焼酎六本
GWあけの7日(水)より倉吉の調査を再開した。今年は久びさ町並みに重点をおく予定で、いきなり河原町の連続立面図作成に着手した。昨年の若桜での居住環境実習(Ⅰ)の手法をそのまま活かした手描きの実測作図であり、詳細は明日以降、学生がレポートする予定。
作業を終わろうとしていた夕暮れ時、焼酎を1本を買おうという気になった。河原町の目玉は小川酒造さんである。主屋は登録文化財であり、奥には酒蔵もあるし、ハナレの茶室・庭園も見事だ。河原町の活性化にかかせないお宅である。清酒の醸造はすでにやめられたが、焼酎の製造だけ続けていらしゃるので、1本買って帰ろうと思ったのであった。じつは小川酒造の焼酎にはちょっとした想い出がある。
1997年だったと思う。研究所時代に『鳥取県の近代化遺産』に係わる調査をしていて、あのときももちろん小川酒造さんを調査し、その成果で当家は登録有形文化財になった。大きな犬がいたのを覚えている(すでになくなったと聞いて悲しかった。ただし、黒猫がたくさんいた↑)。調査を終えるにあたって奥様から焼酎2本を頂戴したのだ。たしかあのころ清酒の醸造をやめ、焼酎の試作に移行されつつあったのではないかと記憶する。その焼酎を奈良にもってかえって皆で飲んだ。美味しかった。そういう想い出もあって、焼酎に目がいったのである。
「何種類かありますが、どれにされますか」と問われた。少々悩んだ末に「蕎麦」を所望した。学生たちにはあと10分で作業を終えるように指示した。しばらく待って、奥様は大きな段ボール箱をもって玄関に帰ってこられた。なかに五本の焼酎が入っている。
①芋 ②ほし芋 ③麦 ④蕎麦 ⑤米