朝から忙しい土曜日
- 2025/01/18 19:19
- Category: bologna生活・習慣
今日は朝から忙しい土曜日。7時に起きて朝食を済ませるなり活動開始。相棒と一緒に寝室のあれこれを新しくすること2時間。疲れたなあと思いながら家を出た。
何故だかすることが詰まった一日になってしまった。それもあれも此れも14時までに終わらせることばかり。折角の土曜日なのだからもう少しのんびりしたかったけれど、此れを全てやっつけてしまえば、残りはしたいことだけすればいい週末。最近バスと相性が良くない。寒風の中、停留所でバスを待つのが辛い。そしてやっと来たバスは大抵混んでいて、混んだ場所が嫌いな私はバスに乗るをの諦めてしまう。だからまた停留所で次のバスを待つ。ところが今朝は違った。確かに随分待ったけど、やって来たバスは空いていた。途中で乗車券の検察をすべく、バス会社の人が3人乗り込んできた。面白いのは乗車券を持っていない男性が自首したことだ。まだ乗車券の提示を求められていないのに、すみません、僕は乗車券を持たずにバスに乗りました、と。
彼は土曜日の午前中によく一緒になる、歳の頃は40を超えたくらいの、首や顔、腕にも小さなタトゥを沢山いれて、髪を微妙に刈り上げた、一見怖そうな感じの男性。顔つきも怖い。何か悪いことをして一度くらい警察の世話になったに違いないとか、麻薬などに一度くらい溺れたに違いないとか、私はそんな風に想像していた。兎に角そんな風帽だから、誰もが彼と目を合わさないようにしていた。だけど私は知ったのだ、彼が優しくて親切なことを。12月だっただろうか、彼が座っていたら小さな老女がバスに乗り込んできた。小さくて細くて転んだらぽっきり折れてしまいそうな、可愛い笑顔の老女。その姿を見るなり彼がさっと立ち上がった。シニョーラ、此処に席が空いていますよ。その言葉を耳にして、周囲に居た誰もが驚いたようだった。若い人たちや元気な男性達は誰も席を譲ろうとしなかったのに、彼が立ち上がって席を空けた。老女は彼に大変感謝して、あなたは優しいのねえ、と言うと彼は酷く照れて、もうすぐ降りるからなんて言った。でも降りなかった。終点までずっと隅っこに立っていたのを私は知っている。あの日から彼への印象が変わったのは私ばかりではないだろう。それで、その彼が乗車券を持たずに乗車したことを自首したのである。これには検察員も驚いた。大抵の人は持っていないことを隠したり胡麻化したり、逆切れするのに。だから検察員は彼に好意的で、あっという間に手続きが終わり、彼に礼などを言ったものだから、見ていた人達の顔に笑みが浮かんだ。
ボローニャが勝った。サッカーのセリエAの話である。昨年好調だったボローニャだが、今年はどうかなあ、今ひとつなんじゃないかなあ、というのが私の印象だった。勿論そんなことは相棒の前で言ってはならぬ。ツマラナイ言い合いや喧嘩になること間違いなしだからだ。そのボローニャが今日は3-1でモンツァに勝って、相棒は大変機嫌が良い。勝利の後の監督のインタビュまでしっかりテレビで見届けて、足取り軽く外に出ていった。行き先は言わなかったけれど知っている。近所のバールに違いない。あそこで知人たちと勝利の喜びを分かち合うのだろう。老いた母親の世話とかなんとか、色んなことでしたいことを存分出来ない相棒だ。こんなことで開放感や喜びを味わえるなら安いものだ。存分愉しんでくるのだよ。そうして今夜は機嫌がいいところで美味しい夕食を作ってくれるといいなあなんて、妻は思っているのだ。