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NHK「歴史探偵-信長・秀吉・家康 神への道-」放送後

 6月30日午後10時半より表記の放送がありました。普段は早寝する家内が起きていて、生で視たいという。私は恥ずかしくてね。こういうのは、だいたい録画して自分と関係あるところだけを視るようにするのですが、なかなか駆け引きがありました。夫婦でチャンネルの奪い合いになり、報道ステーションとNHKをいったりきたり。「もういいよ、さっさと寝ろよ」とせかすのです。家康の部分が長くて、家内は睡魔に挫け寝室へと去る。その直後、チャンネルを変えると、私が画面に映っていて、急ぎ奥を起こして番組を視ました。今回、わたしは岡垣くんの保護者的役割で、画面には映っていましたが、コメントは10秒あまりでしたか。本当はもう少し話していたんです。密教や禅宗では、すでに塔(仏舎利)の中心性はなくなっているから、境内の端におかれるのは当たり前であり、とくに意識的な配置ではない可能性があるし、摠見寺本堂は現存しないのだから(礎石のみ残存)、その高さは推定でしかなく、三重塔より高い位置にあったと確実に言えるわけではない、というふうに釘をさしたんですが、番組のストーリー上、そういうやや否定的な情報はないほうがいい。番組ではキリスト教が絶対神たる「盆山」に影響しているということでハッとさせられましたが、あれも歴史的に正しいかどうかは分かりません。
 岡垣くんを中心に研究室が制作したCGの著作権がやや曖昧でしたね。おそらく視聴者はNHKの制作と思ったことでしょう。事実、放送後にある人物から電話があり、感想を頂戴したのですが、CGは我々が作ったものだと言ったら驚いてましたからね。あのあたりは、番組制作側に一工夫ほしかったところです。

 驚いたことに、番組終了後、電話が鳴ったり、メールが届いたりして、少なからず反響がありました。「続き」に1年生の感想文をアップしておきます。無難な出来だったと思います。NHKに感謝申し上げます。


《学生感想》
 私の祖父も父も歴史好きであり、家族そろって「歴史探偵」を拝見させていただ きました。内容に関しては、私は次のように解釈しました。
 木曾路名所図会から岡垣さんはCADを用いて摠見寺本堂を復元しました。2階部分にある盆山(信長)の化身)を外から見える形でまつっており、なぜ信長は石を2階にすえたのかという疑問から話が始まりました。そして、境内につくられた三重塔に視点を移しました。本来、仏様の遺骨をまつり、中心的存在を表す場所である三重塔が、総見時の場合は本堂よりも低い位置に建立しているということ を見出しました。そこで、信長は摠見寺の境内にある諸仏よりも高い位置に自分がいることを示したかったという意図があったのではないかと分析しました。その結果、本題の「信長が神になろうとした理由」の結論が出ました。それは、神になることで仏教勢力よりも上だということを信長は示したかったからです。
 私も岡垣さんのように、研究を行う際には「なぜ?」に対する問いに対し、説得力のある手がかりを掘り下げて、探し出せる人になりたいです。
 長文失礼しました。とても興味深い内容で勉強になりました。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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