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2017年2月17日 (金)

フリンの首が飛んだ。次はトランプの番?


Finian CUNNINGHAM
2017年2月15日
Strategic Culture Foundation

トランプが大統領に就任してわずか三週間で、トランプの国家安全保障顧問マイケル・フリンの辞任を強いて、ワシントン既成支配体制のトランプの政敵は大成功を収めた。国家諜報機関や、彼らと足並みを揃える大手商業マスコミを含む既成支配体制は、昨年11月の彼の衝撃的当選以来、ずっとトランプを追っていたのだ。

これはトランプ・ホワイト・ハウス中枢に対する途方もない大打撃だ。今週のアメリカ・マスコミのフリン辞任報道には、紛れもない勝利に酔いしれる雰囲気がある。水槽中のサメのように、連中は血の匂いを嗅ぎつけるのだ。

トランプ政権への移行期間中に、ロシアのセルゲイ・キスリャク大使と彼がした電話会話に関して、彼は真実を話していなかったという、ワシントン・ポストや他紙の報道の後、フリンは辞任せざるを得なかった。フリンは、12月末に電話したことは否定しなかったが、アメリカの対ロシア経済制裁という話題は話し合わなかったと主張していた。

アメリカ・マスコミが、フリンに対するしつこい非難を決してあきらめなかったことは、この件に関する彼らの確信が諜報機関筋に裏書きされていたのを示している。言い方を変えれば、これは個人情報の違法な開示に基づく、諜報機関が率いた魔女狩りだ。

経済制裁については話し合わず、ロシア人外交官との会話は、季節の挨拶と、トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領との間で予定されていた電話会談、最終的に1月28日に行われた電話会談の準備に関するものだけだったとフリンはマイク・ペンス副大統領に報告していた。

電話会話にはなんら厄介なことはなかったとマスコミに語り、ペンスは当初フリンを擁護していた。

法律的に、民間のアメリカ国民として - フリンは、トランプが1月10日に大統領に就任するまでの当時の段階では - 仮定の公式的立場で、外国と政府政策に関して話すことは許されていない。

FBI捜査と、ワシントン・ポストが引用したアメリカ高官たちによれば、どうやらフリンとキスリャク大使の間で、経済制裁の件が話し合われていたらしいことが判明した。ロシアは電話会話の内容についてコメントすることを拒否した。

フリンは一体何を考えていたのだろう? オバマ政権の一時期、彼は16のアメリカ・スパイ組織の一つ国防情報局の局長を務めたことかあるのだ。アメリカの国家監視の実態に関する彼の専門知識からして、フリンが、ワシントン駐在のロシア人外交幹部と、彼の当時の権限を越える国家安全保障問題に関する電話会話をするほど無謀だったとは信じがたいことだ。

特に、ロシアとのつながりとされるものを巡って、既にマスコミによる厳重な監視下にあったドナルド・トランプ新大統領の国家安全保障顧問の職に、フリンが間もなく就任することを考えれば。

フリンは、電話会話をしたのみならず、オバマが課したアメリカによる経済制裁が、トランプ政権下でいかにして解除されるかという話題を切り出した可能性も高い。フリンが、アメリカ諜報機関に一言一句録音されていることを理解していなかったのは、彼にしては信じがたい判断の誤りだ。

問題の電話会話は、ロシア人ハッカー大統領選挙に干渉したとされることを巡り、オバマが、何人かのロシア人外交官を国外追放した時期に起きていた。ロシアが国家としてハッキングを支援したというこの主張は決して証明されていない。

ワシントン・ポストの報道の仕方は、ロシア ウラジーミル・プーチン大統領が、12月29日に発表されたオバマの経済制裁には応酬せずに、アメリカ人の楽しいクリスマスを祈ると答えることを選んだことに、アメリカ諜報機関当局者は驚愕したというものだ。

ボスト紙によれば、アメリカ諜報機関は、プーチンが予想外の対応をしたことの理由を調べ始め、彼らの推定上の答えを、フリンのロシア大使への電話で発見したのだ。フリンは、ロシア外交官に、退任するオバマ政権が課した新経済制裁は、トランプによって、しかるべく解除されることを示唆したとされている。

しかし、アメリカ諜報機関工作員たちは、遡及的なスパイの無作為探索などをするわけはなく、連中はフリンにずっと狙いを定めていて、ロシア大使とのこの電話会話を盗聴したという方が、ずっとありそうな筋だ。

今週、ワシントン・ポストが当てつけがましく書いている通り、オバマの経済制裁に対して報復的行動をとらないことで、トランプはすぐさまプーチンを称賛した。

ここで推論されているのは、トランプの指示の下で、フリンはロシア人との仲介者として行動していたということだ。

“現役幹部も元幹部も、ペンス[副大統領]は欺かれていたと考えてはいるが、フリンとロシア大使とのやりとり内容に関しては、移行チームの他の連中がそれを知っている中で、フリンが動いていた可能性も排除できない”とワシントン・ポストは報じている。

トランプ政権は、既に、国務省、外交政策シンクタンク、諜報-軍事機構や、彼らと足並みを揃える商業マスコミなどのワシントン既成支配体制の間で深刻な困惑を引き起こしてきた。11月8日の当選前と後における、ロシアとの関係を正常化するというトランプの公然の意図は、モスクワに対する敵意を醸成するというワシントン長年の地政学的-戦略的な狙いと対立していた。

