微妙な季節の匂い
- 2009/01/29 22:53
- Category: ご挨拶
今朝、空がすっきり晴れた。こんな空は何日振りだろう、と出掛ける仕度をしながら窓越しに何度も空を眺めた。外に出ると辺り一帯に霜が降りていて、まるで小雪が降ったかのように見えた。見ると気温は氷点下で、明るい暖かそうな空に反して空気は思いのほか冷たい。けれども良いのだ。こんな日は快晴になること間違いなしなのだ。直感したとおりの快晴。昼には10度を超えた。1月ももう数日で終わりなのだ。案外2月に入った途端、急激に暖かくなるのかもしれない。案外春はもう其処まで来ているのかもしれない。近頃のボローニャ辺りの日没時間は17時20分前後。この時間を過ぎても少し余韻が残る空は薄明るく、仕事帰りに旧市街に立ち寄ることにした。木曜日の午後とあって店の大半が閉まっていた。ボローニャの商店は大抵木曜日の午後が休みなのである。そのせいか町を歩く人も少なく、人混みが苦手な私にはうってつけの夕方だった。あの道もこの道も、春になったら散歩しよう。piazza maggiore 横の食料品店を冷やかし歩きながら、そんなことを考えた。何処も見慣れた風景だけど、小さな発見はあるものだ。ほんの少し目線を上げたり下げたりするだけで良い。それとも歩いて来た道をふと振り向いて見るのも良い。見えなかったものが視界にふと入り込む瞬間だ。重いコートと襟巻き、手袋の重装備だが、今までと違う微妙な季節の匂いを感じる良い夕方だった。
ボローニャはひと頃のようにマイナーな町ではなくなった。私がこの町に暮らし始めた頃とは違う。外国人も沢山居れば日本人も沢山いる町になった。勿論大きな町ローマやミラノとは比較にならなくとも。長年心の中で葛藤しながら暮らしたボローニャを自分の町と思えるようになったのは、ここ数年のことである。呆れるほど時間が掛かったにしてもそう思える日が来たことは、私にとって紛れもない幸運であった。
良い夕方だったので清清しい気持ちで閉じようと思う。遠くに暮らす家族や友人達に私の好きなボローニャのこと、この町での生活を知って貰おうと書き始めたこの雑記帖がこんなに長く続きくとは思いもよらなかった。何しろ怠け者で飽きっぽい私のことだ。半年、長くて1年続けば大したものだと思っていたら、途中で躓き転びながらも2年と2ヶ月書くことが出来た。この雑記帖に立ち寄ってくれた人達の声が、書く栄養になったのだと思う。雑記帖はこれでお終い。でも何が終ってしまう訳でもなく、私はこれからもボローニャに暮らして暇さえあれば散策を楽しみ写真を撮り、時と共に一歩ずつ前進していく。泣いたり笑ったり悩んだりを繰り返して、もっと大人になっていきたいと思う。時々ボローニャと聞いたらば、あんな町並みがあった、こんな裏道があったと思い出して頂けたら嬉しい。ついでにいつかご自分の目と足で確かめにに来て頂けたらば、もっと嬉しい。そして、有難う。最後のページの一番最後に皆さんに心からの感謝を捧げたい。また何時か、何処か違った形で。ごきげんよう。
ボローニャはひと頃のようにマイナーな町ではなくなった。私がこの町に暮らし始めた頃とは違う。外国人も沢山居れば日本人も沢山いる町になった。勿論大きな町ローマやミラノとは比較にならなくとも。長年心の中で葛藤しながら暮らしたボローニャを自分の町と思えるようになったのは、ここ数年のことである。呆れるほど時間が掛かったにしてもそう思える日が来たことは、私にとって紛れもない幸運であった。
良い夕方だったので清清しい気持ちで閉じようと思う。遠くに暮らす家族や友人達に私の好きなボローニャのこと、この町での生活を知って貰おうと書き始めたこの雑記帖がこんなに長く続きくとは思いもよらなかった。何しろ怠け者で飽きっぽい私のことだ。半年、長くて1年続けば大したものだと思っていたら、途中で躓き転びながらも2年と2ヶ月書くことが出来た。この雑記帖に立ち寄ってくれた人達の声が、書く栄養になったのだと思う。雑記帖はこれでお終い。でも何が終ってしまう訳でもなく、私はこれからもボローニャに暮らして暇さえあれば散策を楽しみ写真を撮り、時と共に一歩ずつ前進していく。泣いたり笑ったり悩んだりを繰り返して、もっと大人になっていきたいと思う。時々ボローニャと聞いたらば、あんな町並みがあった、こんな裏道があったと思い出して頂けたら嬉しい。ついでにいつかご自分の目と足で確かめにに来て頂けたらば、もっと嬉しい。そして、有難う。最後のページの一番最後に皆さんに心からの感謝を捧げたい。また何時か、何処か違った形で。ごきげんよう。