年の瀬
- 2010/12/31 15:03
- Category: bologna生活・習慣
今年も残り1日。今日の晩を境に新しい年が始まると思うと不思議な気分だ。これは今年に限ったことではなく、私がまだ小さかった頃からこの日になると必ず思ったことで、言うなれば恒例の行事みたいなものである。昨日は相棒と旧市街へ出掛けた。新しい年を向かえる前にしておきたいことが幾つかあって、そのひとつが新しい銀行口座を開くことであった。今までも口座は持っていたけれど、別の銀行に口座を移したいと前々から思っていたのに延ばし延ばしになっていたから、これを年内にどうしてもしておきたかったのである。それで冬休みというのに早起きして銀行へ行った。私が予想していた通り今度の銀行はなかなか良い。話が明快で仕事が早い。その上お客さんをお客さんとして扱うところが益々良い。これは実に当たり前のようであって当たり前ではない。イタリアではなかなか手に入らない感覚なのだから、大切にしたいものである。長々と銀行の人と話をした後、相棒と別れて更に街の中心へと歩いた。街中では早くも冬のセールが密かに始まっていた。ショウウィンドウにこそ大きな表示は無いけれど、店の人に訊くと何処でも割引をしてくれる。何軒かの店を冷やかしながら歩いているうちに13時になった。さあ、髪を切りに行こう。すっきりと奇麗な頭髪で一年を終えて新年を迎えるのは気分が良いに違いない。これも新しい年を向かえる前にしておきたかったことのひとつであった。店が開く時間だからまだ人が居なくていいだろう。そう思っていたのに列が出来ていて驚いた。10番目だった。多分皆同じなのだろう。つまり、奇麗な頭髪で一年を終えて新年を迎えるプランのことである。長々と待たされたが期待以上の仕上がりで、髪の切り手も切って貰った私も上機嫌だった。一足早い新年のお祝いのキスをして店を出た。Via Ugo Bassi にでると先程より人の波が大きくなっていた。その様子は日本の年末を思わせるような、何か懐かしいような忙しないような風景であった。それにしても疲れた。二本の塔から真っ直ぐ伸びる大通りから一本入ると其処にはいつもののんびりとしたボローニャがあった。私は数年前足繁く通った小さなバールに入ってカップチーノを注文した。飛び切り熱くしてね、と言葉を添えて。最近足が遠のいてしまったが、やっぱり此処のカップチーノは美味しい。そんなことを店の人に話しかけると、店の人はまた時々くるといいさ、と言った。そんなことを今日は一日家の中でぐずぐずしながらぼんやりと思い出した。ぐずぐずしているのは風邪を引いたからだ。理由は簡単。昨日美容院でかっこいい髪型にしてもらったので帽子も被らずに街をうろついていたからだ。まあ、宜しい。どちらにしても今日は家に居る予定だったのだから。さあ、残り後9時間。来年に持ち越しはこの風邪だけにして、後のことはすっきりと片付けてしまわなくては。最後の日にばたばたしているのが自分らしく、来年もこんな調子なのだろうと苦笑する。それにしても大晦日に相応しい好天気。今年もお付き合い有難うございました。誰もが気持ちよく今日を終えることが出来ますように。そして風邪にはくれぐれもお気をつけて。