大原漁港「第二善助丸」乗船記
本当の船酔いを教えてあげる!。
えと、そんなの別に知りたくないとは思いますけど…。
久しぶりに船酔い体験をして来ましたので、そのご報告でーす。
実際の所、「第二善助丸」だったのか「第二喜助丸」だったのか、今となっては確認が出来ないのです。
デジカメの写真でも分かんない。
この船で、伊豆大島や青ケ島の方まで行ったりしてたんですって。
でも、今は燃料が倍以上に値上がりしていて、なかなか厳しいみたい。
往復で700リットル位は使うそうですし。
間違いなく魚が居るなら行くけれど、実際にはそうでもないから、採算が合わないそうで…。
ここ数年、私もかなりの回数フェリーに乗船して、あまり船酔いはしなくなったと思っていたけれど、それはとてつもなく甘かったのでした。
そう考えると、大型フェリーって、実はあんまり揺れないって思うのですよね。
船が弱いと思って心配している人も、フェリーなら、案外平気で乗船出来たりするかもっ。
…なんて、無責任なことを書くと、恨まれちゃうかな?。
船は揺れます。
寄せては返すのが波なんですもん、その上に乗っている船が、揺れない訳はありません。
だから、当然船酔いもします。
釣りやホエールウォッチングの体験記を読むと、船酔いでダウンする話が頻々と出て来るので、内心おやおやと思っていたけれど、それも無理は無いって、つくづく思い知った私なのでした。
というわけで。
実は乗船記でも釣行記でも無い体験記、はじまりはじまり。
写真は全く撮っていません。
そんな状況じゃありませんでしたもん。
少しだけ撮った写真を見た友人には、そんなに大した波じゃ無いよね、なんて言われてしまったけれど…。
だから、船酔いしてたって言ってんだろーが!、そんなときにポケットからデジカメ出してシャッターを押すのが、どれだけ大変なことか知らないくせに!。
あわわ(^^;。
実際、ピークのときの写真なんか、とても撮れませんよお。
落ち着いたときにだけ、なんとか。
まずは、今回の旅の経緯から。
月曜から、フェリーさんふらわあのスタンプラリー特典を使って、友人と北海道へ行くことになりました。
そのつもりで休暇を取っていたのですけど…。
船社への申し込みが遅過ぎて、乗船券の手配が間に合わなくなってしまったのでした。
あらら…。
秋に車で北海道を回るなら、今の時期がラストチャンスだったのにい!。
相変わらず、段取りが悪いのですよ。
その代わり、漁船をチャーターしてヒラメを釣りに行くので、乗ってみませんか?、なんていうお誘いを頂いて。
あ、それは楽しそう!。
てことで、即決でヒラメ釣りに同行することが決定したのでした。
船釣りは完全にシロートなんですけど、お邪魔で無ければ。
釣り道具は、引っ越しのときにみんな捨ててしまったし、装備はどうしようかな。
そしたら、長靴とカッパとクーラーだけ持って来れば、他は全部用意しておいて貰えるんですって。
すいません…。
ていうか、クーラーも別に要らないような気がしますけど(笑)。
ネットで事前に下調べをして、ヒラメ釣りのことを把握します。
餌はイワシの生き餌を使うんだあ。
アタリの取り方とか、結構難しそうだし。
大丈夫かなあ。
偶然、会社の上司に大原出身の人が居たので、船のこととかも聞いて。
船酔いとか、やっぱりするのでしょうか?。
する、って即答されちゃいました。
本職じゃ無いとはいえ、何度も魚船に乗ってる地元の人でも船酔いするんじゃ、これは覚悟しておかないと…。
午前0時半、友人に車で迎えに来て貰って、船橋から大原に向けて出発です。
今朝は4時起きで会社に呼び出されちゃったりしたので、寝不足でふらふらだあ。
体調は最悪。
頭痛いよお。
何だか、乗船する前から船酔いみたい。
なんて、港に着く頃には、復活してましたけどね。
やっぱり楽しみだもん。
四街道で別の友人を拾って、大原には3時15分頃の到着になりました。
待ち合わせは4時半なので、車内でちょっとだけ仮眠。
酔い止めの飲み薬を忘れずに飲んで、と。
甘いような、ヘンな味…。
酔い止めの薬を飲んだのって、実は初めてだったりします。
約束の時間になって、引率の方と合流したよ。
実は、学生だった頃のアルバイト先の方なんですよね。
その会社を定年で退職して、趣味の釣りを楽しんでおられます。
同行の友人も、みんな当時のアルバイト仲間なの。
他にも誰か居るのかと思ったら、全部で4人だけ。
それでこの漁船を貸し切りだなんて、凄いなあ。