トランプ・ホワイト・ハウスにおける、ロシアとの関係正常化の有力な唱導者だったマイケル・フリンが辞任に追い込まれたことは、トランプに対して、ロシアを巡って、アメリカの陰の政府工作員が与えた、大いに期待されていた打撃と見なすことが可能だ。

フリンが、おとり捜査にはめられたことにほとんど疑いの余地はない。唯一不思議なのは、彼がまんまとわなにはまったように見えることだ。

フリンの頭皮を剥いだトランプの政敵は、それでは止めない可能性が極めて高い。めざす本山はトランプ本人、敵国と共謀したかどでの弾劾で彼を大統領の座から追放することだ。

アメリカ・マスコミのフリンを巡る大宣伝は違法にロシア人と、接触する許可を彼に与えた人物としてトランプを糾弾する運動の始まりにすぎない。

特に彼の“友好的”ロシア政策が、モスクワへの敵意で夢中になっている権力者たちと食い違っていることを巡り、トランプに対するアメリカ陰の政府によるソフトなクーデターは、だいぶ前から憶測されていた。トランプ政権内部の無能さが、彼をホワイト・ハウスから追い出すという狙いのまさに思うつぼになっているように見える。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/15/flynn-head-rolls-trump-next.html
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大本営広報部が熱心報道することがらと中身と、小生の個人的関心、一致することはほとんどない。
最近では、その一つは「瑞穂の國記念小學院」と「塚本幼稚園」。大本営広報部、真面目に報じているのだろうか?
もう一つは、福島原発事故後の、母子避難問題。来月いっぱいで住宅の無償提供は打ち切られる。横浜イジメ問題は多少報じるが、そのもとになっている避難問題を、本格的に報じている大本営広報部、皆無なのでは?

そこで今朝の日刊IWJガイドの一部を引用させていただこう。

さて皆さん、昨日配信した岩上さんによる『ルポ母子避難――消されゆく原発事故被害者』(岩波新書)著者・吉田千亜さんインタビューはご覧いただけたでしょうか?日中の午後2時からという時間帯だったため、見逃した方もいらっしゃるかもしれません。動画は早速アップしたので、後ほどURLをご紹介します。

 初めてお会いした吉田さんは、すらりと長身で口調がとても穏やかな、とても素敵なお方でした。福島第一原発事故以降、避難を続ける方々から相談を受けることもあるそうですが、確かにずっと話をしていたくなるような、包み込むような雰囲気をお持ちの方でした。

 「うちの管轄じゃない」「そっちでやれ」と、国や県、自治体同士が責任を押しつけ合ってきた原発事故被害者支援。国も行政も自分たち避難者を親身になって助けてくれようとはしない、この6年の間、「自主避難者」の方たちはどれだけその冷たさを痛感してきたでしょうか。

 健康被害から守るために避難させた子供が、避難先でいじめを受けたという話もあちこちで聞きます。横浜では150万円という多額の恐喝事件も発生しました。原発事故がなければ起きなかったいじめ、差別、離婚、生活困窮や病気。理不尽な我慢を強いられ、それでも、なんとか奮闘してきた避難者の実態と本音を、記者として、また時には支援者として丁寧に聞き取り取材をしてきた吉田さん。昨日のインタビューでは、避難者の皆さんが置かれた厳しい現状を丁寧にお話してくださいました。

※2017.1.26「賠償金あるだろ」という脅し文句――被害生徒が最も訴えたかった言葉を教育委員会が「墨塗り」に! 150万円もの「恐喝」をいじめ認定すらしない横浜市と教育委員会に怒りの声!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/359083

 来月いっぱいで打ち切られる住宅の無償提供。政府の狙いは、自己決定権の理念を掲げる子ども被災者支援法の法理念を歪め、福島への帰還を半ば強制的に促すことにあります。しかし、福島へ帰っても居場所のない人もいます。

 期限まであと残り1ヶ月半を切ったというのに、次の住まいが決まっていない避難者もいて、なかには路上生活も覚悟しているという方もいるそうです。これは、国内における「難民」なのではないか。日本には「原発難民」という難民問題が存在しているのだ、という現実を、ぜひ、一人でも沢山の方にご覧いただきたいと思います。見逃してしまった方はこちらの動画記事でご視聴ください。

※自主避難者の「住宅無償提供」が2017年3月で打ち切りに!~路上生活も覚悟!? 『ルポ 母子避難』の著者・吉田千亜氏が岩上安身のインタビューで消されゆく原発事故被害者の実態を語る
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/363650

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コメント

小生は同意いたしませんが、その答えが正しいものであればと願います。

イラン核合意は中東和平を目指したオバマ政権の貴重な成果だったと思うのだが、トランプ大統領は選挙期間中から、なぜこの合意破棄を主張しなければならなかったのか?  この事がずっと疑問だったが、田中宇氏の最新の「国際ニュース解説」にその答えが見つかった。イラン核合意破棄はトランプ氏自身が大統領選で勝利するため、米共和党内で強い影響力を持つイスラエル右派を喜ばせるためだったらしい。当選が成った今、中東和平に不可欠なイラン核合意を再び生かすため、「合意破棄を主張するフリンを切った」という説である。正誤を判断するためには今後の成り行きを見守る必要があるが、私は軍産複合体の力を削いで多極的世界の実現を目指すトランプ政権に今でも期待している。 

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