魅力的
- 2022/07/31 17:33
- Category: bologna生活・習慣
教会の鐘の音が聞こえる。私が暮らす界隈には教会がふたつある。歩いて3分もしない場所に。家から見て北西と南東に。このふたつの教会の鐘が鳴る時間が重なることは無く、だからやたらと教会の鐘の音を耳にすることになる。上手くできているような気もするし、そうでないような気もするし。思えば世の中なんてどれもそんな感じなのかもしれない。考えようによっては上手くできていて、考えようによってはそうでなくて。7月最後の日は日曜日。其れがきりが良くていい感じに思えるが、他の人はどんな風に思っているだろう。
私は5週間おきに髪に手入れに足を運ぶが、その店にとても素敵な女性が居る。其の姿の良い美しい女性はまだ20代と若く、美容の仕事をしているからなのか美意識がとても高い。そして彼女はちゃんと知っているのだ、彼女自身が大変魅力的であることを。此れを世の中の人は自意識過剰とか自惚れと呼ぶのかもしれないが、5週間に一度しか会うことのない私からすれば、それはどうでも良いことなのだ。それよりも、5週間おきに会うたびに彼女の装いや雰囲気が異なり、私は何時も戸惑う。彼女は誰?新しい人?それともいつものあの若い人? 其れも声を聴くなり答えが出る。ああ、彼女だ、いつもの彼女。そもそも彼女はスタイルがよく、何を身につけても格好良いのだが、昨日はシンプルな黒いシャツに黒いパンツに、ああ、足元はどうかっただろう、兎に角動きやすそうだがきちんとして、とてもスタイリッシュだった。そして何が良かったって、彼女のヘアスタイル。潔いショートで、それでなくとも整った彼女の顔や首元が際立って輝いて見えた。上手い具合に彼女に言葉を掛けるチャンスがあり、あなたとても魅力的ねえ、と言ったところ彼女は大変喜んだけど、私だって嬉しかった、彼女を褒め称えることが出来たことを。美しい人たほかにも沢山居る。街を歩いているとハッとするような美しい人を見かけることも少なくないが、雰囲気、中から際立つような輝きを持つ人は、其れほど沢山ではないだろう。他の人に言わせれば、我儘で自己中心で自惚れでと色んな難点はありそうな彼女だが、そんなことが彼女を輝かせているのだとしたら、それはそれでいいと思う。女性はみんな輝いていた方がいい。誰だって内側に小さな輝くダイヤモンドを持っている。だけど多くの人は輝きを外に放つ方法を見つけることが出来ずにいるのだ。彼女は仕事を終えて私服に着替えると、店を出る前にちょっと私のところに立ち寄った。褒めくれて有難う、嬉しかった。と。我儘の自己中心で自惚れ屋だけど、嬉しいことを言葉に表現して礼を言うなんて、なかなか可愛いと思った。仕事帰りに友人と何処かに行くのだろう。紺地に白の水玉模様の涼しそうに揺れるドレスがよく似合っていた。きっと街を歩いていたら多くの人の目に留まるに違いない。次回はどんな姿で待っているのか。もともとこの店は大変好きだけど、店に行く愉しみがもうひとつ増えた。
私の茗荷は元気に育っているが、肝心の茗荷は実らない。もう少し先なのかもしれないし、初年度は実らぬ可能性が高いと聞いているから、不発に終わるのかもしれない。どちらにしても私のお気に入り。毎晩、水をくべ乍ら観察するのがどうしようもなく愉しい。