それじゃ、荷物を積み込んで、出港の準備をするよ。
タックルは、ネットで調べたのと同じだね。
ハリスの号数とかは、さっぱり分かりません。
船長と引率者任せなのです。
あ、引率者のことを船長は「大将」って呼んでいたので、私も大将って表記することにしますねん。
程なく、業者さんからイワシの生き餌が届けられました。
無線を聞いていたら、今日の大原は風速4メートル、波高3メートルですって。
いつものフェリーなら、別にどうってことのない数字なので、私は聞き流していましたけど…。
風速4メートルって、結構強いよ。
波高だって、冷静に考えてみたら、私の身長の倍近くあるんですもん。
午前5時前に、出港。
エンジン音が、何だかキハ40みたい。
みんなでともに集まって座ります。
船室なんか有りませんもん。
ここなら波や飛沫を被らずに済むんですって。
あ、本当だあ。
大原の港外に出た途端、大波です。
波の高さが、自分の目線よりもずっと上の方で…。
一瞬、波しか見えなくなります。
ジェットコースターのように、どん!どん!と乗ったり降りたり。
その中を、船はエンジン音も高らかに、盛大な波の中を突き進んで行って。
これは凄い。
これが漁船なんだあ。
と、私達は感心していたのでした。
太東埼灯台を左手に見つつ、もっと遠くの沖合いまで行くみたい。
この時点では、船酔いなんて全くしていなかったので、私は船に強いんだあ、なんて勘違いをしかけました(笑)。
午前5時半前、ポイントに到着したよ。
きっちり5時30分にならないと、竿を入れちゃいけないっていうのがお約束なんですって。
時間になったので、さあ、始めますかあ。
との声に呼ばれて、立ち上がって、ともからおもへと移動したら…。
頭の中がぐるんぐるんと回って、その場にへたりこんじゃいました。
うげ。
立ってられない…。
まさに、like a merrygoround。
と、同時に、猛烈な吐き気が来たですよ。
あ、船酔い、だあ…。
胃の中には何も入っていなかったらしく、胃の中身をリバースしたりはしませんでしたけど…。
3、4回もえづいてしまう私なのでした。
そしたら、少しは楽になったみたい。
のろのろと竿を受けとります。
船酔いの薬、全然効いて無いじゃん。
あ、でも、効いてるから、この程度で済んでるのかな?。
何処でえづいても、吐く場所には困らないから、それなりに気は楽なのですよー。
そういう問題じゃありませんけど。
二人の友人は平気そうなのが悔しいな。
でも、本当は似たような状態だったそうで…。
船長も言っていたけれど、船酔いは気の持ちようも大きいって思うのです。
普通の人なら、船酔いしちゃうと、バタンと倒れて、もう全てが嫌になって、早く陸に戻りたいって、それしか考えられなくなっちゃいますものね。
でも、私達は普通の人じゃありませんから…(笑)。
友人は、船旅好きとして、船酔いに挑戦する気満々だし。
もう一人の友人は、意地でもヒラメを釣るっていう、そのやる気が全てを支えているみたい。
私にしても、こんな美味しい状況、滅多に体験出来ることじゃないし、石にでも竿にでもしがみついて、最後まで付き合っちゃうんだから!。
ある意味、前向き100%な人達なのです。
簡単に釣り方の説明を受けて、竿を入れます。
船は停まっていても、波はざぶさぶ高くって、揺れること揺れること。
木の葉みたいって、こういうことを言うのかなあ。
じゃばっと体に波を被ったりとかもして。
油断なりません。
ヒラメ釣りは、仕掛けを投入したら、後は基本的に待つだけなので、一番楽な体制を取って、竿先をしっかりと見ます。
下手に立ち上がったり動いたりすると、猛烈な吐き気が来るんですもん。
近くを見るより遠くを見た方が船酔いしない、なんて話もありますが、それは別に関係無いみたい。
どっちでも症状への影響はありませんでした。
そうこうするうち、大将に早速アタリが来て、ヒラメを釣り上げます。
凄いなあ。
流石だなあ。
と感心していたら、私にもアタリがあり、せっせと巻き上げてみたら、でっかい魚が掛かっていました。
イナダですって。
サイズは30センチ位。
私にしてみれば、こんなでっかい魚を自分で釣ったというのが驚異なのですが、船長や大将の反応は、イナダかあ、みたいな感じだし、今回の目標はあくまでヒラメなのですねん。
ともあれ、素人でも魚が釣れるのは分かって、これでみんなやる気が出たよ。
私もいそいそと2投目を…。
しようとしたら、また何度もえづいてしまって、暫くイスに突っ伏していたのでした。
