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2024年7月12日 (金)

各州で共和党が優勢になればトランプが勝利する可能性あり

エドゥアルド・バスコ
2024年7月5日
Strategic Culture Foundation

 ドナルド・トランプほど民主党とアメリカ大ブルジョアジーに人気がある人物はいないとエドゥアルド・バスコは書いている。
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 第一回選挙討論会は、何百万人ものアメリカ国民に、彼らがスポンジに支配されていることを実証した。おそらく、討論会への期待(以前の選挙では、第一回討論会は9月末だけ開催された)は、ジョー・バイデンの認知能力(の欠如)が一般大衆に受け入れられるかどうかを試し、必要に応じて別の候補者に置き換える時間を確保する目的のためにあったのだろう。2020年と同様、バイデンは民主党内で内部クーデターを実行し、統治能力が完全にないことを露呈しないよう競争と討論を阻止した。

 だがアメリカ帝国主義大ブルジョアジーのあらゆる声が今や必死に彼の交代を求めている。

 体制側の最も影響力ある代弁者ニューヨーク・タイムズは「国に奉仕するため、バイデン大統領は選挙戦から撤退しなければならない」と社説で訴え、彼の指導のもと「国は繁栄し、様々な長期的課題に取り組み始めた」立派な大統領を称賛した。バイデンが悪魔の化身と戦っているからだ。「ドナルド・トランプはアメリカ民主主義にとって重大な危険であることを証明した。国民の信頼に値しない気まぐれで利己的な人物だ」と同紙は書いた。

 しかし、ドナルド・トランプほど、民主党とアメリカ大ブルジョアジーに人気の高い人物はいない。ほとんどの世論調査は共和党候補者を最有力視しており、移民対策や、ウクライナへの武器供与や「woke culture」など、トランプが擁護する思想や政策の支持者も増えている。ワシントン・ポストとメリーランド大学が1月初旬に発表した調査によると、アメリカ人の36%が2020年のバイデン当選は正当ではなかったと考えている。トランプは、5月にニューヨークの裁判所で有罪判決を受けてから24時間以内に選挙活動のために5300万ドルを集め、Tik Tokアカウントを開設してすぐ300万人のフォロワーを獲得した。これは2016年より更に壊滅的な現象だ。

 しかし、アメリカの次期大統領を本当に決定するのは国民の意志ではなく、国家機関内の強力な利害関係者の策略であることを踏まえると、アメリカ・ブルジョアジーの構造とその触手を分析し、現在明らかに矛盾している、この部門の強さを測る必要がある。2025年に支配階級のどの層、つまり上層と下層がホワイトハウスに代表者を置くことになるのかを決定するのは、アメリカ政治経済体制内の力関係だ。

 大統領選挙で共和党が伝統的に過半数の票を獲得する州、つまり「レッド・ステート」は、テキサス、アラバマ、ミシシッピ、アーカンソー、アイダホ、ユタ、ワイオミング、オクラホマ、ケンタッキー、カンザスだ。少なくとも過去三回の選挙では、これらの州は共和党大統領候補に過半数の票を与えた。それらの州全てで、州上院と下院は共和党が支配しており、ケンタッキーとカンザスのみ、知事が共和党ではなく民主党だ。これは「レッド」ではないが共和党の強い支配下にある州、つまりサウスカロライナ、ミズーリ、モンタナ、ウェストバージニア、テネシー、サウスダコタ、ノースダコタ、ネブラスカ、ルイジアナ、インディアナでも同じ状況だ。アラスカでは、現在上院のみが民主党が過半数を占めており、他の全ての点で共和党に有利だ。ニューハンプシャー州では、過去三回の大統領選挙で有権者の大半が民主党に投票したにもかかわらず、政府、上院、下院は共和党が支配しており、州の機構に対する彼らの支配力は高まっている。フロリダ州、オハイオ州、アイオワ州では、政府と議会は共和党で、有権者は過去二回の大統領選挙で圧倒的に共和党に投票した。ノースカロライナ州は過去三回の大統領選挙で共和党候補に投票し、議会の両院は共和党で、知事だけが民主党だ。

 一方、民主党は、カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツ、イリノイ、メリーランド、ワシントン、オレゴン、ハワイ、ロードアイランド、コロンビア特別区といった「青い州」の全てで州機構を支配している。同じく「青い州」であるバーモント州だけが、共和党が政府を掌握している。ニュージャージー、コネチカット、デラウェア、コロラド、ニューメキシコは「青い州」ではないが、過去三回の大統領選挙で民主党候補に投票しており、政府と両院とも民主党が支配している。ミネソタでは、共和党と民主党が上院を同数ずつ分け合っているが、この記事で述べた他の全ての点で、民主党が圧倒的に有利だ。メイン州では、過去三回の選挙のうち二回で、共和党と民主党の代議員が選挙人団に同数選出されているが、それ以外では、全てが民主党の優位だ。バージニア州では、知事は共和党だが、両院は民主党で、過去 3 回の大統領選挙の投票記録も同様だ。

 今年の激戦州のうち、ジョージア州では共和党が政治機構(政府、議会、過去3回の大統領選挙のうち2回の履歴)を支配している一方、ネバダ州(政府を除く)とミシガン州(過去3回の大統領選挙のうち1回のみ勝利を収めなかった)は民主党が支配している。他の3つの「激戦州」では、支配がはるかに均衡している。ペンシルベニア州では民主党が知事と下院を支配し、過去3回の選挙のうち2回で勝利しているが、共和党が過去3回の選挙のうち1回で勝利し、上院を支配している。ウィスコンシン州は民主党が統治し、過去3回の大統領選挙のうち2回で勝利しているが、共和党が両院を支配し、過去3回の選挙のうち1回で勝利している。アリゾナ州では、民主党が3回の選挙のうち1回で勝利し、政府を支配しているが、共和党が他の2回の選挙で勝利し、議会を支配している。

 これら全てを考慮すれば、州の政治機構支配を考慮すると、共和党は全ての「赤い州」と、ジョージア州の「スイング州」を含む他の17州で勝利すると予想される。したがって、共和党は、これら各州が持つ権利のある代議員総数に加えて、選挙人団の代議員255名を確保することになる。一方、民主党は全ての「青い州」と、ネバダ州とミシガン州の「スイング州」、ミネソタ州とメイン州を含む10州以上で勝利する傾向にある。これらの州では、他の全ての州と異なり、州で多数決で獲得した政党が自動的に全ての代議員を選出するのではなく、独自の規則を持っている。我々の計算では、民主党がこれら二州の政治機構を支配しているため、選挙結果を操作できることを考慮に入れている。したがって、民主党は選挙人団の代議員243名を獲得することになる。

 大統領選挙で候補者が勝利するには、政党は選挙人団に少なくとも270人の代議員を擁していなければならない。したがって、政治支配が明確でない「激戦州」(ペンシルバニア、ウィスコンシン、アリゾナ)が極めて重要だ。トランプが当選するには、これらの州のうち一州(ペンシルバニア)で勝利するか、ペンシルバニアで負けたとしても、他の二州で勝利すれば十分だ。民主党候補は、ペンシルバニアと他の二つの重要な「激戦州」のいずれかで勝利しなければならない。

 したがって、各州の政治機構の支配力と、投票意向に関する世論調査における有権者支持率の高さ傾向を考慮すると、民主党候補よりドナルド・トランプが大統領に選出される可能性が高い。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/07/05/republican-control-in-the-states-could-give-trump-victory/
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