縄文-建築考古学、再び(5)


定住開始期の屋根材をどう考えるか
群馬のからっ風は冷たい。上左の写真には寒さが映っているでしょう? 西鹿田中島遺跡の整備は順調に進んでいる。こんなに風が冷たいと、順調に進んでいようといまいとどうでもよくなるね。早く屋内に戻りたい。
そういえば、出張先では地名のわかる証拠を写しこんだ地鶏写真が必要なのであった。前にも述べたように、ガラケー&一眼レフでは地鶏不可能なので、今回は舎弟に撮影をお願いした。上右の写真をクリックしてください。わたしは群馬県みどり市に所在する国指定史跡「西鹿田中島遺跡」の整備現場をちゃんと訪問しております。この問題について、少し考えなおしたんだけど、GPSデジカメが有効に機能するんじゃないでしょうかね。緯度・経度情報が写真に付加されるわけだから、地名を写しこむ必要がなくなる。マカオにもっていって試してみよっ。

整備委員会は12月10日(土)に岩宿博物館で開催された。その2日前に2棟めの復元住居が試作されている(小生不参加)。必要な鹿なめし革の枚数を把握するための実験的復元であり、規模は1/2とされた。その結果、やはり原寸の場合、鹿革は100頭分必要であることが判明した。これについては、結構風当たりが強かった。問答を再現しておきましょう。
問: いくらなんでも1棟100頭の鹿っていうのは多すぎるんじゃないですか?
答: 博物館の庭に展示してあるグラヴェト文化(ウクライナ↓)の後期旧石器時代住居
はマンモス100頭分の獣骨を使っているんですよ。旧石器時代というのは狩猟社会なん
だから、毎日のように鹿を捕って食べていたにちがいない。狩猟を最も重要な生業として
いる場合、100頭分の革や骨をためおくのは難しいことではないはずです。
この問題について、地元の委員から「現在でも毎年100頭以上の鹿が捕獲されるので、それだけの革を提供することはできる」という心強い助言を頂戴した。

ウクライナ・グラヴェト文化(約2万年前)の住居復元レプリカ@岩宿博物館