はあはあ。
と、とりあえず、落ち着いた、かな…?。
この先、もういちいち書きませんけど、15分に1回位のペースで、こんな状況になっていました。
2時間後辺りがピークで、今度は胃液をげろげろ吐き出したりとかして。
すいません、キタナイ話で…。
波が高いと言っても、釣りが出来る位だし、実はこんなの当たり前なのかもしれませんけどねー。
素人には驚きの連続なのですよお。
針をまるごと取られてしまったりして、ここにはフグも居るみたい。
にしても、私にはアタリが殆ど全く分かりません。
重りの重さも把握出来て無い位ですし。
すると、左に座っていた友人が、立派なヒラメを上げました。
わ、凄いなあ。
羨ましいぞ。
その後は何も釣れなくなって、釣り場を移動。
ヒラメは自分であちこち泳ぎ回るような魚では無いので、船の方で移動しなくっちゃいけないのでした。
この後も、無線で僚船と連絡を取ったりしつつ、あちこち移動して。
お昼が近くなっても、船酔いは続くし、ちょっとだけ横になって、気持ちの悪さをやり過ごします。
陽が差して来たら、暖かくなったね。
風がちょっと冷たくて、寒かったんだもん。
日なたぼっこ。
まあ、これでこれで悪くはありません。
気分は最悪なんですけどね(笑)。
喉が乾いたけれど、とても持って来たジュースを取りに行くような余裕がありません…。
細かいことをするのがかなり苦痛で、餌付けまで船長にやって貰っちゃいました。
それを投げ込んで待ってるだけって、これで釣りと言えるのでしょうか。
かなり微妙な感じが…。
私はと言えば、頭の中で、何故かこどものじかんのED曲である「ハナマル☆センセイション」のメロディーがぐるんぐるんと回っていたのでした。
さすが、大将はコンスタントにヒラメを上げてるみたい。
左隣りの友人は、ヒラメを3枚とイナダを2枚上げました。
凄いなあ。
さすが、船酔いレベルが一番低かっただけのことはあるです。
右隣りの友人は、坊主。
お気の毒に…。
船酔いのレベルは、私と同じ位だったのにね。
あ、一度、1メートル位のサメが針掛かりしたんだって。
私はどんなサメなのか見たかったけれど、サメなんか引き上げても始末に困るので、船長が糸を切ってしまいました。
12時過ぎに、船長から終了の合図がありました。
あ、もうちょっと釣りをしていたかったかも。
私は結局ヒラメは釣れず、イナダを2枚。
でも、楽しかった。
後半、殆ど倒れながら竿を上げ下げしていたのは内緒です。
実際、最後まで船酔いは回復しなかったなあ。
船長が気さくな方で、色々とお話をして下さったのですが、私の体調がアレなので、あんまり会話は成立しませんでした…。
残念です。
港へ戻る30分は、またともに座って、と。
移動中は結構平気だったみたい。
停泊している方が、船酔いの症状は酷かったかも。
まあ、じっとしてないせいもあるのでしょうけど。
無線によると、釣り人が船から海に転落した事故があったみたいだけれど、ライフジャケットを着ていたので、無事に救助されたみたい。
海は色々と危険なこともあるし、しっかりとした対処は必要なんですよね。
というわけで、大原港に戻って来ました。
やっぱり、陸はいいですねー。
地面が大好き。
んー♪。
釣ったお魚は均等に分けて貰って、私もヒラメを頂きました。
実家に持って帰って、捌いて貰おうっと。
大将と船長には、本当に色々とお世話になりました。
いつかまた、宜しくお願いしますです。
あんなに船酔いしたのに、また船に乗るの?、と聞かれたら、答えは当然イエスです。
だって、いつか船酔いは克服したいって思うし。
釣り自体は楽しいし。
まあ、最低、1ヶ月は遠慮したい所ですけどね。
と、下船直後は思ったのに、1週間経ったら、すぐにでも乗ってもいいかな、なんて。
同行した友人は、次は1年後かな、なんて言ってましたけどねん。
帰りの車に乗ったら、また現実に引き戻されちゃいました。
四街道で車を降りて、私は電車に乗り、仕事のお客の所へと。
へとへとに疲れたので、千葉から東京までは、総武快速のグリーン車で。
すやすや…。
それでも、他の部署の人間との待ち合わせに40分遅刻した上、潮臭い髪のままでお客の所へ行くハメになったりとかして。
すいません…。
さあて、ヒラメとイナダ、どうやって食べようかなあ。
あ、肝心の獲物の写真、撮っておけば良かったね。
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