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アメリカの「失望」声明に「遺憾」の意の表明を

12月26日、安倍首相は靖国神社に参拝し、その後次のようにコメントを発表しました。

『靖国神社参拝はいわゆる戦犯を崇拝する行為であるとの誤解に基づく批判がある。中国、韓国の人々の気持ちを傷つける考えは毛頭ない。靖国神社に参拝してきた歴代の首相と全く同じ考えだ。 母を残し、愛する妻や子を残し、戦場で散った英霊の冥福を祈り、リーダーとして手を合わせることは世界共通のリーダーの姿勢ではないか。これ以外のものでは全くないと、これから理解してもらう努力を重ねていきたい。
 日本は戦後、自由と民主主義を守り、平和国家としてひたすら歩んできた。この基本姿勢は一貫しており、一点の曇りもない。これからも謙虚に礼儀正しく誠意を持って説明し、対話を求めていきたい。』

 この安倍首相の国家のリーダーとしての理性的で毅然たる説明に対して、アメリカ大使館は、即と言うタイミングで声明を出しました。

 『日本は大切な同盟国であり友好国である。しかしながら、日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。
 米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する。
 米国は、首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する。』

安倍首相・靖国参拝2

 かなり事前ではなく直前に通告したと考えられますが、アメリカ大使館は本国政府と慎重に打ち合わせる時間的余裕はない中で、異例の声明を出しました。他国の首相の発言に対して、公式に「失望」を表明するとは、外交儀礼に反します。その上「過去への反省」とは何一体何事か。他国の首相に対して無礼きわまりない。アメリカも民度において中韓と同列か、あるいは日本を無意識に保護国と見ているのでしょう。

 宮崎正弘氏によれば、ワシントンの本省では、サキ報道官が「在日大使館の声明を読んで下さい」と言っただけで、公式的に声明の追認をしていない、ホワイトハウスは沈黙したまま、従って外交素人のケネディ大使の暴走のようです。しかしオバマ政権の対日雰囲気を背景にもった発言なのでしょう。

 結果としてアメリカは、中韓に対して日本非難をもっとやれ、言ったのと同じことになりました。外交音痴なのか、本音なのか。

 如何に無礼であるかは、アメリカのアーリントン国立墓地に置き換えれば、どのようなアメリカ人にも分かることです。アーリントン国立墓地にオバマ大統領が政治的行事で戦死者への慰霊の参拝をする、それに対して日本政府が、いいとか悪いとか、原爆を落とし東京を焼き尽くしではないか、その反省もなしに参拝するのか、などと言ったら全てのアメリカ人は、烈火の如く怒るでしょう。日本人の今の気持ちは、単純な比較で同じことですよ。これにより嫌米派が広がっていきます。いいのですか、キャロラインさん。

 渡部昇一先生は、「靖国神社参拝は日本人の宗教的感情と行為であり、これを批判するのはウェストファリア条約に違反した野蛮国がなすこと、軽蔑するほかはない!」と言っています。(渡部昇一『自立国家への道』(到知出版社)

以下、宮崎正弘氏のMLよりの紹介です。
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 他国の宗教に介入するのは野蛮国である」とする基調で貫かれている本書は、ウェストフェリア条約の基本精神を演繹されている。
 ヨーロッパは十七世紀の宗教戦争の結果、1648年にウェウストファリア条約の成立をみたが、これは「他国の宗教に介入してはならない」と規定している。
 以後、先進国はこの規定を守り、内政に干渉することはあっても宗教には一切干渉することはなくなった。
 しかるに最初に条約をヒトラーがやぶり、ついでマッカーサーが規定を無視して日本に神道指令を押しつけ、「戦勝の勢いに乗って靖国神社を焼き払おうとした」こともあった。
 三つ目のウェウストファリア条約違反は、いまの中国と韓国による靖国参拝批判だが、これは野蛮国のすることだ。

 靖国神社問題は純粋に宗教の問題です。先祖、先人の霊を慰め供養するというのは、長い歴史と伝統によって培われた日本人の宗教的感情であり行為です。国のため命を捧げた人々を慰霊する靖国神社参拝は、この日本人の伝統的宗教感情の発露に他なりません。中国と韓国の剥きだしの対日批判は、日本人のこの宗教行為に手を突っ込み、伝統を破壊しようとしている、ということです。こういうのを野蛮というのです。従って、こういう国は軽蔑する他はありません。
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 しかし軽蔑だけしていればよいことにはなりません。何もしなければ、日本は「野蛮国」に舐められ、名誉が傷つけられ、国民精神が萎えていきます。毅然と対抗していかなければなりません。

 安倍首相は、「痛恨の極み」を晴らすために、現実的な布石を着々と打ってきました。以下、宮崎正弘氏のMLからです。
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・4月14日には硫黄島を訪れ、滑走路にひざまづき、滑走路の下に眠る英霊に合唱し。そして滑走路の移転を決断した。
・4月28日の主権回復の日には、初めて政府主催で記念式典を開催した。
・8月13日には、郷里山口県に帰郷中に、萩市の松陰神社を参拝した。宮崎正弘氏は、次のように述べます。

 『「15日の靖国参拝はできないが、国民の皆さん、悟って欲しい」というメッセージだろうと考えた。松陰は誰もが一致して思う日本の愛国者の代表格。革命家、維新の先駆者として広く尊敬を集め、萩でひらいた松下村塾に集った木戸、高杉、伊藤らが明治維新の主人公となって、日本の変革を導いた。
 終戦記念日の直前に靖国神社ではなく、安倍首相が松陰神社を訪れた意味は、深い国民へのメッセージだった。』

・11月23日、シナは突然「防空識別圏」を設定した。その半月後の12月13日、日本はASEAN首脳10カ国を集めた日本・ASEAN特別首脳会議で、安倍首相は「空の安全ルール」を共同声明に盛り込んだ。ASEANは「強い日本」を希望していたのだ。
・12月23日、南スーダンの韓国軍へ、弾薬1万発を提供したが、韓国政府は感謝どころか、「日本は政治宣伝に利用した」と日本を非難する始末だ。
・12月24日には、絶対に先延ばしできない26年度予算案を閣議決定した。
・そして12月26日、毛沢東生誕 120年祝賀行事の日に、靖国神社参拝を行い、絶妙のタイミングで「痛恨の極み」を見事晴らしたのだ。
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 安倍首相は、政治の現実を見ながら、誠にしたたかと言うべきです。そのしたたかさを以て、アメリカの「失望」声明に対して、日本は毅然として「遺憾」の意を表して欲しい。しかし中韓からは日米離反ととられてはならない、その現実の舵取りを安倍首相には是非果たして欲しい。

 26~28日の折からのネットでの安倍内閣支持に関する意識調査では、投票者8万6千票に対して、支持が80%を超えています。
 http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/10606/result

 マスコミのマイナスキャンペーンとの乖離が明らかです。国民は圧倒的に今回の靖国神社参拝を支持しています。安倍さん、どうぞ毅然とアメリカに遺憾の意を表て下さい。そして「日本を取り戻す」に邁進して行って下さい。新年を迎えるに当たって陽光が差してきたように思います。期待しています。
以上 

(うまし太郎)

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未分類 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2013/12/28 20:34
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