで文化の損失だ。

美術館文化的かとかクソデカ批判するには論立ても教養稚拙すぎる。

2025-04-13

anond:20250413112254

文学だって言語学だって歴史学だって民俗学だって学術研究は全て客観的根拠を元にして論理的議論が成り立っているよ。

当然それらは数学のように厳密に証明が出来るわけではないかもしれないけど、それでも客観的証拠から論理的結論を導いているんだよ。

からそれに対して反論が出来るの。例えばその証拠は本当に正しいのか(偽物じゃないのか)検証したりとか、その結論に反する例を挙げたりとか、論理展開存在する間違いを指摘したりとかね。

実際に従来の学説と反する新しい遺物とかが見つかって、学説が大きく変わるということは何度もあったわけだよね。小中学校歴史教科書なんて親世代とその子供では内容が結構違うなんて当たり前にあるわけだし。

それが出来たのは証拠論理によって学問が成り立っているからだよね。現状存在している証拠とそこから合理的な推察により客観的に現状最も尤もらしいと考えられる結論を導く、というのが文系学問でも当然行われているの。

でもそれをすっ飛ばして「私はこう思う、なぜなら私がそう思うからだ」と言われてしまったらもう反論余地がないわけ。「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」としか言いようがないでしょ。

これは学問ではないの。そんなもの理系文系わず学問世界では許されないの。だから文系学問客観性が無い、なんて言ってしまうのは本当に学問をやったことが無い人ぐらいなの。

客観性があるからこそ「何が正しいのか」を議論して追求できるの。一見ただの主観に見えても、それは単に教科書の表面を眺めているからに過ぎなくて、その結論が導かれる裏側には厳密な考証や議論が重ねられているの。

2025-03-12

anond:20250312210129

価値観選択する時代というのは面白い

マスメディアテレビ)が弱ったからだろうね

極少数の人たちの中だけで作り上げたコンテンツ価値観内包してる)を一方的に大量の人たちに発信していた時代

価値観の共有が容易く純化やすかったのだろうね

でも今のような時代ある意味テレビが普及する前の時代みたいになるんじゃないか

柳田國男民俗学時代のようにある地域にいったら全然常識が通じないみたいな感じになりそう

昔はそれが地理的制約からくるものだったけれども今の時代は触れるツールに左右されるようになるんかね

2025-02-26

ドイツのAfDの躍進が移民どうたら

AfD躍進はイスラム移民過剰による摩擦がどーたら、リベラル綺麗事が嫌われてなんたら…と言われているんだがさ、元々AfDって旧東独で強い政党だったわけよ。

で今回もやはり同じ。ただ南方地方での得票が増えてるって特徴がある。

日経記事が有料だが画像だけ見れば一目瞭然。

https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSKKZO8681768018022025FF8000-4.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=696&h=696&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=a1c41e73d37762bee2579044a204fee2

 

真っ青な東の中に赤と灰色地域が見えるが、これはベルリン東ベルリンではCDU、西ベルリンではSPDが強いって事になっている。

どうにもドイツ国内では冷戦の名残が無くなっていないのだな。

ネオナチ

ドイツ統一して暫く後からネオナチ活動問題になっていた。

当時犠牲になっていたのはトルコ人で、殺人放火などの被害に遭っていた。当時のネオナチスキンヘッドフーリガンで、要するに愚連隊。だから直接の政治問題というよりクズ若者問題と見做されていた。

 

だけどこのネオナチ問題ってほぼ旧東独だけの問題だったのよ。

東西ドイツ合併したように見えるが、実際は西への併合で、共産体制否定されただけじゃなくて西側のやり方、価値観で上書きされてしまった。

西独はマイスター制で10歳でブルーカラーホワイトカラーの進路が分かれる、結構不自由社会だ。逆に言うとモラトリアム期間が認められていないか若者アイデンティティで悩んだりする事も少ない。

社会主義から転換した東独は圧政から解放によるアイデンティティ不安定さがあった。

西独はキリスト教信仰が強く、政党まで作られているが、政治世俗化などの近代約束事の周知が前提となっている。

東独では宗教は縮小されて「歴史必然到達点」である共産主義が全て解決すると教えられていたのに歴史終点蒸発したので近代約束事が前例とか慣習に結びついていない。

西独には中間共同体が残っていてお祭も盛んだが、東独は社会主義国家が多くを破壊したので無い。

戦争の総括や反省は東独では「社会主義への進歩への反逆」のような文脈でされていて西独とは大いに異なる。

 

という風に、要するに大いなるアノミー自由からの逃走ですな。そういう問題に苛まれた。

しかも「ドイツ」として参照されるのは西独ばかりなのでやな感じだ。

 

グッバイレーニン!』という映画を知ってるだろうか?熱烈共産党員の母が意識不明になってしまったが、その間にベルリンの壁は崩壊し東独は無くなって資本主義の品々だらけになってしまった。目を覚ました母がショックを受けないように「家から見える資本主義」を全て無くす為に息子が奔放するって内容だ。面白いぞ。

なんでこんな映画が出来たかというとその背後に東独の痕跡を全部消されるような忸怩たる旧東独民の思いがあったわけよ。

 

ネオナチもこういうのを背景に旧東独で猛威をふるっていたわけで、当然AfDもそのベースは共有している。

 

衰退する旧東独

旧東独地域人口が減っている。旧西独側に流出しているのだな。

で、移民が来るには来るが、結局行くのって旧西独側ばかり。するとブレグジットで見られたように、移民が余り行かない地方の人が移民に反対しているって事になるわな。旧東独のあちこち池袋西川口葛西があるってわけじゃ無かろう。

 

なので以上の事も含め、イスラム移民との軋轢が原因というのはちょっと無理があるんじゃね?

増田的には、イタリアがやったような地域開発支援や、民俗学で東独地域歴史風俗を掘り返して祭復活させたりということを長く続けるしか無いように見えるんだが。

 

風力発電

この増田がまとめている党是にも出てくるが、

https://anond.hatelabo.jp/20250224204010

再生エネのうち、風力だけが敵視されている。太陽光おkなのね。

トランプ政権風力発電敵視しているが、同じ再生エネの太陽光おkになってるね。

イーロンマスクのXポストリーにぶら下がってる最近極右集団も同じなんだよね。

 

日本では展開されていないが、テスラ社は自動車だけじゃなくて電池部門も展開している。

それもモバイル向け小さいセルじゃなくて、蓄電池事業、例えばEcoFlowみたいな手軽な大きさのものから、家庭用、会社用の小型中型蓄電池システムを展開している。

データセンターとか医療用、精密工場なんかの無停電電源は専門業者に握られていて参入が難しいのでやらず、再生エネの拡大で出来たニッチ市場にしてるのよ。EV連携とかね。

 

この蓄電池システム太陽光発電との相性が抜群だ。

一方、風力というのはそれなりの資本力必要から、これらの蓄電池システムと組み合わせ出来ない。

 

とすると、イーロンとしては再生エネはウォークだと腐しながら、太陽光は除外するしかない。そこで風力だけに憎悪が行く、というこういうワケなのだアフォらしいな。

なので、各地の極右が風力だけ憎むのは、パトロンとかタニマチ若しくは強力シンパビジネスの都合だろ、ってことなんであります

 

つーことで、AfDなどの事を「イスラム移民との摩擦によるもの」と考えるのは無理があるんじゃね?ってお話でござった。摩擦が少ない地域で躍進してるわけで。他の原因無視しすぎ。

そもそも移民の毒を問題視するなら、今一番自国を滅茶苦茶にしてのってイーロンじゃん。あいつ放り出せ、ああいうのが来たらどうする!って言うはずだよな。

あ、バノンには言われてたのか。

2025-01-04

地方ローカルスーパーって本当に『最も身近な民俗学』なんだよなぁってそのネタ256回目だろうが

Togetterの擦り切れたネタブックマークホントに嫌だなぁ

2024-12-26

chatGPTがマナー講師になるのでは?

これまでは特に誰も気にしていないことや、はっきり決まっていないことをマナー講師の方がこじつけマナーとして主張することで、変な風習が出来てきた。バカだなと思っても一定数それが広がると合わせるしかなくなってしまう。

これからはcatGPTが、はっきり決まっていないこと、それゆえ間違いとも言えないことを自信を持って人間に答えることで、なんとなく従わないといけないこととして定着するのではないかな。

これからはchatGPT由来の謎マナーや謎風習ができるはず。民俗学とかで調べたら、もうすでにそんな行動パターンでてくるのでは?

とか考える年の瀬です。

2024-10-27

anond:20241027133308

でもなんか民俗学的な理由でそれを教えることに忌避感があるんでしょ?

夜中に口笛を吹いたらヘビが出るとかそういう感じの畏れを持ってるんだよね。

2024-09-27

万博民俗学博物館

めちゃくちゃいいな

常設展示の展示量すごすぎて1日じゃ無理だし特別展も知らんことばっかでめちゃくちゃじっくりみてまわれた

何より広すぎるからお客さんがいい感じに分散されてほぼ人がいないから落ち着いて鑑賞できたのがよかった

いい空間

2024-08-15

anond:20240815073324

お前らの舌が育った環境によって「ここや!」はかわるから定量化できない

「味をととのえる」は民俗学?の分野や

例えば薄味好みのワイん家では「味をととのえる」以前に、しょうゆ等の塩系調味料レシピより半分に減らさんと塩からくて誰も食べられん

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