アメリカ国家安全保障の主要人物として出現したスティーブン・バノン: 次は何が?
Matthew JAMISON
2017年2月7日
Strategic Culture Foundation
ドナルド・J・トランプ大統領が、閣僚やホワイト・ハウス政権の職務に任命した全員の中で、極右のブライトバート「ニュース」ウェブサイト元会長スティーブン・バノンが今やトランプ大統領首席戦略官に出世したのは、実に心配で不安だ。
バノンは労働者階級のアイルランド人カトリック教徒移民、民主党員でバージニア州に住む一家に生れた。極右オルタナ右翼思想の持ち主にしては、ジョージタウン大学と、ハーバード大学という驚くほど立派な学歴を彼はもっている。アメリカ最高の大学で過ごしたことは、知的な目覚めや、思想の洗練には、明らかに貢献しなかったようだ。
アメリカ海軍で軍務についた後、バノンは、婉曲的にゴールドマン・サックスとして知られている犯罪的職業、トランプ大統領が、選挙運動中に激しく非難し、金を貰って、そこで講演したと、ヒラリー・クリントンを攻撃したのとまさに同じゴールドマン・サックスにつとめた。「悪魔の寺院」の一つで財産を築いた後、「投資銀行」から、ハリウッドでの映画制作と「ドキュメンタリー」制作の道に進み、製作責任者として、シェークスピアの最も暗い劇の一つ『タイタス・アンドロニカス』の大画面版翻案 『In The Face of Evil』と題するロナルド・レーガンに関する政治的に保守的なドキュメンタリー制作や『Fire from the Heartland, Awakening of the Conservative Woman』など他のけばけばしい題名のプロジェクトや『The Undefeated』なる究極的なまでにばかげたサラ・ペイリン賛歌を手がけた。
ハリウッドの後、「オルタナ右翼」のよりどころとされるブライトバート・ニュース立ち上げに熱意をもって献身した。タイム誌は、ブライトバート・ニュースを、「人種差別主義、性差別主義、外国人嫌いや、反ユダヤ主義文書」を発行する代弁機関だと表現している。アメリカの伝統的な主流派保守運動を、ヨーロッパのネオナチ極右に良く似たものへと変容させる上で、バノンとブライトバートは大いに貢献した。バノンは、マリーヌ・ルペンを「新たな人気急上昇中の人物」と賞賛した。トランプのホワイト・ハウス首席戦略官に任命されて間もなく行われた奇怪なインタビューで、 バノンは、はっきりサタンを引き合いに出し、「暗黒は善だ。ディック・チェイニー。ダース・ヴェーダー。サタン。あれは権力だ。連中が誤解しているのは、我々にとって有利だ。我々が一体何者で、一体何をしているのか、連中が気がつかないうちは」と発言し、マスコミが、悪魔と比較する手間を省いた。これを読み返せば、政治的に合理的な人なら誰でも(しかも、そういう人々は現在実に不足しているのだが)バノンは長期療養を必要としていると結論するだろう 。ところが、この人物はトランプの大統領選挙運動本部長になっただけでなく、今やホワイト・ハウスの影響力と方針決定中枢内で、強大な権限まで得たのだ。
極めてまれな穏やかならぬ動きで、トランプ大統領は、バノンをアメリカ合州国国家安全保障会議常任メンバーに任命したのみならず、主要委員会メンバーにも任命し、一方、二つの極めて高位の国家安全保障の職位である、国家情報長官と統合参謀本部議長のメンバー資格を格下げし、彼らがブリーフィングした話題が、この会議で議論するのが適切と判断された場合のみ、出席を許されるものにした。国家情報長官と統合参謀本部議長の重要な戦略的役割を考えれば、彼らのブリーフィングに関係する問題がでないと考えるほうが無理だ。これは彼らが同席できなくする口実として、実に珍妙だ。これはアメリカ国家安全保障に関する未曾有の展開だ。政治顧問が、国家安全保障会議の正式メンバーになったことは,これまでなかった。オバマ大統領時代、ディヴィッド・アクセルロッドのように、大統領の要請で、特定の会議への出席を認められた人々はいるが、大統領首席戦略官が、NSCメンバーという地位を認められたことは決してなかった まして最上位の主要委員会にまで昇進したことは。国家安全保障会議は、国家安全保障や外交政策問題について、アメリカ大統領が検討するための主要な議論の場、意志決定機関として存在しているのだ。メンバーには、国務長官、国防長官や国家安全保障顧問が入っている。
バノンを国家安全保障会議メンバーに任命したことで、NSCが、党派心のない、特定のイデオロギーに偏らない国益や、国際的関心によってではなく、特定のイデオロギーに沿って、アメリカの外交政策や防衛政策を形成することに関心を持った、政治色の極めて濃い機関になってしまうのではという大きな懸念がある。
実際、バノンは、トランプ大統領の娘イヴァンカと、義理の父親により大統領首席顧問に任命された彼女の夫ジャレッド・クシュナーとともに、トランプ政権内で最も強力な当事者として、着実に頭角を表しつつあるように見える。おぞましいイスラム教徒入国禁止「大統領令」の至る所に、彼の影響力が見てとれる。国内政策や政治に対する、狂った、始末におえない彼の極右見解からして、我々は、かたずをのんで、彼の歪んだ心が、アメリカ合州国の国家安全保障政策を余りに汚染しないよう願うしかない。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/07/steve-bannon-emerges-key-us-national-security-figure-what-next.html
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彼が羽織っているジャケット、Barbourのように見える。娘のイヴァンカの手がける衣料、タグにMade in Chinaとあったと、昨日の「テレビ番組」でみた。彼の紹介も見た。
ネットで検索すると「私はレーニン主義者だ。レーニンは国家の破壊を目指していたが、それは私の目指だ。」という発言もあるようだ。
「連中が誤解しているのは、我々にとって有利だ。我々が一体何者で、一体何をしているのか、連中が気がつかないうちは」の「連中」とは、「彼の追放を呼びかけているリベラルとマスコミ」のことを意味すると思う、と書いている。
異常なパイロットが急降下し、乗客乗務員全員が死亡した事故を、思い出している。
いや、それよりも何度も書いている、子供時代に乗るのが楽しみだった上野動物園のお猿の電車。猿が本当に運転していると思っていた。
実社会、みぞゆうとでんでんではなく、バノンのような個人ではなく、属国民の税金で暮らす官僚たちの体制が、宗主国ため、属国をまるごと売るシナリオをせっせと推進する植民地地獄行きお猿の電車。
朝貢すれば、するほどむしり取られる永久植民地。
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★頂いたコメント:
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昨日、3年近く前に書いたこの記事に、大勢の閲覧がありましたので、ちょっと驚かされました。| 和久希世 | 2017/01/31 7:57 PM |http://onomar.jugem.jp/?eid=4342
nbsp;
★コメコメ:
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記事別に閲覧数がわかるのですか。面白いですね。
nbsp;
日米地位協定。
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•過去にトランプの破産危機を救ったウィルバー•ロス次期商務長官(まだ議会承認されていませんhttp://forbesjapan.com/articles/detail/14531
•破産管財人として過小評価された資産を探し出すのが得意なムニューチン次期財務長官(承認まだ)
•年金資金GPIFから米国インフラに4500億ドル(約51兆円)投資する安倍首相
米国株式会社CEOドナルド•トランプ氏は一体何を考えているんだろう? ロシアはデフォルトしたあとプーチンの登場で見違えるように国がよくなりましたが、、、ひょっとして計画倒産???
投稿: コメット | 2017年2月10日 (金) 15時19分