大晦日
- 2009/12/31 17:48
- Category: bologna生活・習慣
静かな1日。皆が息を潜めて一年が通り過ぎていくのを待っているようだ、と思っていたら夕方になると人の動きを感じるようになった。皆が何処かへと急いでいる様子ような気配。主要道路は車の往来が激しい。むやみに車のクラクションを鳴らし、夜中を待ちきれないらしい子供達が数々の爆竹を鳴らす。イタリアは爆竹や花火を盛大に鳴らして新しい年を迎えるのが慣わしだ。一人で、若しくは恋人と2人で静かに新年を迎えるのも良いけれど、大抵は沢山の人達が寄り集まって賑やかに食事してワインを飲みお喋りしながらその瞬間を迎える。そんな風にして迎かえた年は大抵活気のある楽しい一年になるものだ。私がアメリカのあの町で初めて迎えた新年は、町の真ん中のスクエアに設置された大きなクリスマスツリーの下だった。予想以上の群衆の中だった。私と友人はもみくちゃにされてこんな所にきたことを酷く後悔したが、そのうちカウントダウンが始まって新年を迎えた瞬間に人々がシャンパンの栓を抜き、知っている人知らない人構わず近くにいる人同士が抱き合って新年を迎えた喜びを分かち合うと、ああ、やはりここに来て良かった、と思ったのだった。あんなクレイジーな新年の迎え方は後にも先にもあれっきりで、大抵は家で気の合う友人達とシャンパンを抜いて大人しく過ごした。イタリアでは何かにつけてPorta fortuna (幸運を招くこと)を好むけれど、一年の最後をこんな風に過ごすのも多分Porta fortuna のひとつなのではないかと思う。昨年のように静かに迎える新年も良い。しかし今年に限っては賑やかに思い存分お喋りして楽しく新年を迎えたい。今夜は私が暮らす町ピアノーロでも花火が何十と上がり数え切れぬほどの爆竹が鳴り響き、田舎町にしてはびっくりするほど賑やかになる筈だ。ボローニャ旧市街のPiazza maggiore では恒例のカウントダウンの為に恐ろしいほど沢山の人が詰め掛けてスプマンテ(スパークリングワイン)の栓を抜いて大騒ぎになるだろう。私はそんな旧市街からもピアノーロからも遠く離れた所にある友人の家で、持ち寄りの料理とスプマンテと喉がからからになる程のお喋りと笑い声で新年を迎えるつもりだ。Porta fortuna。一年を締めくくって新しい年を向かえる。新しく迎える年が楽しい一年になることを願って止まない。