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中部地震被災地行脚(2)-倉吉河原町

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未指定・未登録建造物に支援を!

 倉吉市河原町の旧小倉家住宅・土蔵については、この春から研究室をあげて調査を進めてきたが、事態は深刻である。後期になって2回めの調査をしたのが10月12日(母の命日になった)、その後まもなく10月21日に地震が発生し、土蔵の白壁の一部が崩落し、屋根瓦がずり落ちて、いまはブルーシートで覆われている。五叉路周辺で被災し損傷したのは旧小倉家の土蔵だけだったという。傷みは比較的軽微なものであり、現地から入ってくる情報も「取り壊す様子はない」というものであった。


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 しかし、現実はちがった。見舞金をもって参上した18日、家人の表情には翳りが垣間見える。気持ちが揺らいでおり、それはこちらにも伝染した。見舞金を受け取ってよいものか、逡巡された。わたしと会長は、これからも支援し続けますので・・・と懇願した。言葉だけではいけない。行動をおこさないと信頼をかちえない。
 見舞金をお渡ししたのは、ひょっとすると、わたしたちが最初であったのかもしれない。近隣に住んでこの土蔵を守りたいと思っている人は少なくないはずだ。しかし、近隣居住者もまた被災者である。他人を支援している場合ではない。その感覚は、おそらく東部・西部の県民にもあって、被災地支援に対する意識が東日本地震や熊本地震に比べて弱いと感じるのは私だけであろうか。


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 たとえば、コンビニのレジには募金箱がない。石原軍団やジャニーズなどの炊き出し支援もない。ボクシングジムで会った県の文化財関係者に被災地支援のチャリティをやっているのか、と問えば「ノー」。これだけないないづくしでは、壊れかけた建造物を維持しようという気力が湧かないのも無理からぬところであろう。
 とくに旧小倉家住宅・土蔵のように、指定も登録もうけていない歴史的建造物はきわめて危険な状況におかれている。国および自治体の文化財担当行政官は、指定・登録済みの物件だけでなく、未指定・未登録の価値ある建造物にもしっかり目をむけて対策を練っていただきたい。もちろん我々も支援します。やれるだけのことはやるので、自治会や自治体、政府もまたこういう不安定な状態におかれた多くの建造物に対してなんらかの対策を講じていただきたい。お願いします。


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↑登録文化財「大店会」(白壁倶楽部)休館中 ↓仮店舗「夢倉」
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墓地の状況(地震研究者必見)
 

